2019-09-23 (Mon)✎
『日本百景』 秋 第398回 暗門ノ滝 〔青森県〕
幽谷に滔々と白布を掛ける
暗門・三ノ滝
暗門ノ滝 あんもんのたき (津軽国定公園)
白神山地(しらかみさんち)は、青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がっている標高1,000m級の山地である。 白神山地は1993年12月に、屋久島と同時に日本で初めてのユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されている。 その登録理由は、「人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布」(世界遺産登録理由)とされている。
その白神山地のブナの原生林に清め濾過された清水が、早瀬や滝となって麓に流れ落ちるのである。
中でも大きな3つの滝があり、これを総称して『暗門ノ滝』と呼ばれている。 この3つの滝に至る渓谷遊歩道は整備され、世界遺産の滝として観光スポットとなっている。
ちなみに、『暗門』と暗いイメージの名称がつけられている訳は、元々は『安門』と記されていたようだが、津軽藩がこの地で御禁制のケシを栽培していて、それを悟られぬよう暗いイメージの名に変えて領民を遠ざけた・・という説があるとの事である。
暗門渓谷と白神林道 詳細図暗門ノ滝は3つの滝の総称だ
二ノ滝 落差37m
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
弘前市街より車(1:00)→グリーンビレッジ暗門駐車場(0:40)→暗門ノ滝・三ノ滝
(0:10)→暗門ノ滝・二ノ滝(0:10)→暗門ノ滝・一ノ滝
※ 帰路は往路の通り・所要1:00 帰路に《ブナの森・森林浴》コースを通ると所要20分増
グリーンビレッジ暗門駐車場より車(1:00)→弘前市街
一ノ滝に至る階段の上から
二ノ滝を見下ろす
今回訪ねる《暗門ノ滝》だが、どうも天気との愛称が悪い所みたいだ。 最初に探訪を計画した時は、週間予報で2日連続で雨予報(不確かな週間予報と云えども、2日連続の雨予報が出ると、確実に大きな雨雲の接近が想定される)でボツ。
2度目は実際に現地の渓谷入口まで行ったのだが、到着の2km程手前から雨が降り出し、到着した時には車のワイパーを最強にしても足りない程の大雨に・・。 仕方ないので、現地で雨が小止みになるのを待って引き上げる。 それも戻った弘前市内では、雨上がりの爽やかな空に戻っていた・・というオチ付である。
このように雨にたたられているのが、この《暗門ノ滝》である。 そして今回も『快晴』とは程遠い曇天で、時折薄日が差すだけいい方である。 まぁ、天気概況は置いておいて、ガイドを始めよう。
《暗門ノ滝》は、弘前市街より約40km。 車で約1時間の距離である。
グリーンビレッジ暗門
コテージ・キャンブ場とアウトドア施設が整っている
※ 施設運営元のウェブページより
入渓口には《グリーンビレッジ暗門》というビジターセンターがあり、宿泊や温泉施設を兼ね備えた渓谷探勝の拠点となっている。 もちろん、200台以上駐車可能の駐車場もある。 要するに《暗門ノ滝》は、元から名の“知れた観光地”なのである。
グリーンビレッジ暗門は
コテージ・キャンプ場・レストハウス・温泉と
全てが揃っている
※ じゃらんのサイトより
それに加えて、《暗門ノ滝》を含めたこの地域一帯が『世界遺産』に登録された事で、更に設備充実となっているようである。 その《グリーンビレッジ暗門》前の駐車場に車を駐車して、足元を固めて出発しよう。
いくら『世界遺産』に登録された観光地だ・・と言っても、渓谷探勝なのである。 完璧な程に通路は整備はされているだろうが、暴れだすと人工物など軽くあしらう力を持つ自然のフィールドに入っていくのであるから、しっかりした靴を履くなどのそれなりの足固めは必要だろう。 まぁ、頼りない靴を履いてノコノコ出張って、足を潰して泣くのはその本人なのだけど。
さて、「トイレはこれ以降にはありません」という看板の掲示された公衆トイレを過ぎると、入渓指導所があって入渓協力金を求められる。 これより先の入渓に際しては有料規定はないが、ここは寸志程度は納めておくのが常道だろう。 指導所にある案内板には禁止行為が掲示され、当然ペットの連れ込みも厳禁だ。
世界遺産のこの渓谷を
汚染・破壊しかねないペットの連れ込み
;
コレって日本を疎んじる
チョンの思考に通じてるよね
ペットの連れ込みによって、野生動物の死滅や植物の枯死による草原の乾燥化などの被害が数多と報告されている事もあり、この行為の禁止は至極当然な事なのである。 まぁ、“当たり前”の事が“当たり前”として成し得ない今の世の中こそ変なのだが・・。
だが、この行為を平然と行う人間の出来損ない共は、こういう監視のない所を調べてこそこそと犯罪者そのままの行動で、そこに潜む生物の迫害や自然破壊という地球にある生物全ての反逆行為を繰り返すのである。 こういう地球上の害虫(チョーセンダニ)を適正に処罰する法律が、一刻も早く制定される事を真に願うのである。
日本語で書かれても・・絵入りで書かれても・・
無視してペットを連れ込むのなら
日本人ではないか日本の国に悪意を持つ
チョンの如き輩以外には有り得ないよね
アララ・・、また脱線したが、指導書前にある白神山系よりの流水を水筒に汲んで出発。
渓流の左岸(右側)に沿って歩いていくが、その通路はコンクリートで河原の石を固めたものに整備されている。 だが、所々でこれが崩壊し、河原を直に歩いたり、桟橋で通したりする所がかなりある。
たぶん、荒天で沢が荒れ狂うと、こういう人工物は易々と洗い流されるのだろう。
さて、20分ほど歩くと、復路で立ち寄る《ブナの森・森林浴コース》の分岐があり、その案内板に『最初の滝まで900m』の表記がある。 渓谷探勝は奥に入る程に道の損壊が激しくなり、最後は沢や川の工事現場でよくある『桟橋による仮歩道』が連続的に続くようになる。 やがて、《三ノ滝》前に着く。
暗門ノ滝の最初の滝・三ノ滝
落差26mの末広がりの瀑布が見えてくる。 滝前は浅い滝つぼを前にした砂利河原となっていて、三脚立てて自由に決めるスペースがある。 それでは拙い写真ではあるが、《三ノ滝》をごろうじろ。
三ノ滝の上部をアップで撮ると
落差26mとは思えぬ迫力を魅せてくれる
《三ノ滝》からは、急な階段で滝の左岸(右側)に派生する岸壁を登っていく。 なお、この階段は『沢や川の工事現場でよくある仮歩道』レベルなので、足元には注意しよう。
二ノ滝に至る階段より
三ノ滝を俯瞰する
三ノ滝の落ち口
近づくと吸い込まれるような・・
滝は元より渓谷美も魅せてくれる
この階段で《三ノ滝》が俯瞰できる位置まで40m程上がると、《三ノ滝》上の渓流に出て、これを200mほど詰めると、《三ノ滝》をひと回り大きくした《二ノ滝》に出る。
最も飛沫が舞い散る滝・二ノ滝
この《二ノ滝》は落差37mの末広がりの直瀑で、滝の岩盤の模様が美しい。 ここも浅い滝つぼの前は砂利河原となっているので、《三ノ滝》と同じく三脚立てて自由に決めるスペースがある。
それでは、《三ノ滝》と同じく拙い写真であるが、《二ノ滝》をごろうじろ。
飛沫が滝つぼを越えて降りかかるのは
見た目より落水の勢いが凄ましいからだ
《二ノ滝》の前を橋で渡り、左岸(右側)から派生した岩盤を先程と同じような階段を登って滝の落ち口上の渓流に出て、岩盤を刳り貫いたトンネルを通ったりしながら沢を2回ほど渡る。 2回沢を渡って再び左岸に戻ると、通路が左岸の岩盤に同化するように吸収されて、止むなく仮歩道でつないで沢上を行くようになる。
一ノ滝への登路から二ノ滝を望む
二ノ滝の落ち口
こちらは高度感がある
まぁ、手すり付の桟橋がしっかり組んであるので、歩き易さでいえば仮歩道の方が良いのだが・・。
《二の滝》から距離にして250m位だろうか。 やがて、岩盤を削り直して設けた歩道に戻ってすぐの位置に《一ノ滝》が見えてくる。
暗門ノ滝の一番奥にして
42mの最大落差を誇る一ノ滝
落差42mで、下の2滝と同じく末広がりの直瀑だが、その末広がりの度合いは最大だ。
最も奥に潜む滝らしく、姿をやや森濃い左側より斜瀑気味に構えている。 また滝つぼは綺麗な砂利石がそろった浅い淵で、滝のアクセントとしては十分だ。
最後の滝という事で観光客が長く滞在するのと
三脚を立てて居座る奴がいて想ったより自由に撮れない
だが、岩盤を削った探勝通路はここで終わっている事もあり、滝のテラスは少し狭い。
それに、最後の滝なので探傷者各人の滞在時間も長く、三脚立てて自由に決めるスペースはあるにはあるが、長く居座る訳にはいかないだろう。 それでは、この渓谷最後の滝景色をごろうじろ。
飛沫を浴びてしっとりと・・
少し捻れた姿が印象的だった
さて、3つの滝は、帰りも振り返ったり、落ち口からの眺めとして楽しむ事ができる。
但し、登ってきた階段は先程も述べたように『仮歩道の階段』レベルでかなり急な段なので、滝に見とれて足元が疎かにならぬようにしよう。
3つの滝を過ぎて少し歩くと、往路で少し述べた《ブナの森・森林浴コース》との分岐に出る。
ここは少し変化を求めて、この森林浴ルートをとってみよう。 このルートは沢をゆく平坦なコンクリート道と違い、沢の右岸の森の中に分け入る土(自然)の道の探勝路である。
沢沿いにはアズマギクが
可憐な姿を魅せていた
鬱蒼とした森の中に丸太をかました坂のつづら折道で、予想したより結構登っていく。
ひと汗かく頃に坂の傾斜は収まり、平坦な森の中をいく。 やはり、土の道の感触はいい。
周囲は大きなブナやミズナラの木が、その特徴を魅せつつ大きく枝を伸ばしている。
ブナの森の森林浴を
堪能して帰ろうか
森林の中で心地よい汗を書く・・という森林浴以外にはこれといって特徴のないルートで、ルートの半分近くが登り坂で、往路を行くより700mほど長く戻るのに20分程時間が割増すが、やはり“心地よい汗を書く”というのは最も都会に住む人間からは疎遠な事なので、これは大いに享受したい。
やがて、《グリーンビレッジ暗門》の建物が樹木の間より見え出すと、ゆっくりと下り始めて、程なく入渓指導所にあった『白神山地の水飲み場』の横に出る。
沢の至る所に咲いていた
ミヤマダイモンジソウ
後は、《グリーンビレッジ暗門》の温泉で汗を落として帰路に着こう。 なお、更に『世界遺産・白神』の探勝を・・という方は、この先に続く《白神ライン》と、《白神ライン》方向に向かって《津軽峠》で分かれて進んだ所にある『百名滝』《くろくまノ滝》めぐりもいいだろう。
昔(25年前)に訪ねた時のくろくまノ滝への道は
筋金入りの悪路だったが『百名滝』に指定されてからは
ダートであるものの幾分整備されている
だが、《グリーンビレッジ暗門》より先は40km以上に渡ってダート道で、しかも気象災害でよく通行止となる山峡の未整備道である。 その事を念頭において進む方がいいだろう。 途中で車にトラブルがあっても、連絡不能となる所なのだから。 ちなみに、私の訪れた時の《白神ライン》は、『津軽峠付近の土砂崩れの為、通行止』の処置だったので、通行は見送ったのであるが・・。
メインサイトの『日本百景』の
『撮影旅行記』に
新作をアップしましたぁ~
デス 見てネ
- 関連記事
スポンサーサイト
No Subject * by 根室大喜
滝見るのアタイも好きです^^)こっちでは知床にオシンコシンの滝とかあります
Re: No Subject * by 風来梨
根室大喜さん、こんばんは。
> 滝見るのアタイも好きです^^)こっちでは知床にオシンコシンの滝とかあります
知床は滝のワンダーランドですね。
私の大好きな知床の滝をば・・
一般の観光客の方はコチラのURLの記事をどうぞ
知床ネイチャーボートによる知床岬回遊
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-403.html
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-409.html
ブリバリの猛者で役所でも「生命の危険があり、役所としては責任を持てません」という所でも
いってみたいというアウトローな貴方はコチラのURLの記事をどうぞ
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-795.html
更に詳しくは、記事にリンクしてあるリンクをクリックネ!
> 滝見るのアタイも好きです^^)こっちでは知床にオシンコシンの滝とかあります
知床は滝のワンダーランドですね。
私の大好きな知床の滝をば・・
一般の観光客の方はコチラのURLの記事をどうぞ
知床ネイチャーボートによる知床岬回遊
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-403.html
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-409.html
ブリバリの猛者で役所でも「生命の危険があり、役所としては責任を持てません」という所でも
いってみたいというアウトローな貴方はコチラのURLの記事をどうぞ
https://furai58.blog.fc2.com/blog-entry-795.html
更に詳しくは、記事にリンクしてあるリンクをクリックネ!
管理人のみ閲覧できます * by -
Re: 旅行情報発信メディアでの記事執筆依頼 * by 風来梨
旅行情報発信メディアのスカウトチーム様、記事執筆のお誘い頂き有難うございます
お誘いは大変光栄なのですが、前回にも言いましたように私の旅は野宿基本の『バックパック旅』で、ともすれば生命の危険も伴う事があります。 ですから、旅情報として一般の旅行者に旅の手法として広めるのは避けた方がいいと思いましたのでお断りする事にした次第です。
また、旅情報として旅人の多くが情報を欲するグルメや名産品とかに関しては全く知らないし、私のプロデュースする旅の対象外ですので、この事も旅情報誌に書くには相応しくないと思います。
お誘いは大変光栄なのですが、前回にも言いましたように私の旅は野宿基本の『バックパック旅』で、ともすれば生命の危険も伴う事があります。 ですから、旅情報として一般の旅行者に旅の手法として広めるのは避けた方がいいと思いましたのでお断りする事にした次第です。
また、旅情報として旅人の多くが情報を欲するグルメや名産品とかに関しては全く知らないし、私のプロデュースする旅の対象外ですので、この事も旅情報誌に書くには相応しくないと思います。