2019-07-06 (Sat)✎
路線の思い出 第325回 豊肥本線・豊後竹田駅 〔大分県〕
岡城下の武家屋敷を模した
豊後竹田駅
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’15)
熊本~大分 148.0km 3439 / 187
運行本数(熊本地震での被災による不通以前)
熊本~肥後大津(電化区間) 毎時3~4本
肥後大津~宮地 下り13本、上り14本(1~2時間に1本)
宮地~豊後竹田 上下共に5本
豊後竹田~大分 毎時1~2本(中判田・三重町までの区間運行も毎時1~2本)
熊本~大分 特急【九州縦断特急】 4往復
※ 2016年4月に発生した熊本地震により、現在は肥後大津~阿蘇が不通となっている
豊後竹田駅(ぶんごたけたえき)は、大分県竹田市大字会々にあるJR九州・豊肥本線の駅である。
竹田市の代表駅で全列車が停車し、竹田市の表玄関にもなっている。 普通列車は昼の大分発阿蘇行きを除き当駅で運行系統が分断され、大分方面と熊本方面への列車は当駅で乗り換えとなる。
大分方面の列車は比較的多いが、熊本方面の列車は1日に下り7本・上り6本のみの運転である。
また、夜間には当駅で滞泊する列車の設定がある。 2012年度の1日平均乗車人員は399人との事。
築堤上に島式ホーム1面2線を有する駅で、ホームは10両編成分あるが、臨時列車や回送列車以外では使用される事はない。 ホームの脇には、夜間滞泊に使用される車両留置用の側線が並んでいる。
駅舎とホームは地下通路で連絡している。
駅舎は、瀧廉太郎作曲の歌曲「荒城の月」で有名な岡城にちなみ武家屋敷風にしたものとなっている。
直営駅でみどりの窓口があり自動券売機も設置されているが、自動改札機は設置されていない。
駅舎内部には待合所のほか、テナントとして竹田観光案内所が入っている。
1951年より改札を担当する駅員が、列車の発着時に竹田町民から寄贈されたレコードを使って瀧廉太郎作曲の歌曲「荒城の月」を構内に流し、それが現在の発車メロディ及び接近メロディとなって今も続いている。
また、駅舎内のショーケースには瀧廉太郎が作曲した歌曲集『四季』の中から「花」の楽譜が展示されている。 駅の横に駐車場と乗務員宿泊所と通信機器室が併設されており、駅の奥には「竹田保線区」と呼ばれる保線基地がある。 また、入れ換えのため構内の熊本方にはY字形の引き上げ線が設置されている。
駅裏に「落門の滝」という滝があり、プラットホームからも見る事ができる。
この豊後竹田駅は、「使える面」と「使えない面」の二つの顔を持つ駅である。
まぁ、「使える・使えない」は、ワテのこういう場所に赴く時の主行動である登山の出発点という観点での『独断と偏見』であるのだが・・。
今年のGWは
このヤマで潰れますた・・
それは、このゴールデンウィークに祖母・傾山の縦走を敢行したのであるが、その玄関口となる駅が、この豊後竹田駅である。 着いた早々、もう感動モノの「使える面」が炸裂する。
それは、駅から徒歩1分で温泉クアハウスがある・・と言う事だ。
駅から徒歩1分で
山旅で最も欲しい施設がある駅
※ 旅の情報誌・じゃらんより
これで、山に入る初日は大概風呂には入りそびれるのだが、ほっこりと温泉に浸かる事ができたよ。
もちろん、下山後も「温泉ゲットだぜぇ~」である。 だがそれ以外は、市の代表駅であるにも関わらず、駅前に店屋・コンビニの一件もないのである。 それゆえ、山に臨むべくの買い出し不能という「使えない面」に遭遇するのである。
当然、「市の代表駅だから店屋くらいあるだろう・・」と見越してやってきたワテは、見事に行きづまったのである。 まぁ、食糧は持っていたが、行動食のパンなど保存が利かないモノなどは、現地で調達せねばならないのである。
それで、登山口までタクシー(祖母山の登山口へはバス路線が皆無・・、これも「使えない面」ですね)でゆくが、タクシーの運ちゃんに「近くにスーバーない? 買い出ししたいから立ち寄って欲しいのたけれど・・」というと、運ちゃん曰く「逆方向だよ、いいの?」との事。 これで、タクシー運賃が500円ほど跳ね上がったのである。
放浪時代は所かまわず野宿はしても
タクシーなんぞは決して
使わなかった(使えなかった)けど・・
ヤマ放浪時代だったなら、「顔に青い縦線」モノだったよ・・っていうか、プーのヤマ放浪時代ならタクシーなんぞ使う訳ないか・・。
・・で、ヘタレにヘタレたタワケが、もう既に底を着いて存在しない「かつての遺産『奇跡の体力』の残り香」だけで登ったので、祖母山の上りが+2時間(より良く表現する為にプラス『+』表記しますた・・エヘっ♡)かかり、縦走は夜明けとともに出て、到着が暗くなる直前までかかって大バテするテイタラクだったよ。 以前は、15時頃に余裕で着いたのに・・。
奥の右端の一番高い山から
歩いてきますた
:
そしてグデグテに潰れました
最終日もかつては難なく下ったこのバリエーションルートに慄いて回避し、一般ルートを通ってもやはり+2時間かかって、下山予定の13時を大幅に超える15時前・・。
お陰でかつて難なく下った
このギザギザの稜線を下るのを
諦めざるを得ませんですた・・
そもそもこの山行は
ここでアケボノツツジを
撮るのが目的だったのに・・
もう、血眼になって豊後竹田駅までのヒッチハイクをしまくって、4人目の下山者をゲットして本願成就。
でも、ヒッチハイクに失敗したら、この地でビバーク確定だったので、それはもう必死だったよ。
しかし、山の計画で『ヒッチハイク』を組み入れるとは、このタワケもなかなか度胸が座ってるよな。
少しぬるめだけどいい湯でした
※ 旅の情報誌・じゃらんより
・・で、たどり着いた豊後竹田駅。 この駅の「使える面」の温泉に入って、クアハウスの食堂でラーメン食って、この旅でのヤマ行程を終えて『ナンチャって○鉄』モードに移行する。
駅で大分・日田経由の博多までの乗車券を購入するが、この購入申し出に、駅員さんが嬉しそうに対応していたのが印象的だったよ。 それは、熊本地震で肥後大津~阿蘇が寸断されて不通となって以来、博多への客は全て駅前からの高速バスに取られて、ほとんど皆無の状態となっていたからである。
下手すれば、大分への客もバスに流れているらしいし・・。
バスより列車の旅の方がずっといいよ
でも・・どこに行くのもバスしかないし・・
要するに、豊後竹田駅の窓口で「博多までの切符」を購入する事自体が「珍しい存在」となっていたのである。 駅員さんが、手渡し(普通は窓口に差し返すだけなのが「手渡し」ですよ!)で渡してくれた切符を持って駅構内に立つ。
屋敷を模した駅舎の櫓に
斜陽が射していい雰囲気に・・
列車が近づくと、お決まりの滝廉太郎の『荒城の月』が流れる。 ホームから見た荒城・岡城下の武家屋敷を模した駅舎が斜陽に輝き始め、そして裏山の水路を流れる水が滝となった『落門ノ滝』が望まれる。
そう・・、滝の望める駅だったのだ。 この豊後竹田駅は・・。
滝と列車を絡めて・・
この滝を見つけて、途端にこの駅が気に入ったよ。 ちなみに、この『落門ノ滝』は落差40mと、かなりの落差を誇る滝だ。 この滝は自然河川に架かる滝ではなく、豊後竹田藩3代藩主の中川久清が、熊沢蕃山を招いて築いた城原井路の末流が流下して滝になっているとの事。 城原井路は竹田市北西部の丘陵地を灌漑する農業用水であり、用水が涸れる時期には流水がない事もある。 また、寒い日が続いた時には氷の滝が見られるとの事である。
やや水量は細いが
落差40mの本格的な滝だよ
この日は、もう一つの滝のある駅の久大本線・天神山で駅寝とする。
でも、天神山の滝は涸れていて落水はなかったよ。
若い奴に扮して荒らしてくる
瀬尾親衛隊の愉快な仲間たち・・
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Re: 「風流」な駅 * by 風来梨
きゃみさん、こんにちは。
> こんにちは。
> この駅は乗り継ぎで必然的に下車することになりましたが、駅構内の様子は「風流」という言葉がピッタリでした。
> 構内や駅前にも盆栽が並び、駅舎は武家屋敷風、更にバックには滝が落ちと来ています。地元の方や駅員さんの気の入れようがわかります。
> ちなみに待合室に主っぽい猫がいませんでしたか?
この駅と茅葺き屋根の久大本線の豊後中村駅は、駅ゲッターなら必須で抑えねばならない駅ですね。(笑)
運のいい事にいずれも九州のヤマへの起点駅で、列車利用で下車できました。
この駅を利用した日の駅寝駅である天神山には滝があるのは把握してましたけど、この豊後竹田駅の滝は知りませんでした。
10数年前(のまだ『奇跡の体力』の残り香があった時)にも祖母・傾山縦走で豊後竹田駅に降り立ったのですが、この滝は知らず終いでした。 でも、ストレートのいい滝ですね。
天神山の滝が枯れてましたので、「滝と駅」の九州№1駅は豊後竹田駅ですね。
それと駅の主の猫・ニャーですが、晴れて観光案内所の所長さんに就任されたようです。
私の訪れた時は夕方近くで、勤務時間外のようでしたが・・。
> こんにちは。
> この駅は乗り継ぎで必然的に下車することになりましたが、駅構内の様子は「風流」という言葉がピッタリでした。
> 構内や駅前にも盆栽が並び、駅舎は武家屋敷風、更にバックには滝が落ちと来ています。地元の方や駅員さんの気の入れようがわかります。
> ちなみに待合室に主っぽい猫がいませんでしたか?
この駅と茅葺き屋根の久大本線の豊後中村駅は、駅ゲッターなら必須で抑えねばならない駅ですね。(笑)
運のいい事にいずれも九州のヤマへの起点駅で、列車利用で下車できました。
この駅を利用した日の駅寝駅である天神山には滝があるのは把握してましたけど、この豊後竹田駅の滝は知りませんでした。
10数年前(のまだ『奇跡の体力』の残り香があった時)にも祖母・傾山縦走で豊後竹田駅に降り立ったのですが、この滝は知らず終いでした。 でも、ストレートのいい滝ですね。
天神山の滝が枯れてましたので、「滝と駅」の九州№1駅は豊後竹田駅ですね。
それと駅の主の猫・ニャーですが、晴れて観光案内所の所長さんに就任されたようです。
私の訪れた時は夕方近くで、勤務時間外のようでしたが・・。
この駅は乗り継ぎで必然的に下車することになりましたが、駅構内の様子は「風流」という言葉がピッタリでした。
構内や駅前にも盆栽が並び、駅舎は武家屋敷風、更にバックには滝が落ちと来ています。地元の方や駅員さんの気の入れようがわかります。
ちなみに待合室に主っぽい猫がいませんでしたか?