風来梨のブログ

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路線の思い出   第317回  日豊本線・重岡駅

路線の思い出  第317回  日豊本線・重岡駅  〔大分県〕

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かつてあった木造駅の雰囲気を残して
建て替えられた重岡駅

《路線データ》
     営業区間と営業キロ      輸送密度 / 営業係数(’17)        
   小倉~鹿児島  462.6km     9697  /  ?     
運行本数
佐伯~延岡
            特急【にちりん】 下り13本・上り1本
            普通 佐伯~重岡 下り2本、上り1本
            佐伯~延岡 下り1本、上り2本

重岡駅(しげおかえき)は、大分県佐伯市宇目大字大平にある、JR九州・日豊本線である。

佐伯駅から当駅終着の普通列車が2本あり、うち1本は折り返し大分行きの普通列車になる(残りの1本は佐伯駅まで回送列車)。 一方、当駅から延岡方面行きの列車は、午前6時47分発の普通列車1本のみである。


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駅本線上をゆくのはカマキリ

行き止まりの3番線をゆくのはチワワと

運用が決まっている駅


駅舎に接した単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線を有する駅で、互いのホームは跨線橋で連絡している。 2016年度の1日平均乗車人員は15人との事であるが、利用客は佐伯市宇目地区の高校生がそのほとんどを占める。 


2018年3月のダイヤ改正で、それまで南延岡行きの夕方2本の普通列車が当駅止まりになった。

当駅折り返しの始発着列車は、3番線を利用する。 その為に、ホームの一部かさ上げとミラー設置等の工事が行われている。


プラットホームは、映画なごり雪』の撮影にも使用された(駅舎の撮影は上臼杵駅)。

木造の駅本屋と便所2006年に解体され、従来から駅前にある自治体設置便所と同デザインの待合所(簡易駅舎)が建設された。 ホーム内の待合所には、映画のロケ地を示す看板を設置していたが、2009年上期に行われたホーム改良工事により従来の待合所は解体され、同時に看板も撤去された。




このゴールデンウイークに、九州の祖母傾山縦走山行に臨むべくの『宿泊地』として立ち寄った(つまり駅寝した訳ですネ)のがこの重岡駅であるが、本来ならこの駅に立ち寄る予定はなかったのである。

それは、10連休となる今回のゴールデンウィークは『激混み必至』が予想された為に、2ヶ月前の3月の頭に、レンタカーやら往路に使う夜行の高速バスの予約の手配をしたのである。
前哨戦の市房山登山に挑むべく延岡駅で予約するレンタカーは、2ヶ月前とはいえ残り僅かでギリギリで予約が成ったが、大阪から延岡・宮崎までの夜行バスを運行する近鉄バスが「やってくれた」のである。

ネットで予約検索すると、「大阪~延岡・宮崎の高速バス『ひなたライナー』は、2019年2月28日をもって運行を終了しました・・」の文字が検索されたのである。 しかも、この夜行バスの運行廃止を知ったのは、延岡駅前で朝8時からレンタカーの予約成立させたその直後で、これで予約した4月28日の朝8時までに必ず延岡駅に到着する事が必須条件となってしまったのである。

これにはさすがに焦って、「延岡駅に朝8時に到着する方法を探さねば・・」と、飛行機・フェリー・夜行バス乗り継ぎなど、考えられる全ての手段で『延岡駅に朝8時着』が可能かどうか模索してみる。

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重岡発のカマキリは使えるけど
大分発のカマキリは使えない
あっ・・ネタバレ

だが、飛行機で最速で延岡着は朝の10時過ぎ、フェリーも大分港まではあるが宮崎港はなく、大分からの特急も一番でも朝7時発で、延岡着9:10でOUT!、夜行バス乗り継ぎは大分着の時点で8時を過ぎているし、博多に早朝に着く夜行バスも鉄道を伝って延岡に着くのは昼前と”使えない”のである。

要するに、全ての交通機関を調べても、前日発の『延岡駅に朝8時着』は不可能だったのである。
もう、この『延岡駅に朝8時』を実現するなら、前日に延岡に着いて宿を取るか、ワテの心の命ずるままに「いつもの行動」をするしかないのである。 その「いつもの行動」とは、延岡駅に朝8時までに到着する列車の停まる無人駅での『ステーション・ベット』・・、つまり『駅寝』である。

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今回の『駅寝』は高くついたよ
ビジネスホテル宿泊並みに・・

ちなみに費用を調べたら、「もし近鉄の夜行バスが走っていたなら」運賃は12000円。
今回の『夜行バス廃止に伴う補完計画』でシンカンセン+JR九州で17500円ほど・・。
・・要するに、駅寝しても超過5500円と、生涯で随一の高額な『駅寝』になっちまったよ。

でも、こんな理由で、九州で最も乗車攻略の難しい日豊本線の『1日1本区間』を正規攻略できるとは思わなんだよ。 だが、この重岡駅は、『駅寝』に関しては「駅寝の神様が宿る駅」だったのである。

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駅寝の神様の宿る駅・重岡

建て替えられて解放感のある駅舎は、広くなくさりとて狭くもなく、待合室兼用の駅舎に設置されたベンチはザック置き場と簡易テーブルに・・。 そして、駅の土間もテントを設営して埋め込むとピッタリのスペースで、しかも夜11時に消灯・早朝5時に点灯と『駅寝ユーザー』の為のタイムスケジュールとなっていたのである。

またトイレも、駅前に洋式の『多目的トイレ』付の駅舎より立派なモノが建てられ、こちらの心配もない。 そして、今は一応『ヤマ屋』さんなので、食糧一式は準備してきているし・・。
まぁ、テント・食糧一式で20㎏のデカザックを担いで普通電車に乗るさまは、『駅寝野郎』である事がバレバレだぁね。

・・で、炊事がてら、駅の時刻表を見てみる。 確かに、下りの延岡行は朝の6:47発の1本のみ、上りの佐伯方面行は3本のみだった。 そしてその時刻表は、上下全ての列車到着時刻を黄色で表示されてあり、朝の6時台の上下と、夜20時の上りに『△マーク』がつけられてあった。

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列車到着時刻の下に
小さく△マークが記入されていた

その『△マーク』は、時刻表下の凡例に「乗車券のみで乗車可」と記してあったのである。
「何とも不可思議な表示だな・・」と思いつつ、延岡駅までの乗車券はもっているし「どうでもいい」ので、気に留めずに寝る。

翌朝、駅舎点灯で目覚めて、朝飯のラーメンを食って、テントを撤収して、用を足して・・と出発準備をして、乗車すべく『本日の最終列車』を待つ。

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なんか地下鉄車両のようなチワワ
コトJR九州815系
※ ウィキペディア画像を拝借

『本日の最終列車』は、雨上がりで薄日射す朝の光を浴びてやってきたが、その車両はチワワ(JR九州の一般形はチワワのような前照灯だ)ではなくカマキリだった。

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『本日の下り最終列車』が
雨上がりの朝にやってきた

これはたまげたよ。 でも、横の表示幕は『普通 延岡』と表示してあるし、1日1本で車掌付のリクライニングシートだったよ。 時刻表にあったあの『△マーク』は、この事(特急用車両だけど料金不要)を意味していたのね・・。

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1日1本の普通列車は
この国の鉄道で最も贅沢な普通列車だった

そして、市房山で大雨に晒されてズタボロになって戻った夜もこの駅で泊った(この時はレンタカーの車寝)が、重岡~延岡の区間は全てカマキリが運用されるようですね。

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これより先の区間の運行は
全てカマキリのようである

とどのつまり、朝の1往復と夜の上り1本は、特急車両の送り込みを兼ねての運用なワケですね。
まぁ、日本の鉄道でも最も豪華な普通列車だわな・・。 JR九州のカマキリの車内設備は、他のJRの特急車両より豪華だしィ。

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No Subject * by 根室大喜
駅で寝る、、、無人貨車の駅で手作り弁当を食べるのが趣味です^^)

No Subject * by きゃみ
こんにちは。
日豊本線のこの辺り、宗太郎駅など次回の九州駅巡りでは是非下車してみたいと思っています。もちろん列車で・・・しかし、難易度高いですね~。計画、燃えてきました(笑)

確かに・・ * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

> 駅で寝る、、、無人貨車の駅で手作り弁当を食べるのが趣味です^^)

温かい陽射しの中で、貨車駅のデッキ部分に腰かけて、根室の地平線を見ながら弁当・・。 至福の贅沢ですね。

重岡・惣太郎の攻略方法 * by  風来梨
きゃみさん、こんばんは。

> こんにちは。
> 日豊本線のこの辺り、宗太郎駅など次回の九州駅巡りでは是非下車してみたいと思っています。もちろん列車で・・・しかし、難易度高いですね~。計画、燃えてきました(笑)

私の実行した重岡駅寝は重岡駅だけの訪問で、宗太郎駅は以前に車で立ち寄って駅のベンチでシュラフを敷いて駅寝した『不完全駅訪問』ですが、唯一両駅を正規下車する方法があるようです. 重岡駅に一緒に降りた方もこの方法を採っていましたよ。

それは前日に重岡駅に降りて、特急で延岡に出て駅前ホテルで泊まり、翌朝の「カマキリ」で宗太郎に降りて重岡で交換する「カマキリ」に乗り継ぐというものです。 特急代とホテル代の費用はかかり、重岡~宗太郎は特急という惜しい面はありますが、宗太郎駅で15分くらい滞在できるようです。

ナンチャって『ヤマ屋』さんの私は、ホテル代がかかるので躊躇する手法ですが・・(笑)

No Subject * by 鳳山
熊本に住んでいると日豊本線はなかなか乗る機会がないんですが、重岡駅は地図で見るとずいぶん山深い所にありますね。1日一本から数本、乗り遅れたら大変なことになりそうです。

Re: No Subject * by  風来梨
鳳山さん、こんばんは。


> 熊本に住んでいると日豊本線はなかなか乗る機会がないんですが、重岡駅は地図で見るとずいぶん山深い所にありますね。1日一本から数本、乗り遅れたら大変なことになりそうです。

下りの延岡方面は、一日一本なので乗り遅れたら翌日まで駅寝か歩いていくか、ヒッチハイクしかないですね。
大分・宮崎の県境は秘境地帯ですね。 今回はその県境にそびえる祖母・傾山の縦走の為に立ち寄りました。

今回の山行はヘタレて日没寸前までかかったり、帰りにヒッチハイクしたり、駅寝したり・・と、放浪期以来の『我が旅』のスタイルとなっちゃいました。

No Subject * by 風旅記
こんにちは。
どのあたりの駅なのだろうと思いながら拝見しました。宗太郎駅が有名ですがその隣の駅なのですね。
特急列車は何本も通過するのでしょうが、地域の人の交通機関としては機能していないに等しい、逆に列車を停めたところで乗る人もいない、なんとも寂しい時刻表です。
JR北海道で利用者の少ない駅の廃止が続いていますが、“旅情”といった気持ちの問題を除けばそこに駅がある必要を誰も説明できない状況なのだと思います。
地域にも鉄道を活かすことを真剣に考えて実行しないと、近い将来なくなっていくという緊迫感や積極性もないところが多いように見え、どうしても明るい未来を見出しづらいですね。
趣味的には、より一層“行けるときに早く行け”になっているように焦りさえ感じます。

Re: No Subject * by  風来梨
風旅記さん、こんばんは。

この重岡駅は、佐伯〜延岡の区間では要衝となる駅ですね。 でも、この区間には旧直川村(佐伯市に合併)や旧北川町(延岡市に合併)があり、列車本数を片道6本まで戻せばもぅちょっと輸送密度が上がると思いますが、それよりも増える赤字を恐れて投げてますね。 旧北川町は人口4000人のそれなりの規模の町ですし。

もう鉄道は元より、公共交通機関全体が立ち行かなくなってますね。 鉄道が持つのは大都市圏のみですね。

>近い将来なくなっていくという緊迫感
コレは観光地や登山バスなどで顕著となってますね。
登山バス何かは、現在はほぼ全滅です。
また、廃線代替バスもほとんどのバス事業者が手を退いて、コレまたほぼ全てで役所が運行する予約制のオンデマンドバスで実質廃止となってますね。

悲しいかな、地方では、車がないと生活できないようになってきてますね。

コメント






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No Subject

駅で寝る、、、無人貨車の駅で手作り弁当を食べるのが趣味です^^)
2019-05-23 * 根室大喜 [ 編集 ]

No Subject

こんにちは。
日豊本線のこの辺り、宗太郎駅など次回の九州駅巡りでは是非下車してみたいと思っています。もちろん列車で・・・しかし、難易度高いですね~。計画、燃えてきました(笑)
2019-05-24 * きゃみ [ 編集 ]

確かに・・

根室大喜さん、こんばんは。

> 駅で寝る、、、無人貨車の駅で手作り弁当を食べるのが趣味です^^)

温かい陽射しの中で、貨車駅のデッキ部分に腰かけて、根室の地平線を見ながら弁当・・。 至福の贅沢ですね。
2019-05-24 *  風来梨 [ 編集 ]

重岡・惣太郎の攻略方法

きゃみさん、こんばんは。

> こんにちは。
> 日豊本線のこの辺り、宗太郎駅など次回の九州駅巡りでは是非下車してみたいと思っています。もちろん列車で・・・しかし、難易度高いですね~。計画、燃えてきました(笑)

私の実行した重岡駅寝は重岡駅だけの訪問で、宗太郎駅は以前に車で立ち寄って駅のベンチでシュラフを敷いて駅寝した『不完全駅訪問』ですが、唯一両駅を正規下車する方法があるようです. 重岡駅に一緒に降りた方もこの方法を採っていましたよ。

それは前日に重岡駅に降りて、特急で延岡に出て駅前ホテルで泊まり、翌朝の「カマキリ」で宗太郎に降りて重岡で交換する「カマキリ」に乗り継ぐというものです。 特急代とホテル代の費用はかかり、重岡~宗太郎は特急という惜しい面はありますが、宗太郎駅で15分くらい滞在できるようです。

ナンチャって『ヤマ屋』さんの私は、ホテル代がかかるので躊躇する手法ですが・・(笑)
2019-05-24 *  風来梨 [ 編集 ]

No Subject

熊本に住んでいると日豊本線はなかなか乗る機会がないんですが、重岡駅は地図で見るとずいぶん山深い所にありますね。1日一本から数本、乗り遅れたら大変なことになりそうです。
2019-05-24 * 鳳山 [ 編集 ]

Re: No Subject

鳳山さん、こんばんは。


> 熊本に住んでいると日豊本線はなかなか乗る機会がないんですが、重岡駅は地図で見るとずいぶん山深い所にありますね。1日一本から数本、乗り遅れたら大変なことになりそうです。

下りの延岡方面は、一日一本なので乗り遅れたら翌日まで駅寝か歩いていくか、ヒッチハイクしかないですね。
大分・宮崎の県境は秘境地帯ですね。 今回はその県境にそびえる祖母・傾山の縦走の為に立ち寄りました。

今回の山行はヘタレて日没寸前までかかったり、帰りにヒッチハイクしたり、駅寝したり・・と、放浪期以来の『我が旅』のスタイルとなっちゃいました。
2019-05-25 *  風来梨 [ 編集 ]

No Subject

こんにちは。
どのあたりの駅なのだろうと思いながら拝見しました。宗太郎駅が有名ですがその隣の駅なのですね。
特急列車は何本も通過するのでしょうが、地域の人の交通機関としては機能していないに等しい、逆に列車を停めたところで乗る人もいない、なんとも寂しい時刻表です。
JR北海道で利用者の少ない駅の廃止が続いていますが、“旅情”といった気持ちの問題を除けばそこに駅がある必要を誰も説明できない状況なのだと思います。
地域にも鉄道を活かすことを真剣に考えて実行しないと、近い将来なくなっていくという緊迫感や積極性もないところが多いように見え、どうしても明るい未来を見出しづらいですね。
趣味的には、より一層“行けるときに早く行け”になっているように焦りさえ感じます。
2023-10-15 * 風旅記 [ 編集 ]

Re: No Subject

風旅記さん、こんばんは。

この重岡駅は、佐伯〜延岡の区間では要衝となる駅ですね。 でも、この区間には旧直川村(佐伯市に合併)や旧北川町(延岡市に合併)があり、列車本数を片道6本まで戻せばもぅちょっと輸送密度が上がると思いますが、それよりも増える赤字を恐れて投げてますね。 旧北川町は人口4000人のそれなりの規模の町ですし。

もう鉄道は元より、公共交通機関全体が立ち行かなくなってますね。 鉄道が持つのは大都市圏のみですね。

>近い将来なくなっていくという緊迫感
コレは観光地や登山バスなどで顕著となってますね。
登山バス何かは、現在はほぼ全滅です。
また、廃線代替バスもほとんどのバス事業者が手を退いて、コレまたほぼ全てで役所が運行する予約制のオンデマンドバスで実質廃止となってますね。

悲しいかな、地方では、車がないと生活できないようになってきてますね。
2023-10-15 *  風来梨 [ 編集 ]