2019-03-02 (Sat)✎
『日本百景』 春 第368回 能登半島・内海 〔石川県〕
在りし日の
のと鉄道と波止場風景
奥能登 おくのと (能登半島国定公園)
能登半島の最北端・禄剛崎付近はひと昔前までは交通が至って不便な“秘境”であった為、『奥能登』と呼ばれている。
能登半島の最北端・禄剛崎付近はひと昔前までは交通が至って不便な“秘境”であった為、『奥能登』と呼ばれている。
この『奥能登』の見どころとしては、高さ47mの断崖絶壁に白亜の灯台が建つ禄剛崎。 そして、奇岩連なる狼煙 のろし 海岸などである。 特に、禄剛崎の海岸段丘に栽培されているスイセン畑は美しく、一見の価値がある。
能登半島・景勝地 位置図
※ 拡大してみてネ
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR和倉温泉駅より車(2:30)→珠洲市街・見附島〔軍艦島〕など散策(1:10)→禄剛崎
(0:15)→木ノ浦海岸
《2日目》 木ノ浦海岸(0:35)→曽々木海岸(0:20)→白米の千枚田(0:35)→輪島市街
《2日目》 木ノ浦海岸(0:35)→曽々木海岸(0:20)→白米の千枚田(0:35)→輪島市街
(1:10)→JR和倉温泉駅
いつもは邪魔に思う俄か撮影者も
廃止直前の路線ならいい味となっていた
《1日目》 “のと鉄道”を追憶した後、奥能登へ
奥能登へは1日数本のバスしかない。 そして、『奥能登』の岬海岸線をバスを乗り継いでめぐるのは、かなりの労力と費用を伴う事となる。 従って、マイカー又はレンタカーの利用がベターの選択となろう。 JRの終点・和倉温泉駅は、最近JRがかなりテコ入れしている温泉地である。 レンタカーもこの駅前にあるので、今回のように雪のある情景を追い求めるならば、レンタカーが圧倒的に有利である。
JR和倉温泉より、国道249号線を北上しよう。 途中の中島町には“道の駅”もあり、最近の道路は利用者の便がかなり考慮されていて良い。 ちなみに、穴水手前の能登鹿島駅は“桜の駅”として知られており、その季節になればカメラ片手に訪ねるのもいいだろう。
和倉温泉から約35分で穴水町に着く。 このまま国道へ進路を取るのだが、道路標識は輪島へ行く主要県道の方には「輪島・珠洲」と、国道249号は「能都」と記されているので少々紛らわしい。
国道249号は穴水町で右手に進路を取るので、道路標識につられて間違わぬようにしたい。
国鉄末期に初めて訪れてから
もう30年経つんだね
奥能登をめぐる今回の旅では、’05年の3月31日で営業廃止となった旧国鉄・能登線からの第三セクター“のと鉄道”を追憶しつつ岬へ進んでいこう。 のと鉄道の能登線は、現存する路線の終着駅・穴水から分かれて七尾湾を周り込むように敷設されていたが、この湾の周回は一段内陸側を通っていたのであまり海は見通せなかった。
海の情景が車窓に現れたのは、七尾湾を越えて内陸部を抜けて能都町(現在は能登町)に入ったあたりからである。 車窓からは、内海の穏やかな波の海の情景と駅ごとにある船着き場に繋がれた漁船がおりなす波止場風景が望めたのである。 この繋がれた漁船が描く波止場風景は、のと鉄道・能登線の絶好の『撮影スポット』であった。
この波止場で撮った手応えから
波止場での『撮り鉄』がレパートリーに
加わったのと鉄道廃止直前の2度目の旅
この時のベストアングル
船着場につながれた小型漁船の舳先やイカ釣り用のタングステンライトが、海沿いの風景の良さを引き立ててくれた。 これに穏やかな内海を望む風景と小さな待合室だけの駅舎、それに時折やってくる列車をマッチさせると、のどかな雰囲気の波止場情景となったのである。
漁船の穂先にカモメが
個人的にコレが今回の一番星
この波止場風景は能都町の中心市街のある宇出津で続き、これ以降は海沿いを走るものの一段内陸側を通るので、またもや単調な車窓風景となっていた。 長い乗車でちょうど眠くなる頃合いで、ワテも車内で寝息を立てていたので、この区間はあまり覚えていない。
雪景色となら
何とか撮りようもあるかな?
やがて、能登半島の内海では最大の観光スポットである恋路海岸のある浜に出て、再び車窓から海の風景が望めた。 鉄道のあった頃の恋路海岸は、それほど有名にはなっておらず観光施設は何もない状態だったが、今は『ラブロ恋路』と、まるでモーテルのような名がつけられて、国道からの誘導標識が盛んに現れる。
こういう『ラブロ』なのは
野郎一人旅では撮りたくないね
まぁ、カップルでの旅行ならまだしも、野郎の一人旅だと雪のある春先なら立ち寄る気にもなるが、その他の季節は足早に通り過ぎる雰囲気が大の観光スポットだろう。
『ラブロ』をイメージ
させないように撮る
路線廃止後の『のと鉄道』の遺構は駅は放置された状態のものが多く、中には車両が棄てられたのと同然に、途切れた線路内に放置されて錆びついている姿があり、その姿は痛々しい。
無人駅の多くは
廃止後放置されたままとなっている
やがて珠洲市内に入り、内海でのもう一つの観光スポットである《見附島》が見えてくる。
この《見附島》は航空母艦の艦首のような直立岩で、春先の残り雪の風景はことさら絶品である。
まるで航空母艦の艦首のよう
通称・軍艦島の見附島
やがて珠洲市内に入り、町の中心にある珠洲駅跡に着く。 駅跡にはのと鉄道の廃止代行バスを始め、能登半島内陸部の集落を縫う路線バスや、能登半島の最果てである禄剛崎へのバスの起点となるバスターミナルが設けられ、その横には『道の駅・すずなり』となっている。
のと鉄道・能登線廃止後の代行バス
※ グーグル画像を拝借
なお、珠洲市街では必ずガソリンを給油しておこう。 なぜなら、これより半島をひと周りして輪島市街に抜けるまで、ガソリンスタンドは期待できないのである。 特に休日となれば、なおさら休業するガソリンスタンドの割合も増えるのであるから。 また、今夜は車中泊必至となるので、食糧も買い込んでおくべきであろう。
蛸島駅に入る在りし日の
のと鉄道列車
珠洲の市街を出ると道は県道となって細くなり、時折車の離合が困難な狭隘区間も出てくる。
道なりに進むと、程なくのと鉄道の終点であった蛸島駅跡に出る。 その蛸島駅の手前に、のと鉄道の車両が野ざらしで放置されて朽ち果てるままとなっていた。
一時期イベント会場に使われたが
基本的に放置されたままの蛸島駅跡
何でも、廃線直後は『気動車の運転体験』で使用されていた気動車で、道の拡張工事の為に蛸島駅の直前で線路が撤去されて分断されて以降、放置となっているらしい。 「撤去費用がかかるから」と、野ざらしのまま放置された気動車の嘆きが聞こえてくるような光景だ。
棄てられた気動車の
嘆きが聞こえる
これより先は鉄道への追憶を離れて、『奥能登』を訪ねてみよう。 蛸島の駅より先は道はか細くなって、岬の先端に向かっている事が実感できる。 岬に近づくにつれ内海の域を出て、波が荒れ狂う外海の情景が広がってくるだろう。
なお、この続きは、次回の『第369回 能登半島・禄剛崎園地』にて・・。
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私は8月の盆休みの山行から帰るまで、残された時間一杯悩もうと思います。 少し早めても7月末ですね。
SNSに近く毛嫌いしていたアメブロも、内緒さんの転居したブログの姿を見たり、他の転居した方でウチに近い山や鉄道・旅を扱うブログの方がいたなら、その内容を見て判断する事にします。
アメブロもSNS的なカテゴリーに近づきさえしなければアリなのかも・・と思い直す事にしました。 まぁ、ウチも自身の過去記事検索は、路線データのコピペなど、記事更新の為には必須条件となるし。
でも、アメンバーとかアメッぽなどの「本題より二次会や飲み会の方で盛り上がる」って風潮はノーサンキューですね。 だからアメブロになったとしても、そういうサークルには入らないで「一匹オオカミ」になろうと思いますね。(笑)