2020-06-21 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第436回 雨竜沼湿原 〔北海道〕
・・漂う雲を映す沼、周りに多くの花々を従える沼、ヒツジグサを水面に浮かべる沼、暑寒別の山々を映す沼と、様々な個性を持つ沼があり、この沼々がこの湿原を大いに引き立てている。
池塘と草原と穏やかな山が広がる
楽園風景を魅せる雨竜沼湿原
雨竜沼湿原 うりゅうぬましつげん (暑寒別天売焼尻国定公園)
『北海道の尾瀬』と呼ばれる雨竜沼湿原は、6月から9月にかけて色々な花が咲き競い壮観だ。
『北海道の尾瀬』と呼ばれる雨竜沼湿原は、6月から9月にかけて色々な花が咲き競い壮観だ。
雪解けと共に花開くミズバショウに始まって、イワイチョウ・シナノキンバイ、7月にはエゾカンゾウが大地を淡いオレンジ色に染め上げる。
北の短い夏をエゾカンゾウが
オレンジ色に染め上げる
続いて、ワタスゲやヒオウギアヤメ・・と咲き競う。 また、この湿原の魅力は、あちこちに散りばめられたように点在する沼々《池塘》にある。
・・漂う雲を映す沼、周りに多くの花々を従える沼、ヒツジグサを水面に浮かべる沼、暑寒別の山々を映す沼と、様々な個性を持つ沼があり、この沼々がこの湿原を大いに引き立てている。
雨竜沼湿原探勝ルート 行程図
帰りは往路を戻る・南署寒荘まで所要1時間40分
花と草原と池塘の織りなす
北の楽園・雨竜沼へのいざない
雨竜町市街より32km・車で約1時間で、まるで教会のように立派な施設の建つ南暑寒荘に着く。
国定公園の指定に伴って新築されたそうだ。 自動水洗の便所にまで整備された施設の充実は便利でいいのだが、何か引っ掛かる気持ちもある。 なお、この南暑寒荘は素泊まり専用なので、食糧の調達は必要だろう。 また、キャンプ場もあるので、ここで宿泊して翌朝早く登り始めるのがいいだろう。
教会のように立派な南暑寒荘
※ 雨竜町・観光課のウェブサイトより
なぜなら、雨竜町市街からの林道は奥に入る程に悪路となり、かなり運転に疲れるからである。
また、ワテの体験では、この林道で「放浪山旅の必須アイテム」である車のオートマ・ミッションが故障して、ハチロク乗りになっちまった苦労があるので、この林道は気を付つけた方がいいだろう。
林道の途中で車が壊れると、かなり苦労するよ。 なお、その時の体験はコチラをどうぞ。
・・南暑寒荘を出ると、砂利道のつづら折りが1kmほど続く。 砂利道が途切れると、立派な吊橋でペンケペタン川の渓流を渡る。 ここから道は登山道らしくなり、ぬかるみの入った土や岩コロの急登となっていく。 だが急登なんかよりも厄介なのが、沢沿いを行く事でヤブ蚊にまとわり着かれる事である。
こういう自然に潜むヤブ蚊は獰猛で、それこそむやみに手を叩いても2~3匹叩き潰せる程にまとわり着くしィ。
ペンケペタン渓流の景勝
白竜ノ滝
しばらく登ると、下の沢から瀑音が響き渡ってくる。 これが、ペンケペタン渓流の景勝・《白竜ノ滝》だ。 この滝は落差36mの水量豊な瀑布で、単調な登りの合間での一服の清涼剤である。
登山道上からも見渡せるが、余裕があれば滝直下まで降りてみよう。
《白竜ノ滝》を過ぎると吊橋で対岸の山に移り、ジグザグの急登となる。 しばらくこの急登に耐えると、ペンケペタン川の清流が近づき道が平坦となる。 後は笹の刈り分けられた道をくぐり抜けると、お待ちかねの《雨竜沼湿原》が視界に広がる。 湿原には木道が敷設され、行きと帰りで湿原を一周できるようになっている。
自然の創造し素晴らしき情景が広がる
雨竜沼湿原へ
それでは、《雨竜沼湿原》を探勝してみよう。 木道を進むごとに、花に囲まれた沼やヒツジグサを浮かべた沼、雲をたなびかせた空を映し出す沼と、様々な個性をもった池塘が現れる。
草原をオレンジに染める
エゾカンゾウの大群落
また花も、大地をオレンジ一色に染め上げる程のエゾカンゾウの大群落に圧巻する。
ワタスゲの柔らかそうな綿に覆われた沼の風景も印象的だ。
ワテは神なんてモノは信じちゃいないが
神を定義するとしたらこの世の楽園を創造した
この大自然を『神』と崇めよう
そして、背後に“まったり”とした感じでそびえる暑寒別岳 1941m と南暑寒別岳も、なくてはならない存在だ。 これらの風景を楽しみながら歩いていくと、あっという間に木道が途切れて湿原の端に出る。
下が泥濘となる所では
ワタスゲが夏の雪を散らばせていた
ここから《湿原展望台》まではちょっとした急登で、道も粘土質で歩き辛いが、いってみればこのコース唯一の“難所”で、これを乗り越えれば《雨竜沼湿原》が大きく広がる《湿原展望台》に着く。
展望台より望む雨竜沼の池塘群は
草原に散りばめられた宝石の様だ
この展望台からの眺めは絶品だ。 湿原全体に宝石のように散りばめられた池塘群、湿原全体を血管のように蛇行するペンケペタン川など、山に登らないにしてもせめてここまでは行きたいものだ。
ここからはこの記事のお題が『雨竜沼湿原』であるので、この展望台を折り返し地点として引き返す事にするが、雨竜沼湿原の往復だけではもったいない。 余裕があれは、南暑寒別岳まで足を延ばしてみるのもいいだろう。
ミヤマキンバイ
展望台より先は登山道となり
花層も湿生のモノから高山的なモノとなる
南暑寒別岳 1296m までは笹の狩り分けられた広い道で、急な登りもなく1時間程で登り着けるだろう。 だが、その先の暑寒別岳までは、登山口の南暑寒荘より往復10時間はかかってしまうので、猛者の領域となる。 暑寒別岳へはコチラ側から登るより増毛から登る方が、花も多く充実した山行となるだろう。
池塘の周囲に咲く花々
イワイチョウ
池塘の周囲に咲くのは
小さく可憐な白い花
ハクサンチドリ
白に負けじと紅の花も魅せてくれる
世界が眠りに静まる羊の刻に花開く
ミステリアスな花・ヒツジグサ
復路は「暗黙の了解で湿原内は右回り」に従って、左側に延びる木道を下っていこう。 左側に延びる木道沿いは池塘が多く点在し、行きに歩いた右側の木道沿いの様にエゾカンゾウの大群落とかはないが、ヒツジグサやイワイチョウ、ワタスゲなどの小さく可憐な花が周囲を飾る情景となる。
夏に降る粉雪が如く・・
ワタスゲ
いろんな花を観ながらゆっくりと下っていくのも、また楽し・・である。 カメラ片手に花の名を呼称しながら下っていこう。 最後に、湿原は“生き物”である。 むやみに湿原内に足を踏み入れると、湿原は死んでしまう。
そして、よもやないと思うが、湿原内にペットを連れ込むのは、湿原を短時間で干からびさせてしまう悪逆極まる『大罪』だ。 現に、尾瀬の近くにある《駒止湿原》では、犬を連れ込んだ数人のヒトモドキに荒らされて、湿原の乾燥化を引き起こしているのだし・・。 その速度は、犬連れ登山の横行した翌年には、早くも湿原乾燥化の被害が発生しているのである。
自然環境を後の世代に伝える為に
自らの住む地球を守る為に
絶対に守らねばならぬルール
人間としての尊厳を失いたくなければ、「ヒトの出来損ない・・ヒトモドキ!」と罵られたくなければ、絶対にせぬ事だと思う。 人間としての尊厳を守る為にも。 最後はキツく記したが、いつまでもこの湿原の景観を楽しむ為に、山の“マナー”を守って探勝して欲しいものだ。
日本人に対して異常なほどの
コンプレックスを持つチョンのヒトモドキ
日本の自然環境を滅ぼすべく
やり始めたのが『犬連れ登山』なんだよね
ウソだと思うだろうけど
犬連れ登山団体の頭は在日チョンだよ
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No Subject * by 鳳山
雨竜沼湿原って、どこかに龍が潜んでいそうな名前ですね。このブログのおかげで全国いろんな地名を知ることができ勉強になります。
Re: No Subject * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
雨竜沼湿原の名前の由来は、石狩川に合流する雨竜川からなのですが、その根源は「たぶん、アイヌ語から派生したものだろうが、よく解らない」というオチだそうです。
この川の支流のペンケペタン川の形成した湿原が、雨竜沼湿原です。 ここは「北海道の尾瀬」といわれるほどの大規模な高層湿原です。 北の短い夏には、エゾカンゾウ(本州や四国・九州ではニッコウキスゲと呼ばれます)のオレンジ色の花で湿原がオレンジ色に染まります。
雨竜沼湿原の名前の由来は、石狩川に合流する雨竜川からなのですが、その根源は「たぶん、アイヌ語から派生したものだろうが、よく解らない」というオチだそうです。
この川の支流のペンケペタン川の形成した湿原が、雨竜沼湿原です。 ここは「北海道の尾瀬」といわれるほどの大規模な高層湿原です。 北の短い夏には、エゾカンゾウ(本州や四国・九州ではニッコウキスゲと呼ばれます)のオレンジ色の花で湿原がオレンジ色に染まります。