風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第292回  日高本線・節婦駅

路線の思い出  第292回  日高本線・節婦駅  〔北海道〕


節婦駅舎
駅舎のデザイン化を受けて
「とんがり屋根の小さな駅舎」となっている
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
      営業区間と営業キロ               輸送密度 / 営業係数(’15)
     苫小牧~様似 146.5km                   185  /   812
運行本数(’10)
           苫小牧~様似 下り5本・上り6本  静内~様似 下り2本・上り1本
           苫小牧~静内 下り3本・上り2本(内1往復 土日運行)
           苫小牧~鵡川 2往復(土日上り1本増便) 静内~様似 1往復

        ※ ’15年の高波による土砂流出の為、鵡川~様似 代行バス運行


節婦駅(せっぷえき)は、北海道新冠郡新冠町字節婦町にあるJR北海道・日高本線の駅である。
’15年1月8日に高波被害を受けて、以降は現在に至るまで列車の運行は休止したままとなっている。
列車不通の代替処置として、代行バスが運行している。 ’14年の列車乗車人員は7人、’17年の代行バス乗車人員は2人との事。

島式ホーム片面使用の1面1線を有する駅で、ホームは線路の南西側(様似方面に向かって右手側)に存在する。 現在は転轍機を持たない棒線駅となっているが、かつては島式ホーム1面2線を有する列車交換可能な交換駅であった。 日高本線が日高三石駅までしか開業していなかった頃は、ほとんどの列車がこの駅で交換する運行ダイヤが組まれていた。


現駅舎に建替えの際にホーム側に寄せて
島式ホームが単式ホーム化したようである
※ ウィキペディア画像を拝借

使われなくなった駅舎側の1線は、交換設備運用廃止後もしばらくは苫小牧方の転轍機と構内踏切手前までが側線として残っていたが、転轍機の先のホームに至る間の部分に車止めが設置されていた。
だが、1993年頃に完全撤去されている。 その転轍機の名残でホーム前後の線路は湾曲している。


貨車駅舎だった以前の節婦駅舎
※ ウィキペディア画像を拝借

静内駅管理の無人駅で、駅舎は構内の南西側に位置しホームに接している。 有人駅時代の駅舎は改築され、車掌車改造の貨車駅舎を経て、新築のログハウス風の建物に建て替えられ、駅舎の位置も現在の場所に移動している。

駅名の由来は当駅の所在する地名からで、地名はアイヌ語由来であるが、「ポロセプ(ペッ)」〔親なる広い(川)〕、または「スッセ」(麓・広い)、あるいは単に「セ」(広い)など諸説があって判明していない。




こういうのを撮りたくて日高線へ

   有名撮影地の裏側で・・ 日高本線の『初撮り』を記した旅行記より
やはり、車寝も4連泊となるとチトしんどい。 朝5時前に目覚めたのだが、しんどいのでもう一眠りとシュラフに潜り込むと、けっこう気持ちいい。 ・・で、起きたら7時8分前。 よう寝れたわ、氷点下10.5℃で・・。 だが、7時台の列車はまず無理。 新冠8時24分の列車も、かなり苦しい。
つまり、朝寝坊である。

まぁ筆者は、小吹雪の甲斐駒ケ岳の頂上でテント泊して、寝過ごしてしまって翌朝の快晴の日の出を撮りもらした前歴があるので、こんなのは可愛いいもんである。 取り敢えず前日に買ったおにぎりを頬張って、判官岩のある新冠の手前にある節婦に向かう。 ちなみに、この判官岩は『源義経=チンギスハン伝説』ゆかりの史跡で、一応歴史遺産=地球遺産って事になるだろう。

道は雪の一つなく、快適にゆける。 で、8時少し前に有名撮影地と目される判官岩の後ろ側に立つが、足場がなくイメージもなんとなく違う。 ・・で、ここをパスしてウロウロしていると、案の定に新冠8:24発の列車が行ってしまった。

仕方がないので、有名撮影地と目される判官岩の後ろ側から撤収して、節婦駅付近まで戻ってそこから波打ち際に降りる事にした。 「9時台の上下2本さえ撮れればいいか」と、半分なげやりで太平洋の波打ち際へ・・。


ふと降り立ったその沙浜には
素晴らしいシーンが広がっていた


彼らにとって押し寄せる波は
津波となるのだろうか


ウミネコと海を撮るのに夢中になって


この地に来た目的の『列車』を逃しかけたよ

そこには、海の情景がおりなす素晴らしいシーンが広がっていた。 これを目にすると鉄道撮影はどうでも良くなり、ウミネコが波うち際で佇むシーンや羽ばたくシーン、キラキラと光る波を撮るのに夢中となっていた。


ウミネコが金色のシジマに羽ばたくシーン
こんなのに魅せられると
『本番』の事など忘れちまう

やがて、列車の時刻。 一瞬、列車の撮影を忘れそうになったよ。 でも、何とかタイミングはつかむ事はできた。 なぜなら、列車の速度が遅いからだ。 次は12時前まで列車はない。
さてどうするか。


列車の時刻になると
意地悪にも日が陰って
何とか撮影のタイミングは
つかむ事ができたよ

かつてはひと所で、3時間でも4時間でも待つ根性と情熱があった。 でも、今は逆立ちしても無理だし、逆立ちも出来ないし・・である。 「ならどうするか?」と言えば答えは一つ、車の中に戻って寝るだけだ。 仮に寝過ごしても、昼下がりの列車は逃しても構わないのである。 光線の具合も平凡だろうし。

で、目覚めたのは、11:10・・。 ちょうどいいと時間である。 ここは、行きに目にした厚賀の鉄橋に撮影場所を変更する事にしよう。 なお、厚賀での行動は、『路線の思い出』の『厚賀駅』として改めて記事にしたいので割愛する事にしよう。 ちなみに、この日の厚賀駅付近の撮影は、次行に記したセリフの如く・・でっす。

「あぁ、そういえば、今日は全部逆光だねぇ」と。 だから13時のは、再びあの波打ち際戻って順光のモノを“セーブ”せねばなるまい。 で、ムダに往復する。 「まぁ、失敗してたら、順光のヤツを掲載すればいい」という、逃げと現物確保に奔走する小市民の筆者であった。


波が入ってこの日の一番星か

まぁ、9歳から鉄道写真を撮って30年以上・・。 失敗する事はなかろう。 「いや・・、望遠手持ちなら、筆者(タワケ)は何かオチャメをやらかすかも」という事で、帰って現像が上がるのが楽しみとなったよ。


周回する列車の速度が遅いので
『保険撮り』が利くね

その後、15時半の列車は、清畠の近くの小さな鉄橋で、もはや海上に沈みゆく夕陽となった陽をバックに、ド逆光にチャレンジ。 結果は失敗してますた。 掲載できるレベルにござんせんでした。
予定では、「ギラリと輝く海原と列車のシルエット」を夢見たけど、真っ赤な空と真っ黒な物体が映っていただけだった。 まるで、レンズキャップをしたままシャッターを切ってしまったかの如くの一品でした(涙)。


でもホンネは
「順光で失敗せんで良かった」
清畠でズタボロなデキだったから特に

15時半の列車を撮り終えると急速に日が暮れて、16時をまわる頃には日没になっていた。
なので、鵡川の『道の駅』に戻って温泉(鵡川の『道の駅』は温泉ホテルが併設している)に入り、夜飯はちょっと贅沢に・・という事で苫小牧に出てメシを食うが、国道36号に入った途端に札幌ほどではないが完全な圧雪アイスバーンになった。

この分だと、明日の予定であるインクラの滝は、アプローチの農道が雪で吹き溜まって通行不能やもしれない。 となると、今日今イチのデキだった日高線の撮影を繰り返すか・・って事になるかも。

・・で、この夜も、『道の駅・むかわ』で夜を明かす。 レンタカーは日産のマーチだが、寝心地がいいのか何なのか、起きると6時過ぎだった。 この時刻では、インクラの滝は「雪はどうのこうの・・」と言う以前に時間的に無理っぽいのである。 つまり、旅においては完璧な朝寝坊ですね。
・・で、旅の最終日の今日も、日高本線の撮影に決まり。


新冠発8:24の列車には間に合った・・が
スポットライトに照らされた砂浜という
舞台に立つ彼らに意識がいってしまい
『逆光で真っ黒け』の御臨終でした

厚賀で7時台の1本を撮って、あの有名撮影地の裏側の砂浜まで一直線に駆けて、新冠発8:24の列車には間に合った。 少ないセットアップの時間の中で描くイメージとしては、『陽の光でキラキラ輝く海原と逆光の列車』であるが、『逆光で真っ黒け』のリスクが高そうだ。←結果は御臨終でした・・ ナムゥ~。


要するに新冠発8:24の列車は
「またもやウミネコさんに夢中になって失敗しますた」
って事ですね

さて、今回の北海道の旅も、あと9時台の2本の撮影を残すのみとなった。 その勝負は、こちらに向かってやってくる上り列車だ。 でも、ウミネコ達が美味しい表情を魅せてくれて、純粋に列車を撮ろうとするワテを妨害しよる。 もの凄く、ウミネコ達と海の情景が素晴らしいのだ。
思わず、カメラを向けて撮りたくなってくる。

ファインダーを覗くと、オスカー顔負けの名演技を魅せる彼がいたのである。
こうして、今月の壁絵の記事に記した、『有名撮影地』の裏側での物語が出来上がったのである。



有名撮影地への入り方が判らず
「このままでは撮影場所が決まらぬ」と
焦り半分で適当に浜に降りてみた

その砂浜は有名撮影地の”裏側”だった
有名撮影地の”裏側”という事で
ノーマークで誰一人やってこない

やってくるのは
ウミネコやオオカモメなどの海鳥と
それを喰らおうと狙う
オオワシなどの猛禽類の大鳥だけだ

その「適当に降りた」浜の波打ち際は
時には極寒が織りなす神秘的な情景を魅せ
時には寄せる波が陽の光でキラキラと輝く

その陽の光がキラキラと輝く砂浜に
オスカー顔負けの演技を魅せる
彼がひとりたたずんでいた

行き交う列車を見つめる彼の名演技は
ただの黒潰れを最高の物語に仕上げてくれた・・

彼の珠玉の名演技は
「このままでは元が取れぬ」と
邪な心で焦っていたワテを救ってくれたのだ

そう・・、この「適当に降りた」浜の情景は
超ド級の『ストライク』で
完全に有名撮影地を喰っていたのだ

こうしてこの砂浜は
『我がパラダイス』となったのだ



行き交う列車を見つめる彼の名演技は
ただの黒潰れを最高の物語に仕上げてくれた
だが・・「被災区間の廃止」という
非情な現実を突きつけられて
この浜はもう二度と
『我がパラダイス』とは成り得ない

続く二枚目は、彼が演技を中断した為に、「ただの黒潰れ」という『オチャメ』なデキになっちまったよ。
・・こうして、この「有名撮影地の裏側」の浜が、『我がパラダイス』となったのだ。


2枚目はそっぽ向いちゃいましたね

・・結局、ウミネコのシーンがメインとなってしまったが、とにかく楽しかった。 なぜなら、ワテは『鉄道写真』を撮りに来たのではなくて、『風景鉄道写真』を撮りたくて北海道に来たんだから。


押し寄せる自らの背丈よりも
高い波に動じない彼が


挙動不審となる時
それは


それはウミネコさんが
飛び立つシーンの前ぶれですね

後は、新冠で温泉に浸かり、車を返却して飛行機で帰るだけだ。 飛行機は16時なので、2時頃に車を返せれば丁度いいだろう。

   ※ この記事の旅の全編はコチラでっす。

















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No title * by 鳳山
荒涼たる海と山、北海道らしい風景ですね。ウミネコが素晴らしい。

ナイス

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

この時はオスカー級の名演技を魅せる彼がいたので、『撮り鉄』よりもウミネコの彼らの撮影に熱中してしまいました。

北の海のおりなす絶景と列車が撮影できる絶好の撮影場所なの「でした」が、2015年の高波被害による路盤の流失で、以来ずっと不通となっていました。

そして、このほど地元自治体が被害区間の大部分の廃止を容認したことで、この浜を行く区間も恐らく廃止となるでしょう。

また、北の鉄道名景が一つ消えていこうとしています。 でも、こうした末端区間の廃止淘汰は、個人的な感情の鉄道情景云々だけではなく、日本の末端区間の過疎荒廃=国土末端地域の国土保全上の問題となってくる危惧がありますね。

コメント






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No title

荒涼たる海と山、北海道らしい風景ですね。ウミネコが素晴らしい。

ナイス
2018-12-19 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

この時はオスカー級の名演技を魅せる彼がいたので、『撮り鉄』よりもウミネコの彼らの撮影に熱中してしまいました。

北の海のおりなす絶景と列車が撮影できる絶好の撮影場所なの「でした」が、2015年の高波被害による路盤の流失で、以来ずっと不通となっていました。

そして、このほど地元自治体が被害区間の大部分の廃止を容認したことで、この浜を行く区間も恐らく廃止となるでしょう。

また、北の鉄道名景が一つ消えていこうとしています。 でも、こうした末端区間の廃止淘汰は、個人的な感情の鉄道情景云々だけではなく、日本の末端区間の過疎荒廃=国土末端地域の国土保全上の問題となってくる危惧がありますね。
2018-12-20 * 風来梨 [ 編集 ]