風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第113話  幌尻・七ッ沼・戸蔦別 その3 (我一人の楽園)

よも”ヤマ”話  第113話  幌尻・七ッ沼・戸蔦別 その3 (我一人の楽園) 〔北海道〕  '95・7

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エゾノハクサンイチゲ越しに
七つの沼の楽園を見下ろして

  七ッ沼カール ななつぬまかーる (日高山脈襟裳国定公園)
日高の主峰・幌尻岳周辺には山体上部に第四紀の氷期に形成されたカールが認められ、2007年に『幌尻岳の七ッ沼カール』として日本の地質百選に選定されている。 ナキウサギ、クマゲラなどが生息している大自然のおりなす楽園である。

そのカールとは正式名を圏谷(けんこく)と呼び、これは氷河時代に氷河によって削り取られた地形をさすものである。 そのカールが形成された氷期は新旧に大別され、古い方の氷期は 25~15 万年前といわれている。

この時期はポロシリ氷期と呼ばれ、この時期に幌尻岳の『七ッ沼カール』、『北カール』、『東カール』の 3 つが形成されている。 その3つのカールの中では『七ッ沼カール』が日高山脈最大のカールで、雪解け水や天水(雨水)によってカール内に沼を湛え、カールが七つの沼のように蒼く輝く事からこのように呼ばれている。

この『七ッ沼カール』は、日高山系屈指の絶景ポイントとして魅せられると共に、アイヌ民族の伝承が残る地として知られている。



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幌尻・七ッ沼・戸蔦別回遊ルート 行程図

   行程表   ※ 当時の若き日の体力を元に作成 今はこの行程表通りに行くのはムリ      
《1日目》 平取町・振内より車(1:10)→林道・振内ゲート(1:20)→北電・額平川取水ダム
     (2:40)→幌尻山荘
《2日目》 幌尻山荘(1:30)→命の水(2:30)→幌尻岳(1:30)→七ッ沼カール底
《3日目》 七ッ沼カール底(1:20)→戸蔦別岳(3:00)→幌尻山荘(3:50)→林道・振内ゲートより車
     (1:10)→平取町・振内
   ※ 前回の『第112話 幌尻・七ッ沼・戸蔦別 その2』の続き

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蒼く光る七ッ沼カール
に向けて下っていく

カール壁の上からは足を踏み下ろす度に崩れ落ちる石ガレの急坂が続き、最後は“スプーンでえぐった”ような雪渓の下降が待ち受けている。 しかも、周りを彩るお花畑、そして蒼く輝く《七ッ沼》や端正な三角錐の裾を広げる戸蔦別岳の景観と、カメラマン泣かせの好展望が足元に対する注意を散漫にさせるのだ。

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この地に咲く花はどの花も
花が抱く色いっぱいに光り輝いている

カメラを構えつつ下っていくと、“最後の雪渓”に取り付く。 雪渓の縁と岩肌はポケット状のクレバスとなっていて、取り付くのに苦労する。 やっとの思いで取り付いても、まだ油断は禁物。 この雪渓は、かなり急なのだ。

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下り着いて幌尻岳を振り返ると
下ってきたカール壁の急傾斜に
改めて唾を呑む

おっかなびっくり下っていって、ついには“尻セード”(決して、マネはせぬように)で、“憧れの地”に降り立つ。 幌尻岳の雪解け水を飲んで心を落ち着かせてから、地上の『楽園』・七ッ沼カール探勝をしよう。 めぐり歩いた七ッ沼の絶景は、到底ワテの拙い言葉では言い表せない。 なので、掲載写真にて語るとしよう。

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蒼い天然のサファイアの周りを
白い花々が宝石の如く
白い光を放ち輝きだす

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その白く輝く花の正体は
無数に咲くエゾノハクサンイチゲだった

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そのパラダイスの園に
少しだけ近づいてみる

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でもこれ以上足を踏み入れるのは
大自然に対して礼を失する気がしたので
ここを境界線としようか

沼の縁を飾るお花畑、ハイマツのトンネル、切り立ったカール壁、両脇にそびえ立つ幌尻岳と戸蔦別岳、白砂の“庭園”と可憐に咲くミヤマアズマギク、その一つ一つが素晴らしき“楽園”なのだ。

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可憐なピンク色を魅せる
ミヤマアズマキク

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白い宝石が無数に咲くエゾノハクサンイチゲなら
白く輝く真珠がこのアオノツガザクラ

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赤いルビーも競うが如く咲いていた
紅白に輝くまばゆい花の共演だ

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花と沼の織り成す楽園を越えると
七ッ沼最大の沼が見え出す

写真を撮りながら歩いていくと、眼下に七ッ沼カール最大の沼が現れる。 この沼の最大の入江は海の砂浜のようにサラサラの細かい砂粒の浜だった。 ここでテントを設営してもテントの底が埋もれてしまいそうなので、入江には立ちよらず次の浜を目指す。

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この大きな沼の砂浜を越えると
斜陽に陰り始めた戸蔦別岳が
正面に立ちはばかってくる

今日はカール底のお花畑を散策した後、カール底に形成された白砂の丘を2~3越えた所にある『七ッ沼カール』と言わしめた大きな沼の畔で、「我一人のパラダイス」の一夜の夢を紡ぐ事にしようか。
今日はここに幕営して、この“楽園”の主となろう。 今日一日、我一人だけの“楽園”となる。

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そして今夜一晩
楽園の夢を紡ぐ場所にたどり着く

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そこは花々が咲き乱れる
水と花のおりなす楽園だった

それでは、楽園の空がゆっくりと暮れていく様や、カール壁が夕刻の斜陽を浴びて艶めかしい色に染まりゆく絶景をごろうじろ。

染まりゆく楽園
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盟主・幌尻岳が
斜陽に染まり始める

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カール壁が斜陽で
艶めかしい色に染まり始める

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沼情景がパラダイスの夜に向けて
下準備を始めた

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カール壁が斜陽で
七色に彩った瞬間

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明日カール壁に登る登り口も
戸蔦別の陰に隠れ始める

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カールへの登り口が陰り出した頃
陽の光が戸蔦別岳の
反対側に隠れ始めていた

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やがて盟主・幌尻岳も
陰って見えなくなるのだろう

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戸蔦別岳も
半分以上が陰り出した

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そして沼が1日最後の光で
エロチックな色合いを魅せて
我一人の楽園の一日を終える


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