風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第372回  大井川鉄道井川線・奥大井湖上駅

路線の思い出  第372回  大井川鉄道井川線・奥大井湖上駅 〔静岡県

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できるだけ『恋錠』が入らないように
気を付けて駅名標を撮る

《路線データ》
   営業区間と営業キロ            ’19年・運行本数
  金谷~千頭 39.5km    金谷~千頭  9往復
                金谷~家山  1往復
                金谷~新金谷 5往復(SL急行の運航日は2~3往復増便)
              ※ 不定期で新金谷~千頭にSL急行【かわね路】号2往復の運行有
  千頭~井川 25.5km     千頭~井川    4往復
                千頭~接阻峡温泉 1往復
              ※ シーズンなど多客時には接阻峡温泉~井川 1往復増便

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半島状に突き出した丘の上に設置され
川の下流側は文字通り「湖上」の奥大井湖上駅
※ ウィキペディア画像を拝借

奥大井湖上駅(おくおおいこじょうえき)は、静岡県榛原郡川根本町梅地にある大井川鐵道井川線の駅である。 単式1面1線のホームを持ち、ホームの一部は橋梁上にせり出している。 その駅構造は、駅名通り「湖上」となっている。

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駅の長島ダム側は
ホームが橋上にせり出している
※ ウィキペディア画像を拝借

当駅は井川線の一部が長島ダムの建設によってダム湖に沈む事から、1990年に新線へ移設された際に新駅として開業した駅で、駅構内および鉄橋上からはダム建設による切り替え前の旧線の橋を一望できる。

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駅のあずま屋の屋根を入れて
旧線の線路跡を印象深く撮る

駅は海抜490mで、長島ダムのダム湖である接岨湖に突き出た半島状の陸地の突端に位置する。
この場所はダム建設以前に谷が大きく蛇行していた部分の尾根にあたり、駅および鉄橋の湖底(つまりかつての谷底)からの高さは70mとなっている。 駅を成す半島状の陸地上には民家等は無く、さながら陸の孤島の様相を呈している。 この為、「秘境駅」に数えられる事がある。

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駅への出入りは
鉄橋上のこの歩道を往来する
※ ウィキペディア画像を拝借

駅の出入口は接岨峡温泉側の鉄橋に併設されている歩道で、これを渡ると階段・山道を経由して静岡県道388号接岨峡線に出る事ができる。 県道には当駅の駐車場も用意されているものの、駐車場と駅との間は片道で20分ほどの時間を要する。

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逆光に光る
下流側の『レインボーブリッジ』

駅の前後は、2本の巨大な鉄橋『レインボーブリッジ』に挟まれている。 なお、この『レインボーブリッジ』であるが、東京港の『レインボーブリッジ』より先に命名したのであるが、東京の方が名が知られるようになって、それに遠慮してなのか『奥大井レインボーブリッジ』とも呼称されているようである。

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川面がエメラルドに光る
上流側の『レインボーブリッジ』

当駅の利用者はほぼ全員が観光客であり、当駅を下車して展望の良い丘や橋を通って隣駅の接阻峡温泉駅まで歩く、人気のウォーキングコースの起点駅となっている。 当駅に近づくと乗務車掌よって、当駅から接岨峡温泉駅までのハイキングコースの案内とコース解説の車内放送が流される。

当駅ホーム上には無理やり感の大きなこじつけであるが、駅名の『奥大井湖上』から『奥大井恋錠』の愛称がつけられ、幸せを呼ぶ鐘「Happy Happy Bell 風の忘れもの」が設置されている。 その脇には、『愛の鍵箱』と呼ばれるオブジェが設置されている。

『愛の鍵箱』は恋人が愛を誓って錠前をかける場となっており、この錠前と鍵のセットの愛の恋錠』が、大井川鉄道の主要駅で販売されている。 また、奥大井湖上駅の上にあるレイクコテージにて、土日のみカフェを営業している。



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雪景色を撮るつもりが
『レインボーブリッジ』に

本来なら、関ノ沢橋梁にて雪景色を満喫するハスだったのだが、ターゲット日となる”真冬”・・、本来なら”真冬”のハズの2月10日前後が3月下旬の『春分の日』をも思わせるポカポカ陽気で、雪はいっさいどころか周囲にそびえる標高1800mを超える南ア前衛の山の頂でさえ全く雪がない異常暖冬であった。

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雪を求めて山奥の尾盛へ下りたものの
雪はひとかけらもなく・・

なので、尾盛で雪の『風イラズ』への道を少しだけ辿ったあと、閑蔵から関ノ沢橋梁で『風イラズ』と雪景色の情景を『撮り鉄』する予定が霧散したのである。 このまま予定通りに閑蔵に出て、関ノ沢橋梁に向かっても良かったのだが、恐らく標高1990mの『風イラズ』も雪はないだろうし、この関ノ沢橋梁では秋でも「紅葉には早すぎて坊主」と外しているので、今回は別の所で『撮り鉄』する事にしたのである。

その別の所の撮影候補地として挙げたのが、長嶋ダム駅からダム下のキャンプ場に下りて、そこからアプト区間をゆくアプト式機関車を連結した列車を撮るプランと、奥大井湖上駅から対岸の県道まで登っての『レインボーブリッジ』を往来する列車を撮るプランである。

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湖上駅に停車する列車を俯瞰する

まぁ、どちらの撮影候補地も往きにトロッコ列車の車窓から確認済みで、長嶋ダムの方は自動販売機などが完備しているが、撮影地のダム下のキャンプ場までは1.5kmの距離とダム下までの100mを下らねばならず、もちろん帰りは100m登るなど帰りの列車との兼ね合いがでてくる。 要するに、帰りは帰りの列車時間に間に合わせるべく、少し早歩きを要するのである。

一方、奥大井湖上の『レインボーブリッジ』も対岸の県道まで見た目は30分近くかかりそうで、しかも駅はその名の通り湖上で、見た所自動販売機などは無さそうだった。 また、今は観光シーズンとしてはオフシーズンの平日(今のワテの勤務体系は4勤2休で休みがスライドするので、休みが平日である事が多い)で、駅上のコテージにある喫茶・売店も閉店中のようだ。

要するに、どちらも帰りの列車の時間に乗るべくのタイムレースは必須で、選択はその時のフィーリング次第・・って事になるのである。

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この井川線を撮る最大の”肝”は
極力『黒点(人影)』を入れぬように・・って事

まぁ、長嶋ダム駅のアプトの方は人は少なそう(オフシーズンでキャンプ場には誰もいない)だが、大井川の川面から離れているので川を入れてのアングルは辛いみたいである。 一方の湖上駅の方はアングルは自由自在だが、撮影上の『黒点』となる観光客は多そうである。

このようにどちらも一長一短があって決めかねたが、取り敢えず「川を入れる」べく『レインボーブリッジ』の方に決める。 湖上駅で下りると、この駅から接岨峡温泉駅まではハイキングコースとなっているらしく、常時観光客で人だかりになっていた。 そして、下車した観光客が『恋錠』の鐘をカンカン鳴らしまくるのでうるさいしィ。 もぅ、肥薩線のアノ駅を思い出してゲンナリしたよ。

でも、ココで撮る訳でないので、即効この駅前から離れて撮影場所探しに出る。 接阻峡温泉側の橋で線路脇を伝うと、観光客向けの階段としては急な階段で列車がトンネルに入る丘の高みへ昇っていく。

この階段の袂がかなりいいアングルで、1枚目はここで撮る事にする。 でも、ここでナンチャッテである『○鉄』の本領が発揮される。 ぢ・つ・わ・・、この時通る列車の上下を思い違いしていたのである。

なので、駅に停車してこちらに向かってくる井川行の列車を想定して、望遠で必死にピン合わせしてたのだが、トンネルから列車の轟音が聞こえて慌てて35mmの準広角に付け替える。 何とか間に合って事なきを得たが、撮り鉄としては蹴り飛ばされそうな位「はずかし~い」醜態を明かしてしまったな。

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列車の来る向きを間違えて
貴重な1本をボツる所だったよ

さっきの列車が間違えて千頭行きだったので、次の列車は順番から行くと井川行なので、正面から俯瞰できる所は・・と、撮影場所を探しながら急な階段を昇っていく。 この階段はかなり急で、観光客のほとんどが息を上げていたよ。 ・・ン? ワテは息が上ったかはヒ・ミ・ツ・・。←「って事は息が上ったんだな、オメーも」という囁きが聞こえる

この急な階段を昇りきってこの丘の上に出ると、道は十字路に切られていて、右へ行けばあずま屋が建っていて、左は県道への道となっていた。 正面に進んでこの丘を下りると、すぐ下に湖上駅利用客の為の駐車場があり、その先に接阻峡温泉へのハイキングルートが続いている。

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あずま屋からの正面俯瞰もいいかも

取り敢えず次の撮影場所は、このあずま屋から正面に進んでくる列車の俯瞰撮影に決める。 この日は春を思わせる位に暖かかったけど、丘の上はかなりの強風で望遠で狙うとブレかねない状況だったよ。
まぁ、『写真床』のウデとはいっても、「据付けがメンドイ」という自分の心に素直に、写真を撮り出してから大方40年近くを手持ち一本で通してきたので、強風は何とか凌げたよ。

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オフシーズンで井川線最少編成の
機関車+客車3両だったよ

最後の上下2本は、『レインボーブリッジ』を全面に入れて撮るべく対岸の県道に出る事にするが、始めは30分はかかると思われた対岸の道路まで、あずま屋から5分程で行けたのである。 これで湖上駅へは15分程度で戻れる事が判り、かなり行程に余裕ができたよ。

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この駅に戻るのに15分と判って
行程に余裕がでてきたよ

後は、エメラルドグリーンの川面を魅せる接阻峡温泉側の『レインボーブリッジ』と、陽の光でキラキラと輝く長嶋ダム側の『レインボーブリッジ』と、「一粒で二度美味しい」俯瞰撮影に勤しむ。
それでは、『レインボーブリッジ』での撮影のひとときをごろうじろ。

一粒で二度美味しい
『レインボーブリッジ』
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逆光に川面がギラギラと輝く
下流側の『レインボーブリッジ』を渡る

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川面がエメラルドグリーンに輝く
上流側の『レインボーブリッジ』

帰りは15分程で戻れたので、駅で45分の余裕ができ、旧線とあずま屋とか橋を渡る列車のドアップを撮って、15時半の列車で千頭に戻る。 

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最後は向かってくる
列車をドアップに
でも引きつけが足りず
対してアップになってないなぁ

この列車で戻ると21時過ぎには大阪に帰れるので、前夜夜行バス利用での『1day撮り鉄』ができるんだよね~。 この大井川鉄道は・・。 でも、本線の南海ズ(タボロ)ームカーの1編成が廃車になったのか、行きも帰りも『ハズレ』の東急のロンシー(ロングシート車の事)だったよ・・、残念。


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No Subject * by 根室大喜
行ってみたい、乗ってみたい、コーヒー飲んでみたい、写真一杯撮りたい^^)羨ましいな

旧線時代 * by hanagon60
鉄橋の横が通路になっているとは魅力的な駅ですね。
井川線に乗ったのは旧線時代なので、この駅もアプト式も未訪です。
行ってはみたいのですがなかなか…

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

> 行ってみたい、乗ってみたい、コーヒー飲んでみたい、写真一杯撮りたい^^)羨ましいな

ローカル鉄道の旅は、シンカンセンや飛行機にない旅の楽しみがつまってますね。 行ってみたい、乗ってみたい、駅弁や飲み物を飲んで食って、写真を撮って・・、そして眠くなったら寝て・・と、全てがつまってます。

Re: 旧線時代 * by  風来梨
hanagonさん、こんばんは。

> 鉄橋の横が通路になっているとは魅力的な駅ですね。
> 井川線に乗ったのは旧線時代なので、この駅もアプト式も未訪です。
> 行ってはみたいのですがなかなか…

旧線区間を体験されたとは羨ましい限りです。 長島ダムの完成前なので、旧線の奥大井湖上駅近辺は深い谷地形で、ダム底の移転前の集落もあったものと思われます。 もし、旧線当時の写真があれば記事にしていただければうれしいです。

No Subject * by 鳳山
大井川鉄道って大井川沿いに走っているんですね。グーグルマップで確認したら絶景の連続みたいでした。私も行ってみたい。

Re: No Subject * by  風来梨
鳳山さん、こんばんは。

> 大井川鉄道って大井川沿いに走っているんですね。グーグルマップで確認したら絶景の連続みたいでした。私も行ってみたい。

大井川に沿って南アルプスの前衛の山懐に入っていく路線で、大井川水系のダム建設の資材・人員を運ぶのと、森林資源の積み出しの為に建設された路線です。 ですが、ダムは全て完成し、森林資源も道路の拡張でトラック輸送に切り替えられて、今や完全な観光客相手の路線になってます。

特に、秋と今年はダメでしたが冬の雪景色がいいですね。 そして、近くに寸又峡温泉などあるので、湯治にはいいかも・・です。

コメント






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No Subject

行ってみたい、乗ってみたい、コーヒー飲んでみたい、写真一杯撮りたい^^)羨ましいな
2020-03-27 * 根室大喜 [ 編集 ]

旧線時代

鉄橋の横が通路になっているとは魅力的な駅ですね。
井川線に乗ったのは旧線時代なので、この駅もアプト式も未訪です。
行ってはみたいのですがなかなか…
2020-03-27 * hanagon60 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんばんは。

> 行ってみたい、乗ってみたい、コーヒー飲んでみたい、写真一杯撮りたい^^)羨ましいな

ローカル鉄道の旅は、シンカンセンや飛行機にない旅の楽しみがつまってますね。 行ってみたい、乗ってみたい、駅弁や飲み物を飲んで食って、写真を撮って・・、そして眠くなったら寝て・・と、全てがつまってます。
2020-03-27 *  風来梨 [ 編集 ]

Re: 旧線時代

hanagonさん、こんばんは。

> 鉄橋の横が通路になっているとは魅力的な駅ですね。
> 井川線に乗ったのは旧線時代なので、この駅もアプト式も未訪です。
> 行ってはみたいのですがなかなか…

旧線区間を体験されたとは羨ましい限りです。 長島ダムの完成前なので、旧線の奥大井湖上駅近辺は深い谷地形で、ダム底の移転前の集落もあったものと思われます。 もし、旧線当時の写真があれば記事にしていただければうれしいです。
2020-03-28 *  風来梨 [ 編集 ]

No Subject

大井川鉄道って大井川沿いに走っているんですね。グーグルマップで確認したら絶景の連続みたいでした。私も行ってみたい。
2020-03-31 * 鳳山 [ 編集 ]

Re: No Subject

鳳山さん、こんばんは。

> 大井川鉄道って大井川沿いに走っているんですね。グーグルマップで確認したら絶景の連続みたいでした。私も行ってみたい。

大井川に沿って南アルプスの前衛の山懐に入っていく路線で、大井川水系のダム建設の資材・人員を運ぶのと、森林資源の積み出しの為に建設された路線です。 ですが、ダムは全て完成し、森林資源も道路の拡張でトラック輸送に切り替えられて、今や完全な観光客相手の路線になってます。

特に、秋と今年はダメでしたが冬の雪景色がいいですね。 そして、近くに寸又峡温泉などあるので、湯治にはいいかも・・です。
2020-03-31 *  風来梨 [ 編集 ]