風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第403回  六十里越・雪わり街道

『日本百景』 秋 第403回 六十里越・雪わり街道 〔福島県・新潟県〕

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秋満開の樹海ロード
道路に映す紅葉の枝影さえ芸術だ
白沢トンネル駐車場付近にて

  六十里越 ろくじゅうりこえ (越後三山只見国定公園)
六十里越(ろくじゅうりごえ)は新潟県魚沼市と福島県南会津郡只見町との間にある峠で、魚沼市入広瀬地区(旧北魚沼郡入広瀬村)東部の大白川と、只見町田子倉の間に所在し、最高点の標高は863mに達する。

六十里越の名は、実際の距離は六里(約24km)でありながら、その険しさゆえに一里が十里にも感じられるほどに急峻かつ長大な山道で、旅人にとってこの峠を越えるのは命賭けであったのが、地元の逸話として語り継がれていた事に由来する。

古くから新潟県中越地方と福島県会津地方南部を結ぶ街道の一つであるものの、国内有数の豪雪地帯に位置し、かつ雪崩や落石の危険性が高い箇所を経由する事から通年では通行できない難所であった。
この新潟・福島両県境の区間をつなぐ国道252号線は、『六十里越・雪わり街道』という愛称が命名されている。

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スノーシェードが
「紅葉の中のトーチカ」の如く

昭和時代に入ってから道路改築と鉄道建設が進められ、まず1971年に国鉄只見線、1973年には国道252号の県境区間が開通した。 いずれも区間内には、トンネルやスノーシェッドが連続して設けられている。

新潟県中越地方と只見町を結ぶ街道としてはもう一つ、六十里越から約15km北東側の三条市と只見町の間に位置する八十里越があるが、こちらは更に急峻な地形を有する難所で、現在も国道289号などの国県道は自動車の通行不能のいわゆる『登山道国道』となっており、新潟・福島両県と国土交通省が改築事業を行っている。



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周囲が美しく彩られて
秋のあいよしノ滝

  六十里越の紅葉
かつては「陸の孤島」といわれた奥会津・只見郷・・。 この地に赴くべく会越国境の峠を越える事は命懸けの苦難を伴った・・という事から、「この峠越はその険しさゆえに、その身に実際の距離の10倍の苦難を感じる程の長大な山道だ・・」と云い伝えられ、その故事にちなんで《六十里越》と名付けられている。

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国道252号線・田子倉湖畔ロードマップ

だが、昭和40年頃から国道252号線が本腰を入れた整備をされ始め、1973年(昭和48年)には《六十里越トンネル》が開通して、一気に峠の核心部分をトンネルで貫いたのである。 それ以来、「1里が10里にも感じられる苦難を伴う峠越え」区間は、付近の大自然が魅せる景観を伴って、この地方を代表する観光名所となったのである。

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ススキの衛士を前に堂々とそびえる
紅葉の鎧をまとった前毛猛山
雪わり街道展望台駐車場より

《六十里越トンネル》が開通した後も、国道252号線は観光向けに整備され続け、今では《六十里越・雪わり街道》という愛称のついた観光が主目的の道路となっている。

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かつて超える事に命懸けだった峠が
今や国内髄一の観光道路に・・

そして、そのシーズンは、何といっても『秋』だろう。 それは、「1里が10里にも感じられる苦難を伴う長大な峠越え」区間全体が、紅葉で鮮やかに彩られるのだ。 また、周囲にそびえる山々は、山頂付近から山裾にある田子倉湖に向けて紅葉の波を下ろしているのである。

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山頂から湖へ下ろす
鮮やかな紅葉の波

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陽の光がバックライトになって
オレンジの光が降りそそぐ

そう・・、かつては「越える事に死をも覚悟せねばならぬ」と云われた峠も、折からの『秘境ブーム』も手伝って、自然景観の優れた我が国有数の観光地へと様変わりしたのである。 豪華絢爛たる秋のドライブルートとして“イチオシ”なのが、この《六十里越・雪わり街道》なのである。

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紅葉の波に圧倒されて
運転が疎かにならぬように

そして、『秋』のシーズンを終えると、この観光道路は足早に冬眠支度に入る。 我が国有数の豪雪地帯をゆくこの道路は、12月初旬の雪の降り始めら周囲の山々が雪解けを始める頃、世間では春真っ只中となる翌年4月末のGW直前まで、雪に埋まって完全な通行止となり眠りに入るのである。

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雪に埋まって冬眠に入るその前に
その力の限りの美しさを魅せて

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その記憶を植えつけてから
深い眠りに着くのだろうね

その山のような潔さが、更に旅人の心をこの地に向けさせるのだろう。



奥只見の紅葉風景は
我が国でも指折りの情景ですね

その素晴らしい紅葉風景が満載の
宜しければどうぞ

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No Subject * by 鳳山
秋の紅葉の季節なのに生活に追われほとんど見れません。この記事の紅葉を見て秋を感じました。

Re: No Subject * by  風来梨
鳳山さん、こんばんは。

> 秋の紅葉の季節なのに生活に追われほとんど見れません。この記事の紅葉を見て秋を感じました。

秋の彩りを感じていただければ嬉しいです。
無理もありませんよ。 これほどの紅葉は、人里を離れた無人の山懐でないと目にできませんから。

コメント






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No Subject

秋の紅葉の季節なのに生活に追われほとんど見れません。この記事の紅葉を見て秋を感じました。
2019-10-30 * 鳳山 [ 編集 ]

Re: No Subject

鳳山さん、こんばんは。

> 秋の紅葉の季節なのに生活に追われほとんど見れません。この記事の紅葉を見て秋を感じました。

秋の彩りを感じていただければ嬉しいです。
無理もありませんよ。 これほどの紅葉は、人里を離れた無人の山懐でないと目にできませんから。
2019-10-30 *  風来梨 [ 編集 ]