2019-11-04 (Mon)✎
『日本百景』 秋 第404回 御来光ノ滝・秋景 〔愛媛県〕
それでは、写真歴が30年にも及ぶのに、ウデも、心も、気構えも一向に進歩しない写真床(写真界を渡り歩くのが写真『家』なら、ワテみたいに底辺を這いずり周るのは写真『床』だあね)がカブリを犯してしまう程の素晴らしき情景を、とくとごろうじろ。
秋色に染まった柱状摂理の岩に
美しい白布を掛ける御来光ノ滝
御来光ノ滝 ごらいこうのたき 落差102m 愛媛県・久万高原町
仁淀川の最源流部面河渓にあり、霊峰石鎚山のほぼ直下から流れ落ちる神秘的な滝で、落差は102m。 『日本の滝百選』にも選ばれている名瀑である。
石鎚スカイラインの途中にある長尾尾根展望所から遠望する事ができ、一般の観光客ならばこの展望所が滝見の拠点となる。 だが、滝を直接見るには、長尾尾根展望所から急激な斜面を下り、谷沿いや崖沿いのアップダウンの多い沢中を片道3時間近く歩いて行く事もできる。
だが、道は不明瞭で嶮しい沢沿いを渡渉していかねばならず、沢用具は必須である。
滝は南向きで明るく、晴れた日の午前中には滝に架かる虹を見る事ができる。
滝飛沫が虹を魅せてくれた
この沢をゆく探勝路も、『日本の滝百選』に指定されてから滝見に訪れる者が多くなり、いくぶん登山道整備がなされたが、それでも当初は踏み跡程度の道だったゆえに、まだまだ危険かつ道が不明瞭な所も多々存在する。
地図はフォーエバーの使い回しです
:
これは決して面倒だったのではなく、『フォーエバー』の
あらましを知ってもらいたいが為に仕方なく・・ですよ
アプローチ
国道194号途中の『道の駅・木の香』より石鎚スカイライン・土小屋まで車で約1時間
土小屋より、石鎚スカイライン上の長尾根駐車場まで約5km
行程表
長尾根駐車場より、滝までおよそ2時間半から3時間(徒渉の連続)
過去の滝見行でこんな『オチャメ』をしでかした
「フォーエバー(永遠)」の滝へ
この滝へは過去に3回も訪滝にシクじり、うち一回は道を間違えて坂を転げ落ちる『遭難フラグ』がはためくなど、ワテにとって『栄光のブザマな記憶』のある御来光ノ滝・・。 ワテをして、この滝へは到達に4回のアタックと時を擁した事から、『4回』と『永遠』を掛け合わせて「フォーエバーの滝」読んでいる。 その『栄光のブザマな軌跡』については、メインサイトのコチラの旅行記をどうぞ。←結構、ハラハラドキドキの『オチャメ』アリで笑えます。
この滝に訪れるべく前夜に車寝をした『道の駅・木の香』は、今日で通算6回目の車寝となる。
それは、今回ゆく《御来光ノ滝》が、4回のチャレンジにして漸く本願成就となった『フォーエバー』の滝である事の証だ。
過去3回の失敗と4度目、そして1回は雨で入渓自体を中止してトンボ帰りしたので、今回を含めると6回目となる訳だ。 だから、どこに何があるかは、“勝手知ったる”道の駅なのである。 それに温泉クアハウス併設の『道の駅』なので、風呂への手間も不要だし。
そして、ここが山間部で非常に寒い事も・・。 昨日の《阿波PS》では出さなかったシュラフを出し、完全防備で寝る。 案の定、夜半過ぎには氷点下になっていたみたいで、車の屋根や窓ガラスが白く凍っていたよ。
この日は石鎚山が
美しくそびえる最高の天気だ
6:20に出発して土小屋まで約1時間、朝の光を浴びて輝く紅葉を見ながらのドライブだ。 不安面であった路面凍結は大した事ないレベルが一ヶ所だけだったので、何事もなく土小屋へ。
土小屋で最終トイレをして、もう開放している石鎚スカイライン(秋のゲート開放時間は7時半とやや遅い)に入って、一般観光客の滝見台である5km先の長尾根駐車場へ。
さぁ・・「永遠(フォーエバー)の絶景」を求めて
徒渉靴に履き替え、ザックにカメラ・レンズ・ポリタン・行動食などの『日帰りパッキング』を施して、出発は8:07。 さぁ、目指すは、紅葉に彩られた『フォーエバー・御来光』である。
発見するまで3回の時を要した御来光ノ滝の沢への降り口だが、今回も急だった。 3回尻餅着いたよ。 まぁ、徒渉靴は粘土質の道床には滅法弱いので、「転ぶのは仕方ない事」と自ら慰める事ができるけど。 尻餅を着くのを恐れて恐る恐る降りるので、下りに滅法時間がかかる。 沢に降り着くまで35分もかかっちまった。
秋満開の彩りを見ながらゆく
沢を渡って、渡渉点を示すブルーシートの所から急登(という程でもないが)で右岸(進行方向左側)の土手に上がっていく。 しかし、前にあった土砂崩れには桟道が架けられ、道標リボンも前回比150%位に増え、確実に人気遡行ルートとして手が加えられているようだ。
暖かい日差しを浴びて
キラキラと輝く沢をゆく
一度沢に降りて左岸に渡り、蛇行して流れる七釜を過ぎて再び右岸に渡り返し、また土手に上がっていく。
土手に上がってしばらくすると、3度目で『オチャメ』った《犬吠ノ滝》や《魚止ノ滝》が見えてくる。
だが対岸の土手からヤブ木越しにみるので、あまり情感は湧かない眺めだ。 ここで『オチャメ』った筆者(タワケ)でさえ感情が湧かないのだから、それなりのモノなのである。
やがて、徐々に沢に近づいてきたか・・と思うと、いつの間にか沢筋に降り立っていた。
土手に上がってしばらくすると、3度目で『オチャメ』った《犬吠ノ滝》や《魚止ノ滝》が見えてくる。
だが対岸の土手からヤブ木越しにみるので、あまり情感は湧かない眺めだ。 ここで『オチャメ』った筆者(
やがて、徐々に沢に近づいてきたか・・と思うと、いつの間にか沢筋に降り立っていた。
以前は、この土手からロープで20mほどの土砂崖を懸垂下降に近い角度で降りていたが、それも回避されたようである。
この踏跡整備の進み具合は、ひょっとして5年後には簡易の桟橋が徒渉地点全てに架けられるじゃないか・・との邪推も抱いてしまう。 でも、沢筋に手を加える前に、沢に降りるあの急下降を何とかしろよ・・と言いたくなるけど。
しばらく沢中を行くと運命のあの分岐が出てくるが、ここも最早間違えようがない位にケルンが山積みされ、リボン2ヶ所と横たわる倒木に赤テープが駄目押しの如く巻きつけられてていた。
運命の分岐です
:
実線の方に進むと
しばらく沢中を行くと運命のあの分岐が出てくるが、ここも最早間違えようがない位にケルンが山積みされ、リボン2ヶ所と横たわる倒木に赤テープが駄目押しの如く巻きつけられてていた。
こうなります
:
詳しくは水色文字のリンクをクリック!
これに逆らったらこうなるのは身をもって体験しているし、敢えて逆らって自分の身体能力の証明をする気もないので、素直にジグザクに土手を登っていく。
薄暗い高巻き道を伝っていくと
日の光を浴びて
その「御来光」の名の通りの
眩い白布が現れる
この滝の魅力は飛沫の妙にある
土手を登って例の函を高巻いてから2つ程一枚岩に流れる枝沢をロープ伝いに渡って、滝の高みに向かって高度を上げていくと、秋爛漫の御来光がお出ましになる。 今回の紅葉は目を見張る程に素晴らしく、焦ってしまって剱の長次郎雪渓以来のカブリ(フイルムを巻き取らずに裏蓋を開けてしまう、究極の「うれしはづかし」)をしてしまったぜ。 まぁ、すぐに蓋を閉めたので、2~3枚のボツで済んだが・・。


四国で『秘境の滝』の迫力の前に
オタついて「うれしはづかし」をする
ワテは写真界の底辺を這いずる『写真床』
:
辛うじて『床下』までは逝ってないかと・・
それでは、写真歴が30年にも及ぶのに、ウデも、心も、気構えも一向に進歩しない写真床(写真界を渡り歩くのが写真『家』なら、ワテみたいに底辺を這いずり周るのは写真『床』だあね)がカブリを犯してしまう程の素晴らしき情景を、とくとごろうじろ。
滝の左岸(右側)から
見上げると迫力満点だ
青空と紅葉と黒光りした滝岩盤と
滝白布のコントラストが美しい
秋色は滝だけでなく
周囲も美しく彩って
光を浴びた滝飛沫は
飛沫の宝石となって
黒い岩肌を輝かす
そしてその輝きに共鳴して
虹の架け橋を魅せてくれた
滝飛沫四景
狼煙を上げる滝飛沫
その狼煙を表現したいと足掻いてみる
根をつめて狙うと疲れてきて
ちょっと退いてみる
狼煙の上にも小さな虹が・・
そろそろ去る時がやってきた
飛沫をターゲットにしようか
それとも周囲の彩りを散りばめようか
最後は滝の彩りを心に収めて
そろそろ帰り支度を始めようか
帰りも秋の情景を撮りながら戻るが、今年は体がかつての状態に少し戻ったように思う。
なぜなら、最後の石鎚スカイラインへの300mの登りだが、往路の下り35分の所要に対して、帰りの登りは33分で登ってしまったからだ。 「登りの方が2分早い」という、ペースブローカーぶりが復活したので、かつての最盛期をちょっと思い返して嬉しくなったよ。 帰着は14:30。 行きも帰りも、所要は2時間半をちょっと割る位だった。
滝から一歩一歩遠ざかっていく
周囲は絢爛たる錦絵巻が広がっていた
でも、先月行った剱の仙人池では、コースタイムの倍の下りに9時間半もかかっちまったよ。
一昨年に酷い捻挫をして以来、急激に下りで足の踏ん張る力を失ったみたい。
紅葉が赤から黄色に・・
そしてまだ色着きが浅く
なっていくとゴールも近い
後は、土小屋から『道の駅・木の香』に戻るがてら、フイルムの残りで石鎚山系の秋風景を収め、『道の駅・木の香』の温泉で風呂に入って伊予西条の街に出ると、もう17時半。 旅の終わりに差しかかると、時間の経過が早くなる。 余韻に浸る事を許さぬが如くに。 そして、長いといえば長いし、短いといえば短い日常生活に戻っていく。
今年の秋の紅葉狩りは
鹿島槍・仙人池とキビシかったので
最後は少し大人しめに
紅葉の秘境駅めぐりでっす
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