風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第106話  白峰三山・塩見岳 大縦走 その5

よも”ヤマ”話  第106話  白峰三山・塩見岳 大縦走 その4 三伏沢~塩川へ下山 
〔長野県・静岡県〕 '94・8
塩見岳(西峰) 3052m【名峰百選 43峰目】、塩見岳(東峰) 3047m、本谷山 2658m、

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夜明け空にシルエットを魅せる塩見岳

  三伏峠・三伏沢 さんぷくとうげ・さんぷくさわ (南アルプス国立公園)
三伏峠(さんぷくとうげ)は赤石山脈にある峠で、地名を『峠』と呼称する所では日本最高所(標高2,580m)である。 塩見岳の南西に位置し、長野県下伊那郡大鹿村と静岡県静岡市葵区の境界にある。 後立山連峰の針ノ木峠・秩父の雁坂峠と合わせて、『日本三大峠』と呼ばれる事がある。

峠の長野県側に三伏峠小屋があり、南アルプスの中央部に位置する塩見岳や更に北にそびえる白峰三山への縦走路や、南の荒川岳や赤石岳への縦走登山の拠点として用いられる。 以前は少し下がった位置に無人の三伏沢小屋があったが、環境保全の為に2003年に閉鎖されている。

だが、この沢は南アの源流沢であり、南アルプス山域でも指折りの美味い水で、沢小屋が閉鎖になった以降も給水施設が峠の小屋側に寄せた側に設けられ、縦走者のオアシスとなっている。



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白峰三山・塩見岳 大縦走 塩見岳より下山 行程図

    行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR甲府駅よりバス(2:05)→広河原(2:30)→大樺沢二俣(2:00)→八本歯ノコル
     (0:45)→吊尾根分岐(0:15)→北岳(0:50)→北岳山荘
《2日目》 北岳山荘(1:35)→間ノ岳(1:10)→農鳥小屋(0:45)→西農鳥岳
     (0:35)→農鳥岳(1:10)→農鳥小屋(2:30)→熊ノ平
《3日目》 熊ノ平(2:45)→北荒川岳(2:00)→塩見岳(1:00)→塩見小屋
     (2:20)→三伏沢幕営場
《4日目》 三伏沢幕営場(0:20)→三伏峠(3:30)→塩川よりバス(1:25)→JR伊那大島駅

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塩見岳は南アルプスの中央に位置するので
北にそびえる白峰三山も

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南にそびえる荒川三山や赤石岳も
全てを見渡せる

塩見岳からの下りは南斜面のガリガリの岩場を巻くように下っていくので、気を引き締めてていく事にしよう。 特に、《天狗岩》の辺りは岩が迫り出した“へつり”状となっていて、上り下りのすれ違いも困難な“難所”だ。 頂上から間近に見えた《塩見小屋》まででも、小1時間かかるのもうなずける。

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遠くを見渡せば仙丈ヶ岳のカールや
白亜の岩塊の甲斐駒ヶ岳までも見渡せる

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東の果てにはコブ2つの
笊ヶ岳も望めた

また、縦走路を伝ってきた場合は塩見岳から下山を開始するのが昼前後になるだろうから、下山途中に天候が崩れて激しい雷雨に見舞われる事もあるので、その時は《塩見小屋》に避難するのも考慮しておかねばならないだろう。

この《塩見小屋》は有人小屋で、蝙蝠岳を往復するなどしてタイムオーバーになったなら宿泊もやむを得まいが、宿泊するにはちょっと難点の多い小屋でもあるのだ。 それは、“距離”に関係がある。 
トイレまで往復10分、水場に至っては往復40分・・と、かなり不便なのである(現在は小屋前のヘリポートに便を袋に入れて捨てる方式の簡易トイレが設けられ、水も小屋で販売している)。

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15年ほと後に塩見小屋前で撮った
ガスに撒かれた塩見岳の雄姿
ヘタレとなっても
写真はそれなりなのが撮れる不思議

ちなみに、15年ほど後に蝙蝠岳に行った時には下山途中に雨に降られて、この小屋に泊った事あるけど、ここで「昨今の高校部活事情」における衝撃的事実を知ったよ。 その内容は、ココをクリックすれば、最後の方の下山日の行程で記してます。 

南アの峰々よ
ひとまずさらば・・
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荒川三山を望遠で引っ張って

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白峰三山は望遠で引っ張ると
画像が締まって引き立つね

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仙丈・甲斐駒の方向へ
雲が流れていく
明日は関東より東は雨かも・・ね

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南アルプス北部の3000m峰の
全てを取り入れた1枚で締めようか

小屋の立つ台地からは深い樹林帯の中へ、“突き刺す”ように急下降で下っていく。 コースは《権右衛門沢》の源頭まで300mイッキに下って、本谷山へ200m近く登り返す“南アルプスらしい”アップダウンに容赦のない内容だ。 そろそろ疲れを感じてきた体には、実にキツい内容である。 ともすれば、樹林帯の中での“蒸し焼き”登りがある分、この日の行程で最大の“難関”かもしれない。 頂上から間近に見えた《三伏峠小屋》の赤い屋根が目に残像として残っていたなら、尚更である。 

疲れもあって感慨の湧かない本谷山 2658メートル を越えてしばらく下り気味に歩いていくと、沢小屋と峠小屋の分岐に差しかかる。 もし小屋泊りなら、設備の整った峠小屋を選ぶ事だろう。
だが、テント泊ならば、静かで清らかな沢が流れる沢小屋前の幕営地を“お薦め”する。

深い樹林帯から涼しげな沢音が聞えてくると、ようやく塩見岳からの“長くコタえる”3時間半から解放される。 《三伏沢幕営場》は、小屋の目の前を水量豊かな沢が流れる絶好のキャンプサイトだ。
そして、何よりも空いている事が一番の“お薦め”理由だ。 聞く所によると、《三伏峠》のキャンプ場は常時100張近くのテントがひしめいている・・との事である。

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在りし日の三伏沢小屋
これで1泊素泊まり4000円取ってた
東海フォレストっていったい・・
※ 山渓ガイドより

・・という訳で、こちらを絶対的に“お薦め”するのである。 なお、《三伏沢小屋》は、食事提供なしの“有料”避難小屋である。 まぁ、物好き以外は、まず利用しないであろうが。

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現在の沢小屋は取り壊され
沢小屋への道はロープが張られて
進入禁止となっている
※ 山渓ガイドより

  ※ 上の記述は約25年前の時の事で、上に記述している《三伏沢小屋》と《三伏沢幕営場》は、
    環境保全の名目で2003年に閉鎖となり、小屋泊・テント泊共に《三伏峠小屋》に一本化され
    ている。 テント場は小屋下に元からあった展場スペースを拡張して、閉鎖した沢のテント
    場の設営数をカバーしているようだ。



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ヤマでは「早起きは3文の得」
以上の心を虜にされる「お得」があります

  《4日目》 塩川へ下山
空が白み出した頃、目を覚ます。 そばを流れる清らかな沢の水で顔を洗い、眠気を払拭して下山しよう。 下山後、塩川からのパスが1日2便しかなく、できれば朝9時の便に乗りたいので、余裕を持つべく夜明けと共に出発しよう。 

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夜明けと同時に出発した直後にふと振り返る
振り返った背後の神秘の情景に魅せられて
しばらく動けなかったのを憶えている

朝日のまだ昇らぬ内から出発して、河原状の坂をゆるやかに登っていくと《三伏峠》のキャンプ場の水場に着く。 振り向くと、かぎろい色の空におぼろげに浮かぶ塩見岳のズングリ頭が印象的だ。
この水場から林の中を10分程歩くと、建付けのいい《三伏峠小屋》に着く。

小屋の周りにひしめくテントの群れを見るにつけ、沢小屋前でテントを張った事が“正解”だったと思えるのである。 水場が10分も離れていて、しかもこの混み具合はちょっと敬遠したいものである。 

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夜明け空にシルエットを魅せる
あの峰から歩いてきたんだなぁ

小屋前にある『日本一高い峠・三伏峠2560m』の立て看板を見やり、小屋脇の道を下っていく。 
ちょっとした豆知識であるが、この《三伏峠》は“峠”と名のつく場所では日本一との事である(“乗越”を含むと、北アの飛騨乗越が日本一)。 今回下っていく《塩川》への道は、“南ア三大バカ登り”のコースとして知られている道だ。 ちなみに他2つは、北岳の『草スベリ』と《二軒小屋ロッジ》から千枚岳への『万斧沢ノ頭越』との事である。

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下り始めてちょっとの間は
夜明けの絶景に魅せられるけど
この後は「地獄の激下り」となる
今の「下り三倍満」なら
どうなっていた事か 剣呑・剣呑

・・下り始めると“南ア三大バカ登り”を下るだけあって、容赦のないダダ下りが標高差1400mに渡って延々と続く。 普通のコースなら鞍部や平坦な丘など“一服”する場所があるものなのだが、このコースは全く妥協を許さぬ同じ傾斜の坂が延々と続くのだ。 登るとなると、キツい事この上なさそうなコースだ。 
この登りの辛さゆえ、塩見岳が“奥深き”山との印象が強いのかもしれないね。 

下っていく合間に、樹林の間から間ノ岳が“鶴翼”の如く優雅に山裾を広げているのが見えるだろう。 
これだけが、唯一の拠り所である。 さて、この情け容赦ない下りは、《奥水無沢源頭》の水場まで続く。 時間にして、約2時間半のダダ下りだ。 この水場より進行方向を左に変えて、《塩川》の本沢に向けて急下降していく。 

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奥水無沢源頭の水場
ここまで猛烈にキツい急下降が続く

水場から30分程下ると、水量豊かで清らかな沢音を響かせる《塩川》の本流に出る。 ここからは河原を歩くようになり、所々丸太の桟橋で激流する沢を渡るなど、スリルあり・・、そして爽快さも満点な道となる。 沢を50分程いくと無名滝を左岸奥に見やり、砂防ダムの土間作業をしている《塩川土間》に飛び出る。 

《三伏峠》を夜明けと同時に出発すると、7時半から8時位には下り着く事ができるだろう(但し、かつて抱いた『奇跡の体力』をもってすれば・・で、今は到底ムリ!)。 「9時のバスにはちょっと早すぎる」と思われるかもしれないが、心配御無用。

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ただ一人下山したワテに
風呂を立ててくれた塩川小屋
鹿塩林道の崩壊で登山ルート共々
廃業・閉鎖となったようである
※ 山渓ガイドより

それは、《塩川小屋》が朝風呂を用意してくれるからだ。 山の疲れと汗を洗い落として、気分をリフレッシュしてバスに乗り込む事にしようか。

  ※ なお、《塩川》までのルートは《塩川》までのアプローチ道となる『鹿塩林道』が法面崩壊
    を起こして廃道となり、それ以来は登山ルートは閉鎖され廃道然となっているとの事。
    従って、現在は《鳥倉ルート》が《三伏峠》への正規ルートとなり、鳥倉林道のバス道舗装
    や林道ゲート前の登山者駐車場とトイレの設置など、登山口としての整備が施されている。


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オリンパスがカメラから撤退するんだってね
デジカメは売れないからねぇ
でも「何故に売れないのか?」を考えると
事の真相が明らかになってくるよ

「何故に売れないのか?」
それはデジカメが写真を撮る者の深層心理の中で
写真撮影の楽しみを感じない
「つまらないモノ」と感じてるからだよ

デシタルは撮ったモノを後で全く違うモノに
改編・偽造するパソコン遊びで
写真撮影とは言えない事を
深層心理の中で感じてるからだろうね

撮った後でパソコンで好きなように
改編できる『偽造・捏造』の類だし
失敗しても即消去できるようなモノに
価値観は全く生まれないのだよ

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また「失敗は即消去」のデジタルのシステムは
撮影への熱意や失敗した時のリベンジ心
失敗から学ぶ体験などの機会を全て奪う
人としての能力を枯渇させるシステムなんだよね

それにデジタルの画質は
パソコンの処理能力次第で
数十万する高級デジタルとスマホの画質が
同じになり得る事実を知ったなら使えたモノではないしィ

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デジタルの「あるなし」の階調表現法では
銀塩の無限大の階調表現とは比べモノにならんわなぁ
ワテならデジタル使う位なら写真をやめるよ
でもワテが写真を撮るようになった時が
フイルムで助かったよ
デジタルなら自分の能力を
枯渇させていただろうし・・ね



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