2020-03-18 (Wed)✎
よも”ヤマ”話 第94話 飯豊山・川入ルート その1 〔福島県・山形県・新潟県〕 '94・8
飯豊・三国岳 1644m 、飯豊・種蒔山 1791m
飯豊山頂を見上げて
:
写真は別の時のだけど
確かに登ったのよ
飯豊連峰 いいでれんぽう (磐梯朝日国立公園)
福島・山形・新潟の三県にまたがる飯豊連峰は、主峰・飯豊山 2105メートル を中心に、最高峰の大日岳 2128メートル ・花の御西岳 2013メートル ・東斜面に幾筋もの雪量豊富な雪渓を持つ北股岳 2025メートル など、標高2000m前後の個性的な峰が並んでいる。 これらの山々は、豪雪地帯にそびえているので雪食が目立ち、特に主稜線東斜面は多量の積雪によって大いに削られて急峻な地形となっている。
一方、季節風によって雪が飛ばされて積雪が少ない西斜面は、あまり雪食の影響を受けず穏やかで、主稜線の山々は両面非対称の山容を示している。 この飯豊連峰も、東北の名峰と同じくアプローチが長い熟達者向きであるが、雪渓やお花畑を多く抱き、バリエーションルートも充実して登山心をくすぐられる山域だ。
・・魅力的な登山コースとして特にお薦めは、北股岳北東斜面に広がる《石転ビ沢大雪渓》を伝うコースだ。 このコースは、そこそこの登山経験が必要なバリエーションルートではあるが、長さ2.8km・標高差1000mの雄大な雪渓を直登する醍醐味を味わえる素晴らしきコースで、夏の飯豊登山のメインルートである。
今回の別名
『ヤマの相棒のオチャメ山行』
の悲しき詳細図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 喜多方市街より車利用(1:20)→御沢駐車場(0:10)→御沢小屋
※ 御沢小屋は取り壊されて、現在は存在しない
《2日目》 御沢小屋(2:20)→峰秀水(1:00)→三国小屋(1:10)→切合小屋
《3日目》 切合小屋(2:00)→飯豊本山小屋(0:15)→飯豊山〔本山〕(0:30)→飯豊・駒形山
(0:30)→飯豊山〔本山〕(1:45)→切合小屋
《4日目》 切合小屋(1:10)→三国岳(1:30)→横峰小屋跡(1:20)→御沢小屋
(0:10)→御沢駐車場(1:20)→喜多方市街
《1日目》 御沢小屋までのアプローチ
最初に断っておこう。 今回の写真は、掲載するとしても全てが使い回しであると・・。
その理由は話が進むうちに語っていこう。 さて、早池峰山の登頂を終えて、洗濯も兼ねて仙台のYHで一泊して、飯豊山の登山口である川入に入ってくる。
川入は民宿はあるが駐車場はなく、御沢小屋の手前にある御沢キャンプ場の駐車場まで入ってくる。
当時乗っていた車はハッチバックの1800ccの2ドア車で車内は狭く、おまけに座席も完全にはフラットにならず、車寝の連発はさすがにキツかったので、「どっか寝る場所でもないかなぁ」と、地図を見返すと地図に小屋マークはないが『御沢小屋』と記してあったので、行ってみる。
行ってみると、それは野宿の神様の御褒美だった。 炊事場アリ~の、トイレが中にアリ~の・・、完璧な無人小屋だったよ。 さすがに布団と照明はなかったけど。 早速、自炊して寝る。 この時は、明日からの飯豊山の絶景にシャッターを切っているワテの絶頂の姿を夢見るばかりだった。
2日掛かりでこの長大な
尾根筋を登っていくのデス
《2日目》 川入ルートから三国岳を通って切合小屋へ
旅に出る前に読んだ山ガイドで、「飯豊山は、山頂まで標準のコースタイムでも2日掛かりの8時間かかるキツい山系の山」との擦り込みを受けて、途中に切合小屋もある事だし、今回もテントデビューは見合わせにして、炊事用具とシュラフなどの避難小屋泊の装備で登り始める。 トイレを済まして、炊事場で行動水を汲んで出発する。 出発は5時。
ルートはブナ木が林立する森の中を、ジグザグを交えて登っていく。 途中に『下十五里』、『中十五里』、『上十五里』、『笹平』と森林鉄道の駅のような名の休憩スヘースを休憩せずに飛ばしていく。
まぁ、『奇跡の体力』の絶頂期だったし・・ね。 こういった休憩スペースを飛ばしていくと、『横峯小屋跡』という休憩場所で先行の高校ワンゲル部の一隊に追いつく。
登り始めてから1時間半はノンストップで歩いた事だし、そろそろ休憩を入れるか・・と腰をおろすと、先行の高校ワンゲル部の下級生と思しき子が潰れていた。 もう、仰向けになってグロッキーに喘いでいたよ。 その「ゼェ・・ハァッ」という喘ぎ声がコッチにも聞こえてきたよ。 もう、今のヘタレにヘタったワテでさえしないようなヤバい息づかいだったよ。
ポカリの代わりに
コバイケイソウの花の写真おば・・
:
明日の『オチャメ(しけい)判決』がなければ
この山行輝かしい英雄山行だったよ
見て見ぬふりもできないので、取り敢えず持って来ていたポカリを差し出してあげた。
こういう状況なら、水よりもジュースの方がバテに効くのである。 そして、「落ち着いたら、パンでも食べさせてあげて」と託けして出る。 まぁ、これは後々に、ワテ自身がお世話となる『血糖値との闘い』における山での対処法となったのはヤブの中に。
こういうバテは、低血糖に陥った時に症状として出るのであるから。 まぁ、若くて頼りなさそうな顧問の先生が三願の礼を尽くして見送ってくれたよ。 でも、この高校ワンゲル部の一隊はウチの高校のワンゲロと違って、山行に部の顧問の先生がちゃんと着いてくる『まともな高校』だった事もヤブの中に。
今の御時世・・、ウチのような部はバレたら確実に活動禁止となるだろうけどね。
ここまでは気分上々だったのだが
さて、ワテよりも10も若い高校生よりも体力で勝っている事を確認できた当時のワテは、気分も上々に登っていく。 バテた高校生にポカリ水を分けてあげたので、地蔵山の麓にある峰秀水という水場で水を汲み直して、三国岳のスレートの岩場に挑む。
この岩場自体は鎖付きであるがスレートのまろやかな岩場で、登る分には鎖は不要だろう。
でも、この20年後にこのコースを下りた時には、「もっと鎖が欲しいよな」なんて感じたりするほどヘタレていたのもヤブの中に。
この時は鎖ナシでも十分
20年後は宇宙一安い伝家の宝刀
『クマ下り』で下りた三国岳の鎖場
でも、今は『奇跡の体力』フル全開というワテのヤマ人生の盛夏の時で、難なくこの鎖場を鎖を一切握らずに登りきる。 恐らく下りも、道具が『オチャメ』って「下りてからどうするか」を考えていて上の空であったが、鎖を握らずに下りていたと思う。
やがて、越後(新潟)・会津(福島)・出羽(山形)の三国の境にまたがる三国岳の頂に建つ三国小屋に着く。 ここも管理人のいる小屋であるが、位置が中途半端でワテ的にはあまり利用価値はないなぁ。
ここまで空模様も雨は降らないもののドン曇りで、しかもまだ標高が低く花もあまりなかったので、写真を撮る事はほとんどなく、『オチャメ判決(しけいはんけつ)』は、明日以降に順延となったのである。
花を撮る一枚一枚が
『オチャメ(しけい)判決』へと
つながっていく
三国岳から稜線のたわみを伝って種蒔山 1791m を越えると、そろそろ花がチラホラ見え始める。
ここで花を数枚撮り、『オチャメ判決(しけいはんけつ)』の時を1枚づつ辿っていく。
でも、まだその症状は出ていなかったのである。
あぁ・・ ヤマの写真は素晴らしいね
20年後のヘタレが撮っても
種蒔山を越えてなだらかな起伏を上下すると、飯豊山系で最大の山小屋である切合小屋に着く。
小屋内は畳敷きのザコ寝で、管理人は常駐するものの扱いは避難小屋で、シュラフをもってこなかった奴は毛布だけという扱いだった。 そして、「飯も米を持ってきたなら焚いてやる」って事で、基本は素泊まりのみの宿泊料2000円の小屋であった。
まぁ、トイレはあるし、水は小屋前の流し台にジャブジャブ流れているので、ワテから言わせると恵まれた小屋である。 明日は、歳を食ってヘタレてから山行で毎度の如く見る「時の涙を見るモード by Ζガンダム」となるのである。
※ 続きは次回の『第95話 飯豊山・川入ルート その2』にて・・
こういうアクシデントがあるから
旅は面白いんだよね
アクシデントにあってどう乗り切るか
予想外の事で心が躍動するドキドキ感
:
撮った瞬間に結果が判るデジタル
では決して味わえない
そんなワクワク感があるから
失敗してもトラブっても
フイルムカメラはやめられない
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No Subject * by 根室大喜
読んだり写真を見たりしてるだけで楽して山行してる感じがたまらん^^)v
Re: No Subject * by 風来梨
根室大喜さん、こんばんは。
> 読んだり写真を見たりしてるだけで楽して山行してる感じがたまらん^^)v
有難うございます。 書いた自分が読み返してみると、高校時代のワンゲロ編はほとんど犯×者ですわ。 書いてる自分もドン引きしちゃいました。(笑)
> 読んだり写真を見たりしてるだけで楽して山行してる感じがたまらん^^)v
有難うございます。 書いた自分が読み返してみると、高校時代のワンゲロ編はほとんど犯×者ですわ。 書いてる自分もドン引きしちゃいました。(笑)