2018-07-22 (Sun)✎
よも”ヤマ”話 第48話 白峰三山 その3 〔山梨県・長野県・静岡県〕 ’92・8
北岳とお花畑
我が国屈指の山岳風景だ
白峰三山 しらねさんざん (南アルプス国立公園)
南アルプスの北部には、北岳 3192メートル ・間ノ岳 3189メートル ・農鳥岳 3026メートル と、ひときわ高い峰が連なっている。 この3つの峰は、『白峰三山』と呼ばれている。
・・北岳は、“知る人ぞ知る”日本第二の高峰で、間ノ岳も日本第四位につけている。 現在は、南アルプス林道の開通によってアプローチが容易となり登山者も増えてきたが、ひと昔前はこの山に登ろうとするなら前に立ちはばかる鳳凰三山を乗り越えるしか手がなく、限られた熟練クライマーのみが登頂を許される山であった。
・・景観では北岳が特に素晴らしく、雲海から上の眺めや周りの山々全てを“肩越し”に眺める爽快感、東面に落ち込む北岳バットレスの大岩壁とその斜面を飾る花々がおりなす“アルペン”風景、そしてこの山を染める高山植物の大群落など、高山的魅力はつきない。
南アルプスの北部には、北岳 3192メートル ・間ノ岳 3189メートル ・農鳥岳 3026メートル と、ひときわ高い峰が連なっている。 この3つの峰は、『白峰三山』と呼ばれている。
・・北岳は、“知る人ぞ知る”日本第二の高峰で、間ノ岳も日本第四位につけている。 現在は、南アルプス林道の開通によってアプローチが容易となり登山者も増えてきたが、ひと昔前はこの山に登ろうとするなら前に立ちはばかる鳳凰三山を乗り越えるしか手がなく、限られた熟練クライマーのみが登頂を許される山であった。
・・景観では北岳が特に素晴らしく、雲海から上の眺めや周りの山々全てを“肩越し”に眺める爽快感、東面に落ち込む北岳バットレスの大岩壁とその斜面を飾る花々がおりなす“アルペン”風景、そしてこの山を染める高山植物の大群落など、高山的魅力はつきない。
白峰三山回遊ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 甲府市街より車(1:45)→広河原(2:30)→大樺沢二俣(2:00)→八本歯ノコル
(0:45)→吊尾根分岐(0:15)→北岳(0:50)→北岳山荘
《2日目》 北岳山荘(1:35)→間ノ岳(1:20)→北岳山荘(1:10)→北岳
《2日目》 北岳山荘(1:35)→間ノ岳(1:20)→北岳山荘(1:10)→北岳
(0:45)→北岳・肩ノ小屋
《3日目》 北岳・肩ノ小屋(0:25)→小太郎尾根分岐(1:45)→大樺沢二俣
(1:15)→広河原より車(1:45)→甲府市街
※ 前回の『第47回 白峰三山 その2』からの続きです。
間ノ岳まで往復して、北岳を越えてたどり着いた北岳肩ノ小屋は、あるシーンが撮れる事でワテ的にはお薦めな小屋である。 でも、テント場は一段下の大いにナナメった所で、トイレも遠いし、苦労する所だ。
肩ノ小屋に下る最中で撮った
エーデルワイス
・・で、今回は、まだテントデビュー前なので、この”あるシーン”が撮れた事で、当分の間(テントデビューを果たしてテント幕営した時まで)アルプスの小屋で№1の小屋だったよ。
25年も前のこの頃はまだ若く、今の様にコースタイム越えまくりの悲しい姿ではなく、いつもコースタイムよりアンダーだったので、間ノ岳まで往復して北岳を越えてこの小屋まで昼過ぎには到着していたよ。
花を撮りながらも下手すりゃ
午前中に着いてたワテと
昨日(’18/7/21)小屋に辿り着けずにビバークした
オチャメなワテが同じ者とは思えないなぁ
↑
この事はいずれ『オチャメ話』として記事にしましょうか
着いた頃は鈍重な雲が上半分を占める夕立の前兆のような空で、ここに限らず夏山の高山ならいつもこんな空模様となるのである。 それで、その内の1/3位は実際に夕立となるから、夕方に到着すると思わぬ雨に祟られる事が必然と多くなるのである。
甲斐駒ケ岳
山の頂まで黒雲が垂れ込めてますね
・・でも、若い頃のワテは、いつも昼の12時過ぎにはテント場に着いていたので、歩いている途中で雨に祟られた事はほとんどなかったよ。 早く着いて、テント内で昼寝している間に雷雨に遭って、いい加減に設営したテント内に雨が浸水して水浸しになる事はかなりあったけれど。
鳳凰三山とオベリスクも
空の黒雲で沈みがちな絵となったな
・・で、早く着いても、マイテントの中とは違って小屋内では昼寝も憚られるし、かといって昼寝以外にする事もないので、カメラ片手に夕方になりつつある空の半分に黒雲が掛かった甲斐駒ケ岳や鳳凰三山を撮りながら過ごす。
今のワテなら撮るのやめる位の
黒雲に覆われた夕日シーン
だが画面の2/3を占めるその黒雲は
あるシーンの前兆だったのかも
甲斐駒ケ岳を覆っていたドス雲が
急に白く輝き出して
やがて、夕焼けの光となって、この小屋で撮れる”あるシーン”に魅せられる時間帯が迫ってくる。
そう・・、空半分を占領した雲による乱反射を受けて・・なのだろうか、富士が『ラメ色』に輝き出したのである。 でも、この時撮った写真を見てみると、この『ラメ色』に輝くシーンは長続きしないようで、撮れたのは2~3枚だけだったよ。
雲が白く輝き出した直後
富士がラメ色に光り出したのだ
そして翌朝・・、この場所でしか撮る事が叶わぬシーンを発見する朝がくる。
翌日の朝は、昨日の空半分を占めていた鈍重な雲は見事に取り払われていた。
早速カメラを構えて、御来光シーンを撮る。
御来光の直前
何かが起りそうな夜明けのシーンだった
そして御来光
御来光シーンを終えて
空がかぎろい色に変わる最中
その中での御来光シーンを撮り終えて、かぎろい色に染まる空と朝日に染まる北岳を20mmの超広角レンズで望むと、朝の光をバックライトに輝く富士と北岳のコラボ・・、我が国の山岳標高の『金と銀』が揃うシーンが拝めるのだ。
『金と銀』
山岳写真屈指の名景だ
まだ山の写真の魅力ある姿を完全に撮りきる事ができなかったワテ(まぁ、今もそうだし、更に今は「面倒臭いからパス」で逃しているヘタレになっているが・・)は、こんなヨダレモノのシーンを1枚しか撮ってなかったりするのであるが、とにかく山岳写真屈指の名景が撮れる場所なのだ。
空が白くなったら
一連のシーンは終わる
これらを撮り終えると、山の名景の数々に魅せられた北岳肩ノ小屋を後にする。 だが、この山行の魅力はこれだけではない。 下りで通る《右俣ルート》も、お花畑と山岳の名景がとれるルートなのだ。
でも、何度かこのルートを通って下山したけど、初回以外はいつも雨模様なんだよね~。
艶めかしい姿の花々
紫色の花が光を浴びると
エロい色彩となる
ハナシノブは若さを
全面に押し出したエロか
ハクサンイチゲもこの時ばかりは
可憐ではなく誘惑するエロを感じたよ
極め付けはグンナイフウロの
このエロシチズムな艶やかさ
それに、このルートで咲く花は、なぜか”艶めかしい”姿の花が多いし。
それでは、花と山の絶景『北岳バットレスとお花畑』をごろうじろ。
『北岳バットレスとお花畑』
それと鱗雲の又とない絶景シーン
この絶景に魅せられ過ぎて、最後にド派手にこの絶景を創造した大地に『愛の口づけ』をしてしまったよ。←要するに、ド派手に顔面から転んだ訳ですね。
この鱗雲とバットレスを撮った直後に
大地と甘い口づけをしたよ
後は、このルートの終点である《大樺沢二俣》で、ある事を目論んで2リットルポリタンに、この沢の雪解け水を汲んで持ち帰る。
八本歯に突き入れる《大樺沢雪渓》と
北岳バットレスに突き入れる《右俣雪渓》
:
この雪解け水をある事の為に持ち帰る
でも、今なら重量が嵩むだけのこんな行為は死んでもしないだろうね。
あぁ・・、ヘタレた御霊に合掌!
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No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
日本は北海道から沖縄まで、山・川・滝・里・高原・海洋と魅惑的な風景が広がる旨し国ですね。
鳳山さんの御当地・九州地方も阿蘇のカルデラや、この地域でしか観られない眼鏡橋が風景に溶け込んだ絶景がありますね。 海でも天草の諸島風景など、時間があればすぐにでも訪れたい所が満載です。
今、九州地方で私が行きたいのは祖母・傾山や、その山域に潜む滝ですね。
日本は北海道から沖縄まで、山・川・滝・里・高原・海洋と魅惑的な風景が広がる旨し国ですね。
鳳山さんの御当地・九州地方も阿蘇のカルデラや、この地域でしか観られない眼鏡橋が風景に溶け込んだ絶景がありますね。 海でも天草の諸島風景など、時間があればすぐにでも訪れたい所が満載です。
今、九州地方で私が行きたいのは祖母・傾山や、その山域に潜む滝ですね。
No title * by たけし
25年経って山に変化がなくても体力の変化は辛いものですね。
山岳ガイド、ル-ト地図から行程時間を出しますが、健脚向き!と表示されてるのは2割増しにしていました。
それでもアンダ-でクリアしたときはナメてかかりましたね・・・反省
今は登頂断念の連続で足が遠のいています。と言うより全然やってない・・・・涙
風来梨さんの本格的冒険登山家とは比較のしようもないハイカ-の私は、風来梨さんの記事を面白く拝見しています。
山岳ガイド、ル-ト地図から行程時間を出しますが、健脚向き!と表示されてるのは2割増しにしていました。
それでもアンダ-でクリアしたときはナメてかかりましたね・・・反省
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風来梨さんの本格的冒険登山家とは比較のしようもないハイカ-の私は、風来梨さんの記事を面白く拝見しています。
No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。
仰る通り、時と共に進むヘタレの進行は問題ですね。(悲) 『奇跡の体力』があったあの時は、もう別の人間だったとさえ思える違いですから。
この7/20~22に無理して北アで最もキツい奥穂高~西穂高の岩稜縦走をしましたけど、案の定『オチャメ』って明るい内に西穂山荘までたどり着けず、タイムオーバーで西穂独標の頂上でナシナシビバーク(シュラフも何もない野宿)になっちゃいました。
笑いを誘える『オチャメ』ネタができてワタシ的にはokですが、山岳指導員や山荘関係者にあったら思いっきりドヤされるでしょうね。
まぁ、体力的には人並み以下になっちゃいましたけど、『オチャメ』った時に足掻く生存力は、以前と同じくゴキブリ並みのワタシでした、ハイ!
仰る通り、時と共に進むヘタレの進行は問題ですね。(悲) 『奇跡の体力』があったあの時は、もう別の人間だったとさえ思える違いですから。
この7/20~22に無理して北アで最もキツい奥穂高~西穂高の岩稜縦走をしましたけど、案の定『オチャメ』って明るい内に西穂山荘までたどり着けず、タイムオーバーで西穂独標の頂上でナシナシビバーク(シュラフも何もない野宿)になっちゃいました。
笑いを誘える『オチャメ』ネタができてワタシ的にはokですが、山岳指導員や山荘関係者にあったら思いっきりドヤされるでしょうね。
まぁ、体力的には人並み以下になっちゃいましたけど、『オチャメ』った時に足掻く生存力は、以前と同じくゴキブリ並みのワタシでした、ハイ!
ナイス