風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第321回  別寒辺牛川・氷結

『日本百景』 冬  第321回  別寒辺牛川・氷結  〔北海道〕


ラムサール条約登録湿地を行き交う
日本一贅沢な車窓を魅せる路線ですね

   別寒辺牛川湿原 べかんべうしがわしつげん
道東では釧路湿原や霧多布湿原が有名だが、この別寒辺牛(べかんべうし)湿原はあまり馴染みがないだろう。 それは、先に厚岸観光十景に選定されてから別寒辺牛湿原と名付けられた経緯・・、即ち”後付け”で地名がつけられた湿原だからである。 その後、平成5年にラムサール条約の登録湿地として『厚岸湖・別寒辺牛湿原』が認定され、急速に注目されるようになったのである。

別寒辺牛湿原はヨシ、スゲの広がる低層湿原で、奧に入った川の中流域では高層湿原層も確認されている。 別寒辺牛湿原には、尾幌川、大別川、別寒辺牛川、チライカリベツ川等が蛇行しながら流れ、タンチョウも営巣するなど学術的にも貴重な湿原帯である。 近くには水鳥観察館があり、厚岸湖や湿原に飛来する四季折々の鳥やタンチョウの子育てを、スクリーンでリアルタイムに見る事ができる。




氷結する別寒辺牛川と列車を俯瞰する

この別寒辺牛川湿原に訪れたのは野鳥観察ではなく、湿原の中央をゆく根室本線の『撮り鉄』目的である。 でも、『撮り鉄』だけで全く野鳥観察に興味がないか・・といえば、今はむしろ『撮り鉄』よりも野鳥の撮影の方に興味が入っているのである。

でも、「二兎追う者は何とやら・・」で、野鳥はこの別寒辺牛川湿原で『撮り鉄』をした後に、野鳥の楽園の《春国岱》や《温根沼》で1日費やして撮る予定を立てているのである。 まぁ、野鳥に興味のあるお方は、メインサイトコチラをどうぞ。


このシーンに魅せられたよ


温根沼の日の出と野鳥

その別寒辺牛川湿原をゆく根室本線だが、川の蛇行にピッタリ寄り添って、ラムサール条約登録湿地の中央を堂々と行き交う『国際自然保護条約批准路線』なのである。 また、線路に沿って根釧の主幹道路の国道44号線も併走していて、国道はトラックや車がバンバン走る路辺だけの”足場ナシ”な所なのである。
要するに、国道を行き交う車と背中合わせに撮る少しキケンな撮影地なのである。

・・だからと言って『撮り鉄』の為に湿地に足を踏み入れたり、三脚を土壌に突き刺したりするのは『御法度』なのである。 といっても、『撮り鉄』に盲目となった奴らは、自然保護条例違反でしょっ引かれない限り守らねえだろうなぁ。 こんな所で三脚立てて”お定まり”なのを撮るより、手持ちで遊んだ方が写真も面白いと思うけど・・ね。 ・・で、下で手持ちで撮ったのをごろうじろ。 


別寒辺牛川に沿って
行き交う単行列車


カーブの頂点で・・


下で撮っていると
この湿原を俯瞰して魅たくなる

下で撮っていると、やはりこの大湿原を俯瞰したいと思う様になるだろう。 それなら、野鳥観察館から500m程厚岸駅方向に戻った所に通称『52.1m高点』という小山があり、その頂に野鳥観察の双眼鏡小屋があって、そこまで登れば別寒辺牛川の蛇行が一望できるのである。


52.1m高点の位置詳細図

だが、『52.1m高点』と言う事で高低差は50m程なのだが、土手の急傾斜の登りで一般の人が手軽に入れるような所ではなく、特に冬季はこの登路がパリパリに凍ってアイゼンを着けないと登れないのである。 まぁ、雪の少ない道東では雪路になる事は稀だが、寒さは北海道なので土がシバレてパリパリに凍るのだ。

それを見越して、”山の友”のピッケルとアイゼンを持って来ていたワテ。 アイゼンを着けてイッキに登りきる。 登りきった野鳥観察小屋の建つ頂上からは、別寒辺牛川の蛇行が一望できる絶景が広がっていた。


厚岸湖と街を背に
別寒辺牛湿原に入ってくる列車

根室本線の末端区間をゆく列車が減便された事もあり、移動しながら撮れるのは正午から13時の列車上下2本のみで、この時間帯だと厚岸方向は完全に逆光、糸魚沢方向は順光なれど列車を目だたそうとすれば300mm以上の超望遠が必要みたいである。


厚岸側は逆光で黒くなった
荒涼した原野のイメージ


川に沿ってのカーブが
シャッターチャンスかな?


厚岸側はライトを着けて向かってくる
下り列車が狙い目


52.1m高点の真下も狙い目かな?

でも、手持ち撮影に楽しみを抱いて、別寒辺牛川の蛇行を入れる「風景が主で鉄道は従」の『風景鉄道』を撮りたいと欲すれば、厚岸側・糸魚沢側のどちらも200mmの中望遠で十分なのである。
そして、風景を主とする写真は、手持ち撮影でこそ活きるのである。 それでは、その別寒辺牛川の『風景鉄道』をごろうじろ。


糸魚沢側は蛇行する
別寒辺牛川が一望できる


別寒辺牛川湿原の中をゆく


こういう写真が撮れるのは
北海道ならでは・・だろうね


上り列車も
52.1m高点の真下で


別寒辺牛湿原をゆく列車を見届けてから
この地を後にしようか







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No Subject * by 根室大喜
寒かったでしょうね><;こういう写真アタイも撮ったことありますが、登るのが大変でした。帰りもね

52高地は以外と陽当たりが良かったです * by  風来梨
根室大喜さん、こんばんは。

> 寒かったでしょうね><;
訪れた時はピーカンの絶好の天気で、登った熱気でホットでした(笑)

>登るのが大変でした。帰りもヤマ道具のアイゼンピッケル持参で・・。 雪はほとんど無かったですけど、土が完全にしばれてましたね。 アイゼンが無かったら無理でした・・。

コメント






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No Subject

寒かったでしょうね><;こういう写真アタイも撮ったことありますが、登るのが大変でした。帰りもね
2019-05-13 * 根室大喜 [ 編集 ]

52高地は以外と陽当たりが良かったです

根室大喜さん、こんばんは。

> 寒かったでしょうね><;
訪れた時はピーカンの絶好の天気で、登った熱気でホットでした(笑)

>登るのが大変でした。帰りもヤマ道具のアイゼンピッケル持参で・・。 雪はほとんど無かったですけど、土が完全にしばれてましたね。 アイゼンが無かったら無理でした・・。
2019-05-13 *  風来梨 [ 編集 ]