風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第347回  竜頭ヶ滝

『日本百景』 秋  第347回  竜頭ヶ滝  〔島根県〕


美しい白絹を描く
竜頭ヶ滝

   竜頭ヶ滝 りゅうずがたき  落差 40m  島根県・雲南市(旧 掛合町)

『日本の滝100選』にも選出されているこの滝は、滝の裏側からも落水模様を望める『裏見の滝』としても知られている。 またその美しい滝の白絹模様は、今までに私が訪れた滝の中でもトップクラスであると思う。 それでは、この滝へのアプローチなどを御紹介しよう。




龍頭ヶ滝 位置図

   アプローチ  国道54号線の『道の駅・掛合の里』より島根県道39号線を経て約8km
          駐車場より徒歩で約10分(約 500m)

JR木次線に沿って伝う国道314号の約30kmほど西側を南北に縦断する国道54号線が、島根県のメインの『滝ロード』である。 そして、2桁ナンバーの国道という事で、この地域の最重要幹線でもある。
従って、道の駅やコンビニなども、沿線上にチラホラと点在する。

滝へは、『道の駅・掛合の里』の少し北側から西に延びる県道39号に入っていくといい。 この県道の交差点には『竜頭ヶ滝』への案内板が掲げてあるので、それを見落としさえしなければ容易に滝まで行けるだろう。 最後は1車線となるが滝前駐車場までの全区間が舗装されてあり、アプローチは何ら心配ない。 ただ、国道54号の分岐から7~8kmはありそうなので、車は必需となろう。

滝への案内指標の指示通りに《滝谷川》山あいの小集落までつめると、『P(パーキング)』の看板が出てくる。 ここが駐車場のようだ。 10台くらい駐車できるスペースだが枠表示などはなく、訪れた者も私だけのようであった(ちなみに、ここで車寝をした)。 駐車場には、竜頭ヶ滝と名付けられた由来を記した看板がある(源平時代での源頼朝公の名馬『池月』からの事らしい)。

『パーキング』より最北端の民家を抜けると車の進入が不可能な滝参道になる。 滝参道の入口には滝茶屋が建っている。 中が荒れてない所を見ると、シーズン中は営業しているようである。 ここから滝参道を350mほど行くと、トイレとあずま屋の建つ滝入口に着く。 
入口には『雄滝 80m→』『雌滝 40m↑』と指示してあり、取り敢えず『雌滝 40m↑』の方から訪ねる事にしよう。

落葉が敷き詰められた河床と雌滝

その日は夜半ずっと雨が降り続いていた事もあって、沢岸の岩を彫って段差をつけた階段はズル滑りする。 だが、ほんのちょっとなので慎重に行きたい。 ここで転ぼうものなら、気が萎えて“ゲームオーバー”になりかねないから。

沢岸の石段で軽く沢をつめると、《雌滝》が姿を現す。 河床には落葉が散りばめられていて、その奥に落差15m位の段爆があるが、容姿としては今イチの感がある。 
撮影中に雨がパラパラと来たせいもあって、撤収半分の気持ちで撮ったので画像も今イチです(→言い訳)。

《雌滝》を撮り終えたなら、メインの《雄滝》に行く事にしよう。 《雄滝》へは先程の分岐に戻り、指示通りに橋で沢を渡って対岸に取り付く。 そして、150段位の木の階段を昇っていくといい。
なお、沢にある木の階段で、なおかつ雨上がりという事もあるのでスリップには注意したい。
転んだら、かなりイタイと思うし・・。

この階段をつめると、《雄滝》が姿を現す。 何と優雅な滝なのだろう。 言葉で何と語ろうとも、この秀麗を表現する事は適うまい。 従って、稚拙ではあるが、ワテがフイルムとカメラを通して見た映像を元に表現しようと思う。


階段を昇りつめた
先に広がる情景は


落水の白い絹糸が
織りなす情景だった


それは繊細で優雅な
“雅”の調べの滝であった

木の階段を昇りつめ、視界にこの滝が広がった時、その優雅さに呆然となった。 正直言うと、《雌滝》が“期待ハズレ”だった事で期待を持たずに階段を昇りつめていたのだが。


繊細で優雅な“雅”の調べ
に夢中になって


この滝を撮りまくった


それは期待を抱かずに訪れた
気まずさを誤魔化すが如くに

《竜頭ヶ滝》の落差は40m。 その滝は“豪壮”のイメージではなく、繊細で優雅な“雅”の調べであった。 そして、この滝で忘れてはいけないのが、滝下の洞窟から望む滝の“裏見”の妙であろう。
その滝下の洞窟から望む情景は、まさに庭園風景。 しばし、高貴な夢に心を預けよう。


落水する絹糸が描く模様も
優雅な調べを魅せていた


竜頭ヶ滝は滝の下部に
洞窟のある“裏見の滝”だ


裏見の洞窟より望む
庭園風景


斜めから望む
落水風景が最も美しい

どんなに撮っても撮り足りない思いがした。 でも、立ち去る時は必ずやって来る。 そのジレンマからくる焦燥感を少しでも振り払うべく、必死にカメラを滝に向ける。 少しでも、「もっと、いろいろなアングルで撮ればよかった」との悔いを小さくする為に。


白絹が岩肌を
美しく刻んで


淵にたたずむ落ちた枝木を
雪のように輝かす

いつまでもこの時を味わっていたいが、立ち去る時がやってきた。 「またいつか・・、ふらりと立ち寄る事ができたならいいな」との思いを胸に、この美瀑を後にしよう。 なお、下りの木段は更に滑りやすいので注意したい。 素晴らしい滝風景に出会えて、心が高揚している事だと思うから。








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No title * by chinu
こんばんは。この滝は、絶景ですね。水の線が細いというか、繊細というか。駐車場からも近そうなので、体力のない自分でも行けそうですね。
それにしても、素晴らしい。是非、行ってみたいです。

No title * by 鳳山
優雅というか荘厳というか…。直接見てみたい滝ですね。

ナイス

No title * by 風来梨
chinuさん、こんばんは。

雌滝が今イチで期待せずにいったのが、石破恥ずかしくなるほどに優雅な滝でした。 その優雅な姿に、フイルム2本近く費やしてしまいましたよ。

この滝への訪問については、滝へのアプローチは楽なのですが、この現地までが遠いですね。 周囲に街がなく、宿泊も車寝となりそうな所です。

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

優雅な流れに虜にさせられる滝です。
ただ、車は必須で周囲に街もなく、目的を滝見オンリーにしなければ、なかなか行けないロケーションですね。

鳳山さんのご当地の九州にも魅惑的な滝が多数ありますので、ご紹介していきたいな・・と思います。

コメント






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No title

こんばんは。この滝は、絶景ですね。水の線が細いというか、繊細というか。駐車場からも近そうなので、体力のない自分でも行けそうですね。
それにしても、素晴らしい。是非、行ってみたいです。
2018-09-26 * chinu [ 編集 ]

No title

優雅というか荘厳というか…。直接見てみたい滝ですね。

ナイス
2018-09-27 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

chinuさん、こんばんは。

雌滝が今イチで期待せずにいったのが、石破恥ずかしくなるほどに優雅な滝でした。 その優雅な姿に、フイルム2本近く費やしてしまいましたよ。

この滝への訪問については、滝へのアプローチは楽なのですが、この現地までが遠いですね。 周囲に街がなく、宿泊も車寝となりそうな所です。
2018-09-27 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

優雅な流れに虜にさせられる滝です。
ただ、車は必須で周囲に街もなく、目的を滝見オンリーにしなければ、なかなか行けないロケーションですね。

鳳山さんのご当地の九州にも魅惑的な滝が多数ありますので、ご紹介していきたいな・・と思います。
2018-09-27 * 風来梨 [ 編集 ]