2020-01-25 (Sat)✎
『日本百景』 冬 第414回 赤目四十八滝・氷瀑 〔三重県〕
厳しい冷え込みで氷瀑となった
『赤目五爆』・千手滝
赤目四十八滝 あかめしじゅうはったき (室生赤目青山国定公園)
伊賀・大和の境にある赤目四十八滝は、名張川の支流・滝川の上流渓谷に掛かる無数の瀑布群の総称である。 渓谷の最初の《行者滝》から最奥の《岩窟滝》まで、渓谷の長さは約4kmである。
この無数の瀑布群の総称である“四十八滝”の中でも、《不動滝》・《千手滝》・《布曳滝》・《荷担滝》・《琵琶滝》は『赤目五瀑』といわれ、景観も特に秀でている。 この渓谷は四季折々の情景を楽しむ事ができるが、一番のお薦めは冬である。 滝が氷瀑となって、クリスタルに輝く美しい景観を魅せてくれる。
絵葉書の表紙にあった渓谷案内図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
大阪・上本町駅より鉄道(1:00)→赤目口(1:00)→日本サンショウウオセンター〔渓谷起点〕
渓谷起点の《行者滝》から最奥の《岩窟滝》まで約4km・所要約1時間40分 →落合
(1:00)→日本サンショウウオセンター(1:00)→赤目口駅より鉄道(1:00)→大阪・上本町駅
氷結する不動滝
さて、今回は数ある『四十八滝』の中でも、ひときわ景観の秀でたる《赤目四十八滝》を訪ねてみよう。 それも、景観が最も魅せられる冬の時期に・・。 だが、この所の暖冬傾向で、氷瀑とならない年が増えている傾向にあるのだが。
近年の暖冬傾向で
氷結した渓谷を魅れるのは
稀となってきている
その赤目滝のある三重県の名張市へのアプローチであるが、三重県内は近鉄線の路線網が充実しているので至って容易である。 それでは、アプローチの概要のみ挙げておこう。
大阪・上本町駅から赤目渓谷の最寄り駅である赤目口駅まで、快速急行か急行で約1時間である。
駅から《四十八滝》行のバスがでているが、ここはハイキングも兼ねて歩いていこう。
道程は約4km、所要は約1時間位である。 店屋街とバスセンターを越えると、車道より下がった所に建っている《日本サンショウウオセンター》である。 ここが、《赤目四十八滝》の起点となっている。
入場料を払って、サンショウウオの水槽が大小100程ある建物内を通り抜けるとテラス状の所に出て、それに続く遊歩道を沢沿いに進んでいく。 まず、最初に出会う滝が《行者滝》である。
落差15m位の大きな淵を持つ滝である。 滝を見下ろしながら緩やかに階段を上り、赤い橋を渡ると《霊蛇滝》である。 この辺りから、《屏風岩》や《衣掛岩》などの立岩が両側より迫り立ってきて、いよいよ幽谷の趣を増してくる。
渓谷内に出ると
クリスタルの輝きがお出迎え
少し下って、あずま屋が建っている広い淵の畔に出る。 このエメラルドグリーンの淵に、美しい白布を落としている滝がある。 これこそ、『赤目五瀑』の一つ・《不動滝》である。
エメラルドグリーンに輝く不動滝
エメラルドグリーンの淵と調和された眺めは、四季折々の情景によってより引き立てられる。
そして、冬の氷瀑の姿も素晴らしい。 それは真に“氷のオブジェ”、滝しぶきの宝石である。
その不動滝が氷結して
不動・・即ち静寂な姿を魅せていた
《不動滝》からは階段で滝の上に出て、橋を渡ってヘツり気味となった探勝路を伝っていく。
探勝路全体では、この辺りが一番急な上り坂である。 探勝路は完全に整備されているが、滝が氷瀑となる冬は石畳の道が凍って滑りやすくなるので注意しよう。
不動滝の上部は氷結すると
滑りやすいので注意しよう
これを越えると畳敷きのような《八畳岩》や《処女滝》を経て、『赤目五瀑』の《千手滝》と《布曳滝》と続いていく。 まとまりのある岩段に幾条もの白布を掛ける《千手滝》、滝つぼに陽だまりを宝石のように輝かせる一条の白布《布曳滝》。
氷瀑する千手滝
滝が氷結する時は滝壺も凍る
どちらも、四季を通じて魅力いっぱいの情景を魅せてくれるだろう。 それでは、《千手滝》と《布曳滝》の氷瀑をごろうじろ。
千手滝・氷瀑
赤目氷瀑の魅力は
氷と水と光が魅せる情景だ
布引滝
エメラルドの釜に光の宝石が散らばる
布引滝の滝壺は日が当たるので
氷結しにくいようだ
この2つの名瀑を越えると、ひとまず落ち着いた眺めが続くようになる。 早瀬に落葉が叙情的な《竜ヶ壷》や《縋藤滝》を越えると、深くよどんだ《釜ヶ淵》や広々とした一枚岩の中洲である《百畳岩》などが、少し単調になりかけた気持ちに涼風を吹きかけてくれる。 《百畳岩》の脇にはあずま屋があり、ひと休みするにはちょうどいい頃合だろう。
布引滝の落ち口を覗きこむ
滝だけでなく
クリスタルに輝く渓流にも魅せられて
ひと休みしたなら、先に進もう。 あずま屋から先は、《百畳岩》の広がりが嘘のように幽谷を帯びてくる。 《柿窪滝》・《斜滝》と小さな滝を越えると、いよいよ《赤目四十八滝》でも“大観”といわれる《荷担滝》だ。
荷担滝
氷結する二条の白糸のような流れを魅せて
二条の白糸のような流れを“担う”この滝は、スローシャッターで狙うとひときわ繊細な映像を魅せてくれるだろう。
氷結した白糸をアップで流してみた
氷結した渓流の写真はここまで
遊歩道化しているのはこの《荷担滝》までで、ここからは行き交う人もめっきり少ないか細い道となる。 なお、この先にある滝は、残念ながら氷瀑を撮影したストックがないので軽く流す事にしたい。
雛段滝
スライドした河床にアートを刻み
琵琶滝
『赤目五爆』最後の魅せ場だ
スライドした一枚岩の川床を嘗めるように流れる《雛段滝》や《夫婦滝》を過ぎると、『赤目五瀑』の最後に控える《琵琶滝》だ。 しっとりした白布と、なだらかな滝つぼが妙に艶かしい姿を魅せる滝であった。 ここから、《赤目四十八滝》最後の滝・《岩窟滝》までは500mほど離れている。
渓流最後の滝・岩窟滝 滝の滴が氷筍となってクリスタルに輝く
《岩窟滝》を越えると、沢を渡って土手につけられたスロープをジグザグに上がっていく。
これを上りきると、奥を通る車道と合流する。 この道は《香落渓》に向かう道で、この地点は《落合》という地名との事である。 ここからは往路を戻るも良し、この車道を下っていくも良しである。
時間的には、車道を歩く方が30分ほど短縮できる。
キチンと記事を上げて
評価を受けてのトップなら称賛するけど
記事も上げずに自押しでトップを維持する
野郎の醜態には滑稽と憐れしか感じない
だから記事も上げないのに
不自然にトップな奴のブログは
内容がないだろうから見ないようにしている
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