風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第105話  白峰三山・塩見岳 大縦走 その4

よも”ヤマ”話  第105話  白峰三山・塩見岳 大縦走 その4 塩見岳 〔長野県・静岡県〕 '94・8
安倍荒倉岳 2693m、北荒川岳 2698m、北俣岳 2940m、
塩見岳(西峰) 3052m【名峰百選 43峰目】、塩見岳(東峰) 3047m、

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塩見岳と背後にそびえる荒川三山
この仙塩尾根を通す稜線上は
南アの北部と南部を渡す縦走路となっている

  塩見岳・蝙蝠岳 しおみたけ・こうもりたけ (南アルプス国立公園)
南北に標高3000mを越える峰々を連ねる巨大な山脈・南アルプスのほぼ中央にそびえる3000m峰が塩見岳 3052m だ。 この峰は北側から望むと漆黒の甲冑を思わせる入道頭の山塊をもたげて、遠目から望んでもすぐに視認できる。

その塩見岳を違った角度から望むと、あの漆黒の甲冑姿ではなくスラリとした綺麗な三角錐の山容を魅せる。 その塩見岳の神秘的な美しい三角錐の姿は、一般縦走路から大きく離れた所からでしか望めない。 その大きく離れた位置にそびえるのが、南アルプス中央部きっての秘峰・蝙蝠岳 2865m である。

この蝙蝠岳の名前の由来は、麓の地で唯一この峰が望める場所の大井川東俣域から見上げると、コウモリ型の雪形が現れるからだそうである。 この蝙蝠岳の頂に立つなら、大井川東俣域の二軒小屋ロッジから10時間かけて登りつめるか、山中でのビバークが必要だ。 このように、容易に近づく事が叶わぬ秘峰・・、それが蝙蝠岳である。



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白峰三山・塩見岳 大縦走 3日目 行程図

    行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR甲府駅よりバス(2:05)→広河原(2:30)→大樺沢二俣(2:00)→八本歯ノコル
     (0:45)→吊尾根分岐(0:15)→北岳(0:50)→北岳山荘
《2日目》 北岳山荘(1:35)→間ノ岳(1:10)→農鳥小屋(0:45)→西農鳥岳
     (0:35)→農鳥岳(1:10)→農鳥小屋(2:30)→熊ノ平
《3日目》 熊ノ平(2:45)→北荒川岳(2:00)→塩見岳(1:00)→塩見小屋
     (2:20)→三伏沢幕営場
《4日目》 三伏沢幕営場(0:20)→三伏峠(3:30)→塩川よりバス(1:25)→JR伊那大島駅
   ※ 前回の『第104話 白峰三山・塩見岳 大縦走 その3』の続き

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漆黒の鉄兜が
朝日を浴びて輝く始めた

  《3日目》 塩見岳を踏んで三伏沢へ
《熊ノ平》の幕営場は快適なものの、樹林に囲まれて眺望は冴えない(最近は水源保護の為、間ノ岳側に展場が移設されたようだ)。  せっかく、白峰三山や塩見岳といった名峰が周りを取り囲んでいるのだ。 この山なみと朝の爽快さを満喫しない手はない。 従って、ややキツいかもしれないが、キャンプ場は日の出前に出発したいものだ。 キャンプ場からいきなりの急登を20分ほどこなすと、稜線に出て展望はすごぶる良くなる。 

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朝日のバックライトで黒光りする
間ノ岳の巨大山塊

間ノ岳や農鳥岳のそびえ立つ東側からの御来光、ピンク色の空、朝日を浴びて輝く塩見岳の入道頭、遠くに角を突き出すように峰を魅せる荒川三山・・など、素晴らしい景色が大展望となって広がる。 
これを目にすることができるだけでも、朝早く出発した“甲斐”があるというものだ。 早出した分、カメラ片手にここで“時間調整”をして、素晴らしき朝の“ショータイム”を十分に堪能しよう。

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対峙する中央アルプスが
大空の海・雲海に浮かぶ大艦隊のように

まぁ、この時は『奇跡の体力』の最盛期であったので、「早出した分、カメラ片手にここで“時間調整”をして・・」などと天も憚る事を宣ったけど、この日の宿泊地の《三伏沢》までは8時間のコースタイムであり、現実は《熊ノ平》を日の出前か日の出と同時に出発するのは必須の事で、「カメラ片手にここで“時間調整”」などと悠長な事は言ってられないので念の為。 まぁ、今なら行程途中でヘバって、無駄な”時間調整”を多発する事になるだろうね。

この稜線の名もなき展望台を越えると、再び樹海の中に入り込む。 少し下ると、『安部荒倉岳 2693メートル の頂上へ5分』の小さなプラカードが掲げてある分岐に出る。 普段なら気にも留めない位の小さなプラカードで、安倍荒倉岳も特段気を引くような峰でもないので立ち寄らずに飛ばすケースがほとんどだが、行くか行かないか迷った時は行って頂を踏んでおいた方がいいだろう。

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ヘタレた今なら近くを通っても
「行くに行けない」ようになった
安倍荒倉岳から望む中アの眺め
上の写真と同じようなアングルだが
行くに行けなくなった今では貴重な写真なのかも

なぜなら、次行く時は必ずと言っていい程にヘタレているだろうから、8時間の縦走だけで手いっぱいとなるからである。 どんな事でもそうだが、『最盛期』というモノは人生においてはごく一瞬のようなもので、「次行けばいいや」とか「いつでも行ける」という言葉は絶対といっていいほどに次に成就できない悔いとして残るからである。 ワテもヤマは元より、青年時に夢中となった「廃止ローカル線の追っかけ」でも、数多くのこの手の失敗と悔いを体験しているのだし。

話を元に戻して、縦走路はこの分岐を左に取り、樹林帯の中をどんどん下っていく。 やや不安になる程に下っていくと、“お約束”通りに下った分だけきっちりと登り返して樹海を抜け出し、《小岩峰》という展望台に出る。 ここまで来ると日も空高く昇り、白とスカイブルーの中での眺めとなる。 中でも目を引くのが、塩見岳の“入道頭”を形成する《バットレス》で、3つの大きな節が“入道頭”の頂に向かって一直線に筋を切っている。 

その眺めのダイナミックな事・・、その威圧感に、これからこの山を極める喜びが込み上げてくる。
だが、塩見岳に至るまでに、まだまだ越えなくてはいけない“壁”があるのだ。 その“壁”とは、一度標高2450m地点まで下りきってからの北荒川岳への登り返しである。 

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樹林帯は湿地帯となって
秋の花がチラホラと咲いていた
※ 道中はあまり写真を撮ってないので
別の所で撮ったトリカブトをば

《小岩峰》から再び樹海の中に潜り、稜線から離れる。 稜線上のピーク・新蛇抜山 2687メートル は通らず、もちろん展望も北荒川岳までお預けとなる。 樹海の中をズンズン下っていく。
この樹海の中の“ダダ下り”は、北荒川岳の最低鞍部に広がる湿原と、そこに広がるお花畑が視界に入ってくると終了する。 この湿地帯は両側に狭く、進行方向に細長く広がっている。 

花はイワイチョウ・ミヤマリンドウ・キンバイソウ・キンポウゲ・モウセンゴケなど地味めだが、ちょっと気になる花々が彩りを添えている。 この湿地帯を越えると、250mの直登でひたすら汗をかかされた後、北荒川岳 2698メートル の頂上へ登り着く。

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晩夏を象徴する萎れたシシウドと
鉄兜の入道頭を覗かせる塩見岳

北荒川岳の頂上は三角点のみの簡素なものであるが、より大きくなった塩見岳の《バットレス》の威圧感と、《三峰川》まで落ち込むすざましい大崩壊の一端が覗き込めて壮観だ。 北荒川岳山頂から、“塩見岳の大崩落”と呼ばれる大崩壊地を横目に見ながら巻くように下っていくと、北荒川岳の露営地に出る。 

ここから崩壊地を避けるように東側に大きく巻き込んで2719mのピークをやり過ごし、コバイケイソウのお花畑を抜けて、再び塩見岳から延びる稜線に出る。 振り返ると、かつて縦走路だった“道”が崩落し、ハイマツの“天ノ橋立”となって迫り出す様は、大崩壊地のすざましいまでの進行具合を物語っている。
これから、直視すると背筋の凍る思いのする大崩壊地を見ながら《塩見岳バットレス》の側面に取り付いて、これをイッキに登っていくのだ。 

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圧倒的な威圧感を示す
塩見岳バットレス
ヘタれた今ならコレを見ると
登る気が萎えてしまうだろうね

《塩見岳バットレス》の圧倒的な威圧感は、ともすれば登ろうとする“戦意”をそぐかもしれない。 
だが、登ってみれば案外“クセ”がなくリズムよく登れて、以外と楽に塩見岳の“肩”に当たる蝙蝠岳分岐に登り着く。 もし、日程に余裕があるなら、是非とも蝙蝠岳 2865メートル に行ってみたいものだ。 

メインルートから外れた孤高の山から見る塩見岳は、“入道頭”ではなくすっきりとした端正な姿・・との事だ。 また、蝙蝠岳の山頂は広くなだらかな白亜の砂礫帯で、山の夢を馳せるに十分なロケーションである。 ちなみに、この蝙蝠岳への山旅も、ヘタレが顕著になり出した10年ほど前に登っているので、その時までこのブログが続いていたら、この『よも”ヤマ”話』のカテゴリーで記事にしたいと思う。

さて、ひと息着いたなら、塩見岳の頂上に向かおう。 頂上へは、あとひと息だ。 お花畑で仕切られた稜線の静岡県側を巻くように登りつめていくと、塩見岳最高峰の東峰 3052メートル に着く。  

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荒川三山と赤石岳が並んでそびえ立つ
この頂でしか望めぬ眺め

頂上に乗っかる大岩の上に立って、360°の大パノラマを満喫しよう。 悪沢岳・荒川中岳・荒川前岳からなる荒川三山の端正で崇高な姿に酔い、白峰三山の・・、特に間ノ岳のこれ程離れてまでも巨大な山容に魅せられる。

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アングルを左にずらすと
最南端の3000峰の聖岳も見渡せる

荒川三山の奥に角突き出す聖岳と、“愛の六連発”の山なみも見渡せる。 またこの日は、見事なレンズ雲がスカイブルーの空にアクセントを効かしていた。 この雲が現れるのは天気の“下り坂”を示す前兆なので、これを目にしたのは“運がいいのか、悪いのか”という所であろうか。 

空の奇跡・レンズ雲
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小型台風のようなレンズ雲が
富士の上に乗っかっていた

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そのレンズ雲は大空を狩る
魔物の様に変態しながら
行く充てもなく彷徨っていた

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大空を彷徨っていたレンズ雲は
変態して白い翼となって消えていった
もしかしら明日の天気が
持ち直す吉兆なのか

この大展望を十分に味わったなら、三角点頂上の西峰 3047メートル へ“アリバイ写真”を撮りにいこう。 西峰までは、吊尾根を100m程たどるだけだ。

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レンズ雲が去ったなら
三角点峰のある東峰へ行ってみよう

西峰からは、より《バットレス》とそれに連なる《塩見岳の大崩落》を覗き見る事ができる。 日本で最も奥深い位置にある3000m峰からの眺望を楽しんだなら、今日の宿泊地・《三伏沢》へ向けて下っていこう。

なお、地図を作る時に範囲取りにシクジって《三伏沢》を入れるのを忘れたので、「筆者の都合」という創作者権限を最大に駆使して、今回の「その4」は塩見岳への登頂で話を終えるとしようか。

  ※ 続く次回のこの山行の最終話は、『第106話 白峰三山・塩見岳 大縦走 その5』にて・・


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