風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第111話  幌尻・七ッ沼・戸蔦別 その1 (幌尻岳)

よも”ヤマ”話  第111話  幌尻・七ッ沼・戸蔦別 その1 (幌尻岳)〔北海道〕 '95・7 
日高・幌尻岳 2052m(2度目の登頂)

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七ッ沼カールより見上げる
日高の盟主・幌尻岳

  日高山脈 ひだかさんみゃく (日高山脈襟裳国定公園)
北海道の山も、近年ではかなりオープンとなってきた。 しかし、この日高山系だけは原始の姿を多くとどめていて、登山道はおろか未だ踏跡さえない山もあり、素人登山を決して受け付けない厳しさがある。
だが、原始の山とは、大いに征服欲をかきたてるものだ。 そして、大自然相手に数多くの困難の末、山頂にたどり着いた者のみが大自然そのままの景観を欲しいままにできるのである。

・・さて、日高の山のプロフィールであるが、大きく3つに分けられる。 最高峰の幌尻岳 2052メートル ・戸蔦別岳 1959メートル を含む北日高、カムイエクウチカウシ山 1979メートル や、標高がそのまま山名となった1839 (イッパーサンキュウ) 峰 1842メートル を含む中部日高、またペテガリ岳 1736メートル より南部にある南日高と呼ばれる山々に分けられる。 

そして、この山系の見どころとしては、七ッ沼・コイボク・八ノ沢など、この山系の特徴である《カール地形》が挙げられる。 花ならば、戸蔦別岳からペテガリ岳までのカール地形に群落を成している。
しかし、これらの山々や“花の楽園”であるカールの底へたどり着くには、川を渡渉し、沢をつめ、時には滝を遡上しなければならない。 

コース難度も全てが上級向きで、山小屋も北日高の幌尻山荘を除くと山中には全くなく、装備・体力・経験の全てが要求される。 初心者ならば、さしてキツくないアポイ岳 811メートル への“花の登山”から始めるといいだろう。



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幌尻・七ッ沼・戸蔦別回遊ルート 行程図

   行程表   ※ 当時の若き日の体力を元に作成 今はこの行程表通りに行くのはムリ      
《1日目》 平取町・振内より車(1:10)→林道・振内ゲート(1:20)→北電・額平川取水ダム
     (2:40)→幌尻山荘
《2日目》 幌尻山荘(1:30)→命の水(2:30)→幌尻岳(1:30)→七ッ沼カール底
《3日目》 七ッ沼カール底(1:20)→戸蔦別岳(3:00)→幌尻山荘(3:50)→林道・振内ゲートより車
     (1:10)→平取町・振内

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日高の魅力は何といっても
カールを花の色で染める大お花畑だろう

  《1日目》 平取町・振内から幌尻山荘へ
ワテにとっての『日高』とは、転倒なんかは序の口で骨折・火傷・裂傷・沢で流される・沢での缶詰・果てはソー○ンまでフルハウスの『オチャメ』を体験したワテの『聖域』なのである。 その『オチャメ』の数々は、日高の山に登る度に語っていこうと思う。 これが、ワテが「ドン退き必至の内容」と言う所以である。 言うのも恥だが、普通の人ではまず体験できない『オチャメ』ワールドだ。 さて、今回の『日高』では、『オチャメ』ワールドの炸裂はあるのか?

話は反れたが、初日《1日目》の幌尻山荘へのアブローチは、初めて日高・幌尻岳に登った'94・7の『よも”ヤマ”話 第86話』と全く同じで、林道砂利道歩きと、北電ゲートから額平川・四ノ沢までが川岸のヘツリ道、そして四ノ沢からは15~16回の渡渉を経て幌尻山荘に至るのである。 なお、この林道歩きでは特段に何も出来事がなかったし、重複して書くのもメンドイので、幌尻山荘までのルート詳細はよも”ヤマ”話 第86話』のリンクを辿って下さい。

また今現在は、今は廃校となった豊糠小中学校の校舎を利用した宿泊施設・豊糠山荘に予約をした上で登山前日に宿泊し、翌朝山荘からのシャトルバスに乗って・・となっているので調べた上で山行計画を立てて下さいネ。 まぁ、ワテが今回2度目の日高・幌尻岳に訪れた時も、シャトルバスなんてモノはなかったのであるが・・。

・・あっそう言えば、この沢道中で一つだけ出来事があったよ。 それは『病院送り』の常連である我がカメラの Canon New F-1 の初号機が、またも中途半端な壊れ方したよ。 Canonの鳴り物入りの機構である、F-1のハイブリット機構の故障である。 沢で下に掲載の写真を撮ろうとしたら、シャッターを切る事ができずに、この故障が発覚したのである。

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このカメラがハイブリット機構
だった事を思い出して
電池を抜いて完全マニュアルに
したらシャッターが切れたよ

コリは電池を入れるとシャッターが切れなくなって、電池を抜いて機械式に戻すと、『B(バルブ)』と『X接点の1/90』と『1/125~1/2000』まではシャッターが切れるような、真に中途半端な壊れ方だったのである。 まぁ、去年の飯豊山での「♪タン・タン・タヌキのホニャニャラは~」のような決定的な壊れ方でなかったので、二度目の幌尻岳に向けての山行を継続したけど、カメラ動かなかったら「沢に入っての引き戻し」な目に遭ってたよ。

でも、ワテの「簡単に『オチャメ』るが、『オチャメ』ると途端に冷静になれる」特典が、この中途半端なカメラの故障でも発揮されたようで、カメラが壊れているにも関わらず、この山行で撮った写真は『一番星』(あくまでもウデが『写真床』のワテ基準で・・ですよ)が多かったよ。 そのカメラとの格闘は、次の話にて語るとしようか。

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額平川の渡渉は初心者向けで
雨後での増水がなければ
滝と清流を見ながらの爽快な沢歩きだ
※ カメラが中途半端に壊れたので
第86話の写真の使い回しデス

通常で林道歩き5km(シャトルバスが運行される現在は《第二ゲート》より7kmとの事)、北電ゲートからの沢歩きが4kmの計9km(現在は11km)で、所要は4時間程(現在は4時間半)だろうか。

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こんな沢の奥によくもまぁ・・
というほどの立派な建付けの幌尻山荘
※ 上の写真に以下同文

額平川の五ノ沢出合に建つ幌尻山荘は、「こんな沢中によくもまぁ・・」という程の立派な小屋で、今日は明日に備えてこの小屋で早めに就寝する事にしよう。 明日はテント一式を担いでの登山行なのだから。



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幌尻岳直下の花の器・北カールと
奥深い日高のやまなみ

  《2日目》 幌尻岳を経て七ッ沼カール底へ
テントを担いで暑い中、長時間歩くのは避けた方がいいので、朝の涼しい内に稜線まで登ってしまおう。 従って、早朝5時に幌尻山荘を出発する。 山荘の前から、いきなりつづら折りの急登だ。
この急登を汗をかきかき登っていくと、やがてダケカンバ林に朝日が輝く平坦な尾根の端に出る。
つづら折りの樹林帯の登りがキツかった分、朝日の輝きに心が躍る。 また、ここは小さなお花畑で、エゾカンゾウ・オトギリソウなどの花が朝日に映えて美しい。 

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朝日を浴びてより一層
眩い黄色を魅せるキジムシロ

お花畑が両端を飾る尾根筋を歩いていくと、《命の水》の立て札が現れる。 この立て札のある踏跡を下っていくと、清水が岩の間から流れ落ちている。 これが、銘水《命の水》だ。 幌尻岳・北カールの湧水だけあって、冷たくて美味しい。 だが、この踏み跡は、脆い岩場で崩れやすいので気をつけていこう。 

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この『命の水』は
花にとっても『命の水』なのです

水筒に《命の水》を汲んで、再び登山開始。 《命の水》からはうって変わって、ハイマツの根にしがみついての急登となる。 テント装備一式の大きいザックがハイマツに引っ掛かり、行く手を阻む。
また足元も、縦横無尽に絡み合ったハイマツの根によっておぼつかない。 高低差150m位の大自然からの試練に耐えると、いよいよお待ちかねの《北カール》の端に登り立つ。 カールの端に立つと視界がパッと開けて、眼前に幌尻岳が《北カール》を抱きそびえ立っている。 

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北カールの窪みを花の器に変える
ハクサンイチゲの花群落

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エゾノハクサンイチゲの白が
カールを白く染め上げるのだ

カールを彩る鮮やかな緑と、残雪の眩いばかりの白とのコントラストが美しい。 また、辺り一面を咲き競うお花畑の群落に目を奪われる事だろう。 正に楽園。

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日の光を満面に浴びて
一斉に微笑むチングルマの花

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エゾノツガザクラの紅いツブツブが
寄り重なってカールに赤い斑点模様を創る

これだけの景観を魅せられると、誰しもカール地形の虜となろう。 この素晴らしき眺めを楽しみながら、《北カール》の縁を幌尻岳に向って登っていく。

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ピラミタルな三角錐を示す
戸蔦別岳を見ながら急坂を登りつめると
程なく盟主・幌尻岳の頂に立てる

カールの端から、馬蹄形に半周まわり込むように登れば、日高山脈の盟主・幌尻岳 2052メートル に着く。 

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日高・幌尻岳頂上
日高山脈の最標高点にて
日高山域で唯一2000mを越える頂だ

頂上からの眺めは雄大だ。 ピラミットのように端正な三角錐を形どる戸蔦別岳と、東西南北に展開する日高の山なみ。

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カムエク・1839峰・エサオマントッタベツ・・
奥深い山の情景も日高の魅力の一つだ

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振り返れば日高第三の高峰でありながら
名無し峰の1967峰や
固有種・ピバイロキンバイが咲く
ピパイロ岳も見渡せる

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淡い紫のチシマフウロの花びらに
陽の光をかざすと
ネイチャーアートを魅せてくれた

登ってきた《北カール》や、《東カール》の縁の広がりも素晴らしい。 だが《七ッ沼カール》は、戸蔦別岳からの稜線に隠れて見る事はできない。

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だが残念な事に七ツ沼カールは
戸蔦別岳とをつなぐカール壁に隠されて
望む事は叶わない

『日本百名山』に感化されてこの山域に来た登山者は、得てして幌尻岳の頂上のみ踏んで往路を引き返すが、せっかく苦労してここまで来たのに一番“美味しい”所を見ないで帰るとは、何ともったいない事だろう・・と思うよ。

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始めて日高のヤマに足を踏み入れたなら
幌尻岳の花と展望のみで満足だろうけど
2度目となると幌尻岳の先にある
更なる絶景を求めてしまう

それに空身とはいえ、標準コースタイムで上り4時間半の下り4時間近くかかるので、空身ピストン行程の登山者の方が頂上でも余裕なく、慌ただしく下っていくようだ。 あぁ・・、もったいなぁ~。

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中部日高の奥深い山なみを望みながら
まだ見ぬ絶景に魅せられに
カール壁の肩に向けて下っていこう

山頂の雄大な眺めを心ゆくまで楽しんだなら、まだ見ぬ“楽園”《七ッ沼カール》へ行こう。 
本当の『日高』の魅力を思う存分味わうべく・・。 

  ※ 続きは、次回の『第112話 幌尻・七ッ沼・戸蔦別 その2』にて・・


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チョンの背乗り・天皇のヒトモドキ共を
DNA鑑定にかけてチョンと看破して
チョンに追放する

そして「日本の象徴である
皇室を乗っ取った憎き仇敵・チョン共」
としてチョンと断交して

日本に巣喰うチョンを全て追放し
日本人に成り済ましている
チョンを根こそぎ炙り出す

この手法以外にチョンとの関わりを断ち
日本の国を守る手段があれば
是非にでも教えて頂きたいものだ













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No Subject * by 根室大喜
サウナテントを担いで登頂でサウナに入り、外で涼む人があるらしい^^)

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

世の中、いろいろいますからね。
地球一周のサイクリング野郎で、九州・鹿児島の開聞岳(標高922m)を自転車(愛車)を担いで登った奴なら知ってますが・・。

コメント






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No Subject

サウナテントを担いで登頂でサウナに入り、外で涼む人があるらしい^^)
2020-07-29 * 根室大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんばんは。

世の中、いろいろいますからね。
地球一周のサイクリング野郎で、九州・鹿児島の開聞岳(標高922m)を自転車(愛車)を担いで登った奴なら知ってますが・・。
2020-07-29 *  風来梨 [ 編集 ]