風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第96話  立山・薬師・雲ノ平 大縦走 その1

よも”ヤマ”話  第96話  立山・薬師・雲ノ平 大縦走 その1 ザラ峠越え 〔富山県〕 '94・8
竜王岳 2872m 、 獅子岳 2714m

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ムー大陸が如くの容姿で迫りくる
立山カルデラの絶景

  立山・薬師 たてやま・やくし (中部山岳国立公園)
立山連峰の盟主・立山は大汝山 3015メートル を最高点とする山塊で、古くから山岳信仰の中心であった。 立山黒部アルペンルートが開通してからはファミリー登山コースとなってしまったが、それまではアルピニズム発祥の山として、様々な登攀争いが繰り広げられた山域だ。 

それはそうとして、山の眺望はあまりにも楽に登れるのが腹立たしくなる程に素晴らしく、剱岳をはじめ、黒部渓谷・後立山連峰・槍穂高・・、果ては富士山までも見渡せる。 また、立山の麓にある広大なお花畑・五色ヶ原も、この山域の魅力を大いに引き立てている。 そして、あくまでも楽に・・という人にも“立山”は楽しめる。 それは、バス停すぐの《室堂平》や《弥陀ヶ原》などの景勝地である。 

一方、薬師岳 2926メートル は、うって変わって登山者の領域である。 この山の魅力は、何といっても山岳的雰囲気に満ちあふれている事である。 薬師岳へ向かうまでに出会う様々な絶景、端正な姿が美しい薬師岳の広大な稜線を歩く高揚感、氷河時代の遺跡・金作谷の大カール。 中でも朝日を浴びて金色に輝く金作谷カールの情景には、感動以上のものがある。 また、山のもう一つの魅力・『高山植物』も豊富で、多くのお花畑の群落を成している。

・・薬師岳からひと足延ばせば、“花の大地”《雲ノ平》にも行く事ができる。 但し、山は決して、安易な考えでの登山を受け付けない。 薬師岳はアプローチに2~3日を要する長く大きな山で、時には『愛知大遭難』のように優しい姿の山が“牙”をむく時もあるのだ。



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立山・薬師・雲ノ平 大縦走 1日目の行程図

    行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR富山駅より鉄道利用(1:05)→立山駅よりケーブルとバス(1:00)→室堂
     (1:20)→一ノ越(0:35)→富山大学立山研究所(3:00)→ザラ峠
     (0:50)→五色ヶ原キャンプ場
《2日目》 五色ヶ原キャンプ場(2:20)→越中沢岳(1:40)→スゴノ頭(1:20)→スゴ乗越小屋
《3日目》 スゴ乗越小屋(3:00)→北薬師岳(1:10)→薬師岳(1:00)→薬師岳山荘
     (1:30)→薬師峠キャンプ場
《4日目》 薬師峠キャンプ場(0:20)→太郎平小屋(2:00)→薬師沢小屋
     (1:20)→B沢・清めの滝(3:00)→高天原峠
     (1:10)→高天原山荘・山荘より高天原温泉まで片道15分
《5日目》 高天原山荘(1:30)→高天原峠(1:15)→雲ノ平・奥スイス庭園
     (0:25)→雲ノ平山荘(1:40)→黒部川源流徒渉点(0:30)→三俣
《6日目》 三俣(1:10)→鷲羽岳(1:50)→水晶小屋(0:45)→水晶岳(0:40)→水晶小屋
     (2:00)→鷲羽岳(0:50)→三俣(2:20)→双六
《7日目》 双六(1:00)→笠ヶ岳・鏡平分岐(0:40)→鏡平(1:20)→秩父沢
     (1:10)→ワサビ平(1:00)→新穂高温泉よりバス(1:40)→高山駅

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今回は立山より薬師を越えて
雲ノ平から裏銀座までの長旅だ

 《1日目》 室堂から五色ヶ原へ
この立山山域を登る全ての山行にあたっての最大の難関は、『立山ケーブル』の乗車待ちであろう。 
ひどい時には富山始発の電車で立山駅に着いても、2~3時間待ちとなる事があるのだ。
《上高地》といい、ここ『立山ケーブル』といい、北アルプスの登山基地というのはどうしてこう混むのだろうか。 

さて、このような待ち時間があるゆえ、登山開始は早くても8時半となるだろう。 これをふまえてのコースタイム6時間超という行程時間は、結構キツいのである。 あまりゆったり構えすぎると、明るい内に予定の宿営地にたどり着けなくなるからだ。

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夏雲と針ノ木岳
行程中はほとんど写真を撮らなかったようなので
宿営地の五色ヶ原に着いてからの写真おば・・

それは『奇跡の体力』の最盛期にて、テント縦走山行デビューのこの時ならいざ知らず、歳食ってヘタれた現在ならば、真剣に日没後の到着も想定せねばならないのである・・っていうか、ここ最近のヤマでは高い頻度で日没後の暗闇の中をカンテラかざして歩いているしィ。 前置きが長くなったが、それでは立山より薬師岳を通って裏銀座に抜ける大縦走を始めようか。

なお、前話でも話したが如くスーパーゴール級の『オチャメ』で、メインカメラの『F-1』の巻き上げレバーが「♪タンタンタヌキのホニャニャラは~」となったので、ローカル線を追っかけてた頃に『撮り鉄』で使っていたサブカメラの『Canon AE-1+program』がメインカメラに昇格して持参の運びとなったのである。

でも、この『AE-1+P』は、『F-1』より丈夫だよ。 購入してから35年以上経った今でも動くんだもの・・。 それに『F-1』の2台合せて9回の病院送りに対して、僅か1回だけだしィ。 やはり、真冬の北海道での『撮り鉄』という過酷な使用で鍛えたから・・だよね~。 いゃぁ・・、「可愛い子には苦労させろ」っていうし・・ね。

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五色ヶ原で撮った越中沢岳
標高が周囲の山より低い2591m
とは思えぬ迫力でそびえ立っていた

話は反れたが、元に戻して・・。 《室堂》のバスターミナルの屋上に出て名水『立山の湧水』を水筒に入れてから、東に向かって進んでいく。 長丁場の縦走行程なので水がないと必ず干上がるし、この日の宿営地の五色ヶ原までは途中の水場も見当たらないので、必ず汲んでいくべきだろう。

室堂のバスターミナルより整備された道をやや上り気味に歩いていくと、『雷鳥保護センター』を併設している《室堂山荘》の前に出る。 ここで室堂山と浄土山をめぐるコースを分けて、石畳みの敷かれた《祓堂》経由の短絡ルートに入っていく。 

早い時期などは、途中に浄土山から落ちる雪渓の端が石畳みの道を覆っていて、行楽客などの軽装者がスニーカーでおっかなびっくり伝っているのが目に入る事だろう。 また、転倒して大騒ぎする中高年がいたりして、登山コースらしき趣はあまり感じない。←この20数年後に、これらの中高年と同じように転んでのたうち回る恐怖に怯えるワテ ・・ちなみに、まだ室堂ま石畳みの道で転んだ事はないよ 転びかけた事はあるけど・・ね 

《祓堂》の祠を過ぎるとジグザグの急傾斜となって、これを乗りきると《一ノ越乗越》だ。
ここには《一ノ越山荘》が建っていて、行楽客から縦走登山者まで様々な格好の人々が、山荘前のテラスで思い思いにくつろいでいる。 山荘前のテラスから見渡すと、眩い光にうっすらと富士山や槍の穂先が雲間に浮かんでいる事だろう。 

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《一ノ越山荘》で撮ってなかったようなので
立山・雄山で撮った槍の雄姿おば・・

石畳みの道でガヤガヤざわついていたスニーカー履きの観光ハイカーは、その全てが《一ノ越乗越》で左に折れて立山・雄山へと登っていく。 《一ノ越乗越》の分岐を左に進路を取るのは、その全てがそれなりの格好をした登山者だ。 この事からも、この先からは登山者の領域である事が解るだろう。 

《一ノ越乗越》からは、山荘の脇を抜けて緩やかなガラ場の坂を登っていく。 ゆったりとした大らかな山稜には、夏の花期にはクロユリやハクサンイチゲなどの花が咲いている事だろう。 少し汗ばんできた頃には、龍王岳の頂上広場にある『富山大学立山研究所』のプレハブが見えてくる。 

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脇には可憐な花が咲くも
ズル滑りの急下降で写真どころではない
『奇跡の体力』の最盛期ではあっても
身体能力は垂直飛び33cmなど
金字塔なみの運動音痴だったりして

ここから緩く左に折れて龍王岳の斜面を下り、小さな緩衝地帯を経て岩ガレをトラバース気味にいくと、鬼岳の肩に着く。 ここからが本番だ。 この肩の急下降から《ザラ峠》までは土砂が流失気味に崩れている悪場があり、また傾斜も“立山の行楽コース”から脱却して本格的な“登山道”となるのである。
鬼岳の肩からの急下降は取付が特に急で、しかも黒土の脆い地層が続き踏ん張りが効かない。 

これを標高差150m位下ると、小さな雪渓のある草付きを斜めにトラバースして、鬼岳から派生している支稜の頭に出る。 ここから右下に周り込んで鬼岳の本峰を巻き気味に渡ると、草付きにお花畑が広がる獅子岳のコルに出る。 コルに敷設されてある木道を渡り、獅子岳の斜面に取り付く。 

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この炎天下での慰みは可憐な花と
室堂で汲んできた《立山の湧水》の
ポカリ味付けバージョンだった

ここから獅子岳までは、お花畑が点在する草付きをジグザグを切って登っていくが、草の背丈が高く、夏の最盛期で無風状態の時などは陽炎が立つ程に暑い。 この暑さは、室堂で《立山の湧水》を汲んで担いできた事を心底良かったと思えるだろう。 これを登りきると、獅子岳の支峰の頭に出る。 
ここから吊尾根状の痩せ尾根を渡っていくと、獅子岳 2714メートル 頂上だ。

頂上からは、《五色ヶ原》の大平原がライトグリーンを輝かせて、その背後に残雪の筋をまとう薬師岳の優雅な姿を望めるであろう。 この素晴らしい景色を眺めて、疲れを全て振り払ってしまおう。 
なぜなら、ここから《ザラ峠》との名前の如く、延々とザラザラの砂利道を下って行かねばならないのだ。 

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佐々成正が越えたというザラ峠は
夏も行く手が困難な急峻な峠だった
五色ヶ原より針ノ木岳を望んで

この下りの“オーダー”は、高低差300m。 膝がガクガクする程の急傾斜と歩きにくいザラザラの砂ガレは、精神的に疲れてくる。 途中に小さなハシゴを下るが、この辺りが中間地点であろうか。

獅子岳の頂上から見えた《五色ヶ原》の大草原が、いつの間にか山の後ろに隠れて深い谷の中に入っていくと、ようやく急傾斜が終わり“底”部の《ザラ峠》に下り着く。 ここから、立山カルデラの赤い断崖を見ながら緩やかに登り返していくと、《五色ヶ原》の左端に登り着く。 

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五色ヶ原の草原と針ノ木岳

ここからは木道が敷かれてあり、この上を伝っていくと《五色ヶ原ヒュッテ》に着く。
この山荘は《五色ヶ原山荘》の“サブ”扱いで、入山者が少ない時は閉鎖している。 ここから木道を伝っていくと、程なく大草原の中央部にある《五色ヶ原山荘》に着く。

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テント一式23㎏を担いで
室堂からここまで
コースタイムを割る5時間チョイ
いゃあ・・まるまると太ってますねぇ
この事から言える事は・・
『過ぎたる脂肪は力なり!』
どなたかこの学説を
世間に広めてくれませんかねぇ

ここでキャンプ設営の手続きをして、お花畑の下にあるキャンプ場へ下りていこう。 キャンプ場は《五色ヶ原》の大草原の下端で、眺めは素晴らしい・・のひとことである。 

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薬師岳と裏銀座の山々が暮れ始め・・

針ノ木岳 2821メートル ・野口五朗岳 2924メートル ・水晶岳 2986メートル などの『裏銀座名峰群』が正面にそびえる。 右には優雅な姿を魅せる薬師岳 2926メートル、そして左には、夕日を浴びて輝く竜王岳が・・。

とっておきの夕景
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ムー大陸のような立山カルデラに
夕刻に湧き上るガスが取り囲んできた

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夏の猛々しい入道雲も夕暮れとなると
夏の終わりを示す哀愁となる

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ムー大陸が夕日でほのかに染まり
伝説的な眺めとなる

また、木道に沿ってのお花畑の散策も楽しみだ。 このキャンプ場は、北アルプスでも屈指の好適地である。 今日、初めての幕営で夢の一夜を明かす。

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素晴らしき落日風景に
明日のヤマの夢を馳せる

   ※ 続きは次話の『第97話 立山・薬師・雲ノ平 大縦走 その2』にて


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この『よも”ヤマ”話』は
記事を仕込む手間がかかり過ぎるわぁ

アップ容量を気にせずに
写真を貼れるブログなので・・と
アレもコレも載せようとすると

スキャンやサイズ圧縮・カッティング
などの手間が増えるし
行程図の作成も大変だしィ
納得のいくモノを造ろうとすると
多大な手間がかかりますね



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