2011-07-07 (Thu)✎
『オホーツク縦貫鉄道の夢』 第19回 唯一の現存区間・その1 原生花園めぐり
原生花園に咲く花々 その1
コオニユリ エゾカンゾウ
湿生の花といえば尾瀬ですね ここに撮りに行くのは結構ムズイ
狩場山
前区間は『未成線』ということで空想を大いに爆発させたのだが、今回の乗車区間は、オホーツク沿岸沿いで“唯一”の現存線区なのである。 そして困った事に、筆者には“原生花園で撮った写真が若き日の失態で全て使えない”という、創作する上での重大な負い目がある。
ちなみに、“若き日の失態”とは、間違えてタングステンフイルムを入れてしまった事である。
青みが掛かってしまって、全て廃棄処分となってしまった。 愚痴っても仕方ないので、それでは斜里発のキハ22系気動車に乗り込む事にしましょうか。
原生花園に咲く花々 その2
コウホネ
サロベツは急行の方が良かった
いっぱしの街である斜里を出た気動車は、国道と離れてオホーツク海の際を伝っていく。
線路の際は湿地帯となっていて、海際に咲く原生花の花園となっている。 ヒオウギアヤメやエゾカンゾウ、チシマフウロなどの可憐な花が咲いている事だろう。 湿地帯という事で《涛釣沼》など、コウホネやミズギボシなど湿性原生花の宝庫となる湖沼も点在する。 ちなみに、写真は全て別の所で撮ったモノですが・・。
線路の際は湿地帯となっていて、海際に咲く原生花の花園となっている。 ヒオウギアヤメやエゾカンゾウ、チシマフウロなどの可憐な花が咲いている事だろう。 湿地帯という事で《涛釣沼》など、コウホネやミズギボシなど湿性原生花の宝庫となる湖沼も点在する。 ちなみに、写真は全て別の所で撮ったモノですが・・。
原生花園に咲く花々 その3
チシマフウロ ヒオウギアヤメ
これは本州の最果て・尻屋崎ですね ここれはたぶん霧多布
これは本州の最果て・尻屋崎ですね ここれはたぶん霧多布
《涛釣沼》を過ぎると、程なく《止別》に到着する。 《止別》駅は、駅舎を改造した喫茶店の“草分け”的として有名だ。 店の名前は、ラーメン喫茶『えきばしゃ』だそうである。 私のこの駅での思い出は、知床へ向かう前に駅前に車を止めて、車内で仮眠した事しかない。 突き詰めて言えば、その時に中日の川上投手が巨人をノーヒットノーランにしたのをラジオで聴いてたっけ・・かな?(誰も聞いてない!)。
原生花園に咲く花々 その4
ミズギボシ ワタスゲ
静かな尾瀬♪の朝に撮りました 沼ノ原から見る
トムラウシは最高ですね
《止別》からも、相変わらず国道より一筋離れた海側を伝う。 正確にいえば、海辺と少し距離をおいた堆積砂丘の上を伝う。 やがて国道が合わさって来ると、《浜小清水》の駅である。
しかし、この《浜小清水》の駅の変わり様を目にした時には、驚き以上に落胆の気持ちを強く感じた。
なぜなら、完全に『道の駅』に乗っ取られているような雰囲気であったからだ。
確かに、人で賑わっている。 でも、この“人だかり”は、全て車で来た人たちだ。
確かに、人で賑わっている。 でも、この“人だかり”は、全て車で来た人たちだ。
テナントでは軽食の他、洋風のお菓子やソフトクリームなどが販売され、家族連れが腹ごしらえに車とテナントを往復していた。 でも、駅の改札口の前は、“疎ら”以前に誰もいないのである。
まぁ、列車の発着時刻でなかった事もあるが・・。 もはや、駅施設が『小清水原生花園』という名のついた駐車場と化しているのである。
原生花園に咲く花々 その5
ヒツジグサ
ヒツジグサ撮るなら尾瀬ですね
私は、駅員のいる主要駅に車で訪れるのは多少気が引ける(まぁ、訪れてるけどね)。
なぜなら、利用者でも何でもない存在だからだ。 でもこの駅は、マイカー族に駅自体が“乗っ取られている”のである。
私は、駅員のいる主要駅に車で訪れるのは多少気が引ける(まぁ、訪れてるけどね)。
なぜなら、利用者でも何でもない存在だからだ。 でもこの駅は、マイカー族に駅自体が“乗っ取られている”のである。
だから、皆気兼ねする事なく行動している。 お菓子を建物内に落とす者、空き缶を投げ捨てる者、吸殻を道端に捨てる者などが後を絶たない。 そして、車内のゴミを捨てにくる者でゴミ箱は満杯だ。
建物自体は近代的で綺麗なのだが、床やゴミ箱といった目に付かない場所が汚れていってるのである。
原生花園に咲く花々 その6
ナデシコ
礼文島9時間コースって
ルート変わったんだってね
『道の駅』の便利さは、私も車を利用するので十分に認めている。 むしろ、『道の駅』があれば積極的に利用したいとも思っている。 だが、汽車旅をする旅人に戻った瞬間・・、そして鉄道の旅に感動を得た人間としては、この光景には拒絶反応が出るのだ。 重々身勝手な事とは思いながら・・。
さて、暗い話はここで切り上げて、先に進む事にしよう。 列車は海と《涛沸湖》を両側に見ながら進んでいく。 次の《原生花園》は、夏だけの臨時駅のようである。 ここも、《浜小清水》と同様に観光客が集っている。
『道の駅』の便利さは、私も車を利用するので十分に認めている。 むしろ、『道の駅』があれば積極的に利用したいとも思っている。 だが、汽車旅をする旅人に戻った瞬間・・、そして鉄道の旅に感動を得た人間としては、この光景には拒絶反応が出るのだ。 重々身勝手な事とは思いながら・・。
さて、暗い話はここで切り上げて、先に進む事にしよう。 列車は海と《涛沸湖》を両側に見ながら進んでいく。 次の《原生花園》は、夏だけの臨時駅のようである。 ここも、《浜小清水》と同様に観光客が集っている。
原生花園に咲く花々 その7
ツリガネシャジン
海霧によって色気づいてます
霧多布
《浜小清水》と違う所は、こちらには巨大な駐車スペースがなく、ツアー客を乗せた観光バスの発着場と化している事である。 ここでツアー客を下ろし、原生花園内を歩かせて《浜小清水》で再び拾う・・という行程を組んでいるのだろう。 従って、ここの光景も『パス』である。 まぁ、昔にこの原生花園を訪れた時の写真は、“フイルム間違い”でポシャっている事だし。
原生花園に咲く花々 その8
コウリンタンポポ
利尻に降臨タンポポ
・・今回は、記した内容が苦しくて・・、苦しくて・・。 鉄道写真ないし、駅写真ないし、花は全て外様の写真だし。 タングステンの失敗の尻拭いは、かくも厳しい代償を支払わされましたね・・。
しかも続く次回からは、この夢物語!?を語る上ではどうしても冬でなければならないので、季節はぶっ飛んで冬となります。 悪しからず・・。 あぁ・・、モノ投げないで下さい。
※ 詳細はメインサイトより、
架空旅行『オホーツク縦貫鉄道の夢・斜里~網走』を御覧下さい。
- 関連記事
-
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第23回 オホーツク縦貫鉄道が潰えた日
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第22回 オホーツクを望む『名も無き丘』へ・・
- 前半総括
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第21回 能取岬より望むオホーツク流氷
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第20回 唯一の現存区間・その2 オホーツク沿岸へ・・
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第19回 唯一の現存区間・その1 原生花園めぐり
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第18回 『通らずの橋』を渡ってオホーツクへ・・
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第17回 道東の名峰・斜里岳へ・・
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第16回 根北峠を越えて・・
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第15回 知床岬へ・・ 後編
- オホーツク縦貫鉄道の夢 第14回 知床岬へ・・ 前編
スポンサーサイト
No title * by 風来梨
yamanbou様、こんばんは。
有名な原生花園は、どうしても人だかりになりますね。
だから、山の高山植物を目指すのですね。
有名な原生花園は、どうしても人だかりになりますね。
だから、山の高山植物を目指すのですね。
No title * by オータ
1985年の夏、学芸員資格の実習のため、斜里の知床博物館に二週間通い!ました。困ったのが宿です。節約、貧乏、そして実習後に道内のあちこちへ行きたかったので、浜小清水の中山記念YHに頼み込んで、夏真っ盛りの混雑期なのに十何連泊をお願いしました。
毎朝7時ちょうどにパンの朝食を摂って、とうふつ湖岸を必死に歩いて、浜小清水駅へ行き始発列車で斜里まで通勤。切符は20日間有効の北海道ワイド周遊券を定期券代わりに! 若かったです…
…北浜駅だけは喫茶店になっていたでしょうか? まだ沿線のどの駅も古びてガラーンとした木造駅舎でした。今のようにどの駅にも店があるとは隔世の感がします。
毎朝7時ちょうどにパンの朝食を摂って、とうふつ湖岸を必死に歩いて、浜小清水駅へ行き始発列車で斜里まで通勤。切符は20日間有効の北海道ワイド周遊券を定期券代わりに! 若かったです…
…北浜駅だけは喫茶店になっていたでしょうか? まだ沿線のどの駅も古びてガラーンとした木造駅舎でした。今のようにどの駅にも店があるとは隔世の感がします。
No title * by 風来梨
昔の周遊券は、それはそれは使えましたからね。
冬割と学割を重ねたら、特急乗り放題でほぼ4割引でしたから。
そして有効は20日間と、すごい切符でした。
あの周遊券があったればこそ、高校生だった自分が北海道の主要なローカル線を乗車できた・・と言ってもいいでしょう。
ローカル線は風光明媚な地を行き、その駅舎は建て付けもよく石炭ストーブがあり、人情も厚く・・、いい時代だったと思います。
冬割と学割を重ねたら、特急乗り放題でほぼ4割引でしたから。
そして有効は20日間と、すごい切符でした。
あの周遊券があったればこそ、高校生だった自分が北海道の主要なローカル線を乗車できた・・と言ってもいいでしょう。
ローカル線は風光明媚な地を行き、その駅舎は建て付けもよく石炭ストーブがあり、人情も厚く・・、いい時代だったと思います。
懐かしい響きですねぇ。「原生花園」
あちこちにあるようですが若かりし頃、何れかに寄ったことがあります。小屋のような駅があって、そのものが売店だったような気がします。ユリ科の花がたくさん咲いていました。懐かしいです。