2019-12-30 (Mon)✎
今年はいい年なのか今イチなのかよう判らん年だったな。 でも、年号が変わったから・・といって、格別よい年にはならなかったね。 むしろ、台風災害や大雨による洪水被害が多発するなど、世の中にとっては『良くない年』だったかも・・、令和元年は。 まぁ、ワテはチョンの『背乗り』天皇に謙る気は皆無(チョンに謙るなんて虫唾が走るし)だし、西暦との照らし合わせがややこしいので『令和』は極力使わないようにしてるけど。
函館本線・山線の銀山駅付近
この駅は北海道に在住のプロ友さんに教えてもらった駅で、教えてもらった時からこのシーンを思い描いてして、撮りたくて訪れたくて堪らない気持ちで一杯となっていた東追分駅。 でも、この素晴らしい絵の撮れる駅の存在を知ったのは駅が廃止となる前年の年の暮れの事で、この年末年始に訪れたのか最初で最後の駅訪問となってしまった。
それでは来年こそ良い年に・・、多くを望まなくても、それなりに満足のいく年になって欲しいものですね。 それを願って、「ヘタレてから撮った『○鉄』写真」の道南・道央編おば・・。
函館本線・山線の銀山駅付近
ワテが函館本線の『山線』で撮りたかったのは、やはり冬晴れの羊蹄山をバックに・・である。
それを撮りたくて2年連続で『山線』に通ったけど、年末年始の北海道は冬型の気圧配置で、特に訪れた2年は連続で日本海に『西高東低』の主軸となる低気圧が居座って、日本海側は大荒れの天気が続いたよ。
この日も期待した羊蹄山は全く姿を現わさず、逆に吹雪く中で天気の良い道東に行く事もできずに、吹雪が収まる一瞬を狙って撮ったのがコレ。 でも運良く、国鉄型のキハ40が来てくれたよ。
日高本線・厚賀橋梁
日高本線を「最後のローカル線」として通い詰めたあの時は、まさか津波で路盤が流されて路線廃止が諮問されるとは思ってもみなかったよ。 やっとの事で廃止対象の危機を逃れたのに、災害によって廃止となるとは、やはり路線廃止となる命運だったのかな。
日高本線・有名撮影地《判官岩》の裏側にて
《判官岩》の有名撮影地への入り方が判らず、代わりの撮影場所を探しながらウロウロしていると、列車の時刻が近づいてきて、焦り半分に「ままよ!」と適当に浜に降りてみた。 その砂浜は有名撮影地の”裏側”だった。 有名撮影地の”裏側”という事でノーマークで、誰一人やってこない。 やってくるのはウミネコやオオカモメなどの海鳥と、それを喰らおうと狙うオオワシなどの猛禽類の大鳥だけだ。
その「適当に降りた」浜の波打ち際は、時には極寒が織りなす神秘的な情景を魅せ、時には寄せる波が陽の光でキラキラと輝く。 その陽の光がキラキラと輝く砂浜にオスカー顔負けの演技を魅せる彼がひとりたたずんでいた。
行き交う列車を見つめる彼の名演技は、ただの黒潰れを最高の物語に仕上げてくれた。
彼の珠玉の名演技は「このままでは元が取れぬ」と邪な心で焦っていたワテを救ってくれたのだ。
そう・・、この「適当に降りた」浜の情景は超ド級の『ストライク』で、完全に有名撮影地を喰っていたのだ。
彼のオスカー顔負けの演技に魅せられて、再び訪れた有名撮影地の裏側の名も無き浜は、今度は氷点下10数℃の外気と、プラスマエナス0℃の海水の温度差がおりなす神秘的な現象『気嵐』を魅せてくれた。
これを目にすると極寒なれど心が熱い思いに満ちてくる。 そう・・獲物(列車)を仕留める気合いが身体に熱き思いとして満ちてくるのだ。
この名も無き砂浜は、ワテの中では完全に有名撮影地を喰う『我がパラダイス』となったのだ。
だが・・「被災区間の廃止」という非情な現実を突きつけられて、この浜はもう二度と『我がパラダイス』とは成り得ない。
札沼線・都市近郊の秘境駅・豊ヶ岡にて
札沼線の豊ヶ岡駅は札幌から50km程の位置にありながら、パラレルワールドにハマったが如くの様相を魅せる駅である。 ワテもブログ仲間の記事からこの駅の事を知って、早速この駅を訪れる。
まずは、定番の駅近の道路橋から秘境駅の冬情景を撮る。
・・で、夜を待って、最も「撮りたい」と思い描いた駅の夜景を狙う。 結果は絞り足りなかったのか、駅のライトで明るく飛んでしまう失敗作となってしまった。 でも、これが最後の冬情景になるとは、思ってもみなかったよ。 「失敗したら、またリベンジすればいい」と思いつつ帰宅すると、札沼線のこの区間が’20年のGWに廃止となる事が報道されたのだ。
夜の写真に手応えがないまま、朝の雪景色を狙うべく真冬の『秘境駅STB』を敢行する。
夜の写真が「失敗した」との認識でいたので、このシーンは久々に気合が入ったよ。
札沼線・新十津川 1日に1本きりの駅
1日1本の発着のみの駅・新十津川。 でも、それが注目を浴びて、休日には1日3往復だった頃の5~10倍と鉄道好きがやって来る駅となった。 何もない無人駅だった駅は、今や札沼線グッズを売る観光案内所が入店するなど、1日1往復の駅とは思えぬ異様な光景となっていた。 でも、駅の外に出て冬空にかざしてみると、哀愁の漂うローカル線終着駅の姿があった。
札沼線・1日1往復区間にて・・
1日1往復の区間、それは『撮り鉄』と『乗り鉄』のメリハリをつける事が必須だ。
その両方を欲すれば、自ずとから最低2日間は通わねばならない。 そんな『1日1往復』はかなり厳しい条件であるハズなのだが、この『1日1往復』区間は『鉄』の為に特化した路線となって、『撮り鉄』をするにしても『乗り鉄』をするにしても、結構容易にこなせる『1日1往復』だったのである。
札沼線の『1日1往復』区間で撮りたかった情景、それは大好きな山・暑寒別岳とのコラボ情景である。 でも、日本海にほど近い位置にあるこの地は、冬型の気圧配置の影響を受けていつも大荒れの天候となるのである。 もう、何度立ち寄っただろうか、でも全てが(レンタカーで)札幌に戻るのも命賭けの大荒れの天候だったのである。 この最後に訪れた日を除いては・・。
石勝線・東追分 最後の年越し
東追分駅。 今は駅は廃止となって駅ホームなどは全て取っ払われて信号所となり、駅があった場所は立入禁止となっている。 駅廃止になる前年の大晦日に駅の跨線橋から撮ったこの写真は、もう二度と撮れないアングルとなってしまった。

駅廃止が告知された年はJR北海道の経営の行き詰まりが顕著となってきた頃で、飛行機にほぼ全て旅客のシェアを奪われて全く見込みのないシンカンセンの開業と引き換えに、経費削減の理由で在来線を淘汰するという、経営破綻一直線の魔の選択をし始めた頃だった。
存在自体は廃止直前の哀愁漂う駅だけれど、頻繁に行き交う優等列車のライトと駅照明のカクテルライトが雪に反射して、眩いばかりの明るい雰囲気を醸し出す不思議な情景を魅せた駅最後の年越し風景だった。
石勝線・追分原野にて
東追分駅を真横から撮ったのだが、まるで昼の様に空が明るく写った。 これは怪奇現象でも何でもなく、千歳空港が不夜城の如く放つ航空誘導灯の強い光線によるモノである。 そして、星の様に流れる光の筋も流れ星などではなく、千歳空港に発着陸する旅客機の航空識別灯なのだ。
石勝線・東追分 最後の朝
ついに廃止となる年の元旦の朝を迎えた東追分駅。 朝一で特急列車が駅のホームからはみ出して停車している。 これより特急同士の邂逅シーンが行われる。 これまで駅が存在した理由は、真にこの列車交換の為だったのだ。
朝は普通列車はほとんどなく、あるのは道東へ往来する特急列車の運行がほとんどだ。
ワテは特急列車にあまり写欲の湧かない方なので、駅のすぐそばにあるシェルターに入ってくる特急列車を適当に撮ってたよ。 でも、適当に撮った割には、吹雪いた雪がいい演出をしてくれた。
このシェルターを出てすぐにある駅が最後の年の元旦を迎えた。 この年の春まだ浅い3月の下旬のダイヤ改正を持ってこの駅は廃止となる。 だがワテがこの駅の事を知ったのは駅の廃止が確定した年の暮れで、その翌年の春を待たずに駅の廃止が告知されたのである。 そう・・ 知ってからあまりにも時間が無さ過ぎた。 何も得ないまま終わってしまいそうだった。
せっかくこの駅を知って魅せられたのだから、その魅力のひと欠片でも手元に残しておきたい。
そんな思いを込めてテキトーに撮った一枚。 なぜなら真剣に取り組むよりテキトーに撮った方がいい結果が残せる事を知っているから。
石勝線〔夕張支線〕 南清水沢
「夕張支線の廃止が決定的」との報道がなされてからは、年末年始の休みは元より平日でも『撮り鉄』がやってきて、『お立ち台』と呼ばれる有名撮影地には必ずカメラをドデカ三脚に据付てデバっている奴がいるようになる。
ワテはこういうのとバッティングするのがイヤなので、敢えて何でもない所をテキトーに探して、手待ちでアングルを採る。 ここは雪の土手で三脚が据付不能だからなのか、思惑通り『撮り鉄』野郎は一人もいなかったよ。
このテキトーに選んだ撮影場所で撮ったのが意外に迫力ある写真で、これが現像から上った時は、「三脚を使わない手持ちだったから撮れたんだ」と強く思ったよ。 三脚って反って撮影の自由と創造性を殺す、ワテには相容れない写真アイテムなんだよね。
ワテが『お立ち台』と言われる撮影場所で撮る時は、いつも最寄り駅などで野宿している。
なぜなら、他の『撮り鉄』と場所の取り合いとなると撮る気が失せるからだ。 この時も清水沢駅前の駐車場で車寝をしたが、その夜は豪雪で夜明け前の午前4時過ぎから、車の屋根や下回りに噴き溜まった雪の除雪に追われたよ。
街へと向かう列車のテール灯・・。 あと何回かの街への往復を終えると、終焉の時を迎える鉄路。
そう・・、街に向かう赤いテール灯の残り回数がこの消えゆく鉄路の残り日数なのだ。 その消えゆく鉄路の心の中を、表現したいと欲したのがコレである。
だがこうしてみると、この消えゆく鉄路はかつての廃止路線の様に人煙稀な秘境地帯をゆくのではなく、家庭の明かりが灯る人が暮らす街へと向かう路線なのだ。 こういった情景の路線が廃止となる度に、「なぜこうなってしまったのだろう」と思う事が多々ある。
それは便利さの陰で、大切なモノが不要なモノとして簡単に棄てられる今の社会の姿なのだと気づく。
その根幹には「失ってもその痛みが気にもならない」という、乾いた気持ちが渦巻いているんだろうね。
この記事が掲載される頃は
恐らく東北の最北端の岬へ
向かっている事かと
新年もアバンチュールに
最北端に近い所でテントで迎えるかと
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Re: No Subject * by 風来梨
根室大喜さん、明けましておめでとうございます。
> 上手に撮りますね
> もの凄く粘り強いシャッターチャンスの取り方には感服です
撮影旅では、有り得ないほどに『オチャメ』りますが、なぜか写真はそれなりなモノが撮れちゃう不思議です。
今日も青森の最果てで、吹雪の中の車寝と日本一貧相な年越ししました。 でも、これを耐えたお陰で、絶景が魅れたのでヨシ!です。
> 上手に撮りますね
> もの凄く粘り強いシャッターチャンスの取り方には感服です
撮影旅では、有り得ないほどに『オチャメ』りますが、なぜか写真はそれなりなモノが撮れちゃう不思議です。
今日も青森の最果てで、吹雪の中の車寝と日本一貧相な年越ししました。 でも、これを耐えたお陰で、絶景が魅れたのでヨシ!です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。 * by 宿はなし
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
というか…いまさら初コメントを…失礼します(^0^;)
札沼線豊ヶ岡駅、昨秋に訪問しました。
自身の記事にも…「これが最後」と宣言してしまいましたが…雪景色いいなぁ…と心がブレています。。
今年もよいお写真が見られるよう、楽しみにしております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
というか…いまさら初コメントを…失礼します(^0^;)
札沼線豊ヶ岡駅、昨秋に訪問しました。
自身の記事にも…「これが最後」と宣言してしまいましたが…雪景色いいなぁ…と心がブレています。。
今年もよいお写真が見られるよう、楽しみにしております。
Re: 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 * by 風来梨
宿はなしさん、明けましておめでとうございます。
こちらこそ、宜しくお願いします。
> あけましておめでとうございます。
> 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
>
> というか…いまさら初コメントを…失礼します(^0^;)
>
> 札沼線豊ヶ岡駅、昨秋に訪問しました。
> 自身の記事にも…「これが最後」と宣言してしまいましたが…雪景色いいなぁ…と心がブレています。。
>
> 今年もよいお写真が見られるよう、楽しみにしております。
私の札沼線の1往復区間の最後は、写真で掲載した去年の年末年始です。 この時の第一目的は、去年に廃止となった夕張支線でしたが・・。 豊ヶ岡の夜の写真が撮りたくて、豊ヶ岡でテント駅寝しちゃいました。 けど、肝心の夜の写真はシクジリましたけど。
今年の春のゴールデンウイーク『鉄』が殺到するだろから、私も去年の年末年始で終わりですね。 今年の春は只見線の桜と浅草岳と幻の滝を狙ってます。
こちらこそ、宜しくお願いします。
> あけましておめでとうございます。
> 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
>
> というか…いまさら初コメントを…失礼します(^0^;)
>
> 札沼線豊ヶ岡駅、昨秋に訪問しました。
> 自身の記事にも…「これが最後」と宣言してしまいましたが…雪景色いいなぁ…と心がブレています。。
>
> 今年もよいお写真が見られるよう、楽しみにしております。
私の札沼線の1往復区間の最後は、写真で掲載した去年の年末年始です。 この時の第一目的は、去年に廃止となった夕張支線でしたが・・。 豊ヶ岡の夜の写真が撮りたくて、豊ヶ岡でテント駅寝しちゃいました。 けど、肝心の夜の写真はシクジリましたけど。
今年の春のゴールデンウイーク『鉄』が殺到するだろから、私も去年の年末年始で終わりですね。 今年の春は只見線の桜と浅草岳と幻の滝を狙ってます。
もの凄く粘り強いシャッターチャンスの取り方には感服です