2018-08-18 (Sat)✎
路線の思い出 第274回 篠ノ井線、大糸線、アルピコ交通・松本駅 〔長野県〕
観光の玄関口と主要都市の中心駅
としての機能を果たす松本駅
※ ウィキペディア画像を拝借
《路線データ》
篠ノ井線
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’15)
塩尻~篠ノ井 66.7km 11468 / 119
運行本数
長野方面
普通 上下とも毎時1~2本、快速 3往復、特急【しなの】13往復
中央東線方面
普通 上下とも毎時1~3本、ラッシュ時は毎時4本
特急【あずさ】(松本発着・一部大糸線直通)18往復
中央西線方面
普通 11往復、特急【しなの】13往復
大糸線
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’15)
松本~糸魚川 105.4km 5691 / 176 (JR東日本管内)
131 / 857 (JR西日本管内)
運行本数
普通 松本発着 上下とも毎時1~3本(内 上り始発1本は快速)
特急【あずさ】1往復(東京〜南小谷)、特急【しなの】1往復(名古屋~白馬、シーズン・土休日運転)
アルピコ交通・上高地線
営業区間と営業キロ 運行本数(’16)
松本~新島々 14.4km 松本~新島々25往復 ※ 夏の登山シーズンにはJRの
夜行列車運行に合わせて
新島々行ノンストップ列車運行
松本駅(まつもとえき)は、長野県松本市深志一丁目にあるJR東日本とアルピコ交通の駅である。
駅の構造は0番線から7番線(0・6・7番線は切欠きホーム)まで、各ホームに2線ずつの計4面8線のホームを持つ駅で、橋上駅舎を有している。 駅長配置の直営駅であり、篠ノ井線の村井~冠着の各駅及び、大糸線の北松本駅・島内駅・島高松駅を管理している。
JR東日本の篠ノ井線と大糸線、アルピコ交通の上高地線が乗り入れている。
JRの駅としての所属線は篠ノ井線であり、大糸線と上高地線は当駅を起点としている。
駅所属線の篠ノ井線の列車については、塩尻駅を介して中央本線(中央東線・中央西線)へ直通する列車が運行の大半を占め、JR東日本では旅客案内は当駅以南も中央本線の一部として案内している。
松本市の中心駅で、駅周辺には繁華街が広がり多くの企業、また高等学校、信州大学をはじめとする各種学校の最寄駅でもあり、利用者層は幅広く平日は朝夕を主として、休日は日中を含めて混雑が見られる。
周辺に多くの観光地があり当駅はその拠点駅となっており、土休日には観光ツアーの団体客、旅行客等の利用で賑いをみせている。
松本駅・・。 長野県内の駅では、恐らくワテの最も乗降経験の多い駅である。 下手すると、関西に住んでいてもほとんど乗らない南海や阪神(姫路まで直通といってもJRの倍近くの所要時間がかかり、野球同様に大阪の品位を落とす阪神に乗る位なら阪急かJRに乗るでしょう)の乗車体験を併せた数よりも、遥かに多い乗降体験だろうと思う。
北アの山々へ行く
起点となる駅がこの松本駅だ
それは言うまでもなく、この松本駅が北アルプスの山々の基点・上高地への玄関口となるのを始め、後立山連峰の山々の基点となる信濃大町や白馬へ向かうにもスタート地点となる駅だからである。
また、南アルプスや八ヶ岳の山々から北アルプスの山々へ“ハシゴ”するにも、乗換えが必要な中継駅となるので、自ずとからこの駅での乗降数が増えるのである。 まぁ、今は南アから北アの山々へハシゴなんて、大それたマネはできないけれど。
でも、駅に立ち寄る目的が『○鉄』でないので、この松本駅で催される鉄道イベントによく遭遇するのだが、カメラを首にぶら下げて(使用カメラのcanonF-1はボディだけで約1㎏と重いので、ザックに入れずに首からぶら下げている)いてもほとんど無視状態だったりして。
『ラストラン』は189系らしいです
183系・189系・485系の見分けが
全く着かない『○鉄』なワテ
※ グーグル画像を拝借
今年にあった最後の国鉄型の車両の“ラストラン”運行も「合わせるが如く」松本駅で遭遇したが、電車の到着待ちをしていたアルピコ交通のホームから、JRの4番線ホームへ移動するのを面倒臭がって撮れず終いとなっちまったよ。 撮っていれば、それなりの閲覧者を確保できたのにね。
なぜなら、この国鉄型の車両の“ラストラン”運行のネタを記事にした『鉄』のブログが多数あって、チラッと見た中ではいずれも日の閲覧者数が300を越えていたようであったしィ。 『鉄』の追っかけ執念、恐るべし。
『ラストラン』が行われた日
その日は北アの涸沢に向かうべく
アルピコ電車を待っていますた
※ ウィキペディア画像を拝借
アルピコ交通のホームより、この“ラストラン”運行を追っかける『撮り鉄』を「定点ウォッチ」してたけど、皆が皆・・三脚に取り付けたカメラを片手に走り回っていたよ。 中には全車両り車番を総撮りしたり、国鉄時代の『JNRマーク』をドアップ撮り(通称・小倉撮り) したのを掲載していたブログもあったしィ。
このマーク
気動車の扇風機でよく見たよ
※ グーグル画像を拝借
『撮り鉄』達が到着した“ラストラン”列車の編成の前や後ろへと駆けずり回り、駅の構内放送では『撮影マナー』の呼びかけが連呼されてたし、その『撮影マナー』の呼びかけ以上に「今度到着の列車は団体専用列車で、一般の方はご乗車になれません」を連呼していたし。
まぁ、駅の構内放送で「今度到着の列車は団体専用列車で、一般の方はご乗車になれません」って連呼するのは、裏を返せば「臨時列車の到着する4番ホームは乗車不能の列車が到着するホームで、一般乗客は立ち入りをご遠慮下さい」って言ってるのに等しく、コレを勘ぐれば駅側としては「(鬱陶しい『鉄』に)近寄って欲しくない」オーラをマックスパワーで照射する意図がミエミエだったしィ。 こういうのを目にすると、何かトキめいてくる『腐ったミカン』な性根のワテ。
このように『鉄』とは相容れない体験が多くある松本駅であるが、ここ最近は山に向かうにも鉄道を使わなくなってきたのである。 それは夜行列車の運行廃止やら、普通列車の減便と運転区間の縮小で接続が合わなくなった事に加えて、大阪に戻るのに何が何でも料金が高いシンカンセンを使わせようというハラがミエミエなのに嫌気が差してきたからである。
最近は山に行くにも
鉄道より高速バス利用が
多くなってきている
※ アルピコ交通のウェブサイトより
それに加えて、夜行を含めた高速バスの充実も理由の一つに挙げられるだろう。
なぜなら、夜行の高速バスは大阪の梅田から上高地までの直通便で乗り換える必要がなく、重い荷物を持っての乗換え不要で、なおかつ早朝という登山に最も都合のいい時間に上高地に着くからである。
まぁ、列車に比べて狭く窮屈で寝苦しいのは登山をする上では嫌で嫌で仕方がない事なのだが、「(バスと比べて)断然に利用したい」と思う鉄道自体の夜行列車が全廃となって「使えない」状況となった現在は、寝苦しくて嫌なのを我慢してでも夜行バスの利用以外に山へのアプローチ手段がないのである。
他にも、マイカーって手もあるにはあるが、ガソリン代+高速代+駐車場代でシンカンセンより高くなるし、渋滞なんかに巻き込まれたなら予定を立てた休日をオーバーしてしまう危険も孕んでいるし、何より車の運転は疲れるのである。
この盆休みも槍から北穂を縦走する北アルプスの山行をコナしてきたが、往路の新穂高温泉のアプローチも、高山本線が災害で運休となって使えなかったので高山までバスを使わざるを得なくなったのである。
雨の下山でズブ濡れのズタボロになって
この時間帯に駅前に立っていたなら
ビジネスホテルに泊るしかナイっしょ!
※ ウィキペディア画像を拝借
また、帰りも雨に祟られて下山に手間取りって、その日の内に大阪へ帰る事ができる最終便に乗りそびれて松本のビジネスホテルで一泊するハメ(昔なら大糸線辺りの無人駅で駅寝だったけど、雨の下山でズブ濡れとなって自重しますた)となったが、ホテル代を加えても大阪直通のバス料金とJRの運賃+特急【しなの】の料金+シンカンセン料金で金額があまり変わらない『事実』を目の当たりにしたなら、やっぱり大阪まで乗り換えなしの高速バスって事になるわなぁ。
11時間雨に打たれてズタボロの身で
間違えた『アルプス口』
街へ出るには『お城口』だったのね
:
引き返しで歩く200mが真剣キツかった
※ ウィキペディア画像を拝借
このように、鉄道は一歩一歩利用者のニーズから乖離していっているのである。
そしてその理由が、「そんな乗客のニースに合わせても利益が上がらない」からである。
要するに、シンカンセンを利用しない客は『需要』として扱う意志がないのだろうね。
でも、率先して鉄道を利用したがる『鉄道応援団』のようなユーザーとは、「シンカンセンは高いから・・」と利用したがらないという、このような客層であるのも確かな事なのである。
そして、各地で在来線を食って増殖する『ガン細胞』・シンカンセンは、確実に『安さ』を求める大多数の鉄道利用ユーザーに嫌悪感を与えているだろうね。 なぜなら、関西圏に住む者にとっての『北陸シンカンセン』は、サンダーバート時代の大阪~富山直通に比べて乗換えの手間が増えて、なおかつ乗換えを含めた到達時間も以前より7~8分増えて、更に怒り心頭なのがシンカンセン料金を含めると2000円弱も高くなっちゃうのである。
松本駅の『アルプス口』は
“名前”は気を惹くが何もない
:
皮肉に言えば一部の者以外には
高いだけで役立たずのシンカンセンと同じだね
※ ウィキペディア画像を拝借
北海道シンカンセンにしてもそう・・。 毎日1憶円の赤字を産み、JR北海道の赤字額の1/5近くを占めるシンカンセンの為に在来線が切られ、「在来線という根や葉を切った幹(シンカンセン)自体も立ち枯れる」という愚を冒しているのである。
そもそも、在来線と共存できない地域にシンカンセンは必要ないのだ。 北海道への速さを求めるなら飛行機だろうし、今では運賃+シンカンセン料金より早割航空運賃の方が安いのである。
この状況では、鉄道に勝ち目は全くないと言っていいだろう。 それなのに見込みのないモノを建設して在来線という鉄道資源を食い潰して共倒れに向かう愚を冒すJR北海道・・。
アニメキャラをマスコットにする
アルピコ交通の方が
よっぽど経営努力しているよ
『JR東日本』という巻頭に本拠を持つ組織だから致し方ないのかもしれないが、関西圏の事は全く考慮しない東京発の利便だけに偏重した長野シンカンセンや北陸シンカンセン・・。
これを拡充した所で、関西に住む者にとっては「全く使えないシロモノ」なのである。
また、東北地域にしても北陸周りの在来線が打ち切られた現在は、東海道シンカンセンと東北シンカンセンの『料金二重取り』となる現実なのである。
こんな「シンカンセン利用者以外はユーザーとして見込まない」とする考え方が、今の「使えない鉄道」に成り下がった大きな原因であるとワテは思うのである。 そして、かつては鉄道を利用しまくった『鉄道応援団』的なユーザーが、今の「使えない鉄道」の代替手段として“逃げた”先が夜行の高速バスなのだと思う。
ホント・・、「飛行機よりも高くて遅い」シンカンセンでは、延伸した所ですぐに限界が来て鉄道自体が存続不能な目に陥るだろう。 だったら、『速さ』は上手くいってる東海道・山陽・東北の盛岡までと上越位までで止めといて、『安さ』と『快適さ』と『旅の楽しさ』を重視するユーザーに目を向けてはどうだろう・・と思うのだ。
使いやすい松本駅の『お城口』
鉄道は利用しやすさが全てだと思うワテ
:
「使い良くて安い」のが生き残る絶対条件だというのに
今の鉄道は『シンカンセン』で完全に逆向してるよ
※ ウィキペディア画像を拝借
シーズン中だけでもオールカーペット編成の夜行列車を仕立てて、『セ・セ・セ・セ青春18』や『周遊券』で都市圏から北海道や九州・東北・長野・新潟などへ向かう事ができたなら、学生や鉄道好きなど『安さ』を求めるユーザーのかなりの数を飛行機や夜行バスから取り返す事ができるだろう。
まぁ、その手法は、過去に日記で記したコノ記事を見て下さい。 穴はあると思うが、シンカンセンの延伸で鉄道が倒れるのを指を咥えて見てるよりずっとマシな案だと思うよ。
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