2020-05-07 (Thu)✎
路線の思い出 第378回 妻線・妻駅 〔宮崎県〕
妻駅の駅舎を模して建てられた
西都市児童館の施設と本物の駅名標
※ 西都市の市の広報ウェブより
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83)
佐土原~杉安 19.3km 869 / 684
廃止年月日 転換処置 廃止時運行本数
’84/12/ 1 宮崎交通バス 6往復
妻線のあった西都市には
古代・邪馬台国との関連が取り沙汰される
謎の古墳群・西都原古墳群がある
妻駅(つまえき)は、かつて宮崎県西都市大字妻に存在した国鉄・妻線の駅である。
1984年12月1日、妻線の廃止に伴い廃駅となった。 駅廃止時は、島式ホーム1面の片側のみを使用する1線を有する委託駅であったが、列車行き違い設備は温存されていた。
妻線の事を知らない世代の者が
設置した書体が大いに異なる
妻駅跡の駅名標のレプリカ
※ ウィキペディア画像を拝借
現在の駅跡は駐車場となっており、駅があった経緯を示す説明書を添えた駅名標のレプリカが設置されている。 なお、本物の駅名表は、駅跡近くにある西都市児童館敷地内に妻駅を再現して建てられた施設と共に移設されている。 また、駅跡に続く廃線跡は、「将来の復活に備えて」という廃止時の協定により、ほぼ全線にわたり路盤が撤去されずに残されて自転車歩行者専用道路となっている。
路線廃止後は「将来の復活に備えて」
という取り決めで路盤が撤去されずに
サイクリングロードに転用されている
※ ウィキペディア画像を拝借
また、駅に隣接して国鉄バスの妻自動車営業所があり、『国鉄バス・日肥線』が妻線の路線延伸計画先の湯前線の湯前駅までを結んでいた。 この『国鉄バス・日肥線』は九州随一のいわくつきのバス路線で、人口1000人と九州では沖縄県や鹿児島県の離島の村を除いて最も人口の少ない村・西米良村を通っていた。
生活路線ではあったが、モータリゼーションと過疎化の進行によって末期は1日平均の乗客が2人までに減少し、営業係数も425と落ち込んでいた。
離島を除く九州随一の過疎の村を通って
妻~湯前を結んでいた国鉄(JR)バス・日肥線
※ ウィキペディア画像を拝借
それでも鉄道路線よりも存続に熱心だったようで、地域の自治会等に年間60万円の回数券購入の依頼や、西米良村において花火大会が行われた際には臨時バスの運行などを行っていたという。
だが、奮闘虚しく、1996年7月に西米良村役場のある村所より先が廃止となって西米良村の村営バスに引き継がれ、残る区間も1998年3月に全線廃止となって宮崎交通バスに引き継がれた。
現在は西米良村の中心・村所で
バスの乗り継ぎとなっている
※ ウィキペディア画像を拝借
現在は、妻駅跡の前にある西都・宮交バスセンターから村所までを宮崎交通バスが日に4往復、村所~湯前駅に西米良村営バスが3往復運行している。
なお、当駅でのエピソードとしては、当駅駅名の『妻』の入場券は『妻の入場券』という歌があったほどに人気があり、この事は鉄道ファンの間でも有名であった。 この入場券の知名度を上げるきっかけとなったのが歌手の山口百恵で、1980年に宮崎県の山口百恵ファンが妻駅の入場券をプレゼントした事を、テレビ番組の『ザ・ベストテン』で取り上げた事がきっかけで爆発的人気を博し、一年間で約10万枚も売り上げた。 これは、当時の妻駅での入場券の販売枚数の20年間分に相当するものであった。
本物の『妻駅の駅名標』は
駅跡から少し離れた西都市児童館にある
※ 西都市の市の広報ウェブより
妻線は、もし廃止があと1年延びていれば、宮原線と同じく必ず通いつめたであろう・・路線だったろうと思う。 それは、妻より以北の区間が木材の香り漂う純朴たる林業を中心とした農村地帯で、穂北・杉安といった妻線の木造駅舎も、今残っていたなら駅舎ファンの『聖地』となる程に立派な造りで、周囲の純朴たる風景と共に「是非とも『撮り鉄』写真を残したい路線」だったからである。
在りし日の杉安駅舎
:
現存すれば駅舎マニアの『聖地』と
なったであろう妻線の木造駅舎
でも、宮原線と同じく1984年11月末で廃止となり、当時まだ高校生のワテには、宮原線を追っかけるだけで精一杯だったのである。 いや・・、この際だからもうちょっと「はっちゃけて」いれば、あと数日学校サボリを追加して追う事ができたかもしれない。 まぁ、先見の明が無かったって事ですかね。
現実は「はっちゃけて」日程を追加したとしても、旅を拡大して妻線までめぐる金が無かっただろうけど・・。
さて、この妻線の妻駅周辺は、宮崎県の県庁所在地・宮崎市郊外の衛星都市・西都市の中心で、路線の始発である佐土原より大きな流動があり、朝の通勤時間帯の列車は妻にある西都市の高校に通学する高校生と、妻から宮崎市内への通勤客で上下列車とも満員状態であった。 恐らく、通勤時間帯とはいえ、上下双方向の列車が満員となる廃止線なんて珍しいと思うよ。
だが、列車の運用面では全列車が県都の宮崎発着ではあったが、妻駅に折り返しの列車を仕立てる程にホームの余裕がなかった・・というか、妻線の路線全体で列車交換設備が放棄されて(妻駅に列車交換設備はあったものの、使用されずにいた)列車交換可能な駅は佐土原のみで、佐土原より終点の杉安までは列車交換不能の1閉塞路線であった。
だが、朝のラッシュ時のみであるが、このようにそれなりの需要があったのである。 だから、妻駅に折り返し列車の発着ホームがあれば、ラッシュ時の乗客をバスに奪われる事がより少なく済んだと思う。
なぜなら、鉄道の通勤・通学定期の割引率は、民間のバス路線より格段に良かったからである。
でも、列車交換を廃して『赤字路線』として廃止する事を、当時の運営元の国鉄は選択したのである。
それは、執拗に『赤字!赤字!』と叫ぶ世論というか、それを誘導したマスコミなどの過剰な報道が、悪化していく国鉄の経営へのプレッシャーとなったのだろうと思う。
まぁ、今のマスコミはチョンに完全に乗っ取られて『マスニダ』と呼び名を変えて、チョンやシナへの利益誘導を目論んで我が国・日本の毀損に明け暮れる、日本の放送メディアを名乗る「チョンの報道工作機関」と化してるけど。
時刻表を追ってみれば判るように
妻線は列車交換不能な1閉塞路線で
しかも昼過ぎまで4時間も待機する
無駄な路線運用だった
・・という訳で、掘り起こす気があったなら旅客の需要が確保できたと思われるのに、「廃止ありき」で放置されたが故に、妻線内では列車交換不能な完全に1閉塞となって、閑散区間である終点の杉安までを無駄に往復していたのである。
だから、4両編成の通勤仕立ての気動車が閑散区間の妻~杉安を「空気輸送」の往復したり、通勤輸送を終えた列車の待機場所がなく、列車の待機場所として使える終点の杉安までの定期列車(だが、事実上は回送運用)があったのである。
妻駅への朝の通学輸送を終えた
4両編成の列車は閑散区間を空気輸送して
終点の杉安で4時間近くの昼寝タイムを取る
しかも、杉安では昼下がりの13時過ぎまで、4時間近くの待機となっていたのである。
まぁ、それ故に、長閑な雰囲気の中をゆく混成編成の列車を撮る事ができたのだけれど・・。
そして、妻への通勤輸送を終えて、待機場所の杉安へ向かう下りの「事実上の回送列車」を撮った後は、昼下がりまで4時間の空白時間となり、またこの頃の『田舎駅』・杉安には店屋もなく(もちろん、コンビニとかも各地に出回り始めたばかりで、そんなのないしィ)、4時間のヒマと空腹の為にこの地に『撮り鉄』に訪れたタワケ小僧は、ある決意をする。
4時間のヒマと補給切れにタワケ小僧は
この駅へ歩いていく決断をする
:
改札ラッチを設けるなど
妻駅の駅舎を模した西都市児童館の
裏にある新しい駅名標
※ グーグル画像を拝借
それは、杉安から店屋のありそうな市街地の妻までを歩く事である。 距離にして6~7kmで歩く事を予定していなかったら、結構ハードな距離である。 それはある程度体力の見込みがあって、今のようにキチンとザックを背負って・・という事で、この時は担いで歩くのに最も不向きな『銀箱』と着替えなどをつめたショルダーバックの「両肩ショルダー」で、なおかつ中学時代は「使えない肥満の運痴クン」で『奇跡の体力』養生中という状況だったのである。
だから、歩くのに気を取られて、穂北駅撮るのを忘れたよ。 まぁ、この頃は、駅舎にはそれほど興味はなかったしィ。 でも、勿体ないね。 その穂北駅・・、こんな駅でも業務委託駅だったから、入場券も売ってたようだけど買わず終い。 惜しい事したね。
コレを買う事にキャパを
使い果たしたタワケ小僧は
妻駅の重文級の木造駅舎を
撮るのを忘れました
それで、昼前に妻駅に着く。 でも、浅はかな小僧は、目的である「妻駅の入場券」で頭が一杯となり、ここでも駅舎を撮るのを忘れたよ。
名のある庄屋の屋敷のような
重文級の木造駅舎だった妻駅の駅舎
※ ウィキペディア画像を拝借
妻駅の木造駅舎は、名のある庄屋の屋敷を思わせるような本瓦屋根で、それは重要文化財級の「立派過ぎる」木造建築物だったのである。 ハッキリいうと、この重文級の駅舎を取り壊したのは、文化財保護の面での大いなる失態だと思うよ。 この駅舎を撮らなかったこのタワケ小僧と同じく・・。
でも、今にして思えば、この路線に乗れただけでも幸運だったのかもしれないね。 しかも、杉安駅と杉安~穂北で撮った純朴な風景と妻線の写真も撮れたしィ。 これらの写真は、Googleの『妻線』画像検索でいつも上位に掲載されているよ。
ちなみに、ワテのFC2の『路線の思い出 第114回 杉安駅』が、Googleで『杉安駅』の画像検索('20年5月現在)で第2位で表示されてるよ。 『風来梨のブログ〔FC2版〕』も、ローカル廃止線においてそれなりに地固めができつつあるようですな。
「純朴な風景とローカル線」という
生涯の宝物を撮る事ができて
お腹いっぱいとなり
その後の行動は忘れてしまったよ
当時にこの線に訪れたタワケ小僧は、キャパの少ない小僧の頭での目的であった「純朴な風景とローカル線」の『撮り鉄』と、この路線を完乗できた充実感で「お腹いっぱい」となって、第二の目的である「妻駅入場券の購入」を終えた後の行動の記憶がないのである。 たぷん、杉安駅で4時間待機していた昼下がりの列車に乗って次の路線に行ったんだろうと思うけど、それが妻線の最後となるとは考えもしなかっただろうね。
何か自称・愛国者と名乗る自粛派の方が
過激になってるようですねェ
何でもパチンコ屋に来たアホを
取り囲んで詰り倒しているようです
まぁ、この状況でパチンコに
来る奴もキチガイだけど
取り囲んで唾を飛ばして大声で
「バカよアホよ」と詰り倒すコイツらも
「本当に日本人?」と思ってしまうよ
コイツらの展開するウェブページでも
自らの意に沿わずに外出する者を
チョンやシナのように詰りまくってるしィ
:
天皇信奉右翼にこういうの多いけど
やっぱりコイツらチョンの
成り済ましなんだろうね
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