風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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オホーツク縦貫鉄道の夢  第20回  唯一の現存区間・その2 オホーツク沿岸へ・・

『オホーツク縦貫鉄道の夢』  第20回  唯一の現存区間・その2 オホーツク沿岸へ・・
 

ギンギンギラギラの暑い季節に
ギンギンギラギラの冬の情景をどうぞ
 
前回の予告通り、ギンギンギラギラにテカる夏の太陽光を尻目に、オホーツクの風物詩・流氷を語る事にしよう。 でも、さすがに表題は、「オホーツク沿岸へ・・」と『流氷』の文字をつけれなかった所が筆者が小市民たる所以である。 それでは、季節ぶっ飛びの続きを始めよう。
 

 
沿線上の風景としては、次の《北浜》付近がこの路線のクライマックスであろう。
この区間の線路は最も海よりを走り、《北浜》駅では僅か20mまで海辺に接近する。
 

 
お勧め時は、やはり流氷時。 駅舎にある喫茶・レストラン『停車場』の中で、暖かいものを口にしながら流氷を眺める贅沢・・、駅ホームから寒さをこらえながら、手で触れんばかりに近づいた流氷を見る贅沢・・、列車の中から古びた気動車の薄暗いグローブ灯を充てに、二重窓越しに流氷を眺める贅沢・・、線路を跨いで実際に流氷に手を触れる贅沢・・と、贅沢をいえばキリがない。
 

薄っすらと沖に迫る流氷と貨物列車

また、駅の待合室には、旅人の“旅のあと書き”が至る所に貼り付けられ、駅舎内がツリーの飾りつけのようになっている。 まぁ、綺麗なものではないが、『旅人の掲示板』としてこのようになる事を許された所だから、旅の情感の一つとして捉えればいいのではないか・・と思う。
 
《北浜》を出ると、同じく喫茶店『トロッコ』が入っている《藻琴》駅へ向かう。
《藻琴》は快速列車が停車するようで、駅舎や待合室は《止別》や《北浜》に比べると少し大きい。
でも、1日僅か8本程度の路線で、こう立て続けに喫茶店やら軽食レストランがあるって事は、駅としてよりも国道端の頃良いドライブインとしての性格の方が強いみたいである。 
まぁ、考えてみれば、駅の喫茶店は車内の乗客には関係ない事なのだから・・。 

でも、無人となり朽ちる事しきり・・のはずだった木造駅舎の面倒をこれらの店たちが見てくれる。 
そして、駅がまがいなりにも活気づくのなら、訪れた観光客の何人かが“今度は汽車で降りてみようか”と思ってくれるなら、大変意義のある事だと思うのである。
 

氷が点在するオホーツクの
海辺を貨物列車が過ぎる

廃止路線にも名を連ねかねない程のジリ貧路線だった釧網本線が、今・・観光路線として再生しようとしている。 流氷や釧路湿原を観賞するトロッコ列車、知床や摩周湖・屈斜路湖、そして釧路湿原と観光資源には事欠かない。 車社会に埋もれて貨物輸送がなくなるなど辛い立場に立たされた鉄道だが、どうにかこの観光資源という切り札を手に再浮上してもらいたいな・・と思うのである。
それでなくても、オホーツク沿岸路線の“最後の砦”なのだから・・。

《藻琴》を出るとすぐに国道とクロスして、海から離れて土手側を伝うようになる。
アイヌ時代に鱒の好漁場だった事が地名となった《鱒浦》や、網走の住宅街に位置するのに利用客の乏しい《桂台》などを経て、終着網走に到着する。 終着駅は多少なりとも活気があるのものなのだが、この駅には活気が感じられない。 列車も、札幌からの特急が日に4本とジリ貧だ。

網走は人口4万人そこそこと、もはや市制の条件であった『人口 5万人』も割り込んでいる。 
街を歩いてみても活気は感じられない。 沿岸路線が廃止となり、人の往来が乏しくなる。 
そして寂れる・・の悪循環を成しているようだ。 いくら道路が良くなっても通過する車が増えるだけで、通過点の街には何ら恩恵がないのだ。 

観光バスとて同じである。 いくら観光地に向けて頻発しようとも、それは観光地へダイレクトで向かうものであり、途中の街には何の恩恵もないのだ。 接続路線が廃止となり通過点と化した網走市も、心なしか寂れていっているように思う。 オホーツク沿岸路線の廃止が、沿岸都市の衰退を招いた要因の一つである事をこの駅で目にする事ができた。
 

点在する流氷と知床連峰
 
こうして終点の《網走》に着いた訳だが、これだけでは少々物足りないので、少し足を延ばして《能取岬》へ流氷を見にいこうと思う。
 
 
   ※ 詳細はメインサイトより、
     架空旅行『オホーツク縦貫鉄道の夢・斜里~網走』を御覧下さい。
 
 
 
 
 
 
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