風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第42話  大台ヶ原とシャクナゲ

よも”ヤマ”話  第42話  大台ケ原とシャクナゲ 〔奈良県・三重県〕 ’92・5
大台・日出ヶ岳 1695m (3度目の登頂) 


大台・日出ヶ岳での御来光

   大台ケ原 おおだいがはら (吉野熊野国立公園)
『関西の尾瀬』といわれる大台ケ原・・。 ここは、トウヒ林をはじめとする原生林の宝庫である。 
大台ケ原は日出ヶ岳 1695メートル を中心とする台地状の山塊で、《牛石ヶ原》・《正木ヶ原》などの草原台地を抱く。 

この素晴らしい景観を抱く大台ケ原の中でも、特にお薦めしたいのは、《大蛇嵓》・《千石嵓》といった大岩壁からの景観で、これら“嵓”の先端に立つと、足元は1000mはあろうか・・という大絶壁の奈落の底で、思わず足も竦み震えさえ感じるだろう。

また、深く切れ込んだ谷の向こう側には、落差が我が国第二といわれる《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》が250m以上という瀑布を掛け、その轟きは遙か遠く離れたこの嵓まで響き渡っている。 
これらの滝は、滝見尾根から間近に見る事もできる。




今回の大台ヶ原周遊の行程図
まだ西ノ滝や中ノ滝へは遠いな

   行程表
吉野町・上市より車(1:30)→大台駐車場(0:45)→大台・日出ヶ岳(0:40)→シャクナゲ平 
(1:00)→大台・日出ヶ岳(1:10)→大蛇嵓(1:10)→大台駐車場より車(1:30)→吉野町・上市

八ヶ岳の雪山山行では、雪山の魅力と登山への自信を深める事ができた。
だが、それ以上に、山で写真を撮る楽しさに夢中になってしまったのである。


ワテって・・最初に撮ったのが良いデキが多くて
その後続かないってパターンが多いよな

まぁ、道具無しの初めての雪山で、コレが撮れたのだから天狗にもなるわなぁ。 でも、コレは、ワテの雪山写真でもトップクラスのデキですわ。←他の写真撮りと比べないようにしようね それをすると、筆者のワテが余りにも不憫だしィ

・・で、取り敢えず、お手軽に山で写真を撮る練習台として、駐車場より頂上まで40分の大台ヶ原に行く事にしたのである。 まぁ、この年はまだ放浪には出てなかった(放浪山旅の第二弾は来年)けど、6月から年末まで毎月山に登る事になるしィ。

でも、八ヶ岳の雪山での経験則から、「登山しながら写真を撮るスタイルでは三脚はいらないな」という結論に達して、コレ以降は「2㎏の三脚を持つ位なら2リットルの水」が我が登山のセオリーとなったよ。


山のフィールドに
三脚を立てれるような所はほとんどないしィ

そして、三脚を持っていかないスタイルで写真を撮る為に、色々な『ハズカシイ』技を編み出したりもした。 その技の一つが『フード・アイゼン・テトリポットシステム』・・、その頭文字を採って『FITS』!、読み方は”フィッツ”である。 それは、広角レンズの花形レンズフードの花形部分を岩にメリ込ませて固定し、その上にカメラを置いてセルフタイマーで撮影する三脚要らずの人類の英知を結集した画期的な撮影法である。

でも、つい最近まで、真顔でコレを広言しながら実行していたのである。
それどころか、『実用新案登録希望中』の技である事も広言していたしィ。
まぁ、こんな事を宣ってるから、写真クラブなどからスポイルされるんだね・・、ワテは。


写真クラブからスポイルされた若き日のワテ
太ってるね 今より10キロ近く

さて、前夜から車で泊まり込み(車寝の回数も通算したら1年365日の日数に匹敵するよ)日の出の1時間半ほど前に駐車場を出て、前述の通り40分の簡易舗装のコンクリート段を登っていくハイキングで大台・日出ヶ岳の頂上に着く。 日の出の40分位前だ。


日の出前の大台・日出ヶ岳の展望台は
巨大三脚を据えた写真撮りがタカっていた

頂上に建つコンクリート製の展望台の上は、写真撮りが所狭しと三脚をおっ立てていた。
40分前の遅めの到着では、この展望台への参入はほぼ不可能だ。 なので、敢えてこの展望台へは上がらずに、下の露岩が転がる崖っぷちで新撮影手法”フィッツ”を発動して御来光撮影。


『FITS』発動!
望遠ではレンズの前に石をカマシて
角度をつけるとなおヨシ!

まぁ、コレが「ちょっとでもいい場所が獲りたい」という写真撮りの心理の逆を突いたようで、誰もいない所で気ままなアングルが取れたよ。


でも縦位置は『FITS』はお手上げ
手持ちで撮るしかない

そして、誰も見向きもしない展望台の下には、こんな美味しいシーンもあったりして。


取り敢えず今回の『一番星』でっす

大台・日出ヶ岳の頂上で朝日を撮ってから、未だ未知の大杉谷への降り口を下ってみる。
それは、その途中に《シャクナゲ平》というシャクナゲ園がある・・と聞いていたからである。
まぁ、今回の大台ヶ原への繰り出しは、このシャクナゲの撮影が主目的だったのである。


下る途中で目にした
霧に煙る原生林がいい感じ


目的のシャクナゲよりも
いいのが撮れてたりして

樹林帯の中を急下降していくが、あまり降り過ぎると戻るのが大変なので、「1時間以上降りても《シャクナゲ平》に着かねば引き返そう」と決めていく。 幸い、40~50分程の下降でシャクナゲがチラホラ咲く傾斜地に降り着く。 でも、期待に反して”チラホラ”で『花の園』には程遠かったし、花も傷んでいたのが多くて残念な所だったよ。


シャクナゲのほとんどが
萎れ気味だったよ

・・と言う訳で、シャクナゲに関しては御覧のような締らないデキでした。 この《シャクナゲ平》での”今イチ”なデキが、「今後の登山では花を重点的に撮るぞ」とのリベンジ目標となったのである。


唯一のマシはこれくらい


ついでに撮った
ヤマスミレもピン甘だったしィ

後は戻って、《大蛇》や《正木ヶ原》などの東大台周回ルートを一回りして駐車場に戻る。
なお、最後の御出演となったが、我が写真床のお師匠様にて偉大なるお方・・、若き日の『風来茄子マルゥテェツ二世殿下』も御同行されていたのであるが、この時はまだ風雲急告げる下剋上の『阿下喜の誓い』の前で、まだワテの方が殿下に対してふんぞり返っていたのであるが、この山行で殿下は素晴らしい写真床のウデを見せつけ始めたのである。


大蛇嵓から
高低差1000mを見降ろす


大台・中ノ滝も
今の所は遠望のみ

でも、車中泊の疲れも手伝ってか、この程度の山行で派手にバテるほどにお身体が虚弱(帰りにいっときヒュゥヒュウと息絶え絶えに悶えられたので焦ったよ)で、もうしばらくはワテが師匠の地位にふんぞり返れる『写真床史』の重要な分岐点となる山行であった。


馬酔木
『写真床』のウデは”泥酔”レベルだね


シカも目を合わせぬテイタラク

なお、『写真床』とは、『写真家』と呼ばれる写真撮りの底辺・・、即ちワテらの写真のウデのレベルは、写真界の『床』を這いずり回るレベルだ・・という事である。


立ち枯れ木立
正木ヶ原にて







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