2020-07-03 (Fri)✎
『日本百景』 夏 第438回 四万十・沈下橋 〔高知県・愛媛県〕
生活の知恵ともいえる
文化遺産の沈下橋
四万十・沈下橋 しまんと・ちんかばし
沈下橋とは堤外地に設けられる橋で、洪水時には橋面が水面下に沈んで洪水による橋の流失を防ぐ目的を持つ橋である。 この構造を有する橋の正式名称は『潜水橋』であるが、地域により『沈み橋』・『潜り橋』などと呼称される。
沈下橋の特徴として、橋の上に欄干がないか、あってもかなり低いもの・増水時に取り外し可能な簡易的なものしか付いていない事があげられる。 これは増水時に水面下に没した際に、橋が流木や土砂で破壊されたり、川の水がせき止められての更なる洪水被害を防ぐ為である。
また、壊れても再架橋が簡単で費用が安いという利点から、実際に流される事を前提としている例もある。
上述の利点を活かして、山間部や過疎地など交通量の少ない地域の生活道路として設置される事が多く、地域的には台風や豪雨に度々見舞われる西日本の各地で多くみられた。
だが、架橋技術が進歩するにつれ、現在では山間部でも広い道路や本格的な橋が架設され、また慣れているはずの地元住民といえども転落事故が起こり得る事から、永久橋に架け替えられて徐々に姿を消しつつある。 一方、沈下橋を河川の文化的景観、技術的遺産、観光資源として保存する動きもあり、四万十川流域では、沈下橋が重要文化的な景観に選定されている。
始めは「時間があればついでに」の企画が
この旅のメインデッシュとなりますた
今回は予告した通り、前記事の『路線の思い出 第388回 土佐昭和駅』からの続きの内容である。
それは6月の中頃に九州の『ミヤマキリシマ』を訪ねるべくの山旅計画が『武漢ウイルス』災禍の為にポシャって、「6月中に1回はどこかに出かけたいなぁ」という思いが募って出かけた旅である。
だが、梅雨入り直後に出た事もあって、この小旅行のメインの目的地にしていた『四国カルスト』が大雨で立ち寄り断念となって、その代替えとして訪れたのがこの四万十川に架る沈下橋である。
沈下橋を訪ねるだけでは
物足りないので
だが、ただ単に沈下橋だけを訪ねるのも旅としては今イチで、ここは大好きなローカル線とのコラボで沈下橋を撮りめぐる事にしたのである。 だが、「ローカル線」であるという事は列車本数が少なく、この撮影行を成し遂げるには鉄道を利用してめぐるのはほぼ不可能で、レンタカーは必須である。
まぁ、列車本数以前に、駅から沈下橋の距離が5km以上というのがザラなので、沈下橋を訪ねるだけでも車は必須なのだが。
大好きな『ローカル線』と
コラボしてみる事にしますた
しかし、レンタカーでめぐるとなると、沈下橋と線路の位置が近く『鉄道とのコラボ撮影が可能の沈下橋』を逐一見つけていかなくてはならないのである。 でも、今は便利となったねぇ。 車のナビで線路と川が近づく所に目ぼしをつけて、その付近をゆく国道に『○○沈下橋→』との案内板があれば、そのわき道を下って川の縁に出ればいいのである。 そこで『撮り鉄コラボ』ができる沈下橋かどうかを『索敵』すればいいのである。
まぁ、これは、最近は「清流・四万十川に架かる沈下橋」という観光資源としてテコ入れしている為に、結構多くの沈下橋の所在地に案内看板が掲げられているので、案外簡単に『索敵』による『目標定め』(撮影地の品定めの事)がなったのである。
前日の大雨で初日の行程がほぼ移動のみとなった事で、予定より早く土佐大正まで下りてきて時間に余裕ができたので、レンタカーめぐりでは必須の沈下橋の『索敵』と『目標定め』を前日中にこなせたのである。
前日に見つけたこの新谷沈下橋を
最大のターゲットに据える
なので、翌日は列車本数が少ないながらも、昼までの滞在時間中に運行される上下6列車全てを撮る事が適ったのである。 これが当日の索敵だったら、1~2本撮れたらいい所だったろうね。
でも、この辺りは窪川か愛媛県の松丸まで出ないと、コンビニなどの便利な店はないし、食糧の購入も十川駅近くにある地元の簡易スーパーしかないよ。 まぁ、ワテの訪れた時は、まだ村(旧十和村 現在は近隣町村合併で四万十町)の中心に点在する飯屋は軒並み『武漢ウイルス』休業中で、このエリアでは数多くある『道の駅』(土佐大正・十和・西土佐江川崎と3ヶ所ある)の食堂も同じく休業中で、自炊装備を持ってきてなかったら干上がっていたよ(翌日の下灘駅での駅寝に備えて持ってきていた)。
この辺りで確実に入れる温泉は
愛媛県側の松丸駅にある駅温泉しかないようだ
※ ウィキペディア画像を拝借
また風呂も、『駅温泉』のある松丸駅まで確実に入れる温泉施設はなく、泊まる所もキャンブ地は土佐昭和にあるが、旅館・民宿は土佐大正までなさそうなので、乗り鉄旅でこのエリアをめぐるなら念入りに計画を立てた方が良さそうである。 それでは、撮影した『沈下橋と予土線とのコラボ』を、立ち寄った沈下橋と共に掲載して、その時の感想を綴ろうと思う。
葛川沈下橋・位置図
撮影日当日は、始発からの上下3列車を愛媛・高知の県境付近の四万十川支流の広見川にかかる『葛川沈下橋』で撮るべく、県境から約15kmの『道の駅・十和』で車寝する。 撮影する始発列車であるが、本数の少ない予土線でしかも路線の中間点付近ならば、列車通過時刻は7時前~7:40頃とそんなに早出をする必要もなく、またド平日(ワテは4勤2休で平日休みが多い)に特段目ぼしい話題もないローカル線を撮りに来る奴もおらず、場所取りに奔走する必要がないのである。 それに、場所取りするような所で撮る気ないし・・ね。
着いた『葛川沈下橋』は、ホントに愛媛・高知県境の愛媛側に50m入った所にある沈下橋で、現在はすぐそばに立派な道路橋が架けられて通行禁止となってる観光目的100%の沈下橋だ。 昨日の雨で川の水は増水して、橋の堤体のかなり上を濁流が流れるなかなかのシチュエーションである。
昨日の大雨で川は濁流となり
撮る側にとってはまたとない
シチュエーションとなった
:
でもこのアングルだと
列車か真正面の木に隠れちゃうね
なので橋の正面ローアングルは諦めて
できるだけ橋がアップになるように撮る
そこで3本の列車を狙うが、7時ちょうどに通過する窪川行きは、来てほしくなかった『ホビー』ちゃんであったよ。 ゲテモノなコレって、ワテの撮りたい『風景鉄道』の概念から外れまくりなんだよね~。
次の列車は「歓迎せざる」
『ホビー』ちゃんだったよ
:
なので最後に撮影する列車も
このアングルで撮る事が決定!
朝の3本を撮ると、1日僅か5往復の路線ゆえに10時過ぎまで列車がない。 なので、この2時間半のヒマの間に風呂でも・・と、車のナビで見つけた江川崎のホテルの内湯やら訪ねたが、『武漢ウイルス』の為なのか解らんが「土日以外には風呂は立てない」との事でボツ。 道すがらの十和温泉も「昼から」との事で、この地の滞在が昼までなのでタイムオーバーでボツとなったよ。
飯を調達するスーパーも朝10時まで開店せずに、2時間半も間が開きながら風呂はおろか朝飯にさえもあり付けずに、10時過ぎの列車を撮るべく生活橋として現在も使用中の『三島沈下橋』に出向く。
三島・新谷沈下橋 位置図
この沈下橋は現在も使用中という事で、ちょっとやそっとの川の増水では沈まない位に堤体の高い新架橋である。 列車を待つ間に3台の車が橋を渡ってたよ。 でも、残念ながら『列車と渡る車のコラボ』はならなかったけど・・。 更に『残念』を加えると、この列車も『ホビー』ちゃんだったよ。
せっかくのいい情景でも
『ホビー』ちゃんだと少し間抜けだね
そして、前日の『索敵』で、『沈下橋と予土線のコラボ』として最も目を着けていた『新谷沈下橋』に向かう。 この橋は対岸に住む数世帯の民家の為だけに残された生活橋で、昨日からの川の増水でスレスレになる位の低い橋堤体だったよ。
水際から橋を望むと
昨日の大雨で増水した川が
沈下橋をより引き立てていたよ
橋の上に立ち
雄大な「母なる川」の流れを望む
この橋の上に立って四万十川を望むと、雄大な母なる川の流れを堪能できたよ。 でも、目的の『沈下橋と予土線のコラボ』は近寄り足りずに、思ったよりも列車が小さく写って今イチだったなぁ。
一番星を狙いにいったのだけれど
思ったより列車が小さくなって今イチに
でも、「次に来る時は、橋の中ほどまで出張って煽りながら撮ろうか」などと、次へのリベンジと次の撮り方を思いめぐらせる事ができたのでヨシとしよう。 これが、フイルム写真の楽しさなんだね。
それにポジ現像が上って結果が判るまでのワクワク感も、デジタルでは決して体感できない思いである。
まぁ、あんな何の楽しみもないパソコンでの捏造可能な画像生産機・デジタルは趣味として絶対に使えんわ・・、ワテは。
最後は再び『葛川沈下橋』に戻って、野花を取り入れたアングルで撮って最後をしめる。
最後まで沈下橋のアップ一本槍では単調なので、沈下橋より野花と列車に重きを置くアングルで撮ってみる。 花のピントをに集中し過ぎて列車はややピン甘になったけど、アングル自体の目論見はOKという事で。
最後のショットは
野花を一番の主役にして狙ってみた
後は、通りすがりで偶然に見つけた松丸駅の駅温泉でひと風呂浴びて、伊予大洲でレンタカーを返して、翌日にもう一つの訪問駅・下灘で『○鉄』してから大阪への帰路に着く。
我が閲覧者がなく閑古鳥がなきまくりの
メインサイト『日本百景』に
新作の撮影旅行記の
『ビンクに染まる山』が完成しますた
でもメインサイト製作に使っている
ビルダーに不具合発生!
一部ページファィルを開いて
改編する事ができなくなってるよ
困った事にその開くことができない
「一部のヘージファイル」の中に
『indexページ』が含まれてるよ
なのでトップページの改編で
記事更新を表示する事が不能です
:
もしかして開けないページを
再製作せねばならないかも
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