2019-01-27 (Sun)✎
『日本百景』 冬 第364回 北の鉄路・冬情景 (石北編) 〔北海道〕
ロールが置いてあった広大な牧草地は
真っ白な雪原となっていた
真っ白な雪原となっていた
そろそろグトくなるシリーズ第三弾は石北本線編で。 今回は雪原野の全くの無人地帯をゆく『雪と鉄道』のシーンを取り上げてお魅せしましょうか。 いつもの如く「お魅せする」といっても、ワテのナンチャッテ『写真床』のレベルでのお披露目ではあるは念の為。
それに、こういうお題目なら必ず期待される、『石北貨物』は一切出てこないので悪しからず。
だって、石北貨物の運行スケジュール全く知らないもん。 それにワテは、時刻表を持っていかない『3ナイ運動実施中』のタワケだしィ。
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国道39号と242号の分岐にあって留辺蘂の集落の外れに設置された新駅・西留辺蘂を見やってから、分岐を国道242号線方へ入る。 この西留辺蘂駅は、信号所となった金華駅の存在意義そのもの・・といった駅である。 なぜなら、この駅に交換設備が設置されなかったお陰で、交換設備のある金華駅は廃駅となっても駅舎が取っ払われなくて済んだのだから。
今は信号所となった金華駅
国道242号に入るとすぐに民家は皆無となり、民家の代わりに「シカ注意!」、「クマ出没!」の『アニマル警告』看板がでてくる。 そんな山中の民家の見当たらない所に、何と横断歩道のゼブラが描かれている三叉路があった。 この三叉路に入ると50m程で金華駅跡に着く。
ちなみに、金華駅の営業駅当時はトイレが無かったようだが、信号所になって駅舎が保線区作業員の詰所となってからは、作業員の為にトイレが置かれているようである。 取り敢えず駅の周辺を見渡すが、イメージと違って広く開けた直線区間で、ちょっと写欲が湧かない内容だったので「金華での『撮り鉄』は見送り、車を転回して国道に戻る。
でも、「せっかくここまできたのだから」という未練がましい気持ちがもたげてきて、「石北本線のレールが見えるかもしれないのでちょっとだけ」と遠軽方向へ車を走らせる。 すると、『常紋方面⇒入口』という看板が見えてきて、林道が分かれていた。
この林道の路面は何とか車が入れるの雪の状況だったので、「行ける所までいけ~!」と入ってみる。
この道は間に谷を挟んで石北線のレールと並行し、かなり訪れる前に妄想した『撮り鉄』のイメージに合ってきたのである。 だが、付近に車を止める所などなく、森も深くてちょっと『撮り鉄』は難しそうであった。
こうなれば、「車を停めれる道幅の広がった所で強制的に撮るか!」と、撮影適地より車を停めて転回できそうな所を探し求めて林道を奥に入っていく。 だが、最後まで道幅の広がった『駐車適地』は現れずに道の突き当りに至ったのだが、その「林道の突き当り」が最高のシュチュエーションだったのである。
それは、この「林道の突き当り」こそが、かの有名な常紋信号所だったのである。
もちろん、鉄道施設の前と言う事で転車可能・・というか駐車場のような広いスペースとなっていて、前には信号所の巨大シェルターが建ち構えていたのである。 でも、有名なスイッチバックの側線は取っ払われていて、巨大なシェルター内は砂利敷きの荒地と化していた。 でも、線路が敷いてあったであろう側線跡は雪に埋もれ、これをラッセルして本線のレールに近づくと、高台から本線カーブを見下ろす絶好の撮影場所だったのである。
常紋信号所をゆく
石北線普通列車
・・で、この場所からカーブをやってくる昼過ぎの普通列車を狙う。 この時点で、「お気軽に撮れればいいや」という考えは消し飛び、本気『撮り鉄』モードになっていたよ。 それでは、その時の拙いモノおば・・、ひとつまみ。
『道の駅・丸瀬布』を夜明け前に出て、20km先の撮影地に向かう。 でも、北海道の広さは距離感覚を軽く麻痺させるね。 普通は20kmも離れると『最寄り』でも何でもないのだが、北海道で『撮り鉄』をすると最寄りに感じてしまうよ。
夜明け前の深々と雪降る中、レンタカーを飛ばして撮影予定地に着いたのは5時過ぎ。 見ると、夏は確か大きな駐車場スペースだった当地は、焼き上がりのパンのようにこんもりと雪が被っていた。
まだ日の出前でこのような状況なので、そのまま通り過ぎて旧白滝駅の周辺へ。
旧白滝の駅の周囲まで出張ると、程なく空が明けてきた。 でも、旧白滝駅へ行く脇道は除雪もされずに完璧に埋もれていたよ。 駅に行くには、200m位を脚ラッセルで踏跡を作らねばならないようだ。
7:16発の列車は下りで唯一この旧白滝に停車する列車・・、つまり営業列車なのだが、乗客は全く想定していないようであった。
雪に埋もれながら「木の枝を配して・・」と枝越しにカメラを構える。 ・・が、列車が来るまでの間に寒さでジタバタとしていたのがアダとなって、踏切の警報が鳴った途端にズボッと深みにハマる。
何とか脱出して撮ったのがコレ。 でも、ノッケからシクじってるね。
村名発祥の地・白滝
何かショボイ
:
この駐車場はこの滝の展望所なのだが
『撮り鉄』の”お立ち台”となってるよ
この失態で「ここは使えない」と見切って、夜明け前に「焼き上がりのパンのようにこんもりとした」光景を見た撮影予定地の『村名発祥の地・白滝』に向かう。
取り敢えず”お立ち台”で
『撮り鉄』の皆が狙うモノを
ここは夏ならば『お立ち台』として使われる撮影地だが、冬は雪で完全に埋もれていた。
もう、駐車場という桝に、雪が1m超の高さで乗っかっている状況であった。 あり丁寧に言うと、冬は駐車場として存在せず雪の原野に回帰しているのである。
そのこんもりとした雪の上によじ登ってみると、あるのは獣の足跡だけであった。
その50m先に、『村名発祥の地・白滝』観賞用の観光客向けのあずま屋の屋根が見えていた。
夏ならば撮影場所までの
移動が30秒のお立ち台も
冬は45分のラッセルによる
冬は45分のラッセルによる
通路造りが必要です
この閉鎖状況にかなり挫けたが、例によって「ここで挫けたら、渡道とレンタカー代が無駄になる」という驚異の下衆心が発動して、ラッセルでの突貫を決意する。 50mを普通に歩くと、約45秒位だろうか。 でも、雪道の処女航海ラッセルだと、7~8分かかる。 そして、真冬で深々と雪降る天候なのに、ダウンジャケットを脱ぎたくなる位にホットとなったよ。
これを4往復位して、『にわか道』を造る。 30分ほど使って『にわか道』を造り、その『王道』を通って撮影地へ向かう高揚感はチョビッツくるモノがあったよ。 それでは、それらをごろうじろ。
元を取る為に
必死に巻き上げ連写しますた
一番凝ったのがコレ
上に雪か乗って撓った枝を配して
上に雪か乗って撓った枝を配して
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No title * by 旅の途中
常紋信号所は、屋根がついたのですね。でも、昔の面影が残っていますね。今年は暖冬のせいか、雪の量が少ないのかと思います。
No title * by 風来梨
旅の途中さん、こんばんは。
常紋信号場へいった昨年の冬は、今年以上に暖冬でした。 最低気温でも、氷点下8℃止まりでしたね。 今年も北海道へ行ったのですが、今年の方が寒かったと思います。 今年は、夕張から西側は大雪、夕張から東側は全く雪のない北海道でした。 層雲峡も、旧国道38号線の路面が、所々現れる位に雪がなかったです。
白滝で撮ったのは数年前ですが、この時は雪が多かったですね。
常紋信号場へいった昨年の冬は、今年以上に暖冬でした。 最低気温でも、氷点下8℃止まりでしたね。 今年も北海道へ行ったのですが、今年の方が寒かったと思います。 今年は、夕張から西側は大雪、夕張から東側は全く雪のない北海道でした。 層雲峡も、旧国道38号線の路面が、所々現れる位に雪がなかったです。
白滝で撮ったのは数年前ですが、この時は雪が多かったですね。
No title * by 鳳山
北海道の冬景色ですね。こんなところで写真を撮るのは根性いりそう(笑)。
ナイス
ナイス
No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
常紋の方は暖かい正月でしたので、それほど根性は要らなかったです。 けれど、「アニマル看板」に出演されてる彼らが暖かさで目を覚ましてうろつかれると、違った根性が要りますね(笑)
白滝の方は、ラッセルでの通路作りに根性が要りました。 氷点下10℃だったのに「熱かった」です(笑)
常紋の方は暖かい正月でしたので、それほど根性は要らなかったです。 けれど、「アニマル看板」に出演されてる彼らが暖かさで目を覚ましてうろつかれると、違った根性が要りますね(笑)
白滝の方は、ラッセルでの通路作りに根性が要りました。 氷点下10℃だったのに「熱かった」です(笑)
No title * by pikes peak 2
こんばんは。
普通の人には撮れない画ですね。素晴らしい。
常紋峠は、さすがにこの季節は生田原側には抜けられないんですか?
秋に一度行きましたが、クマが出そうで、普通の画を撮ってすぐに戻ってきてしまいました....
普通の人には撮れない画ですね。素晴らしい。
常紋峠は、さすがにこの季節は生田原側には抜けられないんですか?
秋に一度行きましたが、クマが出そうで、普通の画を撮ってすぐに戻ってきてしまいました....
No title * by 風来梨
pikes peak 2さん、こんばんは。
これは17年末から18年の正月の旅で訪れたのですが、何の予備知識もなく、そもそも常紋信号場への道すらも分からす、「行けるところまで行け~!」のノリでしたので、生田原まで行けること自体も訪れた後に知りました。 あの146キロポストの撮影名所もそこの事だったのですね。
道の状態は、車では常紋信号場折り返しのみで、生田原へは徒歩ラッセルでないと無理だったと思います。 かつてなら行ってたかも・・ですが、今はヘタレになったのでとてもとても・・(悲)
これは17年末から18年の正月の旅で訪れたのですが、何の予備知識もなく、そもそも常紋信号場への道すらも分からす、「行けるところまで行け~!」のノリでしたので、生田原まで行けること自体も訪れた後に知りました。 あの146キロポストの撮影名所もそこの事だったのですね。
道の状態は、車では常紋信号場折り返しのみで、生田原へは徒歩ラッセルでないと無理だったと思います。 かつてなら行ってたかも・・ですが、今はヘタレになったのでとてもとても・・(悲)