風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第332回  米坂線・小国駅

路線の思い出  第332回  米坂線・小国駅 〔山形県〕

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観光立地にありながら
観光客の利便がすごぶる悪い小国駅

《路線データ》
    営業区間と営業キロ            輸送密度  /  営業係数(’15)
    米沢~坂町 90.7km                388   /   258
 
運行本数(’19)
  米沢~坂町 5往復【内1往復 新潟~新発田 快速〔べにばな〕(米坂線内は各駅停車)】
  米沢~小国 1往復  米沢~羽前椿 3往復  小国~坂町 1往復 
  米沢~今泉 下り1本・上り2本《土曜・休日1往復増》

小国駅(おぐにえき)は、山形県西置賜郡小国町大字岩井沢にあるJR東日本・米坂線の駅である。
西側の駅舎に面する単式ホーム1面1線と、島式ホーム1面2線の計2面3線を有する駅で、互いのホームは跨線橋で連絡している。

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田舎の町の中心っぽい駅でした
※ ウィキペディア画像を拝借

駅長配置の直営駅であり、管理駅として萩生駅~越後大島駅間の各駅を管理している。 また、米坂線の新潟支社管理区間である今泉駅~坂町駅間の運行管理も行っている。 駅舎内にはみどりの窓口と自動券売機が配備され、列車の待合室や自動販売機やトイレなどが設置されている。 その他、夜間滞泊が2本ある為に乗務員の仮泊所がある。



今回の『路線の思い出』ネタは、次回の『日本百景・夏』の記事への導入だったりして。 とどのつまり、次回の記事『飯豊山縦走』のアプローチでの『オチャメ』だったりする。 まぁ、『オチャメ』の度合いは「至って軽微なモノ」であったが。 でも、のっけから『重篤なオチャメ』を巻き起こす様なタワケぶりだったら、この筆者の人生は、ここに行き着くまでに終わってるよな・・、たぶん。

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この山旅の2週間ほど前も
ここに行く予定がアメでポシャったし・・

さて、この年の夏は天候不順に見舞われた。 実を言うと、7月の末にも南アの鋸岳を攻めるべく、夜行バスで甲府まで出かけているのである。 だが、甲府に着くまでもなく雨。 甲府に着いても雨。 予定ではタクシーを飛ばしてでも芦安の登山者駐車場までいって、そこから広河原行きのシャトルバスと南ア・林道バスを乗り継ぎ北沢峠まで抜けるつもりだった。

だが、これから山に登るべく、タクシーで10000円也を使おうとする者の目の前に降り続く雨の光景。 そして、山を完全に覆うどす黒い雨雲。 もう、いっぺんに金を使う気が失せたよ。 「これでは、タクシーで行ったって、ズブ濡れの山行になるのがオチだな」と。 登り始めて降り出したのならまだ諦めもつくが、登る前からシトシト雨ではモチベーションを上げろ!って方がムリである。

・・で、「新潟の浅草岳でもいくか」と『セ・セ・セ・セイシュン18キップ』を買い込んで、その浅草岳も雨でボツって、結局は南ア・鋸岳の装備一式を担いでの『只見線撮影紀行』となってしまった苦い足跡があるのだ。

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おかげで只見線の只見駅滞泊の回送列車が撮れたよ
コレ・・田子倉で駅寝しないと
撮影が不可能な『お宝映像』なのですね・・

ピッケルを手に、テントやシュラフの入った20㎏超のザックを担いで列車を乗り降りして『撮り鉄』に勤しむという、持ち運ぶ荷物が全く使えない中での周遊を強いられたのだ。 結構、精神力いるよ。
思いっきり浮いてるし・・。

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この年の夏は雨ばかり・・
只見川も茶色の濁流だったよ

・・という訳で、今回は少し気合が入っていた。 だが、今回の山旅の決行前に2つの台風がやってきて、週間の天気予報は『オールブラック』となっていた。 これは、薄弱な意思の持ち主(筆者)の気合を萎えさすのに十分なモノであったよ。 特に、台風崩れの低気圧は『日本海回遊コース』を取り、佐渡付近で変化球のシンカーのように向きを変えて、飯豊連峰直撃の絨毯爆撃という最悪の進路を取る・・との予報であったし。

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写真を撮るには良かったけど
寝台に乗るとなればエグい車両だったよ
釣り糸を垂れるチャンスがあれば
最大限にそのチャンスを活かしましょう

その台風崩れの低気圧にヤキモキしながら、前夜23:27発の急行【きたぐに】(※急行【きたぐに】は、既に運行廃止されています)に乗る。 でも、歳を食うと、以前は何でもなかった事が大いなる負荷となり、それに恐れおののくようになるもんだね。 寝台券買っちゃったよ。 だが、1100円をケチるコスいマネをして三段寝台の中段を取ったもんだから、床からの高さが70cm位しかないでやんの。

急行【きたぐに】の3段寝台が窮屈で寝入るのに時間がかかったせいか、米坂線はよく寝れたよ。
『○鉄』を含めた『鉄』な人なら解ると思うが、蓬のトッピングをした塗装の食パン気動車は鉄道趣味の目で見るとあまり魅力がないのだな。

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蓬トッピングの食パン気動車は
583系とは真逆で
「乗る分には最高だが撮る分には魅力ナシ」
のシロモノですね
※ ウィキペディア画像を拝借

そして、性能が良く、音も静かで快適なので眠気を誘うのである。 たぶん、国鉄型の気動車だったら、眠い目をこじ開けていたと思うが・・。 あれっ!? 山の紀行文からどんどん外れていってるよ。

さて、そうこうしている内、10:14に小国駅到着。 ここから10:22発の飯豊山荘行きのバスが出ているハズだ。 だが、駅舎を出て待っていたのはタクシーだった。 タクシーの運ちゃん曰く、「10時のバスはないよ。 土・日しか・・」。 それを聞いたワテは「そんなハズはない。 今は盆休みだよ!」と、根拠のない自信タップリに言い返す。 そうこうしている内に、乗換時分の8分は瞬く間に経過する。
・・旗色が悪くなってきたようだ。

タクシーの運ちゃんも乗る意思がないワテを口説いても仕方がない・・と思ったのか、別の行楽客を乗せて立ち去った。 「バスは遅れているのだ」と淡い期待を抱いて暫く待ったが、どうやらタクシーの運ちゃんが正しかったようである。 まぁ、交通の便の事で地の人間、しかも公共交通機関の従業者を相手に突っぱねても勝てる訳はないわなぁ。

まぁ、結果として残ったのは、タクシーの運ちゃんも言った14:43発の定期便のバス発車時刻までの4時間以上のヒマだ。 辺りにコンビニの一つも無い街で、とりあえずは明日朝の食料調達を考えねばなるまい。 ・・というか、実は事前に買っておくのを忘れたのよね。 幸い4時間も空いたので、街をうろつき回る事は可能だ。

・・で、街をうろつくと、すぐに街唯一と思しきショッピングセンターを兼ねたスーパーがあったよ。
ここで食料を調達して駅に戻ったが、まだ3時間と50分も空きがあるよ。 仕方がないので「温泉でも入るか・・」と、米坂線の時刻を見る。 11:55発だ。 かつて飯豊山をめぐった時に車でこの周辺を偵察しているので、徒歩圏内の温泉はキッチリ把握しているのである。

「確か、越後下関の近くに道の駅があり、そこにクアハウスがあったっけ」。 念の為に駅員氏にこのクアハウスの存在を確認すると、「下関の駅から7~8分ですよ。 帰りは14:21にここに着く列車で戻ってきたらいいから、1時間ちょっと温泉に浸かれるよ・・ 荷物は待合において行って来なさいな」との親切な返事。

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クーラーのガンガン効いた
『高校野球絶賛放映中』の休憩室の誘惑に
山に来た自我を喪失する所だったよ・・
※ 道の駅・関川のウェブサイトより

こうして、有意義な温泉ライフを初日に味わう事ができた。 クアハウスは新聞はあるわ、カップメンの自動販売機はあるわ、アイスクリームは売ってあるわ、休憩室はエアコンの効いた広間で寝転び放題で、テレビで高校野球をやってるわ・・と、ヘタすりゃこのまま寝入ってしまって越後下関13:48発に乗り遅れてしまいそうな勢いさえあったのである。

しかし、ここで誘惑に負けて沈没してしまっては、昨日の寝台券も、大阪~小国までの乗車券も全て無駄となっちまうので、それを振り払うように炎天下の中に出て越後下関まで歩く。 明日台風崩れの低気圧が近づいている・・っていうのに、このピーカン照りはいったい何なのだ。 もしかして、シンカーでなくて直球で日本海から中国大陸を縦断するのだろうか? まぁ、そうなれば、ひと安心なのだが・・。

さて、計画通り小国駅に戻って、20分待ちで14:43の飯豊山荘行きのバスに乗る。 バス停の前には登山者が何人かいたよ。 思えば、バス便のない10時の列車はザック持ちがいなかったよな。 キチンと調べないからこういう目に遭うのだろうね。

バスは定刻の15:45に飯豊山荘到着。 後はテント場へ行って、テントを張って、メシ食って、明日に備えて寝るだけだ。 でも、蚊が多いわ。 「7000円出して山荘泊まっても良かったかな」と、自堕落の極みが見え隠れする心配極まりない筆者(タワケ)であった。

  ※ 次回の『日本百景 夏 390回 飯豊山縦走』に続く・・



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