風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第258回  吾妻線・大前駅

路線の思い出   第258回  吾妻線・大前駅  〔群馬県〕


大前駅
この路線にのった目的が”ヤボー”の
維持だったので写真は一枚も撮ってません
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
       営業区間と営業キロ            輸送密度 / 営業係数(’15)
      渋川~大前 55.3km             2364  /  210         
運行本数(’18)
      渋川~長野原草津口      特急【草津】 2往復、普通 上下とも14本
      長野原草津口~万座・鹿沢口  普通 下り11本、上り10本
      万座・鹿沢口~大前      普通 下り4本、上り5本


大前駅(おおまええき)は、群馬県吾妻郡嬬恋村大字大前にあるJR東日本・吾妻線の駅で、同線の終着駅である。 ほとんどの列車が一つ手前の万座・鹿沢口駅で折り返してしまう為に、当駅には普通列車が下り4本・上り5本運行されるのみとなっている。  

単式ホーム1面1線を有する駅で、ホーム上にコンクリート造りの待合所が置かれている。
長野原草津口駅管理の無人駅である。 当駅から嬬恋村中心部を経由して、信越本線豊野駅まで延伸する計画であった為、途中駅のような駅構造となっている。 駅の標高は840.4mで、群馬県内及び関東地方の鉄道駅としては最西端に位置する。 ’11年度の一日平均の乗車人員は50人との事。

当駅のホームは4両編成分の長さであるが、線路はホームの端から約100メートルほど奥に延びていて、架線も線路が途切れている所まで張られている為、特急【草津】に使用される7両編成の車両でも停車する事ができる。 通常は普通列車以外は来ないが、行楽シーズンなど吾妻線の臨時列車が増発される際には、臨時列車の編成が一時待避する為に当駅まで回送される事がある。




いい感じの道祖神があるね
全く知らなかったよ
※ グーグル画像を拝借

この吾妻線とその終着駅である大前駅は、筆者のタワケそのままのしょうもない”ヤボー”を満たすべく乗り鉄目的で訪れたのだが、その訪れた経緯や完乗の手法は普通の『鉄』では有り得ない『○鉄』そのものだったのである。

その「タワケそのままのしょうもない”ヤボー”」とは、「末永く、生涯を通じて、全国JR全線の路線乗車率80%を維持する」←(子供か!)というモノだった。 そう・・、この頃はヤマと放浪旅に熱中していたが、時々「かつて熱中したモノ」が頭にもたげていたのである。

また、追っかけていたローカル線の大方が廃線となって鉄道から遠ざかり、新たに何の愛着も抱けないシンカンセンが次々に延伸・開業していった事によって、高くてあまり乗る気の湧かないシンカンセンの為に『乗車率』が影響を受けて、「永遠の”ヤボー”」である乗車率80%の維持が危うくなり始めていたのである。

そういった事情からこのタワケは、「しょうもない”ヤボー”」の維持と登山の両天秤で成就させて、なおかつ費用も節減させる方法を考えついたのである。 このタワケ(筆者)の特性として、こういう事は真剣に考えて組み立てる性質があるのだ。


この時は初冠雪の谷川岳に登ったよ

前置きが長かったが、この吾妻線に訪れた経緯を語ろうと思う。 この吾妻線に初めて訪れたのは20年ほど前であるが、主の目的は先に述べた通りに谷川岳の登山=ヤマであった。 コレをマイカーで行くと高速代とガソリン代がバカ高くつくし、しかも立てた山行計画は谷川連峰の縦走なので、登山口と下山先が異なりマイカーは著しく不利となるのだ。


下山は傾斜の緩い
越後湯沢側の平標山へと抜けたよ

従って、鉄道利用の計画としたのだが、なおかつこの山旅の費用をケチる為に「セ・セ・セ・セ青春18」を使ったのである。 「セ・セ・セ・セ青春18」で夜行の【ムーンライトながら】に乗って1泊分の宿代を浮かし、早朝5時に東京駅に着いたのである。

その東京から、普通列車を乗り継いで谷川岳の登山口にある土合駅を目指すのだが、かつて谷川岳登山の玄関口であった土合駅も、当時て1日上下各6本(現在は上下各5本に減便)と既に使えたモノではなかったのである。 しかも、下りの1番電車の土合到着は8時と、登山を開始するには遅過ぎるのである。
だからか、列車の車内でも土合駅に着いても、登山者の姿は全くなかったよ。


かつては登山急行も停車していた
谷川岳の玄関口・土合

それもそのハズ、この20年前に至っても、既に土合駅は水上駅からのロープウェイ山麓駅ゆきのシャトルバスに取って代わられて、谷川岳登山の玄関口ではなかったのである。 それを知らずにノコノコと鉄道でやってきて、土合駅での「かつての儀式」・・テント一式背負っての462段昇りに挑んだワテ。

またまた話が逸れたが、鉄道のネタに戻すとしよう。 前述の通りに朝の5時に東京駅に着いたのであるが、このまま普通列車を乗り継いで土合に向かっても、土合に10時到着の2番列車しか乗る事ができず、これは先程も述べた通り登山を開始するには遅すぎる時間なのである。 要するに、列車で東京口から谷川岳にアプローチするなら、早朝5時に東京に着いてもその日は完全な移動日になってしまうのである。


避難小屋モドキの建つ所は
何にもない所だけど
一ノ倉沢の絶景が広がるよ

また、登山口は避難小屋モドキの建物が建ってるだけの何もない所で、あまり早く着いてもヒマなだけなのである。 という訳で、1日まるまる時間が余るのである。 そこで、その時間つぶしに、「かつて取った杵柄」である鉄道の『未乗路線めぐり』の、「末永く生涯を通じて乗車率80%維持」の”ヤボー”がもたげてくるのである。

そうなると、普通列車の削減や相次ぐシンカンセンの延伸・開業で、この頃から既に”使えないきっぷ”となってきていた「セ・セ・セ・セ青春18きっぷ」が、”使い出のあるきっぷ”に昇華するのである。

・・で、この時に未乗路線であった川越線と八高線を乗り埋めて(登山のリュック担いでピッケル片手に、未乗線めぐりするとはいい度胸だな・・このタワケ)、10時40分頃に高崎に着く。
ここから吾妻線の万座・鹿沢口ゆきの列車に乗るが、この吾妻線の終点・大前もこの当時から5往復(現在は下り4本・上り5本と下り1本減便)で、朝の2本を除けば夕方以降しか列車がなかったのである。

夕方まで待ってしまうと、時間潰しが「タイムオーバー」となって谷川岳の登山口にたどり着けなくなる「ミイラ取りがミイラ」になるので、ここは諦めて万座・鹿沢口で折り返す。 こうして、秋田の男鹿線の羽立~男鹿と同じく、吾妻線も「末端区間の乗り残し」路線となってしまったのである。


歳は食っても宿代を払いたくない一心で
ドラムカンには泊まる事のできるこのタワケ

その後は歳を喰って気力も落ちて、谷川岳に登山をするにも北陸線の特急を乗り継いでその日の内に越後湯沢から土合に入り、帰りもかつてでは有り得なかった「金を出してでも」上越・東海道のシンカンセンを乗り継いで大阪に直行で帰るようになっていた。 まぁ、放浪をしていた頃と違って、勤め人となってからは山旅に費やせる日程も限られるようになったし・・ね。

こうして「末端の未乗区間」を放置したまま十数年の時が流れたが、ある時コレを埋めるチャンスが転がり込んできたのである。 それは、数年前のゴールデンウィークにした『滝めぐり』の旅で、《草津温泉》の滝と長野県須坂市にある《米子大瀑布》を訪れた時の事である。


常布ノ滝
 奇怪な岩肌と虹を従えて


米子大瀑布
80m級の大瀑布が
そろい踏みで姿を魅せている

前日に《草津温泉》の名瀑・《常布ノ滝》や《嫗仙ノ滝》を訪れて、この日は次の訪問滝である《米子大瀑布》への移動日であったが、大前駅付近は《常布ノ滝》のある《草津温泉》から《米子大瀑布》の所在する長野県須坂市への通り道で、2つの滝の距離もさほど離れておらず、また今日は明日に備えて夕飯時までに須坂市の『道の駅』に着けばいいだけなので、4~5時間の時間が浮いたのである。


飛び込むように乗り込んだので
駅待合室の見学もしなかったよ
※ グーグル画像を拝借

時間に余裕もあったので、車を止めてひと休みしようかと大前駅にふと立ち寄ったのである。
駅前に着くと、偶然にも1日僅か5本の列車が停まっていたのである。 全く時刻も知らずに想定もしていなかったが、「これはチャンス」と車を止めて駅に停車中の列車に飛び乗るように乗り込む。

数分後に列車は発車し、数分で次の万座・鹿沢口に着く。 これで偶然にも、15年以上放置したままであった未乗線区の埋め合わせが叶ったのである。 だが、駅に降りて少し我に帰る。
「勢いで未乗区間の列車に飛び乗ったが、車置いたままだった」というオチに気が着いたのである。

まぁ、1日5往復とはいえ、線路と並行して観光地でもない所にバスがある訳ないし、タクシーも見当たらなかったし・・である。 仕方がないので大前駅まで歩いて戻る事にしたが、大前~万座・鹿沢口の駅間が3km位で助かったよ。 これが10kmとか・・だったりしたら、翌日の滝見旅に支障をきたす所だったよ。

これは普通の『乗り鉄』では絶対的に有り得ない無計画の極みによる『乗り鉄』であるが、ワテのヘンチクリンな旅での数々の『オチャメ』の中では”カワイイ”出来事だぁね。















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No title * by ギャメロン
こんばんわ

谷川岳の玄関口・土合、懐かしいです
過去に歩き過ぎ膝が痛い時に下から階段を登って来た時は苦痛でしたよ(+_+)💦
一ノ倉沢の絶景は素晴らしいですね
また行きたいな~(^.^)

ナイス!

No title * by 風来梨
ギャメロンさん、こんばんは。

ギャメロンさんも、土合駅のあの462段を昇られましたか!
もう、ザックに幕営装備一式を担いであの階段を谷川竹登山の予行演習するのは、よほどの好き者か時代に乗り遅れた化石となってしまってますが・・。

あの階段を昇って辿り着いたロープウェイの駅で、シャトルバスから吐き出される登山者の群れを見て、さすがに時代に取り残されたのを思い知らされましたね。

No title * by たけし
土合駅の暗い長い階段を登っただけで谷川岳登頂がくじけてしまいそうになります。
一ノ倉沢から幽ノ沢には遭難死した人の霊が取り付くから気をつけなよ!と山仲間に驚かせられた負の意識を持ったものですから、案の定、エライ目に遭いました。

No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。

私があの土合駅の462段の階段を昇ったのは、『奇跡の体力』のホルダーだった20年ちょっと前のバリバリ現役時代でした。

装備一式20㎏チョイを担いで、あの462段を9分02秒で昇りきった記録があります。 今思えば、目頭が熱くなります。

その10年後に再度訪れた時は上り線から入って、あの階段を回避しましたね。
更にその5年後は、『禁断の果実』のローブウェイに乗っちゃいました。

谷川岳の自分史は、自分の退化の様子を如実に表してます。

コメント






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No title

こんばんわ

谷川岳の玄関口・土合、懐かしいです
過去に歩き過ぎ膝が痛い時に下から階段を登って来た時は苦痛でしたよ(+_+)💦
一ノ倉沢の絶景は素晴らしいですね
また行きたいな~(^.^)

ナイス!
2018-04-21 * ギャメロン [ 編集 ]

No title

ギャメロンさん、こんばんは。

ギャメロンさんも、土合駅のあの462段を昇られましたか!
もう、ザックに幕営装備一式を担いであの階段を谷川竹登山の予行演習するのは、よほどの好き者か時代に乗り遅れた化石となってしまってますが・・。

あの階段を昇って辿り着いたロープウェイの駅で、シャトルバスから吐き出される登山者の群れを見て、さすがに時代に取り残されたのを思い知らされましたね。
2018-04-21 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

土合駅の暗い長い階段を登っただけで谷川岳登頂がくじけてしまいそうになります。
一ノ倉沢から幽ノ沢には遭難死した人の霊が取り付くから気をつけなよ!と山仲間に驚かせられた負の意識を持ったものですから、案の定、エライ目に遭いました。
2018-04-22 * たけし [ 編集 ]

No title

たけしさん、こんばんは。

私があの土合駅の462段の階段を昇ったのは、『奇跡の体力』のホルダーだった20年ちょっと前のバリバリ現役時代でした。

装備一式20㎏チョイを担いで、あの462段を9分02秒で昇りきった記録があります。 今思えば、目頭が熱くなります。

その10年後に再度訪れた時は上り線から入って、あの階段を回避しましたね。
更にその5年後は、『禁断の果実』のローブウェイに乗っちゃいました。

谷川岳の自分史は、自分の退化の様子を如実に表してます。
2018-04-22 * 風来梨 [ 編集 ]