風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第327回  函館本線・銚子口駅

路線の思い出  第327回  函館本線・銚子口駅 〔北海道〕

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貨物の通過を除けば
快適な駅寝空間の銚子口駅

《路線データ》
      営業区間と営業キロ         輸送密度  / 営業係数(’15)   
  函館~旭川・七重~大沼~森 465.7km     10649   /    105        
 
’19年・運行本数
大沼~銚子口経由~森(通称・砂原支線)
下り7本、上り6本

  廃止区間と営業キロ     廃止年月日     廃止時運行本数     転換処置
 砂川~上砂川 7.3km    ’94・ 5・16       6往復     北海道中央バス

銚子口駅(ちょうしぐちえき)は、北海道(渡島支庁)亀田郡七飯町字東大沼にあるJR北海道・函館本線(通称:砂原支線)の駅である。 駅名は駅の所在する地域名からで、当駅附近が大沼の北東端に近く、大沼の端が細く銚子の形のようになっている事に由来する・・との事である。

相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、列車交換可能な交換駅となっている。 互いのホームは駅舎側ホーム中央部分と対向側ホーム中央部分を結んだ構内踏切で連絡している。 駅舎側(東側)ホームが上り線、対向側ホームが下り線となっているが番線表示はない。

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構内踏切の駅って
ローカル線の雰囲気があって好きだなぁ

大沼駅管理(夜間連絡先は森駅)の無人駅となっている。 駅舎は構内の東側に位置し、上り線ホーム中央部分に接している。 有人駅時代の駅舎は改築され、外壁にサイディングが張られ、建物の規模に比し軒の高さが高い建物となっている。 駅舎内にトイレがある。 2015年の乗降人員平均は、10名以下との事。

駅前には、かつて大沼電鉄の新銚子口駅(しんちょうしぐちえき)があったが、国鉄による当線・砂原支線の開通に伴い廃止となっている。 



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線路設備は
やはり幹線仕様ですね・・

この駅は、駅裏にそびえる渡島駒ヶ岳に登るべくの前日の『宿泊場所』として下りた駅であるが、普通は登山を目的とするなら函館でレンタカーを借りて登山口で車中泊か、大沼公園の周辺で宿を取るかするだろう。

そして、この御当地・函館にやってくる手段は、飛行機かシンカンセンから特急【スーバー白鳥】(まだ北海道シンカンセンの青森~新函館北斗は開通前)を乗り継いでやってくる事だろう。 まかり間違っても、『セ・セ・セ・セ・青春18』でやってくるトウヘンボクは、このタワケ以外にないだろう。

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渡島駒ヶ岳に登るのに
この駅に立ち寄る奴はまずいないな・・

関西から北海道くんだりまで『セ・セ・セ・セ・青春18』でやってくる・・としたなら、(工面できるかどうかは別として・・)当然宿代・交通費に金を工面する気がないのは明白で、だとしたらヤマの登山口の最寄りで、当然に無料宿泊可能施設でなおかつ移動の用も足せる『無人駅』以外にない訳である。

また、レンタカーは、次のヤマの日高へ行くのにダブるので勿体ないし、渡島駒ヶ岳は上下往復行程が3時間程で車がなくても何とかなるヤマなのである。 ・・で、この時はテントを持って来ていなかったので、銀マットを敷いて(暑いので)シュラフは潜らずに掛布団代わりにして寝る。

でも、本線格の駅では駅寝は辛いね。 深夜に上下2本の貨物列車が通過する轟音が鳴り響いたよ。
まぁ、貨物は牽引がDD51なら深夜でもカメラを持って徘徊するが、熊ならパスである。
でも、その割には良く寝れたわ。 トイレも駅ナカだし、貨物列車の通過音以外は静かな所なので、駅寝環境は高い方である。

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甲冑を思わせる
鋭角な岩塔を魅せる渡島駒ヶ岳

・・翌朝起きると、曇り空に渡島駒ヶ岳の甲冑のような岩塔がそびえ立っているのが望めた。
これと列車を合せて撮ろうとしたけど、渡島駒ヶ岳のそびえ立つ位置は向きが悪く、どう狙ってもヤマと列車は揃ってフレームに収める事ができずに断念・・。

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ヤマの岩塔と列車をはべらすアングルは
どう狙っても無理だった

下りの一番列車を撮り終えた後に登山口に向かうべく駅を出るが、駅を出てすぐにあった広報掲示板に「渡島駒ヶ岳・銚子口ルートは災害の為閉鎖中」との掲示があり、山に登るべく駅寝した事か・・、それより金をかけずに渡島駒ヶ岳を踏破するセコい目論見が音を立てて崩れたのである。

残るは、大沼まで出てタクシーでメインルートの駒ヶ岳6合目まで進み、ヤマを往復して帰りは駒ヶ岳6合目から赤井川まで3時間かけて歩くか、ヒッチハイクで登山者を捕まえる以外に手がなくなったのである。

そして大沼から迎車したタクシーで4500円を失い、ワテの目の色が変わった。 「何が何でもヒッチハイクを成功させる!」と・・。 まぁ、今は社会人で金はあるけど、『フィールドステイラー』(野宿野郎の事ですね)としては、これ以上の予定外の金を使うのは敗北を意味するのであるからだ。

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頂上の馬ノ背まで
こんな砂利道が延々と続く

それでワテ・・、一計を案じたよ。 同情を退く為に食糧・シュラフ一式のザックを登山口にデポせずに、渡島駒ヶ岳までワザと担いで登ったのである。 まぁ、上り道は登山道というより砂利の坂道で、行程難度はトレッキング程度である。

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立入禁止となる最高点の剣ヶ峰は
ハーケン使いが対象の岩塔だ

また、本当の頂上である最高点の剣ヶ峰(1131m)は、見た目通り崩壊が激しくハーケン使いの領域となっていて、しかも火口原が岩塔の裏側にあるので、まず無理だろう。 もちろん、『馬ノ背』より上は進入禁止となっている。

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登り着いた『馬ノ背』には
ヤマを示す矢印と『進入禁止』の警告板が・・

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見づらいかもしれませんが
左手のまろやかな山も
進入禁止のロープが張られています

『馬ノ背』に登り着いて、これみよがしにザックを振り下ろして、「帰りはあの湖の畔までいかにゃならんのか・・」と、ワザとらしくボソっと呟く。 そして、ハンドブックを取り出して、「え~っと、6合目の駐車場から駅まで8kmチョイか・・、3時間はかかるな」と、これまたボソっと呟く。

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タワケの下心だらけの三文芝居でも
喰いついて下さる方がいらっしゃいました・・

それに、喰いついてくれるお方がいらっしゃったよ。 「あの~、重い荷物で大変そうだから、駅までお送りしましょうか?」という「天からの心地良い囁き」が・・。 目論見はバッチリ当たったよ。

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こんないい風景を目にして

あとは、下山でこの善意のおにーさんに遅れないように、早めに下りるだけだ。 まぁ、ルートの全てが砂利道だから、いくらワテが下りが遅いといっても、遅れるのは5分以内だろうし・・。 でも、キッチリ5分遅れて待ってもらったよ。 どこまで厚顔無恥なんだ! このタワケは。

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花を撮って遅れる厚顔無恥だから
『オチャメ』に遭うのは必然的・・

「だから、この後に地獄の『オチャメ』に遭うんだよ! このクソタワケ!」という木霊が聞こえるが、それはやまびこか何かだろう。

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その図々しさを隠すべく
キメ写真でゴマかそうかと・・

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ヤマ写真でタワケのコスい心がゴマかせないなら
魅惑の紫を魅せる花でゴマかす!

そして、更に図々しさを当社比で70%増量したこのタワケは、送ってもらう駅を列車がいつ来るか判らん(当然時刻表なんか持ってないし)赤井川駅ではなく、特急停車駅の森駅を所望したのである。
それは、今回『セ・セ・セ・セ・青春18キップ』使うとは言え、森から長万部の一区間だけはどうしても特急【北斗】に乗らねば、今日の宿の日高本線の無人駅に辿り着けないからである。

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砂原岳もハーケン野郎の世界みたい

・・で、森まで送ってもらって、しかも予定より1本早い特急【北斗】で長万部に着いて風呂にも入れたなど、自らの幸運を使い果たしたこのタワケに待っていたのは、地獄の帰阪業だった。 その『業』については、『路線の思い出・第168回 苫小牧駅』と、『名峰次選の山々 第119回 ペテガリ岳 その2 act 2』(3日目~帰路が核心部分!)をどうぞ。

それは、書いた本人が読んでて噴き出す程に『オチャメ』な内容です。 でも、このタワケの辞書には『反省』という文字がないので、自己嫌悪には至らず再び『オチャメ』ります。 


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