2018-02-22 (Thu)✎
路線の思い出 第248回 三江線・川平駅 〔島根県〕
川平駅舎
木造駅舎で古き良き時代の
雰囲気を醸し出している
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’16)
江津~三次 108.1km 46 / 1109
廃止年月日 転換処置
’18/4/1 備北交通・大和観光・邑南町営・石見交通
など区間によって分担
運行本数(’17)
江津~三次 下り2本・上り1本
江津~石見川本 上り1本
江津~浜原 3往復
石見川本~三次 上り1本
浜原~三次 2往復
口羽~三次 1往復
※ 廃止日までの残り2週間は昼間便の浜原~口羽の通し運行を実施した
江津~三次 下り4本・上り3本
江津~石見川本 上り1本
石見川本~三次 上り1本
江津~浜原 1往復
浜原~三次 1往復
川平駅(かわひらえき)は、島根県江津市川平町南川上田ノ原にあるJR西日本・三江線の駅である。
浜原方面に向かって右側に単式1面1線のホームを持つ駅で、駅舎はあるが浜田鉄道管理部管理の無人駅である。 自動券売機等の設備はない。
かつては相対式2面2線であったが、1999年3月に川戸・因原・石見簗瀬の各駅と共に交換設備が撤去されて、使われなくなったホームが残る。 旧ホームには、今なお駅名標が立っている。
この3駅の交換設備一斉撤去によって、浜原までの交換可能駅は石見川本駅のみとなった。
撤去された相対ホーム側の線路
2015年の1日平均乗車人員は7人との事。 なお、1994年度は47人、1984年度は112人だった。
我がホームページ『日本百景』に『三江線・最後の四季』という旅行記を乗せるべく、路線廃止が間近に近づく三江線に通っているが、三江線を運行するJR西日本は、極力営業赤字の発生を防ぎたいのか、度々運休処置を取るのである。
いつも路線のどこかが運休で
撮り鉄計画が捗らなかったよ
川平~川戸 にて
そして、その運休処置は、決まってワテが訪れた時に被さるのである。 それは夏に訪ねた時は、2日の旅程の内の初日に「線路内に倒木があった為」に、三次~江津が半日運休となって石見都賀での初日を撮り損ね、2日間で沿線2ヶ所のみの撮影に終わってしまった。
次に訪ねた時も、午後の半日が夏と同じく「線路内に倒木があった為」に運休となって、今回取り上げる川平や千金での撮影がポシャってしまったのである。 運休で撮れなかったモノを取り返す為に訪れたのが、今回の『冬の巻』なのである。
だが、『鉄』を自負する方ならご存知の如く、「大雪の為に」三次~石見川本が長期運休に突入していたのである。 恐らく、運営元のJR西日本は、雪が自然に解けて温かくなる3月に入るまで運休する腹つもりなのだろう。 だが、これによって、三江線の南線区間の長谷、粟屋、式敷が撮りそびれたままとなっているのである。 予定では、紅葉と撮るつもりだったのに。(涙)
香淀では樹齢500年の
大銀杏を訪ねてみた
このままでは、この旅行記は『最後の四季』と称しながら、四季の内容に乏しいまま廃線を迎えてしまう危機に瀕しているのである。 その苦肉の策として、周りの情景を訪ねて撮っていく事にしたのである。
まぁ、撮り残しは運行が再開次第に訪ねて、撮り埋めていこうと思っているのだが。
・・で、今回は、辛うじて運行していた石見川本~江津で、撮り残しの川平~千金の『風景鉄道』情景を撮って、先程も述べた通りに周囲の景観を絡めていく事にしたのである。 その川平駅の周囲にある景勝地や名所を地図で探すと、建設中のダム完成後に半分が水没してしまう『岩瀧寺ノ滝』と、幽谷に7つの滝を抱く『権現滝』、そして森の中の秘湯・上津井温泉があったので、コレらを訪ねてみる事にした。
車輌の運用が着かず・・の運休で
撮影チャンスは2日の旅程で僅か3便のみ
上述のように石見川本~江津のみの運行で、しかも車両運用の目途が着かない為に、8時台の上り便と16時台の下り便が運休の4往復の運行だったので、撮れるのは昼13時の下り1本と14~15時台の上下の計3本のみで、13時の1本を撮ると2時間近くの空きができるのである。
なので、この2時間の空きで『岩瀧寺ノ滝』を訪ねる。 滝のアプローチや滝の情景は、前回に掲載した記事の『日本の滝を訪ねて 第153回 岩瀧寺ノ滝』を見て頂く事にして、滝写真の掲載だけに留めたいと思う。
御覧の通り”いい滝”です
この滝を訪ねて戻ってくると、15時前の上り便を撮るのにほど良い時間となっているのである。
そして、「『大雪で運休』が嘘だな・・」と思える位に柔らかく暖かい斜陽が、川の畔の狭い寒村を暖かく照らす絶好の撮影シーンとなってきたのである。
下にあるードレールを気にするあまり・・
下が切れかけになっちまったよ
でも、「欲張る乞食は何とやら・・」で、下に入るガードレールを除こうと無理なアングルを採った結果、下が切れかけの駄作となっちまったよ。 追い撃ちは線路が斜陽に光ってまずまずの出来となったが。
振り返っての『追い撃ち』は
レールに斜陽が当たってまずまずのデキ
折り返しの上り便は、先程の追い撃ちで撮った方からやってくるので、柔らかい日差しを受けてやってくる”絶好の撮影チャンス”となるのである。 でも、ワテ、中途半端にプレッシャーに弱いの。
・・で、『一番星』を狙ったものの、良いのか悪いのか解らん微妙なデキが仕上がったよ。
少しアングルがナナメったよ
プレッシャーに弱いワテ
アップにすると斜陽に光っていたレールが影って
良いのか悪いのか解らんデキに
先程も述べたように車両運用の目途が着かない為、明日の朝の一本が運休となるので、2日行程の小旅行では、実質的にはコレが最後の撮り鉄機会となってしまうのである。
地区の公民館を使った秘湯・上津井温泉
なので夕方は、森の秘湯にひと風呂浴びにゆくとしよう。 この森の秘湯『上津井温泉』は、川平駅から『松川橋』で江ノ川を渡って、すぐに分岐する町道を奥に入っていった所に湧く秘湯である。
素朴な看板を掲げる
秘湯・『森の銀座』
温泉はこの地区の公民館みたいな所でやっていて、その『森の銀座』との案内看板は真に素朴で期待感満点なのである。 そして、高台にある温泉へは、車では底を擦りかねない急坂で、レンタカーを借りている身の上では、下の駐車場に止めて歩いて坂を昇って行った方が無難だろう。
温泉分析表も秘湯の雰囲気満点だ
※ グーグル画像を拝借
茶褐色の濃い冷鉱泉の上津井温泉
※ 江津市の観光ウォブサイトより
温泉は冷鉱泉で、泉質は含二酸化炭素ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉(低張性中性冷鉱泉)で、素では茶褐色の色を成すかなり濃度の濃い鉱泉である。
ほのぼのとアットホームな
雰囲気の秘湯を訪ねて
※ 江津市の観光ウォブサイトより
上の分析表は解り辛いので
脱衣場にあった分析表おば・・
※ 江津市の観光ウォブサイトより
山里の公民館の小さな温泉だったよ
※ 江津市の観光ウォブサイトより
また、この温泉は土日の午後のみの営業で、風呂上がりには休憩室で茶菓子が振る舞われるなど、真に『森の銀座』なのである。 この温泉に出会えた事で、『三江線・最後の四季』ではいい旅行記が書けそうである。
翌日の2日目は、朝の撮り時の列車が運休となっているし、天気も崩れ気味だったし、無理やりいった権現滝で道に迷って辿り着けず終いとなったし、三次への帰りは道路が冠雪する程の雪となって散々だったし・・で、何の戦果ナシに終わってしまったよ。
・・で、3月に、5度目の三江線撮影小旅行の計画を立てているのである。
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No title * by 風来梨
tomさん、こんばんは。
三江線は私の住む関西圏からだと、週末土日で行けるのですよね。 かつて私も、九州の廃止線が北海道と廃止日が被って、苦渋の決断で北海道を取った思い出があります。(爆)
でも、三江線が名目上「大雪の為」(事実は経費削減の為)運休になる事は、木次線の備後落合~出雲横田が除雪もされずに春まで運休してる事で気づくべきでしたね。
『三江線最後の四季』の冬がピンチです。(笑)
三江線は私の住む関西圏からだと、週末土日で行けるのですよね。 かつて私も、九州の廃止線が北海道と廃止日が被って、苦渋の決断で北海道を取った思い出があります。(爆)
でも、三江線が名目上「大雪の為」(事実は経費削減の為)運休になる事は、木次線の備後落合~出雲横田が除雪もされずに春まで運休してる事で気づくべきでしたね。
『三江線最後の四季』の冬がピンチです。(笑)
No title * by 鳳山
三江線、なくなってしまうんですね。絶景を見られなくなると思うと寂しいです。
ナイス
ナイス
No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
中国地方の大河・江ノ川に沿ってゆく日本でも指折りの絶景を魅せてくれる路線でした。 四季折々の情景・・、でも最も素晴らしいのは桜の季節でした。
でも、その桜の花が咲き競う4月を待たずに廃止されようとしてます。 昔と比べて世知辛くなりましたね。
中国地方の大河・江ノ川に沿ってゆく日本でも指折りの絶景を魅せてくれる路線でした。 四季折々の情景・・、でも最も素晴らしいのは桜の季節でした。
でも、その桜の花が咲き競う4月を待たずに廃止されようとしてます。 昔と比べて世知辛くなりましたね。
活動しておられますね。9枚目がいいです。レールの間に草が生えていて遠くに車が見えるのも遠近感があっていいと思います。7枚目もレールとつながっていない所にDCが見えるのがいいですね。
もう行けません!遠くから無事の運行終了を見守りたいと思います。