2019-10-28 (Mon)✎
よも”ヤマ”話 第81話 御岳山 〔長野県・岐阜県〕 '94・7
御岳山 3067m【名峰百選 34峰目】
御岳山本峰と
コバルトブルーの水を湛える二ノ池
御岳山 おんたけさん (御岳山県立自然公園)
長野・岐阜県境にそびえる御岳山 3067メートル は、裾野を広げた美しい姿のコニーデ型火山である。 1979年に急に爆発噴火して人々を驚かせたが、今は休止中。 しかし、この活動を期に、『死火山』という言葉は意味をなくしてしまった。
・・この山は3000mを越える独立主峰なので遮るものは何もなく、山頂からの眺めはいうまでもなく素晴らしい。 北アルプスは元より、白山や富士山まで見渡せる。 また山上には、爆裂火口に水をたたえた『火口湖』が数多くあり、コバルトブルーの水をたたえたこれらの湖と、山々のおりなす風景は印象的である。
御岳山・田ノ原コース 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
木曽福島町市街より車(1:10)→田ノ原(1:50)→王滝頂上(0:30)→御岳・剣ヶ峰山頂
(0:20)→ニノ池(1:20)→摩利支天岳(1:10)→ニノ池(0:40)→王滝頂上
(1:20)→田ノ原より車(1:10)→木曽福島町市街
※ 記事を上げる前に、’14年の御岳山噴火災害で犠牲になった方々の
御冥福をお祈りいたします。
3000mを越えるのにお手軽なこの峰は
これからの山旅に備えて
身体を作るには打ってつけだった
御岳山は3000mを越える高峰でありながら、《田ノ原口》を起点とすると3時間足らずで山頂に立てる“気軽さ”を備えている。 また、独立主峰という事で眺めもよく、アルプスなどの縦走に備えての訓練の場としても格好のロケーションの山である。
このようなロケーションの山なので、放浪旅に出た直後でまだ身体が出来上がっていない状況では打ってつけの山なのである。 まぁ、「身体ができていない」といっても、(この年の)5月に燕~常念の縦走で70mの滑落しているしィ。←滑落してものほほほんとしてるこの筆者(タワケ)は大物なのか、それともバカなのか・・ 判断に迷う所ですね
・・で、これよりの放浪山旅に向けての身体作りも兼ねて、最も楽な《田ノ原》より登る事にした。
行程時間的には下からでも十分日帰り往復できるが、余裕を持って山を楽しむには、やはり登山口の《田ノ原》で一泊しての早朝登山がいいであろう。
《田ノ原》の登山口に立つ大きな鳥居をくぐると、砂利の敷きつめられた広い参拝道が延びている。
この道をしばらく歩いていくと、《御岳神社》の社務所を通り過ぎて、次第に道幅が狭くなり登山道らしくなる。 枕木の設けられた規則正しい登りを順調にこなしていこう。 登っていくと、やがて森林限界を抜けて、稜線上に向かってのつづら折りの急登となってくる。
見上げる稜線上には、《王滝頂上休泊館》が建っている。 つづら折りの急坂には合目毎に祠や地蔵尊などが祀られており、山岳信仰の色彩が強いことを示している。 砂礫とハイマツのつづら折りを登りきると、上に見上げる位置に建っていた《王滝頂上休泊館》の裏手に出る。 昨日の内にここまで、もしくは頂上小屋まで登っておいて、翌朝の御来光を眺める・・というのもいいかもしれない。
白い煙を噴き上げる地獄谷の噴火口
ここからは、正面にそびえ立つ剣ヶ峰の頂上に向かって激しく煙を噴き上げる《地獄谷》を横に見ながら歩いていくが、道の両側に“炎”を象った碑や霊神像が至る所に建っており、更に信仰の色彩が濃くなってくる。 頂上に向かって直線的に登っていくと、頂上付近の山腹に“こびりつく”かのようにひしめいている《頂上小屋》と《旭館》の“門前街”を通り抜ける。
頂上へ・・
周囲は月のクレーターの如き情景だ
頂上へは、この“門前街”の最奥にある神社めいた白亜の階段を70~80段程登って鳥居をくぐるといい。
御岳山最高峰・剣ヶ峰 3067メートル の頂上からは、独立孤高の峰ならではの360°の大パノラマが広がる。 日本の高峰の全てを見渡せるとびきり贅沢な眺めに、ひととき酔おう。 また、下を見下ろすと、コバルトブルーの水をたたえる《二ノ池》が目を引く事だろう。
御岳山頂上より望む
コバルトブルーに光る二ノ池
空や雲の具合により、七色の変化を魅せるコバルトブルーの輝き・・。 “名峰”の条件である『自然の創造し、美しき情景』がここにあった。 もし御岳山に、この“七色の変化を魅せるコバルトブルーの輝き”がなければ、『山岳信仰』という人のなすりつけた歴史のみであったならば、“名峰”としてワテの心の中に響かなかったと思う。
頂上より下っていく
:
ワテは宗教がキライなので
御岳山にあった宗教的なモノは
一切撮ってないようだ
我が【名峰百選】でも述べているが、“名峰”に人のなすりつけた歴史など必要としないのだ。
これを“名峰”の選択基準に入れてしまったなら最後、魅力の乏しき山が『歴史』という下らぬ“ハリボテ”で飾りたてられ、偽りの戴冠を得る事になるだろう。 そして、豊かな自然を抱く魅力的な山、「登ってみたい」と思い描く本当の“名峰”が選から漏れる事となる。
人がなすりつけた歴史などヤマにとっては
噴き上げる噴煙の一瞬に過ぎないのだ
山の『歴史』を選択基準に入れるという事は、「人の心情から選んだ」といいながら、「登ってみたい」という」人の心情”を黙殺している事になるのだ。 それほど重要な意味だとワテは考えるのだが。
従ってワテは、山の『歴史』を選択基準に据えた『日本百名山』を認める事はできない。
それどころか、「何と愚かな過ちを犯したのか!」と思っている位である。
長々と“名峰”に対するワテの考えを述べたが、この論議については反論も多々あろう。
でも、ワテの考えは間違ってはいないと堅く信じている。 ひとまず、“名峰”の論議はここまでとして、頂上丘をめぐってみよう。 剣ヶ峰の頂上から、コバルトブルーに輝く《ニノ池》に向かって下っていこう。 そして、コバルトブルーに輝く水面の理由が何なのかを確かめてみよう。
御岳山を魅惑的にしているのは
この二ノ池の存在だろう
池の水面に近づいてみると、細かい砂の敷きつまった湖底を透き通った清らかな水がよどみなく、まるで水鏡のようにたたえていた。 この水鏡こそが、「七色に輝く」理由だと思う。 池の畔には《二ノ池小屋》の本館と新館が建っているので、ひと息着くといいだろう。 また天候が急変の場合には、格好の避難先ともなる。 ここからは、《賽ノ河原》と呼ばれる広々とした溶岩台地が続く。
三途の川の袂にあるという賽ノ河原は
このように明るくだだっ広いのかな
この広々とした溶岩台地の中央を行くのは、誠に気分がいい。 緩やかにアップダウンをこなすと、《三ノ池》と摩利支天岳との分岐に出る。 ここから1時間程で、摩利支天岳 2959メートル の頂上に着く。 この頂上から眺める剣ヶ峰の裏側越しの大パノラマも印象的だ。 摩利支天岳から分岐に戻り、このまま岐阜県側の《濁川温泉》へ縦走もできるが、マイカーを“足”として行程を組んでいる関係上、ここで往路を引き返すとしよう。
これよりこのシリーズは
夏山に突入して季節外れとなるので・・
:
季節に合った秋の御岳山おば・・
帰路にもう一度剣ヶ峰の頂上に立つのもいいし、山腹を巻いて《王滝頂上》に出るのもいいだろう。
頂上を経由すると、巻道より30分ばかり時間がかかる。 《王滝頂上》からは、忠実に往路を下っていこう。 そして下山後は、麓に湧く温泉で山の汗を洗い流すとしよう。
やっぱり秋はいいなぁ
この秋は4蓮チャンで
出撃するつもりだったけど・・
仙人池の下りがハード過ぎて
今週は中休み・・
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Re: こんばんは!! * by 風来梨
mt minnieさん、こんばんは。
> 御嶽山は噴火前2010年ころ田ノ原より登りました!!
> 青い空と、美しい池ですね、神奈川から金曜日の夜走り、朝から登って来ました11時頃には下って王滝の小屋でお蕎麦食べていたから、噴火があっても助かったかも知れません。御嶽山の思い出は美しい山です。
> 荒涼としているようですね:-))
私が登ったのは、はるか前の1994年の夏ですね。 この時は確か、大滝頂上で小規模の噴火があって、死火山とされた御岳山が
見直された時だったかと思います。 そして、あの噴火事故の時は、富士山の頂上にいました。 他の登山者のラジオで御岳山の噴火を知りました。 その時は、富士山の頂上にいる皆が「いつもの小噴火程度」と思ってましたが、帰ってから重大事故になっていることを知りました。
予想できない事が一番怖いですね。
> 御嶽山は噴火前2010年ころ田ノ原より登りました!!
> 青い空と、美しい池ですね、神奈川から金曜日の夜走り、朝から登って来ました11時頃には下って王滝の小屋でお蕎麦食べていたから、噴火があっても助かったかも知れません。御嶽山の思い出は美しい山です。
> 荒涼としているようですね:-))
私が登ったのは、はるか前の1994年の夏ですね。 この時は確か、大滝頂上で小規模の噴火があって、死火山とされた御岳山が
見直された時だったかと思います。 そして、あの噴火事故の時は、富士山の頂上にいました。 他の登山者のラジオで御岳山の噴火を知りました。 その時は、富士山の頂上にいる皆が「いつもの小噴火程度」と思ってましたが、帰ってから重大事故になっていることを知りました。
予想できない事が一番怖いですね。
青い空と、美しい池ですね、神奈川から金曜日の夜走り、朝から登って来ました11時頃には下って王滝の小屋でお蕎麦食べていたから、噴火があっても助かったかも知れません。御嶽山の思い出は美しい山です。
荒涼としているようですね:-))