風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第254回  小湊鉄道、いすみ鉄道・上総中野駅

路線の思い出   第254回  小湊鉄道、いすみ鉄道・上総中野駅  〔千葉県〕


かつて追っていた廃止ローカル線の
終着駅を思わせる上総中野駅

《路線データ》
小湊鉄道
    営業区間と営業キロ                ’18年・運行本数
  五井~上総中野 39.1km      五  井~上総牛久  上下とも1時間に2~3本
                    上総牛久~養老渓谷  5往復(土休日は1往復減)
                    上総牛久~上総中野  6往復(土休日は1往復減)
                      上総牛久~里  見  下り1本、上り2本

いすみ鉄道
営業区間と営業キロ
大原~上総中野 26.8km
※JR木原線の第三セクター移管線
’18年・運行本数
   大 原~上総中野  下り12本、上り10本(土休日の下り3本は国鉄型車両による急行運転)
   大 原~大多喜   下り4本、上り6本(金曜日1往復増)・土休日は上り1本快速運転
   大多喜~上総中野  下り1本、上り3本
            

上総中野駅(かずさなかのえき)は、千葉県夷隅郡大多喜町堀切にある小湊鉄道・いすみ鉄道の駅である。 小湊鉄道といすみ鉄道が、それぞれ終端駅として乗り入れて接続駅となっている。

小湊鉄道・いすみ鉄道のそれぞれに単式ホーム1面1線を有する駅で、駅舎に接するホームを小湊鉄道、奥側のホーム片面をいすみ鉄道が使用する。 上記2路線が接続するが、1988年3月のJR木原線のいすみ鉄道への経営移管時より無人駅化されている。

有人時代は1989年辺りまで木造の駅舎があり、小湊鉄道の社員が常駐して、小湊側だけでなく国鉄側の駅業務も行っていた。 駅構内にトイレはないが、駅舎に向かって左側に公衆トイレがある。


最も左端の朽ちかけた線路が
稜線をつなぐ”渡り線”だ
※ ウィキペディア画像を拝借

小湊鉄道といすみ鉄道の本線はそれぞれ車止めになっており接続していないが、駅舎と反対側にある側線で接続している。 小湊鉄道といすみ鉄道の相互乗り入れは以前より提案がなされているが、設備投資の問題などから、2社とも(特に小湊鉄道側が)消極的で今日まで実現していない

2011年5月にいすみ鉄道の保線用モーターカーが小湊鉄道に譲渡され、この側線を経由して小湊鉄道五井機関区まで回送された。 また、小湊鉄道線・いすみ線ともに列車の停泊がなく、そのまま折り返す。 2015年度の乗車人員は小湊鉄道で1日平均22人、いすみ鉄道で1日平均135人との事。

小湊鉄道は当初、内房線の五井駅と外房線の安房小湊駅を結ぼうとしていた。
小湊鉄道の路線名の小湊は、この安房小湊駅からきている。 一方で当時の国鉄(現・いすみ鉄道)は、当駅より久留里線の上総亀山駅まで延伸し、大原駅と木更津駅を久留里線経由で結ぼうとしていた。
2つの成らなかった房総横断線がこの駅で接続した。 当駅は小湊鉄道線では唯一、市原市でなく大多喜町に所在する。




身体をゆらゆらさせて踏切を通過する
小湊鉄道・月崎~上総大久保にて
都心から2時間圏内にある
カメラ片手にのんびりできる長閑な空間だ

小湊鉄道は都心から2時間圏内に有りながら、長閑な沿線風景を魅せて鉄道ファンの人気の高い路線だ。 また、鉄道経営に対しても熱心で、鉄道会社ではいち早く女性車掌の導入や内房線と接続する五井側の通勤輸送に対応する為に、単線ながら平時で30分ペッド・ラッシュ時には20分ヘッドの運行を実現している。


都心から2時間圏内の
”癒し空間”の駅へ
でも場違いなデザインの公衆トイレが
現在の駅である事を端的に物語ってるね
※ ウィキペディア画像を拝借

また、旧国鉄の廃止対象路線だった木原線も、JRより国鉄型の気動車を譲り受けて旧国鉄ツートンカラーの塗装で走らすなど、こちらも前向きな経営姿勢を見せている。 また、沿線は菜の花の群生地で、春になると多くの行楽客が訪れるのである。

まぁ、2つの路線を語ると、このように鉄道経営姿勢に対する「ホメ言葉」が次々と出てくる。
札幌まで延伸開業しても、飛行機に圧倒されて”見込みのない”シンカンセンにつぎ込んで更に赤字を生み出し、その赤字を理由に在来線を切り捨て運行本数を縮小して、わざわざ鉄道を利用するコアなファンをも遠ざけるJR北海道に「ツメのアカを煎じて呑ませたい」思いのする経営姿勢だ。


古き良き時代を思わせる
小湊鉄道の駅名標
『鉄道マニア』というコアな利用客を
引き寄せるアイテムだ

要するに、この2つの路線は沿線に住む人は元より、『観光利用客』を引き寄せる魅力を常に発信している鉄道路線なのである。 中でも春は沿線が花々で眩く彩られ、ただ沿線の車窓風景に見入るだけでも、訪れる価値のある旅心くすぐる路線である。

その2つの路線の終着駅が・・、それぞれの路線延伸の目的が全く違った2つの路線が奇跡的に相対したのが、この上総中野駅なのである。 ワテが訪れた時は、未だいすみ鉄道が国鉄型の気動車導入の前で、小湊鉄道に比べてやや魅力に欠けていたので、いすみ鉄道はほとんど写真を撮らなかったのが悔やまれる。


今回のいすみ鉄道の『出演』は
駅を立ち去る前に撮ったこの1枚のみ

その上総中野駅だが、無人駅となって建て替えられた駅舎もログハウス調の駅舎で、二つの鉄道の抱く雰囲気に沿うような造りである。


建て替えられて無人化されても
古き良き時代を思わせる駅舎に魅かれて

この駅を目にして、久々に駅と取り入れてのアングルで撮る気になったよ。
駅舎を取り入れるアングルを使うようになったのはこの頃からかも。
この時以来、結構こういうアングルを好む様になったよ。


昼下がりの駅舎と
発車時刻までのひとときを憩う気動車

かつての廃止ローカル線で見たような風景を目にして、嬉しくなって予定より1本分長く滞在してからいすみ鉄道に乗り継ぐ。 その予定変更の分、いすみ鉄道の撮影をカットしてしまったよ。
でも、若き日に追っていた廃止の迫ったローカル線と違って、いつでも訪ねる事のできる良好な鉄道経営をしている路線だし。 また、その内に訪ねてみたいな・・と思うのである。


車両半切れの『撮り鉄』にはタブーな
アングルを好むようになったな

再度訪れるなら春の菜の花シーズンが最高なのだろうけど、人がタカるのはイヤなので、シーズンオフにコソっと訪れようか・・と考えている。 この日は両線を使って房総半島を横断して、この地域に訪れた最大の目的である我がホームページ『日本百景』の掲載地・銚子の屏風ヶ浦までゆく。


この日の夜は屏風ヶ浦の海辺の砂浜に
テントを張って過ごしたよ









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No title * by たけし
いよいよ私の県にお出で頂きました。
房総半島を横断する鉄道。地元住民の努力でよみがえりました。

No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。

首都圏から2時間圏内、政令指定都市・千葉なら1時間かからない所でこんな長閑な風景が広がるのは羨ましい限りです。

いすみ鉄道は国鉄の廃止対象路線でしたが、沿線の方々の支援で、今や第三セクター路線としては優良路線となってます。 真に甦りましたね。

No title * by 鳳山
社会人になってすぐの頃、小湊鉄道を通って養老温泉に行った記憶があります。懐かしい。

ナイス

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

温泉をめぐる旅っていいですよね。
街からゆっくりと田園風景、そして里風景、山里から養老渓谷に至る車窓を見ながらの温泉旅。

いつもアクセクした旅ばかりの私も、そういうのんびりとした旅をしてみたいなぁ。

コメント






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No title

いよいよ私の県にお出で頂きました。
房総半島を横断する鉄道。地元住民の努力でよみがえりました。
2018-03-25 * たけし [ 編集 ]

No title

たけしさん、こんばんは。

首都圏から2時間圏内、政令指定都市・千葉なら1時間かからない所でこんな長閑な風景が広がるのは羨ましい限りです。

いすみ鉄道は国鉄の廃止対象路線でしたが、沿線の方々の支援で、今や第三セクター路線としては優良路線となってます。 真に甦りましたね。
2018-03-26 * 風来梨 [ 編集 ]

No title

社会人になってすぐの頃、小湊鉄道を通って養老温泉に行った記憶があります。懐かしい。

ナイス
2018-03-27 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

温泉をめぐる旅っていいですよね。
街からゆっくりと田園風景、そして里風景、山里から養老渓谷に至る車窓を見ながらの温泉旅。

いつもアクセクした旅ばかりの私も、そういうのんびりとした旅をしてみたいなぁ。
2018-03-28 * 風来梨 [ 編集 ]