風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  路線の思い出 >  路線の思い出 301~350 >  路線の思い出   第331回  大井川鉄道・井川線、接岨峡温泉駅

路線の思い出   第331回  大井川鉄道・井川線、接岨峡温泉駅

路線の思い出  第331回  大井川鉄道、井川線・接岨峡温泉駅 〔静岡県〕

r331 (17)
地元住民の駅ではなく
奥大井をめぐる観光客の為の駅・接岨峡温泉駅

《路線データ》
井川線
       営業区間と営業キロ               運行本数(’19)   
      千頭~井川 25.5km           千頭~井川    4往復
                           千頭~接岨峡温泉 1往復

接岨峡温泉駅(せっそきょうおんせんえき)は静岡県榛原郡川根本町犬間にある、大井川鐵道井川線の駅である。 駅構造は島式1面2線のホームを持ち、構内の千頭寄りには車庫がある。 この車庫は、かつて車両の夜間滞泊が行われた際に使用されていた。 旧川根長島駅開業当時は相対式1面2線と待機線1線があった。

r331 (18)
元々762mmゲージの路線だったので
施設の全てがミニサイズだ

付近には接岨峡温泉の集落(長島集落)が点在する。 かつてこの集落は現在地より低い谷底に位置していたが、長島ダム建設に伴い元の場所が水没する事になったため、駅付近に移動してきたものである。
これを契機に駅名も従来の川根長島駅から接岨峡温泉駅に改称している。

r331 (2)
このダムの完成で駅名が
川根長島から接岨峡温泉に改称された

r331 (7)
ダム湖完成前に使用された
井川線の軌条もチラホラと・・

r331 (9)
コチラの軌条跡の方が
迫力あっただろうね

なお、駅名の由来となった長島集落の住民の多くは長嶋姓である。 また大井川の対岸にある梅地集落の住民の多くは筑地姓で、これは室町時代の守護大名筑地氏の末裔との事である。



r331 (3)
今回は井川線を使った
奇跡的なアプローチの話です

これは、3年前の赤石岳に登った時の事である。 普通なら赤石岳のある南アルプス南部へは、マイカーか静鉄ジャストラインの路線バスを利用するのであるが、マイカーで来るのは運転がしんどいし、盆の帰省ラッシュの渋滞に巻き込まれて予定が狂いかねないのでパスしているのである。

r331 (13)
想定外のアプローチに対して
モロ逆風だったよ

となると、1日1往復の静鉄ジャストラインの登山バスとなるのだが、コレも2年に1度の割合で道の崩壊で運休となったり、運行していたとしても6月位から予約を入れないとまず乗れないのである。
そして、運良くバスのチケットが取れたとしても、始発地の静岡駅発時刻が朝10時と、関西からなら真に合わせにくい時間帯なのである。

事実上は、関西方面からの登山者がこのバスに乗るには、前日に静岡駅前でホテルを取るしかないのである。 ・・つまり、このバスは「使えるようで使えない」のである。 だから今までは、千頭からジャンボタクシーに乗って畑薙ダムまでアプローチする方法を取っていた。

r331 (4)
ジャンボタクシー相乗りの
登山者を見つけるのもひと苦労
登山者よりも『鉄』の方が
圧倒的に数が多いし・・

だがこの方法は、千頭駅で登山者と思しき者に手当たり次第に相乗りを持ちかけて、ジャンボタクシー代30000円を人数割りさせねばならないのである。 そして、以前までは何とか相乗りの登山者を釣り上げてジャンボタクシーで畑薙まで行っていたのだが、3年前のこの時は一人も「釣れなかった」のである。

r331 (16)
この時は不漁で
山ヤさんが一匹も釣れなんだよ・・

まぁ、30000円も出す訳にはいかんので、もう一つの手を使わざるを得なくなる。
それは、井川まで大井川鉄道の井川線に乗って、井川からコミニュティバスを乗り継いで赤石温泉・白樺荘まで伝い、白樺荘から4km歩いて畑薙ダムの東海フォレストのリムジンバスのバス停に至る方法だ。

r331 (6)
乗り継ぎが不調に終わると
「山の荷物担いでトロッコ鉄道に
乗りに来ただけ」となる大ピンチ

でも、このコミュニティバスは「地元住民の予約がないと運行されない」という時限爆弾運行で、予約がないと井川駅にバス(ジャンボタクシー)は現れないのである。

r331 (20)
これより先は土砂崩れで運休中だった
だがこの運休が
いい方向に転んだみたい

そして、運がいいのか悪いのか、この年は接岨峡温泉~井川は昨年からの集中豪雨で運休となっていて、接阻峡温泉~井川はタクシーを使わねばならなかったのである。

そして、そのタクシーを呼ぶのも千頭からの配車で、タクシーを呼ぶのも1時間近くかかるとの事。
だから予定外に温泉に入れたよ。

r331 (19)
接岨峡温泉の公衆浴場・温泉会館
※ ウィキペディア画像を拝借

r331 (21)
ホットな温泉と
心熱い温情を頂いたよ
※ 接阻峡温泉のウェブサイトより

そして、極めつけに「運がいい」のは、温泉の管理人がワテに温情をかけてくれたのである。
それは、井川からのコミニュティバスの予約を入れてくれたのである。 これで、大井川鉄道の起点・金谷駅から畑薙ダムまで、奇跡的にタクシーとバスをつなげる事ができたのである。

r331 (22)
不通時の井川駅は
ダム湖で獲れた魚介類の出店となっていた
※ ウィキペディア画像を拝借

でも、井川から途中の田代までのコミニュティーバスの運ちゃんは思いっきりヤル気がなく、始めは乗車拒否されたよ。 でも、接阻峡から乗ってきたタクシーの運ちゃんに、「予約入れてんだからキチンと乗せてやれよ!」とたしなめられてやんの。 まぁ、オタッぽい奴だったし・・。

逆に田代から赤石温泉・白樺荘までの運ちゃんはもの凄く丁寧で、「ホントはリムジンバスの乗り場まで送ってあげたいのだけれど、規則だからゴメンネ」と謝られたよ。

いろいろあったけど、この奇跡的な乗り継ぎだけでこの日は「お腹一杯」である。 でも、この井川線のトロッコ列車にのっている最中は畑薙ダムまで行けるかどうかが確定している訳もなく、気が気でなかったよ。 だから井川線の写真は、気を紛らわすべくの撮る意図が定まらない写真ばかりですね。

r331 (5)
半径90mカーブ(90°カーブ)が続く井川線

r331 (8)
半径90mカーブだと
さっき通った所が垂直の位置になる

r331 (1)
アプト式軌条を後押しする電気機関車
このアプト区間だけ電化されている

まぁ、翌年に接岨峡温泉~井川の不通区間が復旧したかと思えば、その翌年の豪雨による土砂崩れで再び不通となる・・の繰り返しである。 並走する道路の南アルプス公園線も、2年に1度は不通になる厄介な所で、こんな「目的地まで行けるか行けないか定かでない」という博打は二度と打てないよ・・ね。
それでは、南アの盟主・赤石岳で締めるとしようか・・。

r331 (12)
タカネツメクサ

r331 (11)
南アの更に奥深く・・
笊ヶ岳などの白峰南嶺の山なみ

r331 (14)
もう秋の花・マツムシソウが咲いていた

r331 (10)
赤石岳と鰯雲
秋の山が魅せる風景だ

r331 (15)
トウヤクリンドウも
薬となる秋の花


にほんブログ村 鉄道ブログへ
ヘタレて登山するのも苦労の連続・・
予約が取れずに登山口への
アプローチもひと苦労


関連記事
スポンサーサイト



何かとお世話になった川根長島駅 * by きゃみ
こんにちは。
井川線の思い出は子供の頃、山の上を走る列車を見て、「乗りたい」と親にねだったおかげで乗車することに。乗車した駅が川根長島駅でした。
数年前に久々に井川線に乗車した時も接岨峡温泉駅で止む無く下車することに・・・先が不通で井川まで行けませんでした。
今は復旧してるんでしょうかね??? 次回訪問の際はもちろん尾盛駅と閑蔵駅には下車しようと思います(笑)

Re: 何かとお世話になった川根長島駅 * by  風来梨
きゃみさん、こんばんは。

> こんにちは。
> 井川線の思い出は子供の頃、山の上を走る列車を見て、「乗りたい」と親にねだったおかげで乗車することに。乗車した駅が川根長島駅でした。
> 数年前に久々に井川線に乗車した時も接岨峡温泉駅で止む無く下車することに・・・先が不通で井川まで行けませんでした。
> 今は復旧してるんでしょうかね??? 次回訪問の際はもちろん尾盛駅と閑蔵駅には下車しようと思います(笑)

私も初冬に尾盛~閑蔵の関ノ沢橋梁狙いで、閑蔵で駅寝(テント設営)予定を立ててます。 閑蔵~接岨峡温泉は道路で行くと2㎞程なので、温泉つき駅寝を目論んでます(笑)

尾盛は、降りるだけで手一杯ですね。 かつての『奇跡の体力』有りし頃は、大無間山から風イラズを通って尾盛に降りたって伝説(ただのタワケ)となる事を夢みましたけど、無理でした。 大無間山のみに終わっちゃいました。

今は、『温泉つき駅寝』が手一杯ですね。

No Subject * by 根室大喜
見どころたっぷりの写真の数々^^)

Re: No Subject * by  風来梨
根室大喜さん、こんにちは。

> 見どころたっぷりの写真の数々^^)

鉄道ネタなんですけど撮り鉄写真に乏しいので、山の写真に逃げてます。

コメント






管理者にだけ表示を許可

何かとお世話になった川根長島駅

こんにちは。
井川線の思い出は子供の頃、山の上を走る列車を見て、「乗りたい」と親にねだったおかげで乗車することに。乗車した駅が川根長島駅でした。
数年前に久々に井川線に乗車した時も接岨峡温泉駅で止む無く下車することに・・・先が不通で井川まで行けませんでした。
今は復旧してるんでしょうかね??? 次回訪問の際はもちろん尾盛駅と閑蔵駅には下車しようと思います(笑)
2019-08-05 * きゃみ [ 編集 ]

Re: 何かとお世話になった川根長島駅

きゃみさん、こんばんは。

> こんにちは。
> 井川線の思い出は子供の頃、山の上を走る列車を見て、「乗りたい」と親にねだったおかげで乗車することに。乗車した駅が川根長島駅でした。
> 数年前に久々に井川線に乗車した時も接岨峡温泉駅で止む無く下車することに・・・先が不通で井川まで行けませんでした。
> 今は復旧してるんでしょうかね??? 次回訪問の際はもちろん尾盛駅と閑蔵駅には下車しようと思います(笑)

私も初冬に尾盛~閑蔵の関ノ沢橋梁狙いで、閑蔵で駅寝(テント設営)予定を立ててます。 閑蔵~接岨峡温泉は道路で行くと2㎞程なので、温泉つき駅寝を目論んでます(笑)

尾盛は、降りるだけで手一杯ですね。 かつての『奇跡の体力』有りし頃は、大無間山から風イラズを通って尾盛に降りたって伝説(ただのタワケ)となる事を夢みましたけど、無理でした。 大無間山のみに終わっちゃいました。

今は、『温泉つき駅寝』が手一杯ですね。
2019-08-05 *  風来梨 [ 編集 ]

No Subject

見どころたっぷりの写真の数々^^)
2019-08-09 * 根室大喜 [ 編集 ]

Re: No Subject

根室大喜さん、こんにちは。

> 見どころたっぷりの写真の数々^^)

鉄道ネタなんですけど撮り鉄写真に乏しいので、山の写真に逃げてます。
2019-08-09 *  風来梨 [ 編集 ]