風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第369回  能登半島・禄剛崎園地

『日本百景』 春  第369回  能登半島・禄剛崎園地  〔石川県〕


猛烈な季節変わりの海風を受け
波が渦巻き岩礁を打ち砕く
木ノ浦海岸にて

   奥能登 おくのと (能登半島国定公園)
能登半島の最北端・禄剛崎付近はひと昔前までは交通が至って不便な“秘境”であった為、『奥能登』と呼ばれている。 

この『奥能登』の見どころとしては、高さ47mの断崖絶壁に白亜の灯台が建つ禄剛崎。 そして、奇岩連なる狼煙 のろし 海岸などである。 特に、禄剛崎の海岸段丘に栽培されているスイセン畑は美しく、一見の価値がある。




能登半島・景勝地 位置図
※拡大して見てネ


    行程表                 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR和倉温泉駅より車(2:30)→珠洲市街・見附島〔軍艦島〕など散策(1:10)→禄剛崎
     (0:15)→木ノ浦海岸
《2日目》 木ノ浦海岸(0:35)→曽々木海岸(0:20)→白米の千枚田(0:35)→輪島市街
     (1:10)→JR和倉温泉駅
      ※ 前回『第368回 能登半島・内海』からの続きです。

駅跡を訪ねて鉄道在りし頃の情景を思いめぐらせたなら、鉄道遺構めぐりを終えてと『奥能登』を訪ねてみよう。 蛸島の駅より先は道はか細くなって、岬の先端に向かっている事が実感できる。 
そして、岬に近づくにつれ内海の域を出て、波が荒れ狂う外海の情景が広がってくるだろう。 
これが、今回の旅の魅力である。


狼煙海岸にある紅白の灯台の間で
波が逆巻き立っていた

《狼煙海岸》の沖合いに立つ赤と白の灯台と日本海の荒波が、まず旅人の目を奪う事だろう。 
そして、断崖絶壁で仕切られた港風景・・と、岬ならではの情景が旅情を引き立てる。 やがて、日本海の荒波へ向けて光跡を照らす灯台の立つ『奥能登』の突端・禄剛崎へ。


岬に近づくにつれ
吹く風は暴風と変わり
波が岩礁に叩きつける
荒々しい情景となってくる

『奥能登』の最突端・禄剛崎は、防波堤で仕切られた小さな漁港だ。 今まで内海の波一つない穏やかな光景を見てきた目には、猛烈な低気圧により荒れ狂う情景はパラレルワールドに引き込まれたような感覚を覚える。


押し寄せる波は
次々に波の花を置いていく


引き波の一瞬だけ姿を魅せる神秘
散華する波の花 

小さな防波堤に高波が被さり、それを洗い流すが如く白い波の泡を抱き砕け散っていく。 そして、防波堤で羽を休めるカモメが、押し寄せる波を羽ばたきでかわしつつ、じっと周囲の様子を伺っている。
羽を休める・・という事も、彼等にとっては戦いなのだろう。


押し寄せる波が刃物の如く
刃先を向けて押し寄せる


その刃先が白く光ると
押し寄せる波が最大の力を持った瞬間だ


その最大の力を持って
呑み込むかの如く防波堤にブチ当たる

岬周辺の海岸・《狼煙海岸》の情景を楽しんだなら、お目当ての《禄剛崎》へ向かおう。 
《狼煙海岸》沿いの集落は半島最突端の集落らしく、地形に沿っての曲がり角にこじんまりと固まっている。 まるで、日本海より吹きすさぶ猛烈な波風に皆で抗するが如く。 

岬の灯台は、半島の突き出た断崖の端に建っている。 駐車場に車を止め、急な坂道を7~8分程登っていくといい。 登るにつれキツい風の抵抗を受けながらやってくると、広い園地に整備された最奥に白亜の灯台と通信塔が立ち並んでいる。 そして、真っ先に目を奪われるのは、灯台前のモニュメントの一角にある標識板であろう。

最果ての情感を抱かせる
海洋図のモニュメント

そこには、『←上海 1598km』、『←釜山 783km』、『東京 302km →』とあった。
そしてその下には、“彼の地の国”であるウラジオストクの標示が示してあった。 『← ウラジオストク 772km』。 一つだけあさっての方向を示しているこの標識は、近くて遠き国・・の印象を強く抱かせるものがあった。 そして、この遠き国は、北海道の札幌よりも僅かながら近いのである。 


彼の地の国・ウラジオストクに
最果ての旅の思いを馳せる
札幌より僅かに近い
見知らぬ“彼の地”の国を想像して

恐らく、このモニュメントが立てられた頃は、現在よりも遙かに“遠き国”であったのだろう。 
その見知らぬ凍土の“遠き国”の旅の想像を、このモニュメントは大きく駆り立ててくれる。 
そして、岬を語る案内板も岬を思う感情が記されていて、これを目にすると人が抱く“岬”の情景が大いに刺激される事だろう。 


最突端の想いを伝えるモノ

さて、モニュメントより一段下った奥の広い突端の丘の中央には、白亜の灯台が西洋の古城の如くそびえ立っている。 城壁を思わせる白いレンガの側壁が、他の者を安易に寄せつけぬ雰囲気を漂わせている。 

・・そうなのだ。 ここは、かつて命がけで職務を全うした灯台守の“戦場”なのだ。 灯台守がいる時代ならば、安易に街の者が来るような所ではなかったのだ。 その“思い”が堅牢を意味する城壁なのだ・・と想像するのは、ワテの勇み足なのだろうか。


西洋の古城の城壁を思わせる
禄剛崎灯台

 白亜の古城のような灯台の丘は海岸段丘の断崖となって途切れ、その先は波濤渦巻く白波が闊達にアートを描く“海”というキャンパスだった。 そろそろに傾き始める雲間の光とまだ冬から醒めぬ枯木の枝を絡めると、奔放だが美しい情景が演出できる。


岬展望台にあった枯木越しに
日本海の荒波を望む

だが風は強く、ほんの5分もカメラを構えていると手が寒さで痺れてくる。 たとえ、厚手の手袋を着込んだ・・としても。 3月をまわった春先だというのに、この冬のような厳しさが、岬の情景を人の心に“憧憬”として植えつけるのだ・・と思う。


灯台の真下は
荒れる日本海が広がっていた

傾いた日が水平線に陣取る前線の鈍重な雲に隠れてしまったなら、そろそろ岬めぐりより引き上げよう。 岬の周遊を終えたなら、ロジックな雰囲気漂う《狼煙》集落でひと息着くとしよう。
《狼煙》の集落には、レトロ調の喫茶店がある。 岬めぐりで冷えきった体を暖かい飲み物で中から暖めると、より岬の風の強さが思い起こされて感慨が深まる事だろう。


岬を後にした頃には
奥能登の一日は暮れようとしていた
さて・・ どこに泊ろうか

さて、今日はどこに泊ろうか。 余裕のある方なら旅館等を想定する事と思う。
『奥能登』は観光地なので、探さずとも旅館や国民宿舎は見つけられるだろう。


荒々しくも
何か懐かしい情景

だが、旅館などは断崖の上の“安全な”所に建っていて、荒れ狂う冬の日本海を“俯瞰”という形では堪能できるが、“情景を思う”には今一つ役不足のような眺めに思えるのだ。 まぁ、前面に広がる冬の日本海を見ながら豪華な夕食を取る・・っていうのも、いいシチュエーションなのだが。


岩うつ波が逆巻き立って
間近で魅るからこそ
震えるような感動がある


波が横に飛んだ
奇跡の情景を間近で魅る・・という
旅をする者の最大の贅沢

なぜなら、この『日本百景』の旅の本質とは異なる“贅沢”という言葉が出てくるからだ。 同じ“贅沢”をするのでも、この『日本百景』では情景に魅せられる“贅沢”をしたい。 従って、海辺まで来て岩に砕け散る波を間近で眺めつつ、狭いハコ(車内)の中で一夜を過ごそうと思う。


今日はここで夜を明かそう

夕食も朝食もかなり貧弱だけれども、夕暮れと夜明けの波濤を魅せられるという、『日本百景』の旅が求める究極の“贅沢”が味わえるのだ。 だから・・今夜は、《木ノ浦海岸》の海辺にある駐車場で車中泊する事にしよう。

・・この続きは、次回の『第370回 能登半島・外浦』にて・・。
 





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No title * by たけし
寒々とした写真は松本清張ワ-ルドにいるみたいです。
裏日本(今の呼称がわかりません)らしく荒涼として(日本海側にお住み人の怒りをかうかも・・・)千葉県の太陽サンサンとしたところに住むアタシには別世界のようです。

No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。

実際に海上で竜巻が起こる位に寒かったです。 爆弾低気圧が東北沖に張り出す冬型で、夜は吹雪いてました。

お陰で、寒々としたいい情景が撮れましたよ。 適当に無計画に訪れてオチャメをかましまくるけど、なぜか写真はソコソコ以上のモノが撮れてる不思議・・。

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No title

寒々とした写真は松本清張ワ-ルドにいるみたいです。
裏日本(今の呼称がわかりません)らしく荒涼として(日本海側にお住み人の怒りをかうかも・・・)千葉県の太陽サンサンとしたところに住むアタシには別世界のようです。
2019-03-13 * たけし [ 編集 ]

No title

たけしさん、こんばんは。

実際に海上で竜巻が起こる位に寒かったです。 爆弾低気圧が東北沖に張り出す冬型で、夜は吹雪いてました。

お陰で、寒々としたいい情景が撮れましたよ。 適当に無計画に訪れてオチャメをかましまくるけど、なぜか写真はソコソコ以上のモノが撮れてる不思議・・。
2019-03-13 * 風来梨 [ 編集 ]