風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰百選の山々 第26回  水晶岳・鷲羽岳

名峰百選の山々 第26回  『56 水晶岳 ・ 57 鷲羽岳』 富山県・長野県 
飛騨山系(中部山岳国立公園) 水晶岳 2986m、鷲羽岳 2924m 
コース難度 ★★  体力度 ★★★
 

朝日を浴びて
黄金色に染まりつつある水晶岳
 
   行程表           駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR信濃大町駅よりバス(0:40)→扇沢(2:00)→大沢小屋 
     (0:30)→針ノ木大雪渓(2:30)→針ノ木峠・針ノ木岳へは往復1時間半
《2日目》 針ノ木峠(1:00)→蓮華岳(4:30)→七倉岳(0:20)→船窪
《3日目》 船窪(4:00)→不動岳(3:00)→烏帽子岳(0:45)→烏帽子小屋
《4日目》 烏帽子小屋(3:20)→野口五郎岳(2:30)→水晶小屋
《5日目》 水晶小屋(0:45)→水晶岳(2:30)→赤牛岳(3:15)→水晶小屋(2:40)→三俣
        ↓
   槍・穂高縦走ルート
《6日目》 三俣(2:00)→双六小屋(5:40)→槍ヶ岳山荘・槍ヶ岳へは往復1時間
《7日目》 槍ヶ岳山荘(4:20)→双六小屋(2:00)→鏡平(4:00)→新穂高温泉よりバス
     (1:40)→JR高山駅

    ガイドで取り上げたルート設定
《6日目》 三俣(1:10)→鷲羽岳(1:50)→水晶小屋(0:45)→水晶岳(0:40)→水晶小屋
     (2:00)→鷲羽岳(0:50)→三俣(2:20)→双六
《7日目》 双六(1:00)→笠ヶ岳・鏡平分岐(0:40)→鏡平(1:20)→秩父沢 
     (1:10)→ワサビ平(1:00)→新穂高温泉よりバス(1:40)→高山駅
 

北アルプス・裏銀座縦走路 全行程図
 
      ※ 『名峰次選 第26回 赤牛岳』《5日目行程》からの続き

  《6日目》 鷲羽岳・水晶岳を踏んで双六へ
今日は、鷲羽岳・水晶岳といった北アルプスきっての名峰群に登っていこう。 水晶岳までは往復7時間超と結構時間を食うので、朝はできるだけ早く出発した方がいいだろう。 鷲羽岳に登っている最中に御来光を拝む位が理想である。 今日は往復行程なので、キャンプ場にテントをデポって軽い身なりで出発しよう。
 

かぎろいに染まる空と
鷲羽岳シルエット
 
山荘の脇より草原地帯を渡ってから、鷲羽岳への登りに取り付く。 この登りは緩くなく、さりとてキツくもない傾斜が1時間余り続く。 急傾斜になりそうな所はジグザグを切って道をつけてあるので、そう疲れを感じないだろう。 馬力のある人なら、この登りに1時間もかからないかもしれない。 
 

空の彼方が
徐々にピンクに染まる
 
さて、夜明け前に登り始めたなら、《鷲羽池》を見下ろす付近で御来光を拝めることだろう。 
黒部五朗岳や三俣蓮華岳が、朝日を浴びて真っ赤に染まる。 その麓には、デポった自らのテントが見えるかもしれない。 そして、その奥には、笠ヶ岳と《双六》のキャンプ場も真っ赤に染まって見えるだろう。 だがクライマックスは、やはり雲海より突き出した“槍”の『北鎌尾根』のキザギザした稜線と、その脇から昇る御来光であろう。
 

かぎろい色に浮き立つ
槍・穂高のシルエット
 
“感動”ある情景・・、正にこれである。 言葉をどんなに連ねても、“感動”は表現できない。 
やはり、目で見て実感するしかないだろう。 空が紫からピンク、そして黄金色に変わる頃、岩ガレ場を乗りきって鷲羽岳 2924メートル の頂上に登り着く。
 

鷲羽岳頂上にて
 
この鷲羽岳は、北アルプスの正に中心に位置するので展望は雄大だ。 特に朝日を浴びて輝く《雲ノ平》の大草原と、黒光りした水晶岳の武骨な姿が印象的だ。 山頂で名峰に立つ喜びをかみしめたなら、前に向かって進んでいこう。
 

黄金色に染まる
裏銀座の山々
 
鷲羽岳からは、白亜のゴロゴロした砂礫帯をジグザグを切って下っていく。 下りきった鞍部から緩やかに登り返して、岩の積み重なりが稜線にボコッと出た感じのワリモ岳 2888メートル を乗り越える。
少し岩がゴチャついたワリモ岳付近は、この山の岩の積み重なりをピークを越えずに脇をトラバースする感じで越えるといい。 

これを越えると再び砂礫帯を緩やかに下って、イワギキョウなどの砂礫地のお花畑が広がる《岩苔乗越》にたどり着く。 ここは、祖父岳を通って《雲ノ平》に至るコースとの分岐である。 
そして、この分岐を《雲ノ平》側へ少し下ると、黒部川の源泉の湧水を口にする事ができる。
 

美しいシャドーを
魅せる鷲羽岳
 
今日の所は余り時間に余裕がないので、黒部川の源泉はまたの機会に訪れようと思う。 ここから《水晶小屋》までは、黒光りした花崗岩の岩ガレ場を40分程ジグザグに切って登っていくとたどり着く。

《水晶小屋》は、北アルプスの有料山小屋では一番粗末な・・、もとい最も小さな山小屋だ。 
水も天水利用ゆえ宿泊者にも提供制限があるなど、あまり評判は芳しくないようだ。 ここから、水晶岳から赤牛岳へ連なる雄大な稜線を見ながら水晶岳へアタックしよう。 水晶岳へは歩いて40分程だが、途中はかなりゴチャゴチャした岩場の登りが続き、鎖場もあるので慎重に登っていこう。 
 

赤牛岳を伝って黒部湖へ続く
難路・『読売新道』が見渡せる
 
水晶岳の頂上付近まで登ると、《黒部湖》や赤牛岳 2864メートル を越えて続くロングランコース・『読売新道』が見渡せる。 また振り返れば、烏帽子のように突き出た烏帽子岳 2628メートル や野口五朗岳 2924メートル といった『裏銀座』の山なみは、その後にそびえる後立山連峰の山々がまるで軍艦のように静かに雲海にその姿を浮かべている。
 

水晶岳の鋭い稜線と薬師岳

そして、《雲ノ平》の草原が、一歩一歩登っていくごとに大きく、そして広く視界に入ってくるだろう。 
これらの素晴らしい景色を見ながら、水晶の光る黒岩をひと登りすると水晶岳の最高点 2986メートル だ。
 

雲ノ平を護る衛士たる山なみ
 
水晶岳山頂から望む《雲ノ平》は黒部川源流が大きく大地を刻み、草原の大陸のように見える。 
その草原の大陸の中にある一軒家・雲ノ平山荘が印象的だ。 なぜ目を引くか・・というと、これ以外に建物が見えないからだ。 あるのは山また山、緑また緑なのである。 そして、この山頂は眺めだけでなく、他の楽しみ方もある。
 

黒光りした岩の
積み重なる水晶岳頂上

この岩の中に
“光る石”水晶が混じっているかも
 
それは、“水晶石”探しだ。 結晶自体が小さすぎて金銭価値はないが、きれいでいい斑点模様の石を見つけると嬉しくなってくる。 景色をカメラに収め、手頃な大きさの水晶石を見つけたなら、水晶岳最高点で“アリバイ写真”を撮って山頂を後にしよう。 帰りは、往路を忠実に戻ればいい。
 

思い出の雲ノ平

・・水晶岳を往復して《三俣山荘》に戻り着く時間が正午位なら、テントを撤収して《双六》まで歩いていこう。 《双六》までは、“下”を通って2:20の所要である。 “下”とは、三俣蓮華岳・双六岳を通らずに、下の巻道を通るコースを利用する事である。 《三俣》から《双六》までは特別目を引くような景色もなく、ただ午後の暑い日差しの中を重い荷物を背負って黙々と歩くのみである。 なお、この区間の“上”ルート(山頂経由のルート)は、黒部五郎岳や雲ノ平を歩いた時に御紹介しようと思う。 

 双六のキャンプ場に
“笠”が姿を現した

《双六》に着いたなら宿泊手続きやテント設営を済まして、夕空になるのを待とう。 鷲羽岳の武骨な姿が夕日に照らされて、より彫りの深い迫力のある眺めとなって良い。 また、運が良ければ、振り返った位置で抜戸岳 2813メートル の背後に、“浮かび笠”の姿を魅せる笠ヶ岳 2898メートル を望む事ができるだろう。 この笠ヶ岳は霧に巻かれて姿を隠す事が多いので、“笠”の姿を現すのは稀・・との事である。

行程表では、この先《西鎌尾根》を伝って槍・穂高の縦走となっているが、これを行ってしまうと槍・穂高のガイドが重複してしまう・・という筆者サイドの都合により、予定を変えて《小池新道》を下っていく事にしよう。 明日は、都合7日間のロングラン山行を締めくくるべく、槍や穂高の稜線を見ながら下山しよう。
なお、槍・穂高は、また次の機会に上高地から縦走してみようと思うので、乞う御期待。
 

双六より望む御来光
 
  《7日目》 新穂高温泉へ下山
《双六》付近は、御来光を眺めるにも絶好の位置にある。 雲海の果てに見える燕岳や大天井岳、徐々に朝日に照らされる鷲羽岳、朝日を浴びて輝くトウヤクリンドウの花・・などなど。 
まずは、この素晴らしい光景を味わおう。 ひと通りの“御来光ショー”を満喫したなら、テントを撤収して出発だ。
 

朝の光をいっぱいに浴びて
輝くトウヤクリンドウ
 
バスは、12時前後に富山行と高山行が発車する。 下山して、《新穂高温泉》でひと風呂浴びてからバスに乗るなら、11時頃には下山を終えたいものだ。 これを所要時間から割り出すと、6時頃の出発が望ましいだろう。 
 

朝の光で黄金色に輝く槍ヶ岳
 
《双六》のキャンプ場を出発してハイマツの生い茂ったピークを1つ越えれば、槍・穂高の稜線が見えてくる。 空が黄金色に輝き、槍・穂高の稜線がシャドーとなってそびえている。 モノトーンの色彩でも迫力は十分だ。 いや、かえって、ピーカンの中での色彩豊かな風景より魅せる力があるように思う。
 

ハクサンイチゲが輝く瞬間
 
また、登山道脇の花々も、朝日を浴びて黄金色に輝き美しい。 朝の光に飾られた素晴らしい眺めを見ながら歩いていくと、すぐ《弓折岳分岐》に着く。 ここから、右の稜線沿いに進んでいくと笠ヶ岳である。なお笠ヶ岳へは、槍・穂高と同じく次の機会に。
 

笠ヶ岳も次の機会に

下山道は分岐を左側へ進み、丸太の階段でどんどん下っていく。 下には《鏡平山荘》と《鏡池》が見えているにもかかわらず、この延々と長い事。 やはり、意識すると長く感じてしまうものなのだろうか。
 

鏡平の庭園風景
 
この長い下りを乗りきって《鏡平山荘》に着くと、なぜかお腹がすいてくる。 その点、北アの山荘はカップメンなどを売っているので便利である。 腹を満たして最後の山岳風景を眺めたなら、温泉に入って汗を落とすべく下っていこう。 

この下山道は『小池新道』というのだが、この道は登山道でいう“舗装道路”のように完璧に整備されていて、この道で転倒などしようものなら数日は“恥ずかしい思い出”として頭を過りそうだ(過去にいろんな所で転んだ筆者体験により)。 この“転べない”というプレッシャーは、なかなか思い枷である。 

道の状況は、ガレ場の斜面を下って《秩父沢》を鉄網の橋で渡ると、《新穂高》へ通じる林道が見えてくる。 見えてからも更に下っていくと、やがて《蒲田川》の岸辺に下り出て、岸辺から林道脇に這い出るように合流する。 後は、時折車も通る砂利道を1時間程歩くと《新穂高温泉》だ。 
《新穂高温泉》にはバスターミナルの前に無料の公衆浴場があり、山の汗を洗い流して行けるので嬉しい。 この《新穂高温泉》は、北アルプスの下山地としては最も好ましい所であろう。

   ※ 詳細はメインサイトより
     『北アルプス・裏銀座縦走路』と『雲ノ平の《4日目》』を御覧下さい。



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