風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第416回  オホーツク・流氷 (雄武)

『日本百景』 冬 第416回  オホーツク・流氷 (雄武) 〔北海道〕

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以前は展望櫓があるだけで
全く観光地化されていなかった日ノ出岬

  日ノ出岬 ひのでみさき 
雄武と興部の間の雄武町市街地からおよそ11キロ、興部の道の駅からも11キロの位置にあるオホーツク海に突き出た岬である。 『日の出』と名付けられている事からも判る通り、とても美しいオホーツク海の日の出を見る事ができる。

元々は松前藩のオホーツク沿岸警備の為の烽火台跡で、以前は展望櫓があるだけであった。
その対岸には1985年まで国鉄・興浜南線が通っていて、冬の流氷接岸時の岬、そして興浜南線の車窓は格別な情景を魅せていた。

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敷き詰める流氷も素晴らしいが
点在する流氷も捨て難い

今は興浜南線の線路跡は海岸線を伝う道路となり、その土手の上に雄武町経営の温泉ホテルが建てられてる。 また、岬にあった櫓は撤去されて全面ガラス張りの展望レストハウスが建てられ、周囲はオートキャンプ場として整備されている。



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冬の風物詩・流氷を語る上で
最も大きく思い描く事とは・・

オホーツク流氷を語る上で、ワテの頭の中で最も大きくを占めるモノ・・。 それは、かつてオホーツク海沿岸を行き交い、あと少しで全通となりながら『赤字ローカル線』として路線のほとんどが廃止・淘汰された『オホーツク縦貫鉄道』である。

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今でも空想の旅を馳せるモノ・・
それは『オホーツク縦貫鉄道』での車窓の旅だ

時折・・今も、机の上でこの『オホーツク縦貫鉄道』に乗っての車窓の旅や『撮り鉄』の夢を馳せる時がある。 そう・・、この記事を書いているこの時も、『オホーツク縦貫鉄道』の卓上の旅を妄想している。

・・今は駅の敷地跡がそのまま『道の駅』となっている興部駅からの興浜南線は、予想に反して紋別方向へ逆戻りする。 それは、興部の駅のある興部町の中心が海岸縁から1km位内陸側にあった為である。

前面にオホーツクの海が見えると、紋別へ向かうべく南下する名寄本線と別れて180度反対方向・・、オホーツク海沿いに北上していく。 始めは少し海際から距離を取った湿地帯をゆくが、徐々に海際に寄り添ってきて、やがて小さな波止場のある沢木に着く。 興浜南線の車窓はこれよりクライマックスの情景を魅せるが、ワテは『撮り鉄』なのでここで下りた。

ここから、冬は道が雪に埋もれて誰も立ち寄らない絶景の場所・日ノ出岬の烽火台跡園地まで歩いていく。 その距離は2km足らずだが、誰も立ち寄らぬ故に完全に雪で埋もれていて、ラッセル歩きを強いられた。 若いあの頃でなければ、たぶん音を上げて途中で引き返していただろうね。

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あの頃は全く観光地化されておらず
展望櫓が建つだけだった日ノ出岬

ズボズホと雪にハマりながら、深くハマった足を引き上げる為に銀箱(カメラバック)で雪を圧雪したりしながら40~50分かかって、岬の烽火台跡までやってくる。 でも、岬は今の様に観光地として売り出すはるか前の事で、何の造作も加えられず、史跡である松前藩の烽火台跡を説明する案内板もなく、ただ鉄製の中2階構造の展望櫓があるのみだった。

ここから対岸の位置となる海岸縁の土手に、しがみつくように興浜南線の線路が通っていて、流氷があったなら絶好の撮影スポットとなる。 だが、沢木駅を出る頃には晴れていた天気が岬に着く頃には崩れ出し、展望櫓の上からの興浜南線は吹雪模様の白飛びの情景だった。

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岬についた頃には天気が崩れ出し
白飛びの情景となってしまった

この情景にガッカリした小僧だったワテは、小僧の稚拙な考えでこの岬に見切りをつけて、1本撮っただけで引き上げてしまったよ。 でも、晴れていれば、恐らく・・そして『撮り鉄』が上手く撮れたらの話であるが、ホームページの『日本百景』やこのブログなど、ワテの製作するあらゆるメディアのトップを飾る『一番星』な写真となっただろうね。

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流氷と列車はほしんど撮れなかったけど
流氷と雄武の町は撮れた

仕切り直して、再度興浜南線に立ち寄った時(同じ旅で2回訪れた)も沢木で下りたが、今度は線路を伝って次の仮乗降場の元沢木まで歩く事にした。 この時にズワイガニに襲われた『オチャメ』がコレである。

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雪を喰らうズワイガニの
餌食となりますた・・ハイ

その経緯は、線路を歩いていて(良い子はマネしないように)コレと遭遇したら、逃げ道は横の吹き溜まりしかなく、それに飛び込んだのでスボっと胸までハマり、通過するラッセルが描き上げる雪を頭上からたらふくブッカケられて『生き埋め』を体験したよ。 まぁ、『生き埋め』は多少オーバーであるが、完全に顔まで雪に埋まったのである。

雪から這い出して、この思わぬアクシデントに気合いが入ったのか、シャキシャキと歩いて前に烽火台跡の櫓から望んだ興浜南線の流氷展望の絶景の場所へ。 全面に流氷が敷き詰められておらず、沖が青い海だったのは少し残念だったけど、コレはワテの生涯の『お宝写真』の一枚となったよ。

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興浜南線で撮れた唯一の
『マトモ』なデキにして
ワテの生涯における
『お宝写真』の一枚となったコレ

そして、岬の展望櫓を望む土手から緩やかに下ると、沢木駅からちょうど3km先にある元沢木の板張りホームが見えてくる。

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正規駅の栄丘より立派だった
仮乗降場の元沢木

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中興部駅で偶然もらったお宝グッズ
興浜南線廃止後にこの証明書写真を見て
「ここで撮れてればなぁ」と悔やんだよ

この元沢木は仮乗降場であるが、隣の正規駅の栄丘より集落もあり、波止場も形成していて利用客も栄丘より多そうだ。 列車も6往復の全列車が停車し、栄丘と扱いは変わらない。

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駅名標は『仮乗降場』仕様だが
利用客数は正規駅の栄丘より多かっただろう

駅待合室も、栄丘より構造のしっかりしたコンクリートブロック造だったよ。 でも、ホームから離れていた分だけ利用される機会を逸して、雪が噴き込んで中は荒廃していたが。

n416-2 (1)駅ホームから離れて
足跡が無かった元沢木の待合室

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だからコンクリートブロック造で
しっかりしてるのに
中は雪が入り込むなど荒れていたよ

そして、夏の『初めての北海道の旅』で訪れたものの、フイルムを間違えて全ボツとなった栄丘を過ぎて、終着の雄武へ。

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かつての雄武駅の跡地は

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今は『道の駅・おうむ』となっている
利用者のほとんどが
農協スーバーの買い物客だけど
館内に興浜南線の資料展示コーナーがあるよ
※ ウィキペディア画像を拝借

かつては、この駅の玄関口にあるバス停から、宗谷バスで興浜北線の終着駅・北見枝幸へ向かったが、今は駅跡は農協スーバーの敷地兼『道の駅・おうむ』となっている。 でも、駐車する車は、スーバーの買い物客がほとんどだったりして。

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雄武駅のスタンプ
『ディスカバー・ジャパン』のスタンプは
絵が秀逸ですね

n416 (3)
国鉄作成の素朴!?なスタンブ
比べてコレは・・
日ノ出岬に灯台ないしィ

・・ワテが今でも夢を馳せる『オホーツク縦貫鉄道』が廃止淘汰されて約30年の時が経ち、再度この地を『オホーツク縦貫鉄道』を探しに訪れた時、あの岬から望む景色が一変していた事に愕然としたよ。

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展望ヤグラは全面ガラス張りの
レストハウスに変わったが
観光客の来ないオフシーズンは
閉鎖されるようになったよ

さすがに、「あの頃の情景は遠い昔の事だ」とかなり大きくガッカリしたよ。 その一変して便利なホテルとなった内風呂に浸かって、観光地化の御利益をちゃっかりと享受してるワテ。

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あれから30年の時が経って
再度訪れた時には
ホテルが建つなど観光地化
されて愕然としたよ
※ 楽天トラベルの掲載写真より

その事は、このブログのオホーツク縦貫鉄道の夢』の書庫で『夢・after』として記事に上げているので、宜しければどうぞ。


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コイツらが1000万円の利益をせしめたなら
その20倍の商品代金の弁済が発生するのだ
必要のないモノを買わされて
多額のローン返済に苦しむ者が
多数現れるという構図である



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No Subject * by 鳳山
最近ようやく冬らしくなってきましたが、オホーツクの冬の厳しさは南国九州で暮らす私など想像できないほどのものなんでしょうね。

Re: No Subject * by  風来梨
鳳山さん、こんばんは。

> 最近ようやく冬らしくなってきましたが、オホーツクの冬の厳しさは南国九州で暮らす私など想像できないほどのものなんでしょうね。

近年この所はずっと暖冬続きで、日本の四季が堪能できなくなってますね。 原因は間違いなく大気の温暖化による海水温の上昇ですね。 コレが続くと、日本の旨し国な情景は魅力を減じますし、それよりも生き物生態系に多大なる問題を引き起こしますから、大変危惧しておりますね。

冬らしい寒さ・・。 凌ぐには厳しいですけど、寒い冬って春・夏・秋の実りの時期に恵みをもたらしますから、是非とも寒い冬になって欲しいですね。 でも、寒冷災害は避けたいですけど。

No Subject * by 根室大喜
雄武一度訪れたことあります^^)日の出温泉にも浸かりました
泊ったら日の出を観ながら温泉に浸かれたのに、その時は夕方だった、、、

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんにちは。

> 雄武一度訪れたことあります^^)日の出温泉にも浸かりました
> 泊ったら日の出を観ながら温泉に浸かれたのに、その時は夕方だった、、、

私もこの雄武で流氷を見たのは、記事ネタにある廃止ローカル線の『興浜南線』が在りし頃のみです。
雄武は『興浜南線』廃止後も何度か訪れましたが、全て冬の寒々とした海風景ですね。 温泉に入るのが目的だったので、訪れたのも同じく午後~夕方近くです。 もちろん、ホテルは泊まりませんでしたっていうか、旅に出てホテルなんか泊まった事ないしィ(笑)

コメント






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No Subject

最近ようやく冬らしくなってきましたが、オホーツクの冬の厳しさは南国九州で暮らす私など想像できないほどのものなんでしょうね。
2020-02-06 * 鳳山 [ 編集 ]

Re: No Subject

鳳山さん、こんばんは。

> 最近ようやく冬らしくなってきましたが、オホーツクの冬の厳しさは南国九州で暮らす私など想像できないほどのものなんでしょうね。

近年この所はずっと暖冬続きで、日本の四季が堪能できなくなってますね。 原因は間違いなく大気の温暖化による海水温の上昇ですね。 コレが続くと、日本の旨し国な情景は魅力を減じますし、それよりも生き物生態系に多大なる問題を引き起こしますから、大変危惧しておりますね。

冬らしい寒さ・・。 凌ぐには厳しいですけど、寒い冬って春・夏・秋の実りの時期に恵みをもたらしますから、是非とも寒い冬になって欲しいですね。 でも、寒冷災害は避けたいですけど。
2020-02-06 *  風来梨 [ 編集 ]

No Subject

雄武一度訪れたことあります^^)日の出温泉にも浸かりました
泊ったら日の出を観ながら温泉に浸かれたのに、その時は夕方だった、、、
2020-02-11 * 根室大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんにちは。

> 雄武一度訪れたことあります^^)日の出温泉にも浸かりました
> 泊ったら日の出を観ながら温泉に浸かれたのに、その時は夕方だった、、、

私もこの雄武で流氷を見たのは、記事ネタにある廃止ローカル線の『興浜南線』が在りし頃のみです。
雄武は『興浜南線』廃止後も何度か訪れましたが、全て冬の寒々とした海風景ですね。 温泉に入るのが目的だったので、訪れたのも同じく午後~夕方近くです。 もちろん、ホテルは泊まりませんでしたっていうか、旅に出てホテルなんか泊まった事ないしィ(笑)
2020-02-11 *  風来梨 [ 編集 ]