2018-01-28 (Sun)✎
路線の思い出 第243回 石北本線・金華駅 〔北海道〕
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83)
新旭川~網走 234.0km 2916 / 446
運行本数(’18)
旭川~網走 特急4往復(内 2往復は札幌直通)
旭川~北見 特別快速〔きたみ〕 1往復
旭川~上川 下り8本、上り7本(旭川~東旭川・当麻・伊香牛に区間運行3~4本あり)
上川~遠軽 1往復、白滝~遠軽 1往復
遠軽~北見 上下各4本(遠軽~生田原、留辺蘂~北見など区間運行 上下とも2~3本あり)
網走~北見 上下各9本
金華駅(かねはなえき)は、北海道北見市留辺蘂町金華にあったJR北海道・石北本線の駅(廃駅)である。 2016年(平成28年)3月26日に、利用者皆無により旅客営業が廃止され信号場となった。
廃止時点まで交換設備を有する駅であった。 旅客駅当時は単式・島式ホーム2面2線の複合ホームで、ホーム間の線路は両方と接するが、島式ホーム側は崩されており乗降は行わなかった。
2番ホームへは構内踏切を渡っていた。 北見駅管理の無人駅であり、トイレはなかった。
1995年3月16日のダイヤ改正で普通列車を削減・統合した際に特別快速「きたみ」の停車駅となり、そのまま旅客扱い廃止まで停車駅であった。 また、2000年(平成12年)に留辺蘂町(現在は北見市に編入)の要望により、金華駅と留辺蘂駅の間に西留辺蘂駅が開業する。
だが、開業した西留辺蘂駅は簡易ホームが設置されただけの駅で、列車折り返しに必要な交換設備が設けられなかった為に、当時はすでに利用客がほとんどなかった金華駅まで運行される列車が設定された。
これは交換設備のある金華駅で、折り返し列車を仕立てる為である。
2016年3月26日の駅廃止後、金華駅発着の北見・網走方面の列車は西留辺蘂駅発着となったが、運用は金華駅の廃止以前と同じく、西留辺蘂駅から信号所となった金華までの区間を回送運転して折り返している。
なお、信号所となってからも配線構造は変わる事なく、2線を有する単線行き違い型信号場となっている。 列車の折り返しが可能な構造であり、前述の如く西留辺蘂駅終着の列車は同駅から当信号場まで回送され、再び西留辺蘂駅まで回送されて西留辺蘂駅始発列車となる。 また、構内には他に側線があり、工事用車両が留置される事がある。
常紋信号所をゆく石北線普通列車
常紋信号場(じょうもんしんごうじょう)は、北海道北見市留辺蘂町金華にあったJR北海道・石北本線の信号場である。 生田原駅から約10.3 kmの地点にあった信号場で、急勾配での発進ができない列車の為に設置された全国的にも珍しいスイッチバック方式の配線で、側線が3本(網走方から見て本線の左側に2本、右側に1本)存在した。 分岐器部分は巨大なスノーシェルターに覆われていた。
石北本線で蒸気機関車の重連運転が見られた当時は、鉄道撮影を目的とする鉄道ファンから注目される存在となり、蒸気機関車の淘汰が始まった1970年代には、撮り鉄目的の鉄道ファンが同信号場を訪れるようになった。 この為、1950年代より1975年頃まで仮乗降場扱いで客扱いを行っていた。 蒸気機関車が全廃された後もタマネギ貨物列車の撮影に、鉄道ファンが当信号場に通じる狭い山道を車で訪れていた。
常紋信号所付近は勾配カーブが続く
『撮り鉄の聖地』であった
2001年7月1日のダイヤ改正で交換設備の使用が停止され、当信号場における列車交換がなくなったが、その後も閉塞区間の境界として同信号所は存続し、本線に設置されている信号機も引き続き動作していたが、2017年3月4日のダイヤ改正で完全に廃止された。
『タコ部屋労働』や『人柱の怪奇伝説』のある常紋トンネルに近い事もあり、常紋駅として営業されていた時期は、当直の鉄道員の間で霊現象の目撃談が多くあった・・との事である。
『撮り鉄の聖地』にて
普段は無視する特急を撮る程に興奮したよ
『鉄』(特に『撮り鉄』)なら御存知の常紋トンネルと信号所だが、有名な『撮り鉄の聖地』とはいえ、まさか・・行けるとは思わなんだよ、真冬に。 この冬の北海道の『風景探勝&風景鉄道撮影旅』で、旅程前半に道東の春国岱や温音沼をめぐってから、旅程後半の『宗谷ラッセル』を仕留めるべくの「移動経路」として、石北ルートを通ったのである。
まぁ、せっかく石北ルートを通るのだから、「廃止になった金華駅を見学しに立ち寄って、そのついでに金華駅で折り返しの列車でも撮れればラッキー」という、軽い気持ちで車を勧めたのである。
道東でほとんどなかった雪は釧網本線の川湯を境に網走管内に入れば入る程深くなり、期待していた斜里岳と釧網本線は見事に『坊主』だったよ。 でも、気温は何故か、道東の方が下がったんだよね。
特に最低気温が・・。 まぁ、下がったといっても、最大でも温音沼の夜明け時の氷点下10℃だったけど。 網走管内は下がっても氷点下6℃止まりだったし。 日中なんぞは±0℃と、雪崩や雪の崩落さえ懸念される気温となってたし。
・・で、斜里岳の麓から国道334号で網走をショートカットして北見・留辺蘂に着いたのが昼前であった。 気温は高くても雪があるので路面は凍っていて、道東よりはズル滑りするよ。
まぁ、ここ7~8年連続で冬に北海道を訪れてはレンタカーで走り回っているので、この程度なら「手慣れたモノ」となっていたのであるが。 顕著にズル滑りしたのは「道路を車で」ではなく、用を足そうと留辺蘂駅に立ち寄った際に、駅の玄関の凍って盛り上がった床面で「足がズル滑り」して転びかけた事であるのは藪の中に。
まぁ、下らないネタは置いといて、国道39号と242号の分岐にあって留辺蘂の集落の外れに設置された新駅・西留辺蘂を見やってから、分岐を国道242号線方へ入る。 この西留辺蘂駅は駅紹介でも記したように、信号所となった金華駅の存在意義そのもの・・といった駅である。 この駅のお陰で、金華駅は廃駅となっても駅舎が取っ払われなくて済んだのだから。
『熊出没中』
国道沿いでもあるのだから
山奥の常紋にも当然の如くあったよ
国道242号に入るとすぐに民家は皆無となり、民家の代わりに「シカ注意!」、「クマ出没!」の『アニマル警告』看板がでてくる。 そんな山中の民家の見当たらない所に、何と横断歩道のゼブラが描かれている三叉路があった。 この三叉路に入ると50m程で金華駅跡に着く。
駅は廃止になったけど
何軒かは民家があるみたい
駅跡に着いた時はちょうど特快〔きたみ〕が特急待ちの退避で停車していたが、思ったより山深くなくてイメージが湧かなくて駄作しか撮れなんだよ。 今回は掲載枚数が多いので、この特快〔きたみ〕は掲載見送りネ。
デンと止められた車をかわして撮ったので
全部撮りきれなかったよ
特快〔きたみ〕は仕留め損ねたが、取り敢えず駅訪問した足跡に駅舎を撮ろうとしたが、保線区作業員の車が駅舎前にデンと止められて、これをかわして撮るとファーストコンタクトは窮屈な写真となっちまったよ。 ちなみに営業駅当時はトイレが無かったようだが、信号所になって駅舎が保線区作業員の詰所となってからは、作業員の為にトイレが置かれているようである。
保線作業員の車が帰った後に撮った駅舎全景
トイレが設置されてますね
取り敢えず駅の周辺を見渡すが、イメージと違って広く開けた直線区間で、ちょっと写欲が湧かない内容だったので「金華での『撮り鉄』は見送って、層雲峡でもいくか・・(西留辺蘂に戻って国道39号に入り直すと石北峠を経て層雲峡に行ける)」と、車を転回して国道に戻る。
こんな感じの開けた直線区間で
どうもイメージが湧いてこなかった
でも、「せっかくここまできたのだから」という未練がましい気持ちがもたげてきて、「石北本線のレールが見えるかもしれないのでちょっとだけ」と遠軽方向へ車を走らせる。 すると、『常紋方面⇒入口』という看板が見えてきて、林道が分かれていた。
コレを見つけて
萎れていた気持ちが持ち直したよ
この林道の路面は何とか車が入れるの雪の状況だったので、「行ける所までいけ~!」と入ってみる。
この道は間に谷を挟んで石北線のレールと並行し、かなり訪れる前に妄想した『撮り鉄』のイメージに合ってきたのである。 だが、付近に車を止める所などなく、森も深くてちょっと『撮り鉄』は難しそうであった。
こうなれば、「車を停めれる道幅の広がった所で強制的に撮るか!」と、撮影適地より車を停めて転回できそうな所を探し求めて林道を奥に入っていく。 だが、最後まで道幅の広がった『駐車適地』は現れずに道の突き当りに至ったのだが、その「林道の突き当り」が最高のシュチュエーションだったのである。
それは、この「林道の突き当り」こそが、かの有名な常紋信号所だったのである。
まさか・・ 真冬にここまで入れるとは
もしかして『撮り鉄』の為の道?
だとしたら「撮り鉄の一念」恐るべし
もちろん、鉄道施設の前と言う事で転車可能・・というか駐車場のような広いスペースとなっていて、前には信号所の巨大シェルターが建ち構えていたのである。 でも、有名なスイッチバックの側線は取っ払われていて、巨大なシェルター内は砂利敷きの荒地と化していた。
でも、線路が敷いてあったであろう側線跡は雪に埋もれ、これをラッセルして本線のレールに近づくと、高台から本線カーブを見下ろす絶好の撮影場所だったのである。 恐らく、蒸気機関車を狙った『撮り鉄』が熱中したのと同じアングルなのだろうと想う。
”『撮り鉄』が熱中したのと同じアングル”
に興奮して少しブレたよ
いやぁ・・ カーブは稚拙なウデで
撮っても絵になりますね
・・で、この場所からカーブをやってくる昼過ぎの普通列車を狙う。 この時点で、「お気軽に撮れればいいや・・」という考えは消し飛び、本気『撮り鉄』モードになっていたよ。
183系特急型気動車には
ここでコレが非貫通型のヤツなら
アクセス数がうなぎ上りだったかも
なので、日頃は撮る予定すら立てない特急も狙う事にしたよ。
それでは、その時の拙いモノおば・・、ごろうじろ。
前の枝は邪魔だけど
こういうの・・いいネ
キメの3連発はキハ40の単行
いい感じで撮れた・・かな?
締めの『一番星』はコレかな?
また一つ
北海道・冬の『撮り鉄』で
立ち寄る所が増えたよ
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No title * by 鳳山
北海道の鉄道は古き良き時代の鉄道という気がしますね。熊は怖いですが(笑)。
ナイス
ナイス
No title * by 風来梨
宮越とまとさん、こんばんは。
「まさか!冬に」行くことができた常紋信号場ですが、想像に反して明るく広くて見張らしも良好でした。 そして、携帯電話で最もダメな『柔らかい銀行』でも、常紋で「よいお年を」コールをもらえました。 アンテナ1~2本立ってましたし。
また、捕りに行ってみたいですね。
「まさか!冬に」行くことができた常紋信号場ですが、想像に反して明るく広くて見張らしも良好でした。 そして、携帯電話で最もダメな『柔らかい銀行』でも、常紋で「よいお年を」コールをもらえました。 アンテナ1~2本立ってましたし。
また、捕りに行ってみたいですね。
No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
この常紋信号場は蒸気機関車時代は撮り鉄の『聖地』で、かつてはその『撮り鉄』の為だけに駅まで設けられた位です。
そして、もうひとつ有名なのが、トンネル建設にまつわる『タコ部屋労働』とトンネルの壁面から人骨が出た『人柱伝奇』ですね。
このように、ここには鉄道の絡む伝説がたくさんありますね。
この常紋信号場は蒸気機関車時代は撮り鉄の『聖地』で、かつてはその『撮り鉄』の為だけに駅まで設けられた位です。
そして、もうひとつ有名なのが、トンネル建設にまつわる『タコ部屋労働』とトンネルの壁面から人骨が出た『人柱伝奇』ですね。
このように、ここには鉄道の絡む伝説がたくさんありますね。
金華と西留辺蘂の関係、そうなのですね。知りませんでした。金華には、夏・秋・冬に訪れました。冬はとても寒かった記憶があります。(まあ何時間も居座るからですが(笑)常紋は行った事が無いですが、色んな意味で意識していくと怖く感じます。