風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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オホーツク縦貫鉄道の夢  第16回  根北峠を越えて・・

『オホーツク縦貫鉄道の夢』  第16回  根北峠を越えて・・
 

虫類駅から糸櫛別駅までの
根北線予想沿線図
 
前回までは、ちょっと(ちょっとじゃないだろう?)話題を変えて、『バックパーカー』である(ナンチャッテだけれど・・)私の夢であった知床岬の踏破に話数を割いたが、再び根北線の知床・羅臼口(浜古多糠)に戻って、根北線の空想列車の旅を再開しよう。
 

浜古多糠からの沿線風景は
旧国鉄・白糠線のイメージを思い描く
 
知床への玄関口の《浜古多糠(知床・羅臼口)駅》から列車は大きく左へ進路を変え、海より離れて半島内陸部へ入り込む。 大きく湾曲しながらポン古多糠川に沿って、日本最後の秘境・知床の原生林が鬱蒼と樹立する中を行く。 そのイメージとしては、同じくワースト1赤字線として廃線となった白糠線の沿線風景が浮かんでくる。
 

その沿線風景のイメージは、過疎ゴースト地帯を通り、同じく閑散
路線として営業係数ワースト1に名を連ねて、僅か19年で廃止に
追い込まれた偉大なるローカル線・白糠線を思い起こさせる
 
ポン古多糠川に沿ってしばらく進むと、やがて浜から内陸に向けて延びる基線道路が近づいてくる。 
基線道路上にポツリポツリと集落が見え、やがて郵便局や雑貨屋などの店が見えてくると、森の中にある小集落の駅《古多糠駅》に着く。
 

白糠線とは敷設計画された年代も近く
森の中の小集落・古多糠駅の駅舎は
白糠線の上茶路駅に似た造りかもしれない
 
駅前に1件のみ存在する店の軒先には、松山容子(調べた)の古いボンカレーや大村混のオロナミンCなど、かつて見た記憶のある看板を目にする事があるかもしれない。 過疎集落にありがちな、ある時点で時を打つのを止めた“パラレルワールド”チックな風情である。 あくまでも想像の範疇ではあるのだが・・。
 

何か物寂しげな情緒を魅せていた
旧国鉄の廃止路線・白糠線
 
《古多糠駅》を出ると、古多糠洋台牧場の広大な酪農牧場が見えてくる。
インターネットで同牧場を調べたのだが、化学飼料を極力廃した自然の酪農手法で、安全で美味しい食の生産を目指す酪農学校も併設されているとの事。 アンガス種の食用牛が、大自然の元で放牧されている姿を見る事ができるだろう。 基線道路と平行して進み、広大な牧場をやり過ごす。
 
放牧地が過ぎ去って、まもなく基線道路と離れ虫類川を渡る。 川はこのあたりから渓谷を成している。名峰・斜里岳を源にした流れは、この上流に《金山の滝》や数々の無名滝を連ねている。 
川を渡ってしばらくすると、国道が通るだけで何もない所にボロボロに朽ちた駅舎と土盛りのホームが見えてくる。 《糸櫛別駅》である。
 

糸櫛別駅は雪に埋もれたゴーストタウンの駅
旧士幌線 幌加駅がワテのイメージに最も合致する
 
ここは並走する国道を車で通った事があるのだが、ものの見事に“ゴーストタウン”と化していた所である。 周囲には民家の1軒も見当たらず、そしてあまり雰囲気も宜しくなく、早く抜け出したい思いに駆られて車を疾走させた記憶しかないのである。 イメージとしては、さしずめ士幌線の幌加駅の抱く雰囲気といった所だろうか。
 

糸櫛別駅から瑠辺斯駅までの
根北線予想沿線図
 
ほぼ“ゴーストタウン”と化した《糸櫛別駅》を出ると、列車は国道と共に山峡の樹海の中へ入っていく。
“何もない・・”というより、深い樹海が薄気味悪い・・といった感じだろうか。
やがて、虫類川が寄り添ってくると、少し人の気配が戻ってくる情景に出会える。
それは《金山温泉》と、そのドライブインへ誘導する看板と金山スキー場の施設である。

根北線の建設計画では、この金山付近には駅を設ける予定はなかったのだが、路線内で最大!?の観光施設のあるこの場所に駅がないのも不自然と感じたので、《伊茶仁仮乗降場》と同じく《根室金山駅》を“勝手に”設けた。 でも、夏に車で国道244号を通った時に目にした現実を明かすと、《金山温泉》は閉鎖されてドライブインの残骸を残すのみであったし、スキー場もそれらしき雰囲気の建物は皆無で恐らく閉鎖状態なのだろう。

従って、この金山地区で唯一観光名所として言えるのは、《金山ノ滝》位だろうか。
この滝は渓谷状になった虫類川の河床滝で上下2段の滝があり、上下の間が少し離れているとの事である。 河床のナメ滝なので落差はさほど無いが、秋の紅葉時はいい撮影スポットとなりそうである。 

だが、駐車場はある(例のドライブインの残骸)ものの、観光客の為の施設(トイレなど)はなく、滝好きでもなければわざわざ足を運ぶ所ではないのだろう。 私も車で走った当日は天気が怪しかった事もあり、滝のある事にも気付かず通り過ぎたのだが・・。 なお、この《金山ノ滝》を紹介しているサイトさん(『滝の飛沫』 管理者・遙香氏)があったので、興味がある方は覗いてみて下さい。


《根室金山駅》からは、国道244号と虫類川に沿って最奥の《根北峠》へと進んでいく。
《金山ノ滝》などを魅せる虫類川渓谷は、残念ながら国道の影にかくれて見えない(渓谷沿いに線路を敷設するのは建設費増のリスクがある事なので、こういう設定としました)。 やがて峠前の無人地帯に、“列車行き違いの為の信号所”としての意味しかなさぬような駅に到着する。 《瑠辺斯駅》である。
 
私が描く《瑠辺斯駅》のイメージは、断然石北本線で廃駅となった《奥白滝》だろう。 
峠越えの無人地帯と、国道沿いの意味も無く広い駐車場(石北本線のこの区間を並走する国道333号線の奥白滝駅跡前には500台は駐車可能な駐車場の他、近くに『道の駅・しらたき』まである)という設定もピッタリだ。
 

ルピナスが駅を飾る
瑠辺斯駅もこんな風景ならいいのにな
石北本線 旧奥白滝にて 
 

廃駅となった跡を列車は通り過ぎる
駅の土盛りに咲く花が短い北海道の夏と
そこが駅のホームであった事を物語る

願わくば、《瑠辺斯駅》も奥白滝駅跡のような花に囲まれた情景である事を想定したい。
“花で囲まれた駅”だとか“列車行き違いの信号所”などと妄想を膨らましてはみたが、峠前の無人地帯・・という状況からの《瑠辺斯駅》の利用期待度は恐らくゼロであろう。 

利用できる理由として、私には《瑠辺斯岳》という標高 659mの山への登山客位しか思いつかないのだから・・。 そして、その登山客も当然の如くマイカー利用で、わざわざ列車に乗って来る訳もないのだから・・。
 

樹海だけが広がる無人地帯の根北峠に
観光に来る人って存在するのだろうか
 
《瑠辺斯駅》を出ると、しばらく国道244号と並走した後、次第に国道と離れていく。
樹海の中の平坦な所を縫いつつ、峠はトンネルで一気に越えていく。 ここは峠の無人地帯なので、最も路線の敷設が容易なルートを選ぶだろう。 これは当時のトンネル掘削技術にもよるが、もしかしたら「《瑠辺斯駅》の少し先の辺りから、長大トンネルで一気に峠越え」かもしれない。
 

瑠辺斯駅から上越川駅までの
根北線予想沿線図
 
トンネルで峠を抜けてしばらくすると、“あの有名な橋”が架かっている幾品川が見えてくる。 
“あの有名な橋”は後ほどのお楽しみ・・にする事にして、ここではこの川の源である斜里岳 1545メートル について少々。 
 
根北峠を抱く北見・根室国境の位置にそびえる山で、知床へ注ぐ虫類川や広大な斜里平原を潤す幾品川の源の山である。 容姿端麗な山容を示し、山懐に滝を幾重にも掛けている。
根北線があったなら、この美しい山を見ながらの汽車旅が楽しめる事と思う。
それでは、次回は斜里岳での思い出をひとつまみ御紹介しよう。←これって、本当に鉄道旅行記?
 

次回はまたまた脱線して
斜里岳に登ってみましょう
 
 
   ※ 詳細はメインサイトより、
     架空旅行『オホーツク縦貫鉄道の夢・根北線編』を御覧下さい。


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No title * by オータ
いろいろ貴重なお写真をお持ちで、感心しました…

No title * by 風来梨
こんばんは。

高校に入った頃から、特定地方交通線の大方のケリが着いて一時的に鉄道を離れるまでの間、かなり追っかけてました。 そのお陰で、「撮ってて良かった」ってものが幾らかストックできました。

コメント






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いろいろ貴重なお写真をお持ちで、感心しました…
2011-06-19 * オータ [ 編集 ]

No title

こんばんは。

高校に入った頃から、特定地方交通線の大方のケリが着いて一時的に鉄道を離れるまでの間、かなり追っかけてました。 そのお陰で、「撮ってて良かった」ってものが幾らかストックできました。
2011-06-19 * 風来梨 [ 編集 ]