2020-03-03 (Tue)✎
『日本百景』 冬 第420回 湯瀬渓谷・冬 〔秋田県〕
雪で水墨画の情景となった湯瀬渓谷
湯瀬渓谷 ゆぜけいこく
『湯瀬』はその字の如く、名湯として有名な所だ。 だが、JR花輪線が湯瀬駅に入る手前に、切りたった渓谷を数度渡るのだ。 ほんの僅かの間の事なので目を凝らして眺めなければ通り過ぎるが、それを目にしたならば・・、そして貴方が渓谷に興味を持つ旅人ならば、きっと湯瀬駅で途中下車したくなるだろう。 今回は、そういう「ちょっと気になる」眺めを訪ねてみよう。 それが、この湯瀬渓谷である。
湯瀬渓谷の遊歩道の奥にある
ひやき滝
・・湯瀬渓谷は、湯瀬から八幡平までの約4kmの渓谷で、人知れず瀑布を落とす滝もさる事ながら、吸い込まれていきそうな深い淵が印象的な渓谷である。 この渓谷が最も魅力を増すのは、やはり冬の深雪をまとった時であろう。 『静』の時を得て、淵がより一層深く魅惑的に見えるからである。
湯瀬渓谷・探勝図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
盛岡駅より鉄道利用(2:00)→湯瀬駅(0:10)→湯瀬渓谷・湯瀬口(0:20)→ひやき滝
(0:40)→地蔵岩(0:15)→湯瀬渓谷・八幡平口(1:00)→湯瀬駅より鉄道利用(1:55)→盛岡駅
雪の湯瀬渓谷は
格別の情景を魅せてくれる
盛岡から2時間、県境を越えて秋田県に入って最初の駅が《湯瀬》だ。 この駅で下車したなら、国道282号線を《八幡平》方向へ歩いていこう。 国道282号線を15分程歩くと、ホテルが立ち並ぶ温泉街を抜け出た所にある《湯瀬渓谷入口》に着く。 入口には、『秋田景勝三十景・湯瀬渓谷』との案内板があり、すぐに判る事であろう。
渓谷入口に立つ案内板によると、この渓谷の遊歩道はその昔、『津軽街道』であったとの事である。
なので、渓谷内の遊歩道に陸奥と関東を結ぶ主脈であった面影を随所に残している。 これらの名残は、歩いていくうちで追って説明していこう。
鉄橋の周囲は雑木林となっていて
いいアングルを見つけるには苦労するが
ハマれば感動の
『風景鉄道』情景が撮れるのだ
入口からしばらく歩くと、花輪線の鉄橋を跨ぐ。 この鉄橋を渡る列車と冬景色の調和は美しく、列車が来るのを待って撮りたくなる。
一面に白い綿帽子を被ると
旅気分が大きくなる
:
ハマってワテの『撮り鉄』
一番星となりますた
ただ、そんなに列車本数がないので、列車の待ちで時間を食ってしまうと、渓谷探勝の時間が無くなってしまうかもしれないので念の為。
でも『撮り鉄』にかまけてると
渓谷遡行の時間が無くなるよ
まぁ、雪に埋もれた遊歩道をゆくので、雪が深くなると途中で引き返しや、雪道の歩行で時間を食ってタイムオーバーも有り得るのである。
剣ヶ岩に垂れ下がる
氷柱でできた氷の剣
さて、花輪線の鉄橋を越えて暫く歩くと《剣ヶ岩》が現れる。 この岩は下から見ると何の変哲もない岩だが、この岩の上に周り込むと剣が突き立っているように見えるのだ。 この《剣ヶ岩》から更に奥に登っていくと、《ひやき滝》がある。
剣ヶ岩の奥に
数段の滝が望める
剣ヶ岩より剱沢を遡っていくと
『ひやき滝』がある
滝の縁をよじ登っていくと
岩を美しい模様て
滑るナメ滝が現れる
この滝は、厳冬期に眺めるのが実にいい。 岩を伝う滝の雫が氷柱となり、日の光を浴びて輝くのだ。
この美しき光の妙を見たなら、再び遊歩道へ戻ろう。 《剣ヶ岩》から10分程歩くと、この渓谷最大の見どころ・《細滝》とその落水が長い歳月をかけて彫り、そして刻み込んでいった《釜淵》である。
舞い振る雪が
次々と深い淵に消えていく
覗き込めば、吸い込まれていきそうな深くまどろんだ淵。 その底から、何とも言えぬ澄みきった蒼紺を魅せる水面。 そして、この情景を一層引き立てるのが、冬の雪景色であろう。 舞い込む雪がこの淵に入り込む瞬間、白銀が蒼紺の淵に合わさる瞬間に神秘的な何か、言葉では言い表せないものを感じるのである。 これが、“吸い込まれそうな深い蒼紺”なのであろうか。
淵に舞い込む雪を見つめていると
淵に吸い込まれてしまいそうな気がした
この静止した神秘的な時は、淵から目線を離して辺り一面の雪化粧を振り返った時に終わる。
そう・・、神秘的な時から解放されて、“我に帰る”のだ。 この渓谷の魅力は、これに尽きるといっても過言ではない。
釜淵を越えると周囲は明るくなるものの
遊歩道の雪は最も深くなっていく
この《釜淵》から先はこれまでと打って変わって、明るく開けた感じの眺めとなる。
また、『津軽街道』に伴う史跡も、この辺りに多く見受けられる。 まずは《地蔵岩》。
これは、渓谷の対岸の岩壁に大きな地蔵が彫られていて、それに大きな赤い「前掛け」を掛けてある。
そして、遊歩道側にあるこの地蔵を祀る祠に、街道を通る全ての者の無事祈願を祈りこめられてあった。
高速道路を跨ぐと一転して
雪が少なくなって歩き易くなる
スンマセン・・
当時は宗教的なモノを拒絶してたので
地蔵岩はガン無視ですた
昔の旅は命がけであったのだ。 だから、今で言う『安全』ではなく、『無事』を祈願しているのだと思う。 この《地蔵岩》のすぐ後ろをJR花輪線が通っているので、列車の車窓からも望む事ができる。
但し、鉄橋を渡るほんの一瞬であるが。
コチラ側の橋梁は見通しが良く撮りやすいが
『撮り鉄』のアングルとしては平凡ですね
この後、この地の守護神を祀る《大日堂》があり、この辺りから遊歩道は渓谷から離れていき、《八幡平》側の出口に着く。 こちらは、入口の《湯瀬口》と違って渓谷を示す現代的な案内板などはなく、苔むした路傍の石に道しるべが彫ってあるだけである。 こけは『津軽街道』の名残であろう。
帰路は、国道を《湯瀬》まで戻ってひと風呂浴びて帰るも良し、八幡平駅までいって列車の車窓から一瞬の渓谷美を眺めるのも良し・・である。
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