風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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名峰次選の山々 第25回  野口五郎岳

名峰次選の山々 第25回  『158 野口五郎岳』 富山県・長野県
鷲羽山系(中部山岳国立公園) 2924m  コース難度 ★★  体力度 ★★★
 

一世代前の歌手と同じ名の山
として取り上げられた野口五郎岳
だが山名の意味は、大町の野口という
里名とゴーロ(大きな岩コロ)からきている
 
   行程表             駐車場・トイレ・山小屋情報        
《1日目》 JR信濃大町駅よりバス(0:40)→扇沢(2:00)→大沢小屋 
     (0:30)→針ノ木大雪渓(2:30)→針ノ木峠・針ノ木岳へは往復1時間半
《2日目》 針ノ木峠(1:00)→蓮華岳(4:30)→七倉岳(0:20)→船窪
《3日目》 船窪(4:00)→不動岳(3:00)→烏帽子岳(0:45)→烏帽子小屋
《4日目》 烏帽子小屋(3:20)→野口五郎岳(2:30)→水晶小屋
《5日目》 水晶小屋(0:45)→水晶岳(2:30)→赤牛岳(3:15)→水晶小屋(2:40)→三俣
《6日目》 三俣(2:00)→双六小屋(5:40)→槍ヶ岳山荘・槍ヶ岳へは往復1時間
《7日目》 槍ヶ岳山荘(4:20)→双六小屋(2:00)→鏡平(4:00)→新穂高温泉よりバス
     (1:40)→JR高山駅
  ※ 『名峰次選 第24回 烏帽子岳』《3日目行程》からの続き
 

北アルプス・裏銀座縦走路 全行程図

  《4日目》 裏銀座縦走路を伝って野口五郎岳・水晶小屋へ
テントサイトより眺めると、真正面にひときわ大きな山がそびえ立っている。 
これを登る事から、“今日”が始まる。 ただ、今までと違う所は、登っていく人が今までとは段違いに多い事だろう。
それは、《ブナ立尾根》から登ってきた登山者のほぼ全てが、こちら側を向いているからであろう。 

真正面にそびえ立つ山・三ッ岳に向かってキツくもなく、さりとて緩くもない単調な登りが1時間程続く。 やがて、尾根筋が右手に曲がり、そこを急登でつめると三ッ岳 2845メートル 頂上だ。
頂上といっても、“肩”のような北峰の頂であるが。 なお、最高点は左手にある岩の積み重なりで、縦走路からも外れていて立ち寄る人もいないようである。 

三ッ岳の頂上より左手に進路を取り、最高点の信州側を伝っていく。 この付近は露岩とお花畑の美しい所だ。 傾斜の少ない二重山陵で花を撮るのも良し、少し進んで《黒部》側に出て野口五郎岳や槍ヶ岳などの山岳風景を撮るのも良しである。 花は、アオノツガザクラを中心とした白い花が多いみたいだ。
今日の行程は6時間位と短いので、ゆっくりと山を楽しもう。
 

アオノツガザクラ
 
二重山陵の中を伝っていくと遠かった野口五郎岳の山体が眼前に広がり、いつの間にかそれに登っているようになるだろう。 やかて、船窪状の窪みに下ると、そこに《野口五郎小屋》が船窪に隠れるように建っている。 小屋でひと息着いたなら、野口五郎岳の頂上へ。 小屋前からの坂を10分程登ると、野口五郎岳 2924メートル の頂上だ。 

この山域で2番目に高い(鷲羽岳より10cm高い)頂からは、晴れていれば“槍・穂高”が真横に並んで望めるだろう。 そして、振り返ると水晶や明日に目指す赤牛岳・《雲ノ平》・薬師岳と、雲の上の楽園が展開する事だろう。 だが、ここはガスのよく発生する所でもある。 残念ながらワテの時は、ガスで白夢の世界であった。
 

野口五郎岳南西斜面
広大なザラ場だ
 
野口五郎岳よりは南西に進路を取り、ザラ場をジグザグにイッキに下っていく。 200mは下るであろうか。 下りきると真砂岳の信州側山腹に取り付き、トラバース状に真砂岳の山腹を伝っていく。
縦走路は真砂岳の頂上は通らず、その下100m位の所を行く。
 
この辺りが、ほぼ全ての山頂を乗り越える南アルプスの縦走路とは違う所であろう。 真砂岳の山体を完全に横切ると、湯俣温泉への《竹村新道》を分ける。 この辺りから稜線は痩せて細くなり、稜線上の突起の岩峰を数ヶ所乗り越える。
 

野口五郎岳方面を望む
 
稜線は少し広くなるが、すぐにガラ場の急下降となる。 下りきった窓状の所が、《東沢乗越》だ。 
ここには地蔵尊が安置されていて、テント跡も数ヶ所ある(水さえあれば、ワテのようなテント担ぎだと“良からぬ事”を考えてしまう場所である)。 これより水晶岳へ向かって登っていくのだが、これが結構な悪場だ。 

崩壊の激しい痩せた岩稜を直登していくのだが、高度感がある上に足場がザレていて滑りやすい。 
しかも、岩峰をアップダウンで乗り越えるので、不安定な岩崖の急下降も存在する。 そして最後は、お花畑ではあるが岩崖のヘツリを伝っていく。 このヘツリは、右利きだと“逆手”になるので伝いにくい。
 

水晶小屋直下のお花畑
 
これを越えると、あとはお花畑の急斜面をつめるだけだ。 見上げる頭上には、《水晶小屋》が狭い肩に“所狭し”と建っている。 今日は、ここで宿泊するとしよう。 なお、この場所は幕営禁止であるので、明日の赤牛岳の往復を考えるなら小屋に泊るしか手がない(厳密にいえば“手”はある。 それは、水晶岳と赤牛岳の間の《温泉沢ノ頭》にテントサイトがあるが、当然水はない。 そして、この時は雨天であったので、断念した次第である)。 

だが、この小屋は“地獄の小屋”として有名だ。 それは定員20名に対して常時50人近くの宿泊者がいる事である。 猛烈な窮々詰めである。 たぶん、ロクに睡眠が取れないであろう。 明日の長時間行程を考えると、やや心配な点である。 少しでも睡眠を取るように心掛けよう。
 
   続き《5日目》以降は、次回『名峰次選 第26回 赤牛岳』をご覧下さい。
 
   ※ 詳細はメインサイトより『北アルプス・裏銀座縦走路』を御覧下さい。
 
 
 
 
 
 
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