風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第92話  五色ヶ原より望む花のトムラウシ

よも”ヤマ”話  第92話  五色ヶ原より望む花のトムラウシ 〔北海道〕 '94・7
五色岳 1868m  (往路に続き登頂)

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魅せられたかったのは真に
花とトムラウシの織りなす絶景だ

  五色ヶ原・沼ノ原 ごしきがはら・ぬまのはら (大雪山国立公園)
五色ヶ原に優るお花畑はなく、沼ノ原を凌ぐ湿原もない。 そして、人影もまばらで原始の香り立つ『奥大雪』の最奥。 この素晴らしき大自然を味わうには、必ず山中での宿泊が必要だ。
それも無人小屋か、自前のテントを担いで・・となる。 これら、山中での辛い洗礼を受けてこの地にやってきた者のみに、大自然はこの世とも思えぬ景観を魅せてくれる。 

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ミヤマキンバイの黄色のじゅうたん

エゾノハクサンイチゲ・エゾコザクラ・ホソバウルップソウ・チングルマなどの息も着かせぬ大群落が、延々5kmに渡って続くのである。 これは、もはや“お花畑”ではなく、“花の国”いや“花の世界”である。

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白い花が大地を染める

そして、この広い花の世界を通り抜けると、原始の湿原・《沼ノ原》である。 大小様々な池塘と高層湿原植物、そしてトムラウシ山の勇姿を眺めることができる穴場だが、ヒグマに遭遇する危険も秘めている。



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沼ノ原~ヒサゴ沼 行程図

   行程表               駐車場・山小屋・トイレ情報
《1日目》 層雲峡温泉より車(1:00)→沼ノ原登山口(1:40)→沼ノ原・大沼(3:00)→五色ヶ原
     (0:20)→五色岳 (1:10)→化雲岳分岐(0:40)→ヒサゴ沼避難小屋
《2日目》 ヒサゴ沼避難小屋(0:35)→ヒサゴ沼分岐(0:30)→トムラウシ・日本庭園
     (1:25)→北沼(0:30)→トムラウシ山(2:00)→黄金ヶ原
     (1:40)→トムラウシ・南沼(1:35)トムラウシ・日本庭園
     (1:00)→ヒサゴ沼避難小屋
《3日目》 ヒサゴ沼避難小屋(1:50)→五色岳(0:15)→五色ヶ原(2:30)→沼ノ原・大沼 
     (1:00)→沼ノ原登山口より車(1:00)→層雲峡温泉
       ※ 前回『第91話 黄金ヶ原』からの続き

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絶景を望みながらの
贅沢過ぎる下山行おば・・

 《3日目》 五色ヶ原より花のトムラウシに魅せられながら下山
今日はヒサゴ沼より往路を下山するだけだ。 今の状態(若き『奇跡の体力』を保持している状態)で、キツいアップダウンのない緩やかな下りを行けば、いくらかかってもコースタイムの5時間半を大幅に超える事はないだろう。 だが、ある事の為にも、朝6時にはヒサゴ沼の避難小屋を出発する。

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化雲岳のシンボル・デベソ岩と
周囲を彩るチングルマのお花畑

万年雪渓を登りつめて化雲岳 1954m のシンボル『デベソ岩』に着くまで40分ほど。
今では考えられん速さだ。 しかも、(使わなかったけど)テント装備一式担いで雪渓の登高をコースタイム1:10より30分近くアンダーで登りつめるのだから、いつもこのタワケが『奇跡の体力』と連呼しながら嘆く事も理解して頂けるだろう。

いつもならデベソ岩の上に登って表大雪や高根ヶ原の眺めを堪能するのだが、今日は早く小屋を発った目的を果たすべく、化雲岳のデベソには立ち寄らず、分岐で右折して化雲平から五色岳の方向に歩いていく。

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以前の大雪~トムラウシ縦走山行で撮った
化雲平のホソバウルップソウ

化雲平は北の未知なる島に咲く花・ホソバウルップソウの群落地として有名だが、この時は花期に早かったのか、ほとんど見かけなかったように思う。 まぁ、この山行で撮ったホソバウルップソウは全てトムラウシのトロイデ円頂丘で撮ったモノで、化雲平では一枚も撮ってないので、「写真を撮ってない」という事は化雲平ではあまり見かけなかったのだろう。

化雲平での最大の『売り』であるホソバウルップソウをあまり見かけなかった事もあり、足早に五色岳 1868m 頂上に着く。 到着は7:40と、これまたコースタイム40分アンダーの凄ましいタイムであった。

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五色岳頂上で現れたトムラウシの姿に
これより10分先のパラダイスの期待が高まる

この五色岳の頂上は表大雪や高根ヶ原と沼ノ原の分岐で、もちろんメインルートは表大雪方向だ。
だが、行程上や下山先での車の確保などで不利な、大雪の逆縦走を志す者はほとんどおらず、コチラに向かって登ってくる正方向の縦走者も、まだ時間的に早く見かけなかった。 また、五色ヶ原方面も、ワテが避難小屋をトップ出発&コースタイムより40分の早着と言う事で、追随者が誰一人いなかったよ。

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これより10分下っていくと
雪渓やハイマツが消えて

さて、これから、朝トップで避難小屋を出てでも魅せられたかったパラダイスが始まる。
そして、往路では曇天だった天気も、トムラウシが青空にクッキリと浮かんでる。
さぁ、五色岳の頂からほんの・・、しかし長い10分を下っていくと花のパラダイスが広がっていた。

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花とトムラウシの織りなす
パラダイスに突入する

この絶景に魅せられた感動は、どんな言葉をもってしても表現する事が敵わないだろう。
もう、撮った写真で語るしか術がにいのだ。 それでは、その感動のごく一部・・、ワテが写真に収める事が叶った絶景のごく一部をごろうじろ。

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それを目にした瞬間
呆然と立ち尽くしたよ

それは、往路でのエゾノハクサンイチゲの白い花オナリーだけではなく、ミヤマキンバイの黄色の花も彩を添えてくれる。 また、ミヤマキンバイの黄色い花オンリーの所も、エゾノハクサンイチゲとミヤマキンバイの白と黄色のミックスもあった。

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ミヤマキンバイの黄色の衣装に衣替え

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白と黄色の花の帯の
ドレスアップも神情景だ

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絶景の連続に心を落ち着かせるべく
ミヤマキンバイにピントを合わせて
遊んでみたりもしたけど

でも、圧巻は、青空とエゾノハクサンイチゲの白の帯に飾られたトムラウシ山である。
もう、コレを目にした時、感動で打ち震えたよ。 それでは、ありったけの感動をごろうじろ。

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やはり言葉にならないほどに感動したのは
この白い花のドレスアップだった

もう、この感動的な絶景でワテの『写真床』力を使い果たしてしまった(『床』というだけあって元からビビたるものだが)ようで、これ以降の写真はロクなモノがなく、第88話の『沼ノ原』の掲載写真を見て頂いた方がいいので、そうして頂く事にしようか。 まぁ、過去記事閲覧の推進もワテのブログ運営での肝だしィ。

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五色ヶ原の花の勢いも縮小して
これほどの花の楽園は
もう見れないかもしれないから

この一連の記事を書いていて残念に思ったのは、やはり「この記事は初夏から夏に記したかった」って事である。 今回の「五色ヶ原より望む花のトムラウシ」は元より、「沼ノ原から望むトムラウシ」・「花のトムラウシ日本庭園」・「大地を白く輝かす場所」など、魅せられる(『写真床』としては・・だが)写真を掲載したんだけど、冬の季節外れと言う事で反応はいま今イチだったし。

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できれば初夏に掲載したかったなぁ

でも、このカテゴリが一番ネタが豊富なんだよね~。 それは、まだ'94・7とほとんど進んでおらず、これよりも200以上の”ヤマ”ネタがあるしィ。 写真も自信作(『写真床』なので一般レベルではそれなり)から掲載見合わせレベルまで10000コマ以上のリバーサル原版あるしィ。

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こんな奇跡な情景なのに
季節外れの掲載では
あまり見てもらえないから

これに滝めぐりや探検を含めると、裕に1000話以上のボリュームでネタがあるのだ。
ただ、これを仕込んで記事として使えるようにするには手間と時間がかかってしまう・・って弱点はあるけれど。


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花の勢いが落ちてきて
もう二度と見れないかもしれない
あの大地を染める花の白

季節外れの記事であるのが
心底口惜しいと思ったよ

だから季節外れを度外視しても
是非見て欲しい花情景だと思うワテ

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こんばんは!(^^)! * by mt minnie
五色ヶ原より望む花のトムラウシ 、すごーいお花畑ですね
ここは確かに重い荷物と避難小屋泊で大変なコースですね
なかなか北海道の山に行く休みはとれず行っていません。
素晴らしいお花畑、日本一でしょうか?!(^^)!


Re: こんばんは!(^^)! * by  風来梨
mt minnie さん、こんばんは。

> 五色ヶ原より望む花のトムラウシ 、すごーいお花畑ですね
> ここは確かに重い荷物と避難小屋泊で大変なコースですね
> なかなか北海道の山に行く休みはとれず行っていません。
> 素晴らしいお花畑、日本一でしょうか?!(^^)!


この五色ヶ原と前回の91話の黄金ヶ原は、エゾノハクサンイチゲの白い花の色で大地が白く輝きます。 特に黄金ヶ原は、トムラウシの頂上から望むと、本当に大地が白く輝いて見えます。 詳しくは、前話を見てくださいね。
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1726.html

でも、この日は残念ながら雲って、ヤマは隠されてしまいました。

そして花の勢いは、25年前のこの頃(1994年の夏)より衰えていると耳にします。 でも、まだまた自然の奇跡的な情景を魅せてくれると思いますよ。

No Subject * by 鳳山
山中での大自然を楽しむために、一泊が必要。厳しい世界です。でもそこまでしても見たい素晴らしい景色なんでしょうね。

No Subject * by 根室大喜
見応え有ります^^)

Re: No Subject * by  風来梨
鳳山さん、こんばんは。

> 山中での大自然を楽しむために、一泊が必要。厳しい世界です。でもそこまでしても見たい素晴らしい景色なんでしょうね。

それがヤマに魅せられた者の性でしょうね。 ほんの一つのボタンの掛け違えで、人生はガラリと変わるから。
もし、私が10ヶ月働いて2ヶ月遊ぶチャランポランな生活をヨシとしなければ・・、蟻の生き方を拒絶してキリギリスの生き方に後悔がなければそれでヨシと思わなければ、こんな旅はしてなかったでしょうし・・ね。

でも、それで大金持ちになっていたって事は100%ないですけど。(笑)

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

> 見応え有ります^^)

実際、凄いですよ。 でも、今は人が入り過ぎて花の勢いが以前ほどではなくなってきている・・と言われています。

コメント






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こんばんは!(^^)!

五色ヶ原より望む花のトムラウシ 、すごーいお花畑ですね
ここは確かに重い荷物と避難小屋泊で大変なコースですね
なかなか北海道の山に行く休みはとれず行っていません。
素晴らしいお花畑、日本一でしょうか?!(^^)!

2020-02-27 * mt minnie [ 編集 ]

Re: こんばんは!(^^)!

mt minnie さん、こんばんは。

> 五色ヶ原より望む花のトムラウシ 、すごーいお花畑ですね
> ここは確かに重い荷物と避難小屋泊で大変なコースですね
> なかなか北海道の山に行く休みはとれず行っていません。
> 素晴らしいお花畑、日本一でしょうか?!(^^)!


この五色ヶ原と前回の91話の黄金ヶ原は、エゾノハクサンイチゲの白い花の色で大地が白く輝きます。 特に黄金ヶ原は、トムラウシの頂上から望むと、本当に大地が白く輝いて見えます。 詳しくは、前話を見てくださいね。
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-1726.html

でも、この日は残念ながら雲って、ヤマは隠されてしまいました。

そして花の勢いは、25年前のこの頃(1994年の夏)より衰えていると耳にします。 でも、まだまた自然の奇跡的な情景を魅せてくれると思いますよ。
2020-02-28 *  風来梨 [ 編集 ]

No Subject

山中での大自然を楽しむために、一泊が必要。厳しい世界です。でもそこまでしても見たい素晴らしい景色なんでしょうね。
2020-02-28 * 鳳山 [ 編集 ]

No Subject

見応え有ります^^)
2020-02-29 * 根室大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

鳳山さん、こんばんは。

> 山中での大自然を楽しむために、一泊が必要。厳しい世界です。でもそこまでしても見たい素晴らしい景色なんでしょうね。

それがヤマに魅せられた者の性でしょうね。 ほんの一つのボタンの掛け違えで、人生はガラリと変わるから。
もし、私が10ヶ月働いて2ヶ月遊ぶチャランポランな生活をヨシとしなければ・・、蟻の生き方を拒絶してキリギリスの生き方に後悔がなければそれでヨシと思わなければ、こんな旅はしてなかったでしょうし・・ね。

でも、それで大金持ちになっていたって事は100%ないですけど。(笑)
2020-02-29 *  風来梨 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんばんは。

> 見応え有ります^^)

実際、凄いですよ。 でも、今は人が入り過ぎて花の勢いが以前ほどではなくなってきている・・と言われています。
2020-02-29 *  風来梨 [ 編集 ]