風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第367回  山田線・夜の区界駅と朝の上米内駅

路線の思い出  第367回  山田線・夜の区界駅と朝の上米内駅 〔岩手県

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暖冬の予兆か・・
年末の東北のホームで
雪のない部分が露出するとは

《路線データ》
        営業区間と営業キロ          輸送密度 / 営業係数(’15
      盛岡~宮古 102.1km               279  /  258
      宮古~釜石 55.4km は         ※ 盛岡~宮古の数値
   2019年3月23日に三陸鉄道へ経営移管
運転本数 (’20)
     盛岡~宮古  下り4本・上り4本〔内 快速〔リアス〕下り2本・上り1本〕
     盛岡~上米内 2往復
     川内~宮古  2往復
     茂市~宮古  2往復

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路線バスに完全に押されて極端に
減便されたこの路線で唯一まともに
列車に乗れる機会のある駅・上米内

上米内駅(かみよないえき)は、岩手県盛岡市上米内字中居にあるJR東日本・山田線の駅である。
相対式ホーム2面2線のホームを有する列車交換可能な駅で、互いのホームは盛岡方の構内踏切で連絡している。

盛岡駅管理の無人駅である。 最近まで連査閉塞式が採用されていた為、長年に渡り運転業務の駅員が配置されていた(末期は盛岡駅所属・上米内在勤)。 盛岡~区界間において併合閉塞を行っていた為に昼の12時から翌朝6時までは当駅の交換設備は使用停止となっていたが、午後に臨時列車が運転される場合や上米内折り返し列車が運転される場合は、最終列車まで駅員が勤務していた。

木造平屋建ての駅舎は開業当時のものを使用しており、現在は駅務室は閉鎖されて待合室部分のみ使用されている。 有人時代末期は、連鎖閉塞における運転業務のない時間帯は駅員が所属駅に戻る13時50分~翌朝6時45分まで駅舎が閉鎖されていたが、無人化後は終日開放されている。 2017年の1日平均乗車人員は62人との事。

駅周辺は米内川の流れる谷に位置しており、周囲を丘陵地に囲まれている。 この川はヤマメやイワナの住む渓流として有名で、盛岡市街からも10km足らずという事や、漁業権が設定されていない事もあり、休日には多くの釣り客が訪れる。 また、浄水場があり、盛岡市民の飲み水を提供している。
谷地に位置し水を得やすい事もあって周囲は水田が広がっているほか、北側の丘陵地帯には『桜台』という新興住宅地が広がっている。

当駅から東隣の旧大志田駅跡までは全面舗装の市道『米内川林道』が並行しているが、この林道はほぼ全区間がすれ違い不可の狭隘道路である。 2016年3月26日のダイヤ改正で大志田駅と浅岸駅が廃駅となって以降、隣駅となった区界駅との距離の25.7kmはJR東日本管内の在来線で最長の駅間距離となっている。 なお、大志田駅が廃止になるまでは、只見線の只見駅~大白川駅間の20.8kmが最長であった。

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ここで台風災禍で果たせなかった
『あまちゃんスペシャル』のリベンジおば

区界駅(くざかいえき)は、岩手県宮古市区界にあるJR東日本・山田線の駅である。
標高744mで山田線の最高地点であるのと同時に、東北地方では最高所に位置する鉄道駅でもある。 2017年度の1日平均乗車人員は1人との事で、JR東日本の駅では最も乗降人員が少ない駅である。

現在は単式ホーム1面1線を有する駅で、木造平屋建ての駅舎は開業当時のものを使用している。
2018年3月の交換設備撤去によって棒状単線駅に改築され、CTC化(2018年4月)に伴って無人駅となった

CTC化での運用が開始されるまで、駅員常駐の駅であった。 CTC化される前は連査閉塞を採っており、当駅が交換可能駅(相対式ホーム2面2線で、ホーム間は構内踏切で連絡)であった事で運転取り扱い業務を要していた為、JR東日本の駅では最も乗降人員が少ない駅であるにも関わらず直営駅となっていた。

駅員は5時45分から20時45分までの特殊日勤で、全盛期には駅員が6名(駅長、助役2名を含む)配置され、上米内駅や川内駅へ助勤要員を派遣していた。 最末期は3名(駅長を含む)となっていた。
POS端末が設置され、指定券は料金補充券で対応していた。 かつては当駅から宮古寄りが釜石運輸長管轄となっていた。 現在は盛岡地区駅長管轄となっている。

利用者は国鉄時代から少なく、2018年に無人化されるまでJR東日本管内の有人駅で最も利用者数が少ない駅となっていた。 それは元々区界は山間地域で、自動車の所有が顕著な事で利用者が少かったのであるが、それにもかかわらず当駅は1980年代以降急行が夏季と冬季にそれぞれ臨時停車していた事があり、その後も2019年3月16日のダイヤ改正で快速〔リアス〕が全列車通過となるまで〔リアス〕1往復が当駅に停車していた。



区界駅は鉄道を追っかけ回していた30年前に足をチョン着けしたも同然(それよりはマシの、列車交換の折に駅ホームで伸びをした)で、しかもこの年末年始の旅で「下りるかもしんない」という予定を立てていただけであった。

だが、「北海道の駅以外にネタがない」という駅ネタに詰まりつつあったこの冬の御時勢、見切り発車で去年の年末の旅立ち前に記事として挙げてしまったので、今回は上米内駅だけを取り上げる予定だったんだけど・・。

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朝に駅撮りしただけの上米内だけでは
ちょっとパワー不足だしィ

でも、上米内駅だけでは今イチ記事の執筆が乗らないので、去年の年末年始の旅で「下りるかもしんない」から「ムリヤリ下りて駅寝する」に予定が昇格した区界も合せて取り上げる事にしたのである。
でも、記事の表題を『区界駅・その2』とするのは「あな悪ろし」なので、苦肉の策で駅寝した区界に『夜』を、翌朝訪問した上米内に『朝』を着けたよ。

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上米内の適当な『駅撮り』も
『朝』をつけると箔が着くかな!?

でも、こういうどうでもいい事には、真剣に対応策を考えるタワケなのである。 それでは、「ホーム上で伸び」をしただけで駅舎もくぐっていないなど、実質的には初めての両駅の訪問記をば・・。

さて、年末年始の旅に出て、大船渡線やそのBRT区間、そして三陸の景勝地・碁石海岸をめぐりながら、上に挙げた「しょうもない事」の打開策を必死に考えていた。 それは、年末の東北旅の旅立ち前にこの記事を上げてしまって、ナンチャってな駅の思い出を語るブログ運営上で、下りざるを得なくなった区界駅をどう攻めようか・・と言う事である。

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陽の当たる時間に到達不可能な
究極の『下車困難駅』区界駅

なぜなら、この区界駅は年末に書いた記事でも語ったように、駅舎のある駅では全国で1~2を争う『下車困難駅』なのである。 要するに、大船渡・釜石方面から列車利用の『素』で行けば、必ず区界駅で行き詰まって翌朝まで脱出不能・・、いや宮古方面に至っては翌夜の19時前まで『24時間拘束』を受ける駅なのである。

そして、駅間距離も盛岡側がJR最長の駅間距離の25.7kmだし、宮古側の松草も8.0kmとほぼ徒歩での脱出は不可能なのである。 ちなみに、「比べて近いから」と松草方面に歩いて行っても、この区界より更に上の魔境ともいえる秘境駅ゾーンがあるだけで、『思いっきりの自爆』と相成るのである。

まぁ、夜に2本停まる上りの盛岡行列車に乗って盛岡に出て、その日は盛岡のビジネスホテルにでも泊るって手はあるが、それはワテのしょうもないバックパッカーとしての本能が許さないのである。

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三陸鉄道が不通でバス代行となっていたこの時は
列車に乗っての区界到達は不可能だった

それに加えて周知の通り、三陸鉄道に移管された釜石~宮古が去年の台風19号の被害によって全線不通でバス代行輸送となっていていたのだが、この区間は数社のバス会社による代行運転なので代行バス同士の接続が悪く、バスを乗り継いで宮古まで行けば大いに時間を食って、宮古で区界に下車可能な16:09発の2番列車に乗りそびれてしまうのだ。

要するに、三陸鉄道が復活(祝・3月20に全線復旧との事)するまで、釜石から『素』のルートで鉄道を使って区界に立ち寄れない状況だったのだ。 でも、こういう状況になると結構頭のキレるワテ(このほんの少しでも社会生活にまわせば、もっと立身出世できたものを・・)は、区界に立ち寄れて夜汽車も『撮り鉄』できる・・という、区界へのアプローチ法を思いついたのである。

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不可能を可能にした切り札は
鉄道を圧倒的に凌駕する
路線バス〔106急行〕だった
※ ウィキペディア画像を拝借

それは現在いる釜石から釜石線で花巻に出て、花巻で東北本線に乗り換えると、15時ちょっと過ぎに盛岡に着く。 それより1時間に1本運行している県北バスの〔106急行〕の宮古行に乗ると、宮古発16:09の2番列車が区界に着く17:40の1時間ちょい前に区界のバス停のある『道の駅・区界高原』に着くのだ。

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宮古までの所要時間・料金はほぼ同じ
でも列車の日に5本に対して
毎時1本では敵わんわなぁ
※ ウィキペディア画像を拝借

その費用はバス賃の750円。 安くて便数が多ければ、乗り心地が窮屈なバスでも乗客が殺到するわなぁ。 宮古までの所要時間は快速〔リアス〕より少しかかるが、時間に1本あるから鉄道は敵わんわ・・なぁ。 鉄道は動かすのに施設と手間がかかるし。 これで、鉄道はこの地で敗れたのですね。
現に、ワテの乗った盛岡15:45発のバスは、1台では捌けず2台の運行だったし。

このアプローチ方法なら、ワテ以外の『普通の人』でも釜石から区界駅を訪問して区界17:40発の上り2番列車で盛岡に戻れるから、区界駅で1時間チョイの滞在時間が確保できるし、駅に進入する17:40発の列車も撮れるよ。 但し、フラッシュは禁止ね。←言われなくても当たり前だろ!

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この列車に乗ってきてこの駅で下りるのが
列車を使った唯一の下車方法だ

でも、『バックパッカー』のワテは、この駅で駅寝しまっす。 ・・で、その区界駅の抱く『駅寝力』は・・。←訳の解らん言葉作るなよ 「トレビアン」の一言。 雪国の2重玄関扉、しかも入口側・ホーム側双方の配備で雪の吹き込みは完全シャットアウトだし、始めから「乗客の使用はない」と見られているのかスペースを食うプラスティックの4蓮椅子も端に1セットだけで、テントをおっ立ててもまだまだスペースに余裕があるし。

また、トイレが秀逸。 ボットンを想定していたので、使用不可なら駅より徒歩3分の道の駅まで出張る事も想定していたのだが、そんな心配御無用のウォシュレットトイレ&暖房付便座だったのだぁ~。
そして、駅寝の慰みの駅ノートもあったしィ。 でも、有名な駅ノート絵師さんは訪れてなかったようです。 まぁ、訪ねて下車するには辛すぎる駅だしねぇ。 それに、秘境駅で人も寄りつかんから安眠が確保できるしィ。

それでは、満を持して夜汽車『撮り鉄』の為に持ってきた三脚を使って、夜の撮影おば・・と行きたい所だが、駅の照明が明る過ぎて白飛びのオンパレードだったよ。 何とかスキャンでズルして白飛びを押さえたモノを掲載しまっす。

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フォトショプを駆使して
白飛びを誤魔化した一品です

でも、この究極の『下車困難駅』区界で下りてしまうと、宮古方面の予定を断念せねばならんのよね~。 それは、この駅を『下車困難駅』と言わしめるが如く、宮古方面への列車は夜の18時を周らないとないからだ。 今回の旅では、当初に予定を組んでいた三陸鉄道・堀内の安家川橋梁での『あまちゃんスペシャル』が、台風19号災禍で三陸鉄道が不通になって見送りとなったから立ち寄れたのであって、宮古側に行くなら区界下車は不可能と言えるだろうね。

雪と外気が遮断されているとはいえ、冬の駅寝はテント内がプラマエ0℃位まで落ちるので、歳食って基礎体温が低くなった今は、面倒臭がって湯たんぽを作らなかったので結構寒かったよ。←面倒臭がるオメーが悪いとの耳鳴りが聞こえる

・・で、翌朝、この駅で唯一使える朝6:34発の盛岡行に乗る。 この日の目的地である八戸にはレンタカーを予約した昼までに行けばいいので、朝の6時台の列車では2~3時間の間が空く。 なので、上米内で折り返し列車を『撮り鉄』しもって盛岡に出る事にした。 まぁ、「ついで」なので、ほぼ駅撮りだけど。

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上米内に着いた時は
ちょうど空が明るくなった時だった

では、この上米内駅の『駅寝力』の診断おば・・。 壁側に長椅子はあるものの、プラスチックの4蓮椅子が真ん中にあってテント設営スペースを消されて今イチ。 また、ここも区界と同じく簡易水洗のウォシュレットトイレ&暖房便座だが、トイレの入口が野外にあってその通路がバリハリに凍るなど、ちょっと及第点は付け辛いわなぁ。

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乗ってきた列車を
『見送りショット』で落とす

でも、駅前の自販機は、ちょうど寒かった身体を暖めるべく缶コーヒーを買えたので、この点はヨシ!

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駅舎を比較するのに
駅寝での居住性で語るこのタワケ

でも、駅舎を比較する基準が、普通の『駅降り鉄』とは全く違うよな・・、このタワケ。
ここに「木造駅舎だ」とか「改札ラッチがある」とか、「趣のある出札窓口がある」とか、「線路配置がどうとか」は一切問わず、トイレやイスの位置、締め切りできるかどうか、「(駅なのに)人が寄りつくかどうか」を問うているのであるから。

それでは、上米内で折り返す列車を『駅撮り』と悟られぬようなアングルで『撮り鉄』して、『駅寝力分析考察講座』を終えるとしよう。←このタワケ・・、『駅寝力』って言葉が気に入ったみたいだな

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『風景鉄道』における駅撮りの極意は
「如何に駅撮りと悟られぬか」である


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聞く所によると只見線のキハ40が
置き換えられるんだそうで

えっ!そんな事は遠の昔に
知れ渡ってるぞ・・だって!?
ワテはナンチャってな『○鉄』だから
情報遅いしィ

でもこの雪ナシの状況では
さすがに奥会津までの遠征は躊躇したよ

あぁ・・今年の只見線の桜は
キハ40でなくて阪急型ライトの
新型車なんだね・・残念


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区界駅 * by きゃみ
こんにちは。
この記事の翌日に区界駅を訪問してきました(笑)
確か何かの記事のコメントでこの駅の話題が出ていたのを思い出して、ふとネタ的な思いつきで行ってきました。
盛岡から106急行のバスはなかなか快適でしたが、トンネルを抜けて宮古市に出たら吹雪でした・・・
当分先になりそうですが、また記事で報告したいと思います。

Re: 区界駅 * by  風来梨
きゃみさん、こんばんは。

> こんにちは。
> この記事の翌日に区界駅を訪問してきました(笑)
> 確か何かの記事のコメントでこの駅の話題が出ていたのを思い出して、ふとネタ的な思いつきで行ってきました。
> 盛岡から106急行のバスはなかなか快適でしたが、トンネルを抜けて宮古市に出たら吹雪でした・・・
> 当分先になりそうですが、また記事で報告したいと思います。

行かれましたか、駅舎のある全国一の下車困難駅に。 隣の松草と平津戸は、更に困難で『駅降り鉄』さんも列車での下車を諦めているとか・・。

〔106急行〕バスは、山田線があまりにも使えないので三陸方面のアクセスには欠かせなくなってますね。 でも、バス停が駅から微妙に離れているのと、列車との接続が考慮されてないというか、列車の運行時刻に合わせてバス便があるので、乗り鉄とセットで使うのは結構難しかったりしますね。

ウチは東北の駅ネタが不足気味なので、すぐに記事に上げてます。(笑) 

コメント






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区界駅

こんにちは。
この記事の翌日に区界駅を訪問してきました(笑)
確か何かの記事のコメントでこの駅の話題が出ていたのを思い出して、ふとネタ的な思いつきで行ってきました。
盛岡から106急行のバスはなかなか快適でしたが、トンネルを抜けて宮古市に出たら吹雪でした・・・
当分先になりそうですが、また記事で報告したいと思います。
2020-03-01 * きゃみ [ 編集 ]

Re: 区界駅

きゃみさん、こんばんは。

> こんにちは。
> この記事の翌日に区界駅を訪問してきました(笑)
> 確か何かの記事のコメントでこの駅の話題が出ていたのを思い出して、ふとネタ的な思いつきで行ってきました。
> 盛岡から106急行のバスはなかなか快適でしたが、トンネルを抜けて宮古市に出たら吹雪でした・・・
> 当分先になりそうですが、また記事で報告したいと思います。

行かれましたか、駅舎のある全国一の下車困難駅に。 隣の松草と平津戸は、更に困難で『駅降り鉄』さんも列車での下車を諦めているとか・・。

〔106急行〕バスは、山田線があまりにも使えないので三陸方面のアクセスには欠かせなくなってますね。 でも、バス停が駅から微妙に離れているのと、列車との接続が考慮されてないというか、列車の運行時刻に合わせてバス便があるので、乗り鉄とセットで使うのは結構難しかったりしますね。

ウチは東北の駅ネタが不足気味なので、すぐに記事に上げてます。(笑) 
2020-03-01 *  風来梨 [ 編集 ]