風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第319回  名寄・智東(宗谷ラッセル)

『日本百景』 冬  第319回  名寄・智東(宗谷ラッセル)  〔北海道〕


道具を使ってパソコンで画像をイジって
『完璧なモノ』を仕上げるより
撮ること自体に楽しみを覚えたから
『宗谷ラッセル』を撮りに足しげく通っている

美しい情景と共に北の大地を行き交ったローカル線が廃止淘汰され、普通列車も削減につぐ削減でジリ貧となり、災害路線の復旧もほとんどが“手付かず”のまま放置された北の鉄道路線。 そして、夜行列車は全て打ち切られ、どのような切符を使っても限られた旅の日程内に道内をめぐる旅をするのが不可能になりつつある北の鉄道路線。

それは道路交通網の充実や、渡道における航空機業界の充実したサービス、空港から直でレンタカーが用意されて・・、しかも鉄道で来るより“早くて安くて便利”とくれば、鉄道は太刀打ちできずに客離れに歯止めがかからぬのも当然の成り行きだろう。 こうして鉄道経営が行きづまり、さらなる廃止・減便の緊縮策を取る『負のスパイラル』に陥っているのである。 まぁ、これは、JRの分割民営化の時から危惧されていた「解りきった」事だったのであるが・・。

そんな魅力あふれる『鉄道旅』というジャンルを「採算が合わないから」と捨て去って、中途半端な都市間高速輸送に入れ込んだ結果、更なる赤字と客離れを起こしているのである。 そういった「見通し真っ暗」な北の鉄道において、唯一鉄道旅をする目的として新たに加わったジャンルが、豪快に雪を跳ね飛ばす宗谷本線の定期ラッセル列車の追っかけ撮影旅である。


名寄・智東の
『宗谷ラッセル』撮影地・地図

この『撮り鉄』という一部の限られたジャンルではあるが、確実に内地に住む旅客を北海道に来させているのだ。 残念ながら、その旅客の増加がJR北海道に潤いをもたらすか・・といえば、現状では「ほとんどない」と言っていいのだが、それでも鉄道を求めてやって来る旅行客が毎年増えつつある「可能性のあるパイ」であるのも事実だ。


『宗谷ラッセル』はJR北海道に増収を
もたらす数少ない『可能性』なのかも

そう、この『宗谷ラッセル』は、これからのやり方次第では増収に結びつく『可能性』を秘めた、「見通し真っ暗」な北の鉄道においての旅人を鉄道に呼び込む『優良株』なのである。 その『宗谷ラッセル』は、旅人が行動可能な昼間時に定期運行され、しかも稚内から名寄と旭川から名寄までの2系統で運行されているので、『撮り鉄』達は沿線各地に散らばって『宗谷ラッセル』に狙いを定めるのである。


それは魅力を失って久しい鉄道に
「冬の風物詩」として注目が集まる事だから

だから、恐らく・・ではあるが、『宗谷ラッセル』を狙って宗谷本線上に張りつく『撮り鉄』は、日に500~1000人は下らないのである。 でも、赤字経営を非難されて気持ちが萎えきっているJR北海道は、こんな旅客収入アップの『優良株』も、「運行の妨げとなる」と全くもって歓迎していないようだ。


だがJR北海道は
コレをチャンスと捉える
発想はないようだ

これは、『撮り鉄』と言われる者の日頃の撮影行動がデジタルカメラとなってからは特に劣悪となって、テメエが満足のいく画像を撮りたいが為に鉄道利用の乗客を怒鳴って追い散らしたり、列車の運行妨害という犯罪を犯す奴が頻発する側面もあるのだが。 まぁ、デカイ三脚に巨大望遠を着けたカメラを数台構える奴や、脚立を持ち込む奴などはその予備軍といっていいだろう。


巨大三脚に超望遠レンズを着けた
カメラを何台も据え付けなくとも
手持ちでコレだけ撮れるのに・・

なぜなら、『撮り鉄』するのに一人で何台ものカメラを構える必要性は皆無だし、脚立などで他の参入者の足場を過剰に奪う行為は、必然と揉め事になってしまいかねないのである。 また、パソコンで画像をイジる事ができて、しかも失敗がないし失敗の後が残らないデジタルは、撮影に臨んでの創意工夫の目を奪いさる気づかぬ『負の面』があるのだ。 


周りを見て考える能力が枯渇すると
周囲の美しい情景も目に入らなくなる

創意工夫や考える事をなくすデジタルという機構は、確実に大切な人間としての『能力』を枯渇させていっているのである。 それが、脚立という安易に場所を占領する「自分さえ良ければ」的な短絡的な発想であり、微妙にアングルやレンズを変えたカメラ数台を巨大三脚に据え付ける・・、これまた「自分が満たされれば他人のスペースなど知ったこっちゃない」という、周囲に気を配る心が枯渇している証拠なのだ。


2度目はハネを広げてくれた

だから、こういう奴らに近寄る時は注意せねばならないだろう。 例え先に来ていたとしても、後から周りを巨大望遠を着けたカメラを数台並べた巨大三脚の連中に囲まれると、身動きが取れなくなってしまうのである。 そう、気を休める為に場所から離れる事も難しいのだ。


こういう“キレる”奴らに近づかない事が
楽しく『撮り鉄』する秘訣だ

それは、移動する際にこういった巨大三脚の脚に触れると、こういった奴らはキレてくるからである。
それは、「デジタルによって、全ての能力を失った成れの果て」とも云える醜態を晒してくるのである。


別に今回上手くいかなくても
次のチャレンジを夢見れたらいいじゃない

まぁ、ワテは、『宗谷ラッセル』は撮りたいが、自分の能力を失う事は耐えがたい苦痛なので、敢えて手持ちでこういう奴らに近寄らないよう・・、そして手持ちでも撮れる程度の中望遠のレンズを駆使して撮っている。 だから、ワテのは「迫力といった観点からは程遠いな」っていうデキがほとんどであるが、それでも撮ってて楽しいので、ここ2~3年は毎年通っているのである。


広範囲に撮影地が潜む『宗谷ラッセル』
次はどこで狙おうか





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No title * by オータ
しばらくでした… 宗谷・石北・根室本線(釧路以遠)は 基本的に残す路線と、ワーキンググループが答申しています
以前、いろいろ申しましたが、元に返れば そうあって欲しいと思います。

このラッセルの奮闘は、確かに 一般人には ほとんど知られていないコトですね。

No title * by 風来梨
オータさん、こんにちは。

ただ、このワーキンググループは、重要な「どのようにして残すのか?」「どう維持していくのか?」を明言してないから・・。 JR北海道は手を引きたがってるし、地方自治体も「首が回らない」状態ですし・・。

やはり、最も安定的に維持できるのは、『再国有化』ではないかと思いますね。

ラッセルは、ユースホステルや撮り鉄雑誌のウェブサイトで少しづつ広まっていってるようです。

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No title

しばらくでした… 宗谷・石北・根室本線(釧路以遠)は 基本的に残す路線と、ワーキンググループが答申しています
以前、いろいろ申しましたが、元に返れば そうあって欲しいと思います。

このラッセルの奮闘は、確かに 一般人には ほとんど知られていないコトですね。
2018-02-12 * オータ [ 編集 ]

No title

オータさん、こんにちは。

ただ、このワーキンググループは、重要な「どのようにして残すのか?」「どう維持していくのか?」を明言してないから・・。 JR北海道は手を引きたがってるし、地方自治体も「首が回らない」状態ですし・・。

やはり、最も安定的に維持できるのは、『再国有化』ではないかと思いますね。

ラッセルは、ユースホステルや撮り鉄雑誌のウェブサイトで少しづつ広まっていってるようです。
2018-02-14 * 風来梨 [ 編集 ]