風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第383回  雨竜沼

『日本百景』 夏  第383回  雨竜沼 〔北海道〕

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自然の創造し素晴らしき情景が広がる
雨竜沼湿原へ・・

   雨竜沼湿原 うりゅうぬましつげん (暑寒別天売焼尻国定公園)
『北海道の尾瀬』と呼ばれる雨竜沼湿原は、6月から9月にかけて色々な花が咲き競い壮観だ。 
雪解けと共に花開くミズバショウに始まって、イワイチョウ・シナノキンバイ、7月にはエゾカンゾウが大地を淡いオレンジ色に染め上げる。 続いて、ワタスゲやヒオウギアヤメ・・と咲き競う。
また、この湿原の魅力は、あちこちに散りばめられたように点在する沼々《池塘》にある。

・・漂う雲を映す沼、周りに多くの花々を従える沼、ヒツジグサを水面に浮かべる沼、暑寒別の山々を映す沼と、様々な個性を持つ沼があり、この沼々がこの湿原を大いに引き立てている。



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雨竜沼湿原・行程図

   行程表                 駐車場・トイレ・山小屋情報
雨竜町市街より車 (1:00)→南暑寒荘 (1:10)→雨竜沼湿原 (0:50)→雨竜沼湿原展望台 帰りは往路を戻る・南署寒荘まで所要1時間40分

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果てしなく広がる空と草原の大地・・
これぞ真に北海道の情景だ

雨竜沼湿原の散策の難点は清流の沢沿いを行くので、やぶ蚊が多くて思いっきり喰われる困難がある。
当時は、暑寒別岳・利尻山と日帰りの中級レベルの登山を連発して体力的にも“山モード”になっていたし、何より若さもあったし、放浪旅という事で時間もあるしィ。 無いのは『プー太郎』という社会的立場と金位かねぇ。 あぁ・・、学歴もないか。

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湿原をめぐるペンケペタン川の畔には
ヒオウギアヤメが密生していた

でも、『金』はともかく、社会的立場や学歴の欠損はワテが生きていくに限り何の影響もないねぇ。
要するに、こんなのは“気持ち”の持ちようで、こんな下らんモノに振り回されるから影響を受けたと”思う”のだ。 だが、ワテ自身がのほほんと構えても、周囲のほぼ全てがこれらの下らぬ事に「振り回され放題」なので、結局少しは影響を受けざるを得ないのだが・・。

まぁ、こんな事を書かなくてもいいのに書くワテ自身も、これらの呪縛に振り回されているのに強がっているだけ・・なのも事実であるのだが。 あらら・・、脱線してしまったが、話を元に戻そう。

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エゾカンゾウ
雨竜沼湿原といえば広い湿原台地を
オレンジ色に染めるこの花だろう

雨竜沼湿原の往復だけではもったいない。 ここは南暑寒別岳まで、ちょっと足を延ばしてみよう。
・・雨竜町市街より32km・車で約1時間で、まるで教会のように立派な施設の建つ南暑寒荘に着く。 
国定公園の指定に伴って新築されたそうだ。 自動水洗の便所にまで整備された施設の充実は便利でいいのだが、何か引っ掛かる気持ちもある。 なお、この南暑寒荘は、安価で宿泊できてキャンプ場もあるので、ここで宿泊して翌朝早く登り始めるのがいいだろう。

・・南暑寒荘を出ると、砂利道のつづら折りが1kmほど続く。 砂利道が途切れると、立派な吊橋でペンケペタン川の渓流を渡る。 ここから道は登山道らしくなり、ぬかるみの入った土や岩コロの急登となっていく。 しばらく登ると、下の沢から瀑音が響き渡ってくる。 これが、ペンケペタン渓流の景勝・《白竜ノ滝》だ。

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白竜ノ滝
雨竜沼湿原の入口近くにある落差36mの滝

この滝は落差36mの水量豊な瀑布で、単調な登りの合間での一服の清涼剤である。
 登山道上からも見渡せるが、余裕があれば滝直下まで降りてみよう。 《白竜ノ滝》を過ぎると吊橋で対岸の山に移り、ジグザグの急登となる。

しばらくこの急登に耐えると、ペンケペタン川の清流が近づき道が平坦となる。
後は笹の刈り分けられた道をくぐり抜けると、お待ちかねの《雨竜沼湿原》が視界に広がる。
湿原には木道が敷設され、行きと帰りで湿原を一周できるようになっている。

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静かなる北海道の尾瀬・雨竜沼

さぁ、《雨竜沼湿原》を探勝してみよう。 木道を進むごとに、花に囲まれた沼やヒツジグサを浮かべた沼、雲をたなびかせた空を映し出す沼と、様々な個性をもった池塘が現れる。

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夜に花開く穏やかな花
ヒツジグサ

また花も、大地をオレンジ一色に染め上げる程のエゾカンゾウの大群落に圧巻する。
ワタスゲの柔らかそうな綿に覆われた沼の風景も印象的だ。

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背後にまったりとそびえる
暑寒別岳と南暑寒別岳と
草原をオレンジに彩るエゾカンゾウ

そして、背後に“まったり”とした感じでそびえる暑寒別岳 1491メートル と南暑寒別岳も、なくてはならない存在だ。 これらの風景を楽しみながら歩いていくと、あっという間に木道が途切れて湿原の端に出る。

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エゾカンゾウに隠れるように
イワイチョウも咲いていた

ここから《湿原展望台》まではちょっとした急登で、道も粘土質で歩き辛いが、いってみればこのコース唯一の“難所”で、これを乗り越えれば《雨竜沼湿原》が大きく広がる《湿原展望台》に着く。

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池塘をダイヤモンドのように
散りばめた雨竜沼湿原

この展望台からの眺めは絶品だ。 湿原全体に宝石のように散りばめられた池塘群、湿原全体を血管のように蛇行するペンケペタン川など、山に登らないにしてもせめてここまでは行きたいものだ。 
 
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南暑寒別岳頂上にて・・

後は、笹の刈り分けられた広い道を急な登りもなく黙々と歩いていくと、ちょっとした稜線の突起に出る。 ここが南暑寒別岳 1296メートル である。

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南暑寒別岳の周辺は
ミヤマキンバイが満開だった

あっさりと頂上に着き、いささか拍子抜けの感がある。 だが、晴れて視界が良好なら、縞模様の雪をまとった暑寒別岳の美しい姿を望む事ができるだろう。 ここから暑寒別岳までは、200m急下降してから400m登り返すので距離の割に随分と時間がかかり、それなりの体力と心構えも必要となってくる。 

南暑寒荘からの往復だと、少なく見積もっても10時間はかかるだろう。 という訳で、今回は南暑寒別岳から先は“見送り”としたい。 なお、暑寒別岳へは、別の機会に登ってみよう。
下山は、往路を忠実に戻ろう。

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湿原は生き物・・
失うと100年は再生しないという
だから登山のルールを守って・・ね
木道から下りて湿原を踏まないように・・
ペットなどを決して連れ込まないように・・

最後に、湿原は“生き物”である。 むやみに湿原内に足を踏み入れると、湿原は死んでしまう。 
いつまでも、この湿原の景観を楽しむ為に、山の“マナー”を守って探勝して頂きたい。


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No Subject * by pikes peak
こんばんは。
北海道にはまだまだ知らない素晴らしい光景があるんだなと感じました。
キハの追っかけが終わったら、ゆっくりと訪れてみたいです。

Re: No Subject * by  風来梨
pikes peakさん、こんばんは。

> こんばんは。
> 北海道にはまだまだ知らない素晴らしい光景があるんだなと感じました。
> キハの追っかけが終わったら、ゆっくりと訪れてみたいです。

まだまた見知らぬ絶景がありますよ~。 北海道に限らず、「美味し国」日本には・・。
それをほんの少しでも御紹介できたなら・・、絶景を共感して頂いたら、このブログやホームページ『日本百景』を作成した甲斐があると思えますね。

コメント






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No Subject

こんばんは。
北海道にはまだまだ知らない素晴らしい光景があるんだなと感じました。
キハの追っかけが終わったら、ゆっくりと訪れてみたいです。
2019-06-28 * pikes peak [ 編集 ]

Re: No Subject

pikes peakさん、こんばんは。

> こんばんは。
> 北海道にはまだまだ知らない素晴らしい光景があるんだなと感じました。
> キハの追っかけが終わったら、ゆっくりと訪れてみたいです。

まだまた見知らぬ絶景がありますよ~。 北海道に限らず、「美味し国」日本には・・。
それをほんの少しでも御紹介できたなら・・、絶景を共感して頂いたら、このブログやホームページ『日本百景』を作成した甲斐があると思えますね。
2019-06-29 *  風来梨 [ 編集 ]