2020-07-01 (Wed)✎
路線の思い出 第388回 予土線・土佐昭和駅 〔高知県〕
切通しの崖上に設置されたゆえの
サプライズ満載の駅・土佐昭和駅
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’15)
北宇和島~若井 76.3km 256 / 425
運行本数(’20)
窪川~宇和島 4往復(土・休日はトロッコ列車1往復運行)
江川崎~宇和島 3往復
近永~宇和島 下り3本・上り2本
コレだけみると
「長閑な秘境駅」なのだが
※ ウィキペディア画像を拝借
土佐昭和駅(とさしょうわえき)は、高知県高岡郡四万十町昭和にあるJR四国・予土線の駅である。
夏場は観光客の利用者もあるが、町内の北琴平町・大正にある高校に通う学生が主な利用者となっている。 2015年の1日平均乗降人員は20人との事。
単式ホーム1面1線を有する駅で、現在は完全無人駅だが、かつては簡易委託駅で駅前の「昭和観光案内所」で切符の販売を受託していた。 駅は崖と四万十川に挟まれた狭い土地にあり、駅ホームは崖の切通しにへばりつくように設けられている。 この為、集落地から駅ホームのある高台の切通しまでは、崖の切通しの中に設けられた急な坂道を登る必要がある。
駅の所在する位置は旧十和村(現在は近隣町村合併で四万十町となっている)の第二集落地で、駅集落地に入ると国道381号の道幅が狭くなっている。 近くを流れる四万十川には、堤外地に設けられ、洪水時には橋面が水面下となる『沈下橋』が多くみられる。
『国鉄 土佐昭和駅』と示す駅案内板
:
この辺りの道路案内板は
古き良き時代を感じるモノが多い
今回『路線の思い出』で取り上げる土佐昭和駅であるが、このブログでは珍しい「直近訪問の駅」なのである。 まぁ、「直近」といっても、先月・6月の中頃で半月ほど経っているのだが・・。 でも、ウチのブログの掲載写真は、ウィキペディア画像などからの借り物以外はほぼ全てリバーサルフイルムからのモノで、現像に最短でも10日かかるので半月以上の「直近記事」は書く事が不可能なんだな。
そして、何でまた「取り立てて何もない季節」の6月の入り梅雨の時期に・・、雨覚悟でこの地に赴いたかというと、6月の始めに予定していた『ピンクに染まるヤマ』(我がメインサイト『日本百景』の新作でっす 見てネ)を再び訪ねようと企画していたが、休みが花期に合わないのと、ここでも憎きシナの撒き散らした『武漢ウイルス』でバスが運休になって断念となった事により、「6月も1回はどこかに出向かなきゃならんな」と急遽立てた計画なのである。
幸い、四国は大阪~松山への夜行バス便が運行しており、「ここは『四国カルスト』でも撮りに行くか」と、小旅行の企画を立てたのである。 そして、「そのついでに『下灘』などで『○鉄』も・・」と考えたのである。
だから、あくまでも『四国カルスト』の夏情景を撮るのがメインで、その次に『四国カルスト』の近くにある「ハートの滝」と呼ばれる『長沢ノ滝』をめぐり、時間が余れば予土線の『沈下橋』も・・という計画だった。
「ついで・・」の予定だった『沈下橋』が
この小旅行のメインとなっちゃいました
でも、この旅企画をした6月中旬は入り梅雨の時期で、夜行バスに乗り込む旅立ちの日に「四国・近畿地方の梅雨入り」が発せられたのであった。 それは「梅雨だから」といって天候の全てが雨模様となる訳ではないが、「梅雨入り」が発せられた翌日は、気象庁の体裁を取り繕う為にも必ず雨となるのだ。
そして案の定、四国入りした旅の初日はダダ降りの雨だったよ。
レンタカーを借りた伊予大洲では傘を差せば歩ける雨量だったが、愛媛・高知県境を跨ぐ梼原町の辺りではレンタカーの屋根に雨が叩きつける音が耳につんざく程の雨足となっていた。 それは見た感じで、時間雨量で30mm近く降る豪雨だったよ。
でも、この雨で道が「降雨による通行止」にならずに済んで良かったよ。 これが適用されたら、これより梼原で一晩足止めとなって、この小旅行の計画が吹っ飛ぶっていうか、借りたレンタカーを翌日の返却時間までに返す事もままならぬ『W自爆』となっていたかもしれないしィ。
このような状況下では、さすがに『四国カルスト』で写真を撮るのはムリっぽいな・・と諦め、まだ未訪の滝の『ハートの滝・長沢ノ滝』のみを訪ねる事にする。 日没まで『四国カルスト』で夕景を撮る予定だったので、大雨の中で『長沢ノ滝』の滝見をこなしても、まだ昼過ぎだったよ。
(よく見ると)ハート型の落ち口より
落水する『
の滝』な長沢ノ滝

雨が更に強くなって「デンジャラス酷道の『ヨサク(国道439号線)』で降雨通行止を喰らったら敵わん」と、急いで『ヨサク』を下ってこの辺りでは最大の町である土佐大正に向う。 でも、一度通った経験があるとはいえ、大雨が降る中であの『ヨサク』をかっ飛ばすなんて、ワテ・・結構度胸あるよね。
でも、企画当初の「晴れていたら」の計画では、『四国カルスト』で落日を撮った後、『ヨサク』を夜道に駆ける行程計画を立てていたのだから、結構ワテって変な意味でスゴいのかも。
『ヨサク』名物の
並木のガードレールは健在ですた
※ 別に訪れた時に撮影
・・で、『ヨサク』の約50kmを1時間半程で走り抜いて土佐大正の町へ。 『ヨサク』も以前通った20年ほど前よりは道路改良が行われているようで、所々普通の2車線道路もあったよ。 でも、道の大半が「道の縁に立つ木立がガードレールの代わり」の『ヨサク』のクオリティだったけど。
土佐大正の町に着くと雨も小やみとなってきて、明日の期待が持てる空模様となってきた。
『四国カルスト』などのヤマ側では雨で写真は撮れなかったものの、第二計画で「ついで・・」の沈下橋と予土線の『○鉄』撮影は叶いそうである。
他の『沈下橋』の写真は
次の『日本百景』の記事にて
そこで、「取り敢えず『沈下橋』の索敵をば・・」と、国道381号上で『沈下橋』の案内を見つけたら立ち寄ってみる。 なお、これら『沈下橋』については、次回の『日本百景・夏』で記事にしたいと思うので「乞う・・御期待」(この筆者のクオリティを見ると期待できんわなぁ)
崖の切通し上にある半家駅
:
列車が少ない路線での『○鉄』では
「その合間のヒマ潰し」が重要なミッションとなる
・・で、この項目のネタである『駅めぐり』であるが、『沈下橋』と予土線の撮影の合間というか、1日僅か5往復の列車では朝の列車を撮ると昼前まで列車がなくヒマとなるので、その列車のない間を潰すべく駅めぐりと、沿線での必要な店を発見する事に充てる。 その立ち寄った駅の中で最も興味を惹かれたのが、今回取り上げる土佐昭和駅である。
「類は友を呼ぶ」が如く
ワテが最も好む『胡散臭さ満開』の駅
土佐昭和駅
この駅は何というか、『胡散臭さ』が満開の佇まいなんだよね~。 それは、駅というのは利用客・・、即ち人を集めるべくの佇まいであるハズなのに、この駅には来る人を拒むかのような『オーラ』が漂っているのである。 その駅の存在意義とは真逆の『オーラ』の気配が「類は友を呼ぶ」とでも申しましょうか、ワテはこういった「胡散臭さ」が大好きなのである。
この駅入口だけでも
『胡散臭さ』満開なのだけれど
記事の先頭の『駅紹介』項目でも記したが、この駅は崖の切通しに設けられたホームまで、切通し内に掘られたトンネルの中を登って行かねばならない構造の駅なのであるが、この「切通し内のトンネルと坂道」が『胡散臭い』のである。
高台の駅へは普通は階段だよね
土佐昭和はこれほどの高台ではないけれど
:
半家駅より下を見下ろす
それは、この切通し内のトンネルに設けられた坂道が、何故か階段ではなく急坂なのである。
それも「利用客の利便を考えると、坂道ではなくて階段の設置でしょ?」という程の急坂で、しかもコンクリートの打ちっ放し道で、路面に滑り止めも刻まれていないのである。
この暗闇の中の急坂・・
駅でありながら
人が来るのを拒んでいるよ
コリは、冬の底冷えとなった時には、このコンクリート路面が凍って、駅ホームへの到達が不能となりはしないか・・と考えてしまうよ。 まぁ、温暖な地の四国・土佐だから、路面が凍る程に気温が下がる事は滅多にないとは思うが、この路面が凍ると下まで一直線に滑り落ちてしまう事必定だぁね。
今はなき田子倉駅を凌ぐ「駅ナカ登山口」と
登山口に最も近い駅・土佐昭和駅!?
それにも増してもっと胡散臭いのは、切通しのトンネルを潜って坂道に至る曲り口に、登山口と思しき踏み跡が合流しているのである。 でも、この上に住居などなさそうで、このルートからの駅利用客は、この裏山の森に潜む獣以外には考えられないのである。 もしかしたら、北海道の秘境駅・小幌のように仙人が住み着いているのかも・・ね。
この道を下りてきて駅を利用するのは
森に潜む獣くらいか?
また、駅ホームより上も砂利道の登山道然となって続いている。 これは、「駅を設けたはいいが、駅を設ける際に駅への立ち寄り方を全く考えていなかったんでないの!?」と邪推する駅構造である。
コレ・・夜の街灯ナシなら
格好の『肝だめしスポット』だよね
この駅は、さぞかし夜なんかは『肝だめしのスポット』となるだろうね。 底冷えするような冬の夜なら、街灯なしの暗闇の中で「すべり台スロープ」の急坂を登るだけでもスリル満点だよ。 でも、幸いに1日5往復で、夜遅くの到着列車はない(最も最後の到着列車で19時過ぎ)みたい。
かつてはこの『観光案内所』で
切符の販売もしていた
簡易委託駅だったそうである
でも、この『胡散臭い』駅も、昭和49年の開業から数年は簡易委託の駅員のいる有人駅だったんだよね。 駅入口のある崖の切通しの下に、「いかにも観光案内所です」といった三角屋根の『観光案内所』を掲げた待合室の建物があり、ここで切符を売っていたそうである。
仕事での業務では迅速に相手に伝える為に
IT通信技能が持てはやされて
その技能を持たない者は社会の落伍者との
烙印を押されてスポイルされ始めている
確かにIT通信なら迅速に情報を
相手に伝える事は叶うけれど
重要な情報を伝えるには
情報漏洩などの問題点があり難がある
また技能を持ちえない者に
とってのIT通信は
通信そのものの用を足してはいないのだ
だから重要な事や在籍する
全ての者への周知を要する事は
手で書いた紙で伝えるべきなのだと思う
:
それは決して紙と時間の無駄ではないと思う
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