風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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オホーツク縦貫鉄道の夢  第17回  道東の名峰・斜里岳へ・・

『オホーツク縦貫鉄道の夢』  第17回  道東の名峰・斜里岳へ・・
 
根北線列車は、《瑠辺斯駅》より奥深い樹海原野をゆく。 樹海の中にもぐりこみ、やがて長大な瑠辺斯トンネルに突入する。 このトンネルで根北峠を越えて網走支庁の管内に入っていくが、この区間の記述は次回廻しにするとして、今回は根北峠を挟んで瑠辺斯岳と対峙する道東の名峰・斜里岳に登って、山の上から根北線の通る地域を俯瞰してみようと思う。
 

 
一応、根北線における斜里岳の『最寄駅』は上越川であるのだが、それでも登山口まで25km以上離れているので、ここは架空旅行における『空想パワー』を最大限に駆使して、『上越川まで迎車するように予約しておいたタクシーの利用』という御都合主義全開で行こうと思う。 しかし、着々と紀行文としての筋書きが崩壊していってるなぁ。
 

それでは道東の名峰・斜里岳に、源流沢の滝道を遡っていく爽快なルートを使って登ってみよう。
そして、根北線が通る(かつて通っていた)斜里平野とオホーツクを山の頂より俯瞰してみよう。
そこにはきっと、『オホーツクへの夢』たる眺めが広がるだろうから。
 

斜里岳登山コース 行程図
 
    行程表
※上越川より車利用〔1:00〕~清岳荘  ※ 清岳荘には前日到着宿泊
清岳荘(1:10)→羽衣ノ滝(1:10)→馬ノ背(0:40)→斜里岳(0:30)→上二股
(0:45)→熊見峠(1:05)→清岳荘より車利用〔1:00〕~※上越川 ※上越川は架空駅
 

麓から望む美しい三角推からは想像できない程に
ゴツゴツした様相を示す斜里岳
 
斜里岳には斜里町側の豊里ルートと清里町側の清岳荘ルートがあるが、登山口に山荘があり登山口までの道も砂利道ながら整備されている清里ルートが一般的だろう。 だが、どちらにしても、登山口へのアプローチは車かタクシーが必須であろう。 中には、自転車という猛者もいたけれど。

清里町側のルートの登山口には清岳荘という登山小屋があり、寝具貸出と軽食の提供はあるが、基本的には素泊小屋なので、ある程度の準備は必要だろう。 また、山を楽しむ為にも、早出早着の原則を守るべく前夜にここに宿泊して、翌朝日の出と共に出発したいものである。 それではこの事を踏まえて、この山荘を起点に新旧登山ルートを使って、斜里岳を一周してこよう。

登山道は小屋の裏手から延びている。 登山道は上部で滝の連続となる一ノ沢の中に付けられており、飛び石伝いにジグザクに跨ぎながら歩いていく。 沢は浅く、また適当な踏み石もゴロゴロと転がっているので、水に濡れる事はないだろう。 やがて、《下二股》で尾根筋をゆく新道ルートを分けると、沢は一転して山肌から滝を連続して連ねる様になる。
 

旧道ルートは沢滝を遡って
登っていく爽快なルートだ
羽衣ノ滝
 
これから進む旧道ルートは、この滝の連なる沢を遡行していくのである。 名前のついている滝だけでも、白糸・水簾・羽衣・万丈・七重・見晴・竜神・霊華と8つあり、この様々な姿を魅せる滝の傍らを・・、中には滝を直に上っていく。  従って、簡易の布製登山靴なら浸水するかもしれないので、しっかりした足回りが必要だろう。
 

滑りやすい滝の際をゆくので
スリップには注意したい
万丈ノ滝
 
滝は斜瀑気味の滑滝が多いが、中でもこの瀑布群の中でも代表的な滝である羽衣・万丈・七重ノ滝の姿には目を奪われる。 滝を観て、その飛沫を浴びながら登る爽快なコースである。
また、際どい所には鎖やハシゴが架けてあり、思ったほど難しいルートでもないのである。
だが、常時沢に入っているので濡れて滑りやすく、スリップしての転落事故事例もかなりあるとの事なので、当日の天気や沢の水量などを確かめてから登るべきだろう。
 

竜神ノ滝では滝の上を
直に歩く爽快さがたまらない
 
霊華の滝を過ぎると沢の流れは細くなり、「源流部近き・・」を思わせる。 沢が伏流となって見えなくなると、《下二股》で分かれた尾根筋ルートの新道コースと合流する。 沢の伏流のガレ地帯を登りつめると《馬ノ背》という稜線筋に出る。 なお、ここは《胸突八丁》と呼ばれており、通った感じてはそれ程ではなかったものの、多少ガレていて浮石も多いようなので注意しよう。
 

胸突八丁の登り
多少ガレているので注意しよう
 
《胸突八丁》を詰めて稜線上の《馬ノ背》に出ると、ここからはいよいよ高山植物の『花タイム』だ。
ミヤマオダマキ・イワオトギリ・チシマフウロ・ミヤマキンバイと、鮮やかな色彩の花々が咲き乱れる中をゆく。 ただ《馬ノ背》は、崩壊が進行しつつある痩せ尾根で少々ガレ気味であるので、花に見惚れて足元が散漫にならないように注意しよう。 転倒は元より、不注意な落石を引き起こして他人を巻き込む恐れもあるから・・。
 

淡い紫が魅惑的なミヤマオダマキ
 

             花びらが5枚は        薄い紫が思いをめぐらすチシマフウロ
            キンポウゲ科のミヤマキンバイ
 
《馬ノ背》からは展望も良くなり、目指す頂上のコブも目の前に現れてくる。 だが、麓から望む美しい三角推からは想像できない程にゴツゴツした稜線筋だ。 この下から見た姿とのギャップに、山の深さを知らされる事だろう。 後は、右手の崩壊斜面に注意しながら巻くように登っていくと、穏やかな丸い頂上丘に着く。
 

頂上でゴキゲン!
 
頂上は広い砂礫地で、独立峰ゆえに360°の展望が開ける。 知床や阿寒の山なみ、そしてオホーツクに向けて広がる畑作地帯がおりなす幾何学的な模様は、この山ならではの情景だろう。
しばし、この彩り染まる畑の幾何学模様の妙に魅せられよう。
 

この幾何学模様を魅せる
畑のどこかに根北線は走っていた
 

振り返ると
阿寒の山なみが見えていた
 

霧の摩周湖も見渡せる
 

幾何学模様の畑の果てに
『オホーツクの夢』が広がっていた
 
十分に山頂の風景を味わったなら、尾根筋を通る新道ルートを通って下山しよう。
頂上から《馬ノ背》を経て、新道と旧道の分岐である《上二股》までは往路を行く。
もちろん、この間は展望を楽しみつつ、路傍に咲く高山植物を愛でながら下っていこう。
登りの時にも書き記したが、《馬ノ背》から《上二股》までの《胸突八丁》はガレた急斜面であるので、浮石を踏んでの転倒やつまづき、落石などに注意しよう。

《上二股》で登ってきた旧道ルートの一ノ沢より離れて、左の尾根筋に入る。 これよりが新道ルートだ。
右下に《竜神ノ池》をかすめ、丈の低いダケカンバに覆われた山腹をトラバース気味に渡っていく。
やがて、山腹のトラバースから1243mのコブの登りとなり、ひと登りするとこのコブの上に出て展望がグッと広がる。
 

展望を愉しみながら
ゆっくりと下っていこう
 
このコブからはハイマツの尾根歩きとなり、斜里岳の主稜を見ながらゆく『展望の道』となる。
この尾根歩きは《熊見峠》まで続き、この峠で尾根より離れて樹林帯をジグザクを切って急降下していく。 やがて、下の分岐である《下二股》で旧道・沢ルートと合流して、沢筋を飛び石伝いに30分程伝えば、清岳荘が見えてくるだろう。
 
下山の後は『温泉』と行きたい所であるが、目ぼしい温泉は峠を越えて摩周・屈斜路湖の川湯までないようだ。 だが、鉱泉でいいのなら、小清水やJRの緑駅の近くにクアハウスがあるので、そちらに向かって鄙びた温泉情緒を味わうのも一興だろう。
 
さて、「ついにやってしまった」感のあるこのハチャメチャな寄り道(斜里岳登山)から、どのようにして上越川に戻ったかは筆者としても『触れられたくない部分』ですので、深く追及しない様にしてくださいね。

 
   ※ 詳細はメインサイトより、
     撮影旅行記『旧道ルートの滝道を遡って斜里岳へ』を御覧下さい。









 
 
 
 
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No title * by オータ
斜里岳、知床の入り口に横たわる秀峰ですね。いつか登ってみたいです。上越川から行くなんて最高ですね… 傑作!

No title * by 風来梨
上越川から、斜里岳の山麓に沿って道はあるんですが・・。
通れるかどうかは藪の中です。

ちょっと設定が厳しいですが、夢としては適えてみたい(みたかった)気持ちが多分にあります。

コメント






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No title

斜里岳、知床の入り口に横たわる秀峰ですね。いつか登ってみたいです。上越川から行くなんて最高ですね… 傑作!
2011-06-19 * オータ [ 編集 ]

No title

上越川から、斜里岳の山麓に沿って道はあるんですが・・。
通れるかどうかは藪の中です。

ちょっと設定が厳しいですが、夢としては適えてみたい(みたかった)気持ちが多分にあります。
2011-06-19 * 風来梨 [ 編集 ]