2018-10-11 (Thu)✎
『日本百景』 秋 第350回 裏剱・仙人池 act 2 〔富山県〕
雲間から射す朝の光が
剱の八ッ峰にストライプを描く
剱 岳 つるぎたけ (中部山岳国立公園)
立山連峰の中でひときわ嶮しく、氷河地形を顕著に示しているのが剱岳である。 山頂は氷食尖峰で、氷河が永い時をかけて多くの嶮しき谷を創りだしている。 これらの谷は、《長次郎谷》・《平蔵谷》・・など、これらの谷を世に広めた先駆者達の名前がつけられている。
剱岳の魅力は、何といっても“奥の深い”楽しみ方にある。 初心者ならば、室堂からお花畑を突っ切って剱の頂に立つコースがお勧めである。 山歩きに慣れた中級者ならば、剱沢雪渓を渡って仙人池・黒部渓谷に至るコースがいい・・。 剱沢の万年雪渓を突っ切って、裏剱の八ッ峰と仙人池を目指すのである。
立山連峰の中でひときわ嶮しく、氷河地形を顕著に示しているのが剱岳である。 山頂は氷食尖峰で、氷河が永い時をかけて多くの嶮しき谷を創りだしている。 これらの谷は、《長次郎谷》・《平蔵谷》・・など、これらの谷を世に広めた先駆者達の名前がつけられている。
剱岳の魅力は、何といっても“奥の深い”楽しみ方にある。 初心者ならば、室堂からお花畑を突っ切って剱の頂に立つコースがお勧めである。 山歩きに慣れた中級者ならば、剱沢雪渓を渡って仙人池・黒部渓谷に至るコースがいい・・。 剱沢の万年雪渓を突っ切って、裏剱の八ッ峰と仙人池を目指すのである。
このコースの全般に渡って眺められる裏剱の景観は、とにかく“素晴らしい”のひとことに尽きる。
八ッ峰を映す仙人池や彩り鮮やかな池ノ平、そして夏の“まだ人知れぬ”池ノ平山のお花畑、秋の燃える紅葉と、魅力が盛りだくさんである。
そして、上級者ならば、楽しむ観点はやはり“直に観る”であろう。 《長次郎谷》から標高差1000mの雪渓を乗り越えて頂上に立ったり、八ッ峰を“眺める”ではなく直に登る・・というのも上級者ならではの楽しみ方であろう。 また、一生涯をかけて、“幻の滝”・剱大滝にアタックするのも夢がある。
・・このように、どのレベルの登山者でも楽しめるのが、この剱岳である。
八ッ峰を映す仙人池や彩り鮮やかな池ノ平、そして夏の“まだ人知れぬ”池ノ平山のお花畑、秋の燃える紅葉と、魅力が盛りだくさんである。
そして、上級者ならば、楽しむ観点はやはり“直に観る”であろう。 《長次郎谷》から標高差1000mの雪渓を乗り越えて頂上に立ったり、八ッ峰を“眺める”ではなく直に登る・・というのも上級者ならではの楽しみ方であろう。 また、一生涯をかけて、“幻の滝”・剱大滝にアタックするのも夢がある。
・・このように、どのレベルの登山者でも楽しめるのが、この剱岳である。
裏剱・仙人池・黒部渓谷ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR富山駅より鉄道利用(1:05)→立山駅よりケーブルとバス(1:00)→室堂
(0:20)→雷鳥平(1:50)→剱御前小屋(0:40)→剱沢キャンプ場
《2日目》 剱沢キャンプ場(0:30)→剱沢雪渓取付(1:50)→真砂沢ロッジ
《2日目》 剱沢キャンプ場(0:30)→剱沢雪渓取付(1:50)→真砂沢ロッジ
(1:30)→近藤岩・二股 (2:20)→仙人池 (0:35)→池ノ平
途中の仙人峠より仙人池まで片道5分、池ノ平まで片道30分
《3日目》 池ノ平(0:35)→仙人池(1:20)→仙人温泉(1:20)→阿曽原温泉
《3日目》 池ノ平(0:35)→仙人池(1:20)→仙人温泉(1:20)→阿曽原温泉
(4:30)→欅平より渓谷鉄道利用(1:20)→宇奈月温泉駅より鉄道利用
(1:30)→富山駅
※ 前回『第349回 裏剱・仙人池 act 1』からの続きです。
裏剱が魅せる”クライマックス”へ
《3日目》 仙人池から阿曽原温泉を経て黒部渓谷・欅平へ
朝、目覚めたなら、すぐさまテントを撤収して《仙人池》の畔に向かおう。 もちろん、その目的は、朝の《仙人池》と《八ッ峰》の絶景を魅る為である。 前回では書きそびれたが、翌朝素早く出発できるよう、就寝前に準備をしておく事が必要だろう。
朝、目覚めたなら、すぐさまテントを撤収して《仙人池》の畔に向かおう。 もちろん、その目的は、朝の《仙人池》と《八ッ峰》の絶景を魅る為である。 前回では書きそびれたが、翌朝素早く出発できるよう、就寝前に準備をしておく事が必要だろう。
前日に魅せられたモノ
剱・八ッ峰への落陽シーン
:
魅惑的な黒い影に
呑み込まれそうな感覚を抱く
その姿を《仙人池》の水鏡に
逆光の黒い影で落としてみた
:
前日にこんなのを魅せられると
朝の情景への期待は否応なしに膨らむ
10月ともなると日の出は6時過ぎとなるを考慮して逆算すると、《池ノ平》まで35分かかるとして、5:30までの出発が望ましいだろう。 でも、5:30はまだ夜明け前で空が明るくなってきた程度なので、カンテラを点けて歩くのは必須だろう。 山道の夜明け前なので、急ぐとは言え足元には注意しよう。
この山行の集大成と言える
情景がそこにあった
着いた《仙人池》では、この山旅のクライマックスのシーンが目の前に展開されている事だろう。
それは、《八ッ峰》が朝日を浴びて輝く様が《仙人池》の水面に投影される絶景である。
また、雲間から射す朝の光が、剱の八ッ峰の岩峰に様々な情景を描くのである。
それでは、そのクライマックスの絶景をごろうじろ。
剱・八ッ峰のクライマックスシーン
雲間から射す陽の光は気まぐれ
先ほど照らしていた所が影になり
影っていた所が輝きだす
雲間から射す光はその強弱がおりなす
影とは違ったストライプを魅せる
そのストライプは
《仙人池》の水鏡にも映し出されていた
ずっといたい、いつまでも眺めていたいが
去らねばならぬ時がやってくる
いつまでもいたい・・、いつまでも眺めていたいが、《欅平》のトロッコ列車の便の事もあるので6:30頃には出発せねばならない。 後ろ髪をひかれる思いで出発する。
絶景を思い返しつつ
下っていこう
《阿曽原温泉》へは、ヒュッテ前のクマザサの道を右へ下っていく。 クマザサ帯を過ぎると、岩が敷きつめられた階段状の道となる。 途中、つづら折りに折り返す地点が土砂崩れとなっているので注意しよう。 この土砂崩れを伝っての踏跡もついていて、逆コースからだと短絡ルートと見まがいそうだが、決して入らぬように(シーズン中はロープを張ってあるようだ)。
黒部へ下る程に紅葉が色着いて
しばらくこの石畳状の道を下っていくと、《仙人峠》から刻まれた本谷と合流する。 ここから、長い長い《仙人谷》の下りだ。 この谷筋は8月初旬頃まで長大な雪渓となっていて傾斜もそれなりにあるので、早い時期だとアイゼンが必要となろう。 下っていくに従って谷幅も広くなり、雪渓も途絶えて右岸の岩場の一段下った所から登山道が現れてくる。 この道を伝っていくと、左下に《仙人温泉》の白い湯煙りが見えてくる。
これが見えると左岸に渡って、石の階段を下ると《仙人温泉小屋》前に出る。 時間があればひと風呂浴びたい所だが、《欅平》までの道程が長く時間に追われているだろうから、今回は“見送り”であろう。
たぶん、この時間(AM8時頃か)に立ち寄っても、風呂には入れないであろうが。
斜めから射し込んだ光が
織りなす光茫が美しい
《温泉小屋》前を通った先にある温泉風穴でひと息着いたなら、またひたすら下っていこう。
《温泉小屋》からは、特に変わりばえのしない樹林の道を下っていく。 途中の変化といえば、『黒四発電所』の鉄塔が見える位であろう。 期待する《黒部渓谷》の流れは、俯瞰できそうにないみたいである。 やがて、樹林帯の中にもぐり込み、視界がなくなると《阿曽原峠》だ。
峠からのつづら折りの坂を下って、《黒部渓谷・下ノ廊下》を貫く道と合わされば、程なく《阿曽原温泉小屋》の前に着く。 ここから先、《欅平》までの行程ガイドは『第138回 黒部渓谷』で記しているので、この項目では簡単にとどめておこう。 《阿曽原温泉》から《欅平》まで12km・所要時間は約4時間半である。
色めきづく秋の十字峡
途中に《志茂谷トンネル》という、崩れた瓦礫で埋もれた中を掘られたトンネルがある。
実はこのトンネル、延長300m位の“洞窟”なのである。 もちろん暗闇で、下は水深10cmの水が流れている。 問題といえば、このトンネルの通過くらいであろうか。
志茂谷の洞窟を通り抜けると
紅葉に染まる滝の絶景が
後は、決して『水平歩道』上で暴れない!?事だ。 『水平歩道』から転落したなら、200mの“奈落の底”であることを忘れずに・・。 雨の日さえ避ければ、何も恐れて歩く必要はない。
渓谷を楽しみながら歩いていこう。
- 関連記事
スポンサーサイト
No title * by 風来梨
ギャメロンさん、こんばんは。
小屋が閉まったシーズンオフに突入した直後の時期なので、誰もおらずにこの絶景を独り占めでした。
空は雲が多めでしたが、雲間から差す光が劔の八ッ峰の岩峰に様々な模様を描き、立ち去るのが惜しい情景でしたね。
また、来年の秋でも計画してみようかな?
小屋が閉まったシーズンオフに突入した直後の時期なので、誰もおらずにこの絶景を独り占めでした。
空は雲が多めでしたが、雲間から差す光が劔の八ッ峰の岩峰に様々な模様を描き、立ち去るのが惜しい情景でしたね。
また、来年の秋でも計画してみようかな?
素晴しい八ッ峰の水鏡風景ですね
魅入ってしまいました
ナイス!