2018-01-23 (Tue)✎
『日本百景』 冬 第316回 ”神話の里”の滝めぐり・その1 行縢ノ滝 〔宮崎県〕
天から続く一枚岩盤に
落水の枝垂れ模様がアートを描き
高千穂の里 たかちほのさと (祖母傾国定公園)
“神話の里”・『高千穂』は、見どころいっぱいの所だ。 《国見ヶ丘》より望む祖母山地と朝霧に包まれた高千穂の街灯り、名勝で神話の中心となる《天安河原》、神楽を今も伝える《天岩戸神社》と《高千穂神社》、東洋一高い路線橋といわれる高千穂鉄道の《高千穂橋梁》、そしてこの項目の中心となる柱状摂理のスペクタクル・《高千穂峡》と、様々な景勝地がある。 正に、天孫降臨の里である。
“神話の里”・『高千穂』は、見どころいっぱいの所だ。 《国見ヶ丘》より望む祖母山地と朝霧に包まれた高千穂の街灯り、名勝で神話の中心となる《天安河原》、神楽を今も伝える《天岩戸神社》と《高千穂神社》、東洋一高い路線橋といわれる高千穂鉄道の《高千穂橋梁》、そしてこの項目の中心となる柱状摂理のスペクタクル・《高千穂峡》と、様々な景勝地がある。 正に、天孫降臨の里である。
ここは、じっくりと時間をかけてめぐりたい所である。
行縢ノ滝 周辺図
行程表
延岡市街より車(0:40)→行縢神社駐車場
延岡市街より車(0:40)→行縢神社駐車場
駐車場より徒歩で行縢山登山道を30~40分(約1km)登ると行縢ノ滝
“神話の里”《高千穂》には、景勝地として全国的に名を馳せた《真名井ノ滝》の他にも、名は知られてはいないが素晴らしき名瀑が数多くひそんでいる。 これらの滝々は、天から降臨される神話の神々の秘密の通り道なのであろうか。
そう・・、天高くから掛ける滝の白布によって、天上界と地上を結んでいるかの如く・・である。
この項目では、神話の神々の“通り道”である美しい滝々を訪ねる旅をしてみよう。
この項目では、神話の神々の“通り道”である美しい滝々を訪ねる旅をしてみよう。
”神話の里”の滝めぐりの最初は
『百名滝』にも指定された行縢ノ滝
この項目では4つの滝を訪ねて周るのだが、4つの滝の全てが異なる行政区に存在するのである。
つまり、全てバラバラの位置にある・・という事だ。 従って、この行程を進めるにあたって車は必需品であるし、また想像以上に所要時間がかかるのである。 この事から、出発点となる延岡市街は夜明け前には発つ事が望ましいだろう。 それでは、4つの滝を一つづつ御紹介していこう。
延岡市街を夜明け前に出て、通称『神話街道』の国道218号線を北上していく。 途中、台風災害による橋梁流失などの甚大な被害で廃線となった高千穂鉄道の《細見駅》跡付近の交差点より、国道から離れて《行縢山登山道》方面へ入っていく。
古代の乗馬用の鎧”行縢”の如く・・の
山容からこの名が着いた行縢山
※ ウィキペディア画像を拝借
道は4m道路で舗装はされているが、途中に枝分かれ道が多くあって紛らわしい。 だが、概ね道なりに進んでいくと道を違える事はないだろう。
恐らく空は明るくなり、前面には奇怪な様相を示す行縢山 830メートル がそそり立っている事だろう。 その裾に向かって突っ込んでいくような感じで突き進んでいくと、この道の最奥集落である《行縢》集落を過ぎて《行縢山登山口》のバス停、そして《行縢神社》へと到達する。
花崗岩からなる白く厳つい山と
荘厳な滝を御神体にした行縢神社
※ 延岡観光協会のウェブページより
道は更に1度のつづら折りを経て標高差50m位を稼いだ高台まで続いており、この道の終点が登山口となる。 なお、駐車スペースは5台程度と手狭である。 ちなみに、先程の《行縢神社》前にも20台は駐車できる駐車場があり、こちらからも神社経由で登山道が延びている。
これよりこの《行縢山登山道》を約30~40分ほど登った所に、目指す名瀑《行縢ノ滝》がある。
僅か30~40分ではあるが登山道を登る・・という事で、遅くとも朝の7時前には登山道入口の前に立っていたいものである。 また、この滝は登山行動を伴うので、靴はある程度しっかりしたものが必要となるだろう。
僅か30~40分ではあるが登山道を登る・・という事で、遅くとも朝の7時前には登山道入口の前に立っていたいものである。 また、この滝は登山行動を伴うので、靴はある程度しっかりしたものが必要となるだろう。
朝の光に染まる
行縢山の支峰
登山道は明確で判り易いものの、かなり大きな尖った花崗岩がゴロゴロしていて、転びでもしたら大怪我をしかねないので歩行には十分注意して頂きたい。 登山口よりひと登りで神社からの登路と合流し、そこから20分ほど登ると吊橋が見えてくる。 周囲は一枚岩盤で形成される行縢山の支峰群に囲まれ、その奥にその一枚岩盤の裂け目から滔々と白布を掛ける滝が望める事だろう。 これが『日本の滝100選』にも名を連ねる名瀑《行縢ノ滝》である。
吊橋を渡るといよいよ
《行縢ノ滝》が姿を現す
しかし、滝が見え始めてからがひと苦労である。 ここから登山道の傾斜はキツくなっていき、遠めに見える滝の釜まで標高差にして150mは登っていかねばならない。 苦労の度合からいうと、吊橋の地点が『滝までのちょうど五合目』って所だろうか。 まぁ、登山コースの難度から言えば、『超初心者コース』なのであるが。
しかし、日頃の鍛え方如何では、身体が悲鳴を上げているかもしれない。 この少々キツい登りをつめていくと、行縢山の山頂への道との分岐に出て、この分岐を左手に進むと程なく《行縢ノ滝》の滝釜の下に出る。
巨大な一枚岩盤が艶かしい
その滝釜の前から見上げる《行縢ノ滝》は圧巻だ。 垂直の一枚岩盤を、枝垂れるように落水模様を描く滝絵巻。 見かけでなく、真に一枚岩盤なのだ。
左の峰から少しづつ
陽の光が照らし始めた
時が経つにつれて、朝の陽光がその一枚岩盤を少しづつ明るく照らしていく。 落水と陽の光が交わると七色に輝く虹となる。 そして、落水の枝垂れた玉滴が輝く宝石となる。 そうなるまでのひとときを滝前で気長に待とう。
待つ事一時間半
滝の落ち口の玉滴が
陽の光を浴びて輝きだした
滝の一枚看板まで到達した朝の光は、徐々にその巨大な一枚岩盤を照らし始める。 ゆっくり、ゆっくりと・・、ともすればわざと“焦らし”の演出をあがなうが如く。
朝の光が巨大な一枚岩盤を
少しづつ輝かせて
まるで、少しづつ幕が上がっていくステージの開演のように。 魅せられる者の「光が当たるとどう輝くのか」という期待を一身に請け負って、ゆっくりとゆっくりと輝き始める。
一枚岩盤というキャンパスの下部に
木陰が映しだされて
このステージが一段落つく頃には、陽の光も随分と高くなっている事だろう。 ワテの訪れた冬で、午前9時過ぎであった。 朝の光がおりなすステージを最後まで見届けたなら、往路を戻って次の滝へ向かう事にしよう。
艶かしい一枚岩盤が
光を浴びて更に艶やかとなる
なお、素晴らしい滝絵巻に興奮覚めやらぬ事だとは思うが、帰りもゴロゴロと尖った花崗岩が転がる不安定な道であるので、十分気を引き締めて下山して頂きたい。
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No title * by 散位 アナリスト杢兵衛
素晴らしいですね。
No title * by 風来梨
散位 アナリスト杢兵衛さん、こんにちは。
それはもう、言葉で形容できないほどに魅せられる滝ですね。 一枚岩盤に陽の光りが当たって、影模様を映し出す様を2時間位見ていました。 そのアートに、寒さを忘れて見入ってました。
それはもう、言葉で形容できないほどに魅せられる滝ですね。 一枚岩盤に陽の光りが当たって、影模様を映し出す様を2時間位見ていました。 そのアートに、寒さを忘れて見入ってました。
No title * by 鳳山
圧巻ですね。こんなすごい滝が日本にもあったんですね。ギアナ高地のエンジェルフォールみたいですよ。
ナイス
ナイス
No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
島国の日本は急峻な地形が多く、滝に恵まれた美し国なんですね。 だから、日本各地に行縢ノ滝のような素晴らしい滝がありますね。
これからも、日本各地の素晴らしい滝を訪ねていきたいな・・と思います。
島国の日本は急峻な地形が多く、滝に恵まれた美し国なんですね。 だから、日本各地に行縢ノ滝のような素晴らしい滝がありますね。
これからも、日本各地の素晴らしい滝を訪ねていきたいな・・と思います。