2018-06-24 (Sun)✎
『日本百景』 夏 第337回 狩場山 〔北海道〕
荒天で侘しい限りの狩場山頂
狩場山 かりばさん (狩場茂津多道立自然公園)
北海道でも、比較的無視されがちな道南の日本海側。 でも、この地域にも“花の山”があるのだ。
それが、この狩場山 1520メートル である。 この山系は夏になると、エゾノハクサンイチゲ・アオノツガザクラなど白色系の花が辺り一面に咲き乱れるのである。 また、登山道までのアプローチも、近年注目を浴びている“北海道のナイヤガラ”『賀老ヶ滝』のおかげで賀老高原まで舗装が成され、車さえあれば簡単に登れるようになった。
・・知床など、人気のある所だけが北海道ではない。 北海道を旅するなら、こういう所をコースに入れてみてはどうだろう。 きっと、ひと味違う『北海道の旅』となろう。
北海道でも、比較的無視されがちな道南の日本海側。 でも、この地域にも“花の山”があるのだ。
それが、この狩場山 1520メートル である。 この山系は夏になると、エゾノハクサンイチゲ・アオノツガザクラなど白色系の花が辺り一面に咲き乱れるのである。 また、登山道までのアプローチも、近年注目を浴びている“北海道のナイヤガラ”『賀老ヶ滝』のおかげで賀老高原まで舗装が成され、車さえあれば簡単に登れるようになった。
・・知床など、人気のある所だけが北海道ではない。 北海道を旅するなら、こういう所をコースに入れてみてはどうだろう。 きっと、ひと味違う『北海道の旅』となろう。
狩場山周回ルート 行程図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
島牧村・千走より車(0:40)→狩場山・新道登山口(1:20)→第一雪渓
(1:00)→真駒内コース分岐(0:40)→狩場山(3:20)→賀老高原・旧登山口
(1:00)→狩場山・新道登山口より車(0:40)→島牧村・千走
(1:00)→真駒内コース分岐(0:40)→狩場山(3:20)→賀老高原・旧登山口
(1:00)→狩場山・新道登山口より車(0:40)→島牧村・千走
暮空にぼんやりとたたずむ狩場山
賀老高原にて
日帰り登山とするためにも、前日までに賀老高原まで入っておく。 賀老高原は、駐車場あり・トイレあり・キャンプ場あり・・と、登山口としては最高のロケーションである。 また、“北海道のナイヤガラ”『賀老ヶ滝』へも700mの距離だ。 それでは、狩場山へ登ってみよう。
・・新道登山口まで5kmの林道を車で進む。 林道脇の広い所に車を置いて登山開始。
登り始めは、木段の登り易い道であるが、徐々にぬかるみ状の歩き辛い道となってゆく。
しばらく、この粘土状の道を登っていくと、樹林帯を抜けて視界が広がる。 ここが《第一雪渓》である。 さて、難関はここからだ。
この雪渓はアイゼンかピッケルがあれば何でもないのだが、これらの装備がなけれぱ、なかなかに傾斜がキツく、しかも長い雪渓歩きと多くの雪渓斜面のトラバースがあり、かなり危険である。 また、雪渓がルートを覆い隠すルート不明瞭部分もいくつかある。 《第一雪渓》を何とか越えると、更に傾斜を増した《第二雪渓》が待っている。 夏の早い時期に登ると、稜線に出るまでのほとんどが雪渓登りである事を覚悟せねばならない。
このキツい雪渓を登りつめると稜線に出る。 稜線からはあまりキツい登降はなく、ゴロゴロした岩場を通過すると平坦な湿地帯に出る。 ここは湿性のお花畑だが、私の訪れた時はまだ開花期には早く、所々にリュウキンカ・コウホネ・チングルマが咲いていただけであった。
キンポウゲ シラネアオイ
まだ雪の残る池塘群を過ぎると、旧道コースと合流して狩場山 1520メートル 山頂に着く。
私が登った時はあいにく霧雨であったので、道南の素晴らしい展望を拝む事はできなかった。
下山は困難な雪渓下りを避け、旧道コースから下っていこう。(※ この記述は25年ほど前の登山の記述で、現在の旧道は廃道同然となっているので、下山時も往路の新道を下る方が無難である)山頂を後にして湿地帯に戻ると、湿原にポツリと立つ判り辛い道標がある。 ここが、旧道への分岐だ。
下山は困難な雪渓下りを避け、旧道コースから下っていこう。(※ この記述は25年ほど前の登山の記述で、現在の旧道は廃道同然となっているので、下山時も往路の新道を下る方が無難である)山頂を後にして湿地帯に戻ると、湿原にポツリと立つ判り辛い道標がある。 ここが、旧道への分岐だ。
分岐から旧道に入ると
ニッコウキスゲのお花畑が広がる
このコースは雪渓の下りはないものの、人が通らず荒れて不明瞭となった道が待ち受けている。
また“ヒグマ”も、旧道の荒れた登山道によく出没するらしい。 途中、大きな“ヒグマ”の糞もあったし・・。
さて、茂った草が足元を覆い隠す不明瞭な道を下っていくと、急斜面の草地に出る。 ここが今回最大のお花畑で、エゾカンゾウ・チシマフウロ・チシマアオイ・ハクサンイチゲ・リュウキンカ・キバナシャクナゲなどが群落を成して咲き競っていた。
さて、茂った草が足元を覆い隠す不明瞭な道を下っていくと、急斜面の草地に出る。 ここが今回最大のお花畑で、エゾカンゾウ・チシマフウロ・チシマアオイ・ハクサンイチゲ・リュウキンカ・キバナシャクナゲなどが群落を成して咲き競っていた。
さすが、“道南の花の山”と言われるだけはある。 だが、足元を草が覆い隠し、花に見とれていたらつまづきかねない。 花を眺めつつも、慎重にこの急坂を下っていくと、小さな雪渓を渡って樹林帯に入っていく。
この時に最も花勢があったのが
エゾカンゾウだった
ここからは、ゴロゴロの岩や倒木が道を覆うかなりの悪路となる。 足場もよく滑る粘土質で、ぬかるみも多く歩き辛いことこの上ない。 進もうとしても倒木に足が引っ掛かり、また大きな岩コロが行く手を阻んだり・・と、思うように進めない。 また、粘土質の道に滑って転ぶ事もしばしばである。
・・で、転んで手の指を股裂き(骨にヒビくらいは入ってたかも)して、そのまま放置してたら、小指の向きが第一関節から変型してたりしたのは藪の中に。
途中、道標と思しきものはあるのだが、全て割れたり折れたりと、使い物にならない。
途中、道標と思しきものはあるのだが、全て割れたり折れたりと、使い物にならない。
こうして、悪戦苦闘の末に乗りきると、やがて落葉に覆われた平坦な道となり、旧道登山口に出る。
だが、まだ終わりではない。 この後も、疲れた体にコタえる約5kmの林道歩きが待っている。
林道歩きのパワーをもらうべく
下山後にも賀老ヶ滝に立ち寄ったし
この時は『百名滝』に指定された直後の頃で
遊歩道は災害でズタズタに壊れていたよ
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